『FFⅦR』北瀬氏「原作を超える感動を」。プレイだけではわからなかったゲームの詳細レポート【E3 2019】

電撃PlayStation
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 スクウェア・エニックスより、2020年3月3日発売予定のPS4用ソフト『FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE(ファイナルファンタジーⅦ リメイク。以下『FFⅦR』)』。

 本作は原作のコンセプトを再構築し、世界観とキャラクターをより掘り下げた作品で、ミッドガルのストーリー部分にフォーカスした複数作で展開予定のプロジェクト第1弾です。

 本記事では、E3 2019にて、プロデューサーを務める北瀬佳範氏がプロジェクトの概要について語ったプレゼンの様子と、そこで確認できたゲームシステムについてなどをレポートします。なお、英語版のゲームプレイのレポートはこちらをご覧ください。

  • ▲さまざまなE3の賞を受賞した本作。取材時点で33もの賞を受賞していたそうですが、最終的な受賞数はさらに増えることとなりました。

Blu-rayディスク2枚組のボリューム

 『FINAL FANTASY VII』(原作)の世界観を最も象徴する“ミッドガル”を魅力的に描くため、ミッドガルの内部構造を新たに設計しなおし、そこに暮らす住民たちの生活描写や新規エピソードも追加! 最終的には原作での“ミッドガル脱出”までのストーリーを描くだけで、Blu-rayディスク2枚組という大容量の作品になっているそうです。分作形式といっても、この時点で通常のゲーム1本分の内容になっています。そのため、「原作の大切な要素が削られるということはない」とのこと。

 北瀬氏は「原作ファンの期待に沿いつつ、新しい驚きを与えられる作品になっています」とコメント。新規プレイヤーにはすべて新鮮な体験として、原作を当時プレイした人と同じような感動を与えつつ、ファンを喜ばせる作りになっていることを示しました。

当時の『FFⅦ』プレイヤーが開発スタッフに

「常に革新的なものであること」「その時代の“限界”に挑戦すること」「プレイヤーへ驚きを与えること」といった、『FF』シリーズが持ち続けている精神は、『FFⅦR』においても引き継がれています。シリーズと同等のパワーをつぎ込むために、開発体制には北瀬氏をはじめとした原作のスタッフが、そのままコアメンバーとしてかかわっています。

 『FFⅦ』の発売から22年という歳月が経っていることもあり、若い開発メンバーには、原作をプレイしたファンが数多く存在しているとのこと。また、『FFⅦR』開発にあたって求人を出した結果、世界各国からそうしたメンバーが集まり、国際色豊かなチームになっているのだとか。

 リメイクに関して「グラフィックをアップデートしただけではやる意味がない」と北瀬氏。もう一度『FFⅦ』を作るのであれば、グラフィックだけでなく、最先端の技術を駆使して、原作の感動を超えるものを作らなければいけない、と開発メンバーの意気込みを語りました。

進化した表現

 本作の舞台となるミッドガル。ダークかつスチームパンク風な世界観が特徴で、原作においては夜のシーンも多く、“暗い”印象があります。『FFⅦR』では最新技術を用いて、ミッドガルの中でも地域ごとにバラエティに富んだ表現になると説明。例えば、“暗い”のなかにも、光の当て方によって印象が変わって見えるのだとか。

 魔晄炉ではやはり、青、緑、といった色使いが強調されているように感じました。

 キャラクターについても、ボイス、モーションキャプチャー、フェイシャル……など、原作制作の時代にはなかった技術が取り入れられています。ビジュアルは単純なフォトリアルではなく、原作のキャラクターをより魅力的なキャラクターに見せるため、原作の持つビジュアルスタイルを尊重した独特の表現が取り入れられています。

 当然ながら、表現力が向上したことで、ストーリーへの没入感がより深くなっていることも『FFⅦR』の特徴といえます。

ゲームシステムについて

 次に、『FFⅦR』における基本的なバトルシステムについてのデモプレイ。ここからは、この解説をもとに、ゲームのポイントをまとめていきます。なお、解説については日本語版が元になっており、英語版でのレポートと比較すると表記が異なっている場面があります。

  • ▲画像は英語版です。

【攻撃】
・□ボタンで攻撃
・クラウドはバスターソードを使った攻撃を繰り出す
・バレットは右手のガトリングによる銃撃で、距離の離れた敵に対して有効

【ATBゲージ】
・ATBゲージは2本。時間経過で溜まるほか、攻撃を加えることで上昇
・◯ボタンを押すことでコマンドメニューが展開(英語版では×ボタンで展開)
・コマンドメニューではATBゲージを使用するアビリティなどが選択できる。(クラウドのブレイバーなど)
・コマンドメニュー展開中はウェイトモード(英語版ではタクティカルモード)となり時間経過が遅くなる
・魔法もATBゲージを使用
・よく使うアビリティや魔法といったアクションはショートカットに設定できる
・ショートカットはL1ボタンで開き、◯、×、△、□に登録可能。ウェイトモードを経由せずに発動できる

