か、顔を見られたからには生かしておくわけにはいかない！（ギルバート）【軌跡シリーズ名言集】

　日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

　本記事で紹介するのは、『軌跡』シリーズの名（迷？）脇役で、波瀾万丈の人生を送るギルバートの名言。彼の『空の軌跡FC』のセリフからチョイスしました。

※本記事には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

か、顔を見られたからには生かしておくわけにはいかない！（ギルバート）

第二章 白き花のマドリガル（英雄伝説 空の軌跡FC）

　さまざまなキャラクターが登場する『軌跡』シリーズですが、ギルバートはそのなかでもとくに数奇な運命をたどっていく人物です。なにせ最初は政治家を志すエリートだったのに、悪事を働いて捕まