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『大神』は神様に感謝したくなる作品。好きな世界観や登場キャラをトーク【綾那のゲームに夢中】

綾那
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 さまざまなゲームを遊び、愛するゲーマー女優である綾那さんのゲームコラム“綾那のゲームに夢中”の連載第33回をお届けします。

 皆さん、ゲームしていますか?

 今回書かせていただくゲームは、カプコンの名作の1つである『大神』。

 見た目は白いオオカミだけど、実はその正体が天照大神な主人公のアマテラス(通称アマ公)。

 これこそ神ゲー。いろいろな意味で神ゲー。それが『大神』です。

 もともとPS2版をプレイしていたのですが、先ほどリマスター版『大神 絶景版』を数年ぶりにクリアしました。興奮冷めやらぬまま、書いていきたいと思います!

入りやすい物語と印象的なグラフィック

 日本には八百万の神様がいると言われています。

 長い年月を経た道具などに神や精霊などが宿り“付喪神”になるとも言われておりますし、日本は他の国よりも神様が身近に感じられる国だと思います。

 古事記とかに興味がない人でも、日の本を作ったイザナミとイザナギ、その子どもであるアマテラス、スサノオ、ツクヨなどの有名な神様ならば聞いたことがあるのではないでしょうか。

 この『大神』は神様だけでなく、古事記や童話、そして歴史上の人物が入り乱れる“和のテーマパーク”のような世界観。

 しかも全体的なタッチは水墨画の絵本みたい! いや、絵巻物と言ったほうがいいでしょうかね?

 独特なタッチは、時が経ってもあせないですね。桜がブワァっと咲き乱れ、春が村を駆けていくかのように桜吹雪が舞うところは、素晴らしい画!

 ゲーム中で何度も見る機会はあるけど、毎回感動してしまうのです!

 この『大神』で斬新なのは、なんといっても筆で模様を書くことで、さまざまな技を発動できるってところ! こんなゲームシステム“筆しらべ”はこれまでに見たことないですし、世界観とめちゃくちゃマッチしていると感じました。


 サッと一本線をひくと“一閃”が発動して物を斬ることができ、枯れ木や水面にサッと丸を書くと“桜花”によって花が咲く。

 それがとってもマーベラス……。

 アマ公が走った後には、草木が生えるのも神々しくてマーベラス。いろいろと細かいところまで“神っている”んですよね。

 この“筆しらべ”はバトルにも使用。神器とともにうまく使って戦っていきます。


 「ガンガン物語を進めるぜー!」と思っていたのに、次の瞬間には魚釣りに没頭していたり、フィールドや村とかにいる動物にエサを与えて回ったり、“ここほれワンワン”で宝探しに勤しんでたり……気付けば寄り道をしていて、『大神』の世界を堪能しちゃうんですよね。

脇役にも語りたいキャラが!

 物語を彩るキャラも外せません。


 おもしろい口調とインパクトでいうなら、ウシワカの右に出るキャラはいません。義経に目がない私としては“ウシワカ”っていうだけでもたまらないのですが、初登場のセリフが「ウシワカ イズ ヒア!」ですからね。心臓鷲掴みにされましたよ(笑)。

 ちょっとだけ、ルー大柴さんみを感じます。そんなおもしろいキャラなのにイケメンなんですよね。ギャップ萌えも兼ね備えてるとか……最強すぎる。

 中盤でキーキャラとなるツヅラオ姉さんもいい! エロガキなイッスンがずっと「ボイン姉」って呼んでるのがまたね(笑)。そう呼ばれると、不思議と意識がそちらの方にいってしまう罠。

 そしてアマ公は、ああ見えてメスにもかかわらず、イッスンと一緒になってボインに口あんぐり開けたりしてるの……カワイイ。

 私が特に思い出深く、脇役だけどすごく印象に残るなーと思ったキャラがいます。

 敵キャラなんですが“疾飛丸”。どこから見ても立派なお札です。でもこのキャラ、本当にいい味だしてるんです! 公式の人気投票でも上位に入っていたほどの人気キャラ。

 アマ公にスピード勝負を挑んでくるんですが、途中からデッドヒートしてお互いによきライバル的な雰囲気に。

 拳で殴りあって心を通わせる的な感じですかね。見た目はお札ですが、中身は熱い奴でした。

 敵の脇キャラでいうと、味美という料理長もいい味を出しております。PS2版でプレイしていた当時は普通に女の子なのかなって思ってましたが……もしかして味美ちゃんってオネエ!?

 敵方にこういった味のあるキャラがいると、どんな強い妖怪が出てくるのかという緊張感の中に、安堵感も生まれるのでありがたい限りです。

 セリフのボイスがちゃんとした言葉でなく、電子音のようなノイズ音というか、ワチャワチャ音なのですが、これも味がありますね。このようなボイスの場合、私的には“より深く物語に没頭できる”気がします。

神様に感謝したくなる作品

 全体的に4頭身くらいのキャラクターでカワイイんですが、敵である妖怪はちゃんと怖いってのもポイント高かったです。

 敷地内に入るだけで包丁持って追いかけてくる舌切りジジとババとか、一番最初に戦うことになるボス妖怪の女郎蜘蛛とか。

 私は女郎蜘蛛との戦闘が何気に一番好きですね。一番最初に戦うことになるボスっていうこともありますが、「筆しらべすごい! 神の力すごい!」って興奮してた覚えがあります。攻略的な部分でも凝ってるなぁと。

 雑魚妖怪でもそうなんですが、どの筆しらべを使えば隙ができるのかを考えるのが楽しいんですよね!

 敵や物の動きをスローにさせる、霧隠の筆技を覚えてからは、そればっか使ってましたが(笑)。

 筆神と出会うのも楽しみの1つでした。どんな技なのかもワクワクしてましたが、どの子も見た目がカワイイのなんのって!

 筆神は十二支がモチーフになっているのですが、その技はなんと13個あるのです。13ですよ! 十二支なのに! 実はネズミに騙されて十二支に入れなかったとされる猫が入ってるんですよー!

 猫好きさんにとってはうれしかったのではないでしょうか?

 ちなみに続編である『大神 ~小さき太陽~』がニンテンドーDSで出ているので、興味が出た人はそちらもオススメします。なんとあのアマ公の子どもであるチビテラスが主人公です。その後のお話なので、前作からのキャラも何人か続投しております。

 DSということもあり、筆しらべがとてもやりやすいです! 特典でついてきた筆型タッチペンをずっと愛用してたなぁ……。

 何度プレイしても、最後の方は必ず合掌して天を仰ぎ、神様に「ありがとう」と感謝の気持ちを言ってしまう。それが『大神』という作品です。

 神様は信仰のうえに存在しているので、人々から忘れ去られてしまうと神ではいられなくなってしまうんですね。古きよき日本の心、八百万の神々と一緒に暮らす我々が忘れてはいけない心を、アマテラスやイッスンが思い出させてくれます。

 さて、今日はこの辺で、ひとまず絵巻物の紐を結うとしますかね。お後は自分の目で……!

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