 アクション操作が苦手な人でもウェイトモードの存在によって、次の作戦をじっくり練りながらプレイすることが可能なようです。また、今回バレットは初期状態でサンダーを使用できる模様。機械の敵には電撃が有効など、弱点の要素が存在しています。

 このほか、すばやく動き回るガードハウンドに対してファイアを当てて動きを止め、その間に通常攻撃を重ねるといったことも確認できました。ちなみに、ファイアはある程度追尾性能があり、敵やオブジェクトに接触すると爆発、一定範囲内にいる相手にダメージを与える、といった性能のようでした。

【固有アビリティ】
・△ボタンでキャラクター固有のアビリティを発動
・クラウドの固有アビリティはアサルトモードとブレイブモードという、2種類の攻撃スタイルの切り替え。アサルトモードは”移動速度と攻撃力のバランスがよいスタイル”で、ブレイブモードは”移動速度が遅くなるが、攻撃に特化したスタイル”。

 ブレイブモードは強力な連続攻撃によりアサルトモードよりも火力が出せるぶん、移動速度が極端に遅く、敵に接近するまでに遠距離攻撃でダメージを負うリスクが高いそう。また、タイミングよくガードすれば相手の攻撃に対しカウンターも取れるそうです。

 効率良く戦うためには、戦況に応じて2種類のモードを切り替えることが重要となってくるようです。

・バレットは“ぶっぱなす”で高威力の攻撃が可能で、遠距離の敵に有効。ただし、一度使用したあとは再使用までにチャージのため、一定時間経過が必要(使用不可の時間中に△ボタンを押せばチャージし、時間短縮ができる)。

【ガード・回避】
・R1ボタンでガード
・×ボタンで回避

 どちらもリアルタイムの戦闘中にワンボタンで入力可能。これらを使い、HPを減らさないことが重要です。

【ロックオン】
・R3ボタン(右アナログスティック押し込み)でターゲットロックオン
・右アナログスティックを倒すことで、ターゲットを切り替え可能

 ロックオン中はカメラが自動操縦になり、画面内に敵を捉えやすくなります。

【スイッチ】
・方向キーの上下でパーティ内のキャラクターへスイッチ(切り替え)
・操作キャラクター以外はAIで自動行動する
・ウェイトモード中にL2、R2ボタンで、操作キャラクター以外へのキャラクターにATBゲージを使用したアクションの指示も出せる

【バースト】
・敵の名称の下にはHPゲージ(緑色のゲージ)とバーストゲージ(英語版ではフォーカスゲージ。オレンジ色のゲージ)の2つが表示される
・攻撃を当てるとバーストゲージがたまり、満タンになるとダウンし“バースト状態”に
・“バースト状態”の敵には通常よりも与えるダメージが大きくなる
・“バースト160%”といった表記であれば160%ダメージが通る状態
・バーストゲージは満タンになったあと、時間経過によって徐々に減っていく

 “バースト状態”の間にどれだけ攻撃を与えて、上手くダメージを蓄積できるかがバトルのカギになります。

【ステージ】
・宝箱も道中に存在
・宝箱以外のオブジェクト(たとえば神羅ボックスという”箱”)も点在し、壊すことでさまざまなアイテムを獲得可能
・ステージの構成は原作に沿った構成だが、リフトといった新しく追加されている要素もある

【カットシーン】
・新しいセリフも多数追加され、よりキャラクターや世界観が深掘りされている

 たとえば、そっけない態度を取るクラウドに「見た目がいいから許す」と甘い態度を取るジェシーと、「なんか面倒くさそうなヤツだな」と冷静なビッグスのやり取り。「まずは顔。基本でしょ?」というジェシーに対し、「どうせ俺は基本がなってねぇよ」とグチるビッグスとのやり取りが追加されていました。

 さらに、このやり取りは、いわゆるデモシーンではなく、クラウドを自由に操作できる間に行われ、そのログは画面左側に表示されていました。これらのあらたなカットシーンや会話要素は、キャラクターのさまざまな面を知るきっかけになりそうだと感じました。

 随所に挿入されるカットシーンはシームレスに移行し、プレイヤーのゲームとしての体験を損なうことなく、ストーリーへの没入感を高めています。また、BGMの切り替わりもリアルタイムで、違和感なくスムーズに行われています。

 たとえば戦闘中と移動探索時では、両方ともおなじみの魔晄炉のBGMなのですが、戦闘中はアップテンポに激しいBGMに、移動探索時ではローテンポに威厳ある印象のBGMに、とリアルタイムで変化していました。

 また、エレベーターでクラウドたちが下に降りるシーンでは、ハイデッガーとプレジデント神羅らしき人物が、監視カメラによりエレベーター内の様子を映像中継で見る、といったカットシーンも追加されていました。

 このほか、デモプレイの開始直後に”Chaper.1 壱番魔晄炉爆破作戦”と表示されていました。本作のストーリーテリングの大枠は、チャプター制がとられているようです。

 以上、バトルシステムを中心としたゲームシステムのレポートとなります。

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