『サイバーパンク』は『ウィッチャー3』からより進化したクエストを用意。アクティビティ情報も【E3 2019】

電撃オンライン
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 米国・ロサンゼルスにて開催されている“Electronic Entertainment Expo 2019(E3 2019)”にて、『サイバーパンク2077』開発者へのインタビューが行われた。

 本作は、マイク・ポンスミスさんによるテーブルトークRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』に基づいて開発された物語主導型のオープンワールドRPG。近未来の巨大都市・ナイトシティを舞台に、新鋭のサイバーパンク“V(ヴィー)”を主人公としての物語が展開する。

 インタビューに応じているのは、リードクエストデザイナー・PAWEL SASKOさん。インタビュー前に行われたプレゼン内容を踏まえて、クエストの作り方や開発内部の状況などについてうかがった。

――クエストデザインとは“プレイヤーに適切なゴールを示すこと”とお聞きしました。『ウィッチャー3』での経験は本作のどのようなところに生きていますか?

 『ウィッチャー3』どころか、我々のチームは『ウィッチャー2』から携わっているため、それらの経験は多分に影響しています。『ウィッチャー3』では分岐する物語とオープンワールドに挑みました。さらに本作『サイバーパンク2077』では分岐するゲームプレイを加えています。それは我々にとって非常にチャレンジなことでした。

 また、『ウィッチャー3』はファンタジーであるため、『サイバーパンク2077』とは設定や背景が根本的に異なります。例えば企業やサイバーウェアなど、サイバーパンクならではの要素をクエストデザインに組み込んでいます。

――固定のキャラを操作するタイプから、プレイヤーごとに作るキャラを操作するタイプになります。これはゲームデザインするうえで大変になっているのではないでしょうか?

 はい。分岐するゲームプレイといっても、『ウィッチャー3』では主人公がゲラルトに固定されていました。それに対して『サイバーパンク2077』はプレイヤーが自由にキャラクターをビルドできるわけです。
 例えばネットランナーとしてキャラクタービルドをするプレイヤーには、ネットランナーとしてクエストを攻略できるよう、さまざまなギミックを用意しなければならない。そこを含めて考慮するようになっています。

――クエストの種類には、具体的にどのようなものがあるのですか?

 クエストデザインは我々がもっとも力をいれているポイントの1つとなります。そのため、どこかに行って、何かをとってくるという、いわゆる“FEDEX”クエストと呼ぶシンプルなものは廃しています。『ウィッチャー』では“血まみれ男爵”に代表されるような、深みのあるクエストをたくさん作ってきました。本作ではプレイヤーのキャラクタービルドのスタイルによって攻略方法が大きく変わってくることも含め、クエストデザインにはさらに深みを持たせているのです。

――あまりにも膨大なクエストを作る際に、どのようなことをチーム内で共有していますか?

 『サイバーパンク2077』においては、メインクエスト、サイドクエスト、マイナークエスト、ストリートストーリーという4つにカテゴリに分類づけました。それぞれチームを分けてクエストを作っています。

 カテゴリーは異なっているのですが、大きな差異があるのではなく、同じ品質で提供しています。例えばサイドクエストからメインクエストにつながっていくような流れがあるとしたら、そこでクエストの“継ぎ目”を意識させたくないのです。

 プレイヤーは1つの大きな世界の中でゲームをプレイしているように感じると思います。ただ、カテゴリをわけることで開発の観点からは楽になるため、そのようにしています。

――素人考えですが、チームをまたぐと開発しにくさも生じるのではないでしょうか?

 確かにクエストデザイナーはたくさんいます。また、クエストは自動生成でなく、すべて手作りです。『ウィッチャー3』で“ウィッチャーの感覚”を誰かが発案した時に、他のデザイナーもそのアイデアを自分のクエストに取り入れようとやっきになりました。

 クエストデザイナーによる情報、経験の共有は会社としても大事にしています。一からすべて作ると時間がかかるのですが、知識の共有があれば既存の知識をベースに骨格を作って、あとは肉付けをしていけばよく、効率が増します。

――『サイバーパンク2077』では複数のグループによる物語が展開します。そちらがクエストデザインに与えることはありますか?

 舞台となるナイトシティは6つの地区にわかれていて、それぞれの地区にギャングが存在します。こちらは、1地区1ギャングとは限りません。それ以外にも異なるレイヤーとして、企業という存在があります。具体的には、アラサカ、ミリテク、カン・タオという勢力です。

 例として、E3 2018のデモにはメイルストロームというギャングが登場していたのですが、デモ内では全員を始末する流れとなった彼らがゲームの別の場所で出てくると、当然ながら敵対心をもって接してきます。

 各ギャングは活動の拠点なるバーを持つことが多いです。今年のE3 2019ブースで再現されたバーは、そのメイルストロームのバーでゲーム内にも登場します。関係が良好だと顔を出してもいいのですが、逆だとどうなるのか……。このように各拠点における印象も変わってきます。

 あとは各勢力を代表するNPCが物語に絡みます。彼らとの接し方によって、ギャングとの関係性が変化することもあるかと。

――『ウィッチャー3』内にあった“グウェント”のようなアクティビティを検討しているとのことでしたが、現状は?

 4つあります。1つ目はハッキングで、2つ目はボクシング。いわゆる拳闘試合のようなもので、拳と拳で戦うものです。

 3つ目は所持する車に乗ってレースに出られます。そして4つ目はシューティングレンジです。このような4つのアクティビティが登場します。

――マルチプレイの進捗について教えてください。

 現在はマルチプレイそのものの研究段階にあります。現状ではここまでしか言えません。

――昨年の発表後のユーザーやメディアの反応を見て、変更したものはありますか?

 大きな反響があったため、もちろん開発にも影響がありました。変えたことは大きく4つあります。車やバイクを初めて作ることもあり、挙動をかなり調整しました。また、銃撃についていろいろな意見があったため、大きく改善しました。他には、全体的にアニメーションがスムーズに見えるように調整しています。

 そして4つ目として“誰も殺さないプレイ”を加えました。これは去年の反響を受けて、もっとも大きく変えたところです。

――昨年の発表時、日本でも大きな反応がありました。日本のユーザーにもっとも見てほしい要素はどこになりますか?

 こちらも4つあります。

 ワトソンと呼ばれる地区は、いわゆるジャパンタウンなので、他の地区と比べるとさまざまな場所に日本の要素が出てきます。また、ナイトシティ全体が、日本の文化が根付いている街になっていて、車や武器などが、その影響を受けています。

 3つ目は、造形など全体的なアートスタイルです。『サイバーパンク』は日本が大きくしたジャンルと考えられているため、全体的な雰囲気には日本の存在が大きく影響しています。

 最後に本作には多数の日本人キャラが登場します。彼らはグローバル版でも日本語でしゃべります。それを“キロシ”というメーカーのインプラントの力で英語に翻訳するような演出が入るのです。
 クエストだけでなく、これらも楽しんでください。

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