『ブレア・ウィッチ 日本語版』傑作ホラー映画の世界をゲーム化。震えながらプレイした先行レビュー

滑川けいと
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 NAパブリッシングから、7月9日に発売予定のPS4/Nintendo Switch用ソフト『ブレア・ウィッチ 日本語版』のプレイレポートを掲載します。

 『ブレア・ウィッチ』……このタイトルに覚えがある方は多いのではないでしょうか。そう、本作は1999年に公開されたホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の続編である『ブレア・ウィッチ』の世界を舞台にしたゲームなのです。

 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、1994年にブラック・ヒルズの森に訪れた学生たちに起こった出来事を描いたホラー映画。行方知れずとなった学生たちが撮影したビデオカメラのテープが流れるという、当時はまだ珍しかった“POV(Point of View Shot)形式”で撮影されており、まるで本当にあったことのように見せた演出で注目を浴びました。

 ゲーム『ブレア・ウィッチ』で描かれるのは、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の事件から2年後、1996年。ブラック・ヒルズの森で消息を絶った少年を探すため、捜索隊として加わることになった元警官の“エリス”が主人公です。

 エリスの声は中井和哉さんが担当されています。他の登場人物についても掛川裕彦さんや斉藤貴美子さんなど豪華声優陣が起用されており、物語を盛り上げます。

 エリスがブラック・ヒルズの森に到着すると、捜索隊のメンバーはすでに森の中を探索している様子。エリスは、単独で森に入ることに。森に到着してからは自由にエリスを操作できるようになるので、周囲を探索して情報を集めていきましょう。

  • ▲調べられる場所にはマークがつきます。
  • ▲森を歩いていると、不気味なものが。原作で出てきた木の細工とは少々形が違うようですが、これは一体……。
  • ▲何や古いら建物のような場所も。中には何が待ち受けているのでしょうか!?

深い森の中での探索……

 ブラック・ヒルズの森は草木が生い茂っていて広大です。かなり作り込まれており、描写がとにかくリアル。序盤すぐに夜の闇に包まれ、懐中電灯ひとつで暗い森を進みます。前に行っても後ろに行っても何かあるんじゃないかという不安が押し寄せてきて、背筋がゾクゾクします。

 そんな場所を歩き回るのはひと苦労ですが、適当に探し回るわけにもいきません。そんなエリスを手助けしてくれるのが、愛犬“バレット”です。

  • ▲ゲーム開始時にはバレットをカスタマイズできます。

 バレットは案内役のような存在で、発見したアイテムの匂いを嗅がせることで対象を探してくれます。バレットの後をついていくことで、次にどこに行けばいいのか分からないという状況にはなりませんでした。

 また、探させるだけでなく“来い”、“待て”、“そばにいろ”といった指示も出すことができ、プレイヤーの意図した行動をある程度させられます。

 ただ、先ほども述べたように、エリスがいるのは深い森の中。茂みでバレットの姿が隠れたり、気になった場所を調べるためにふと目を離した隙に見失なったりすることもあり、指示の中でも“来い”は多めに使っていました。

 指示だけでなく“撫でる”、“叱る”、“餌を与える”といったしつけも可能です。しつけをするとバレットとコミュニケーションがとれて楽しい! ……だけでなく、親密度が上昇して行動に変化があるようです。気付いた時にバレットと交流しておきましょう。


  • ▲餌をもらって一生懸命食べるバレット。かわいいです。

 バレットは道を示してくれる以外にも大事な役目を持っています。それは“エリスの心の支え”。エリスはどうやら過去の出来事が原因で、心がとても不安定な状態になっているようなのです。そのため、ひとりぼっちの状態が続くと不安で心が押しつぶされてゲームオーバーになります。エリスの過去に何があったのか、物語の進行とともにあかされていくので、そちらも見どころですね。

  • ▲1人の時間が長くなると、徐々に視界がぶれはじめます。移動もしにくくなるので、早めにバレットと合流しなくてはいけません。

 森の中で気をつけたいのは、1人になってしまうことだけではありません。ブラック・ヒルズの森には得体の知れない存在がおり、ふとした時にエリスに襲いかかってきます。

 敵は光が苦手なようで、懐中電灯の明かりを当てると撃退できるのですがほとんど姿が見えないうえに、見えても一瞬しか姿を現しません。では、どうやって倒すのか……。

 そんな時もバレットの出番! 動物ならではの気配察知能力で、敵のいる方向を向いて吠えてくれます。本当にバレットは心強い。「しつけのコマンドにある叱るを使うことがあるの?」ってくらい褒められる要素しかありません。

