『聖剣伝説3』はなぜフルリメイクとなったのか。開発陣インタビューで明らかになった変更点とは【電撃PS】

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 1995年にスーパーファミコンで登場した『聖剣伝説3』が完全フルリメイクされて、PlayStation 4、Nintendo Switch、Windows(Steam)で発売される。

 新たに生まれ変わった『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』はどのような作品になるのか? ストーリーやシステム面での変更点は? など、気になるポイントを制作を担当する2人のプロデューサーにうかがっていこう。

フルリメイクされる『聖剣伝説3』

――フルリメイクとなる『聖剣伝説3 TRIALS of MANA(以下、ToM)』ですが、本作におけるお2人のかかわりについて教えてください。

小山田将氏(以下、敬称略):『聖剣伝説』シリーズプロデューサーの小山田将です。今回の『聖剣伝説3ToM』では、リメイク監修をしています。

田付信一氏(以下、敬称略):『聖剣伝説3ToM』プロデューサーの田付信一です。リメイクの方針決定および実際の開発にかかわらせてもらっています!

――今回『聖剣伝説3』が初のフルリメイクに至った経緯を教えてください。

小山田:まず前提として、オリジナルとなるSFC版『聖剣伝説3』の海外展開はありませんでした。2017年に『聖剣伝説3』も収録した『聖剣伝説 COLLECTION』を発売した際、「海外では出ないの?」という声がとても多かったんです。

 そして『聖剣伝説2SoM』のプロモーション中も、その声がもっと大きくなったのを受けて、今回フルリメイクでの『聖剣伝説3ToM』を出す運びとなりました。

田付:『聖剣伝説2SoM』開発中に『聖剣伝説3ToM』の計画も一緒に進めていたんです。同時進行だったこともあり、こちらは自分がプロデューサーを務め、リメイクの方針などを決めていきました。

――サブタイトルの“TRIALS of MANA”とは、どういった意味なのでしょうか?

小山田:『聖剣伝説3』は初めて海外で発売されるということで、石井浩一さんにもご相談のうえ、海外版のタイトルを改めて考えたんです。

 “3”と『聖剣伝説3』ならではのトライアングルストーリー、そして試練という意味のトライアルズをかけて“TRIALS of MANA”というサブタイトルを付けました。

――『聖剣伝説3』をフルリメイクというカタチにしたのはなぜでしょうか?

小山田:25年を経ての発売、さらに海外で一度も発売されていないので、準新作的なポジションになると考えました。そのため『聖剣伝説2SoM』から、さらに進化したものにしないといけないなという思いが強かったんです。

田付:“もっとできるだろう”という気持ちでリメイクの制作を進めてきました。『聖剣伝説3』をプレイしたことのない若い人たちにも遊んでほしいですし、オリジナルをプレイしていた方たちには、次の『聖剣伝説』シリーズの可能性を感じてほしいと思っています。

――フルリメイクということで、昔遊んでいたファンの人たちのなかにある“思い出との戦い”にもなるのだと思うのですが、フルリメイクにあたり気を付けた点などはありますか?

小山田:フルリメイクにあたり、『聖剣伝説』シリーズ生みの親である石井浩一さんや田中弘道さんにも方針を相談しています。

 ユーザーさんそれぞれの当時の思い出や脳内補完されたイメージをできるだけ壊さないように開発をすすめていますし、また、お2人からはオリジナル版の制作時にやりたかっとことなどもお聞きしています。

田付:やるなら新しいものを作りたいと思い、今回思いきったものにチャレンジしました。思い出がある人にも、初めてプレイする人にも受け入れられるようなものに調整していきたいと思います。

フルリメイクにあたっての変更点

――今回見た目は完全3Dになっていますが、3Dにまとめあげるうえで注意したところなどはありましたか?

小山田:イベントシーンでしょうか。オリジナルでは、ドット絵での会話やイベントのテンポがいいんです。ですが、3Dモデルだと会話の間などが足りなく感じてしまうんです。

 例えば、アンジェラが色仕掛けで獣人を捕まえるシーンでは、ドットだとクルっと回って一瞬で入れ替わる演出だったんですが、これをそのまま3Dモデルで表現すると違和感が出てしまうんです。そのようなイベントやセリフの間を、違和感なく調整していくのが大変でした。

田付:もう1つはバトルですね。アクションRPGとはいえ、そこまで高いアクション性が要求されるバトルではありませんでした。実際、単に3Dにしただけでは物足りなく感じてしまい、今求められるアクションとは違う印象になってしまいました。

 そのため、ジャンプやドッチロールによる回避、ため攻撃などの要素を入れて、今のアクションRPGとして楽しめるようなバトルに調整しています。もちろんアクションが得意じゃない人でも十分に楽しめる仕組みにはなっているので、そこはご安心ください。

――ほかにシステム面で新しい要素などはありますか?

田付:例えば成長要素など、さまざまな部分で新要素は用意しています。『聖剣伝説2SoM』の際にいただいた意見なども取り入れ、使いづらかった部分などは改修したりもしています。とはいえ、リングコマンドなどの『聖剣伝説』シリーズおなじみの部分などはしっかり踏襲させてもらっています。

――システム部分以外で、新しく追加される要素はあるのでしょうか?

小山田:もちろんあります。6人のメインキャラクターは今でも人気で、キャラクターの組み合わせでストーリーが変わるというシステムが好評だった作品でもあるので、そこの魅力がもっと伸びるような要素を用意させてもらっています。詳しくは今後情報を出していきますので、お楽しみにお待ちください。

――キャラクターにはボイスも付いていますが、すでに収録は始まっているのですか?

小山田:もちろん始まっています。詳しい発表はまだ先になりますが、公開した映像を見ていただければわかるとおり、みなさんのイメージを損なわない方々に担当してもらっていますので楽しみに。

――『聖剣伝説2SoM』同様、キャラクターデザインも刷新されていました。BGMも聞きごたえのあるアレンジがされているようですね。

小山田:キャラクターデザインは『聖剣伝説2SoM』同様、HACCANさんにお願いしています。『聖剣伝説3』は冒頭からシリアスなストーリーなので、(見た目がかわいらしい)『聖剣伝説2SoM』よりも頭身を上げた5頭身で制作を進めています。

田付:BGMは新録のアレンジになっています。『聖剣伝説3ToM』は曲数が多いので、オリジナルのコンポーザーの菊田裕樹さんには監修として参加してもらいました。『聖剣伝説2SoM』同様、オリジナルに切り替えることもできるので、お好みのほうでプレイしていただければと思います。

――発売を待つ方々へ、メッセージをお願いします。

小山田:25年という時を経て、『聖剣伝説3』がフルリメイクして登場します。待ち望まれていた人も多いと思いますし、海外の方は初めて手に取られると思うので、気合を入れて制作しています。これを機に、ぜひ『聖剣伝説』シリーズを遊んでみてもらえればと思います。

田付:“今『聖剣伝説3』を遊ぶならこうやって遊びたい!”と思うものを目指して制作を進めています。当時プレイした方も、初めて触れられる方も、楽しんでもらえればうれしいです。発売まではまだ時間がありますが、期待してお待ちください。

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※画面は開発中のものです。