  • ▲バレットが吠えはじめると敵がいる合図です。
  • ▲画面奥に見える赤い塊が敵です。光を当て続けると撃退できます。

探索の鍵を握るビデオカメラ

 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、『ブレア・ウィッチ』と言えば、ビデオカメラ。本作でもビデオカメラが登場しますし、探索をするうえでとても重要になってきます。

  • ▲森の探索中にビデオカメラを発見。

 ビデオカメラには不思議な力が働いているようで、テープ再生中に一時停止した部分が現実のものとして再現されるのです。

 例えば木が倒れている場所があり、その場所で木が倒れる様子を映したテープがあるとしましょう。ビデオカメラのテープを見て、木が倒れる前のところで停止させておくと倒れていたハズの木も同じようにもとに戻っていて先に進められるようになっているのです。

 ビデオカメラの力を使って通れない道を通れるようにしたり、アイテムを出現させてバレットに匂いを嗅がせて探させたりできるわけです。

  • ▲何もないのに……
  • ▲ビデオカメラで適切な場所で停止させると……
  • ▲ボールが出現。テープを停止した映像にあるものが現実に現れます。

 テープを入手できる場所はさまざま。入手後「あ! そういえばあそこはテープに写っていた場所だ!」という気がつきは、“探索している感”をより濃くしてくれました。このビデオカメラとバレットを活用して、ブラック・ヒルズの森に込められた謎を解き明かしていきましょう。


  • ▲ビデオカメラは赤と青の2種類。赤のテープの映像が現実に影響を与えられます。

携帯電話ではいろいろなことが可能

 森にひとり(と1匹)で探索にのぞんだエリスは、連絡用に携帯電話を持っています。舞台となる年代が1996年ということで、筆者としては懐かしい気持ちになりました。日本と海外で違うとはいえ、若い世代の人からすると、珍しい形状だと感じるのではないでしょうか。

  • ▲このころの携帯電話はカラー液晶はもちろん、写真機能もありませんでした。

 携帯電話はストーリーで他のキャラクターからの連絡を受けるだけにあるんだろうと思ったのですが、そんなことはありませんでした。内蔵されているミニゲームや受信したメールの確認、こちらからの電話の発信など細かくいじることができます。細かなところまで作り込まれていることで、リアリティが増しますね。



  • ▲内蔵されているミニゲームは3つ。暗い森での(筆者の)精神安定剤です。
  • ▲携帯電話のトップ画面のテーマは変更可能。

 バレットを使った探索方法やビデオカメラを使った謎解きなど、プレイヤー自身の頭をよく使わせる仕組みになっているのが印象的でした。暗い夜の森を歩いているだけでも不安なのに、見えない敵の襲撃、一筋縄ではいかない探索など、ほどよいストレスがよりいっそう本作を盛り上げている印象です。便利すぎないということが、恐怖をかきたてると思います。

 映画『ブレア・ウィッチ』の世界観ではありますが、作品を知らない人でも十分楽しめるようになっています。もちろん、知っている人はより世界に浸れるので、原作ファンの方にはぜひプレイしていただきたいですね。

 本作はマルチエンディングになっており、プレイヤーの行動によって結末が変化します。エリスの過去に何があったのか、行方不明になった少年はどこにいるのか……エリスの物語がどのように幕を下ろすかは、あなた次第。ブラック・ヒルズの森へ足を踏み入れて、その目で確かめてください!

電撃オンライン・ゴローによる先行実況プレイ

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ブレア・ウィッチ 日本語版(初回限定版)

  • メーカー: NAパブリッシング
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: その他
  • 発売日: 2020年7月9日
  • 希望小売価格: 6,800円+税

ブレア・ウィッチ 日本語版(初回限定版)

  • メーカー: NAパブリッシング
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: その他
  • 発売日: 2020年7月9日
  • 希望小売価格: 6,800円+税

ブレア・ウィッチ 日本語版

  • メーカー: NAパブリッシング
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: その他
  • 発売日: 2020年7月9日
  • 希望小売価格: 4,800円+税

ブレア・ウィッチ 日本語版

  • メーカー: NAパブリッシング
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: その他
  • 発売日: 2020年7月9日
  • 希望小売価格: 4,800円+税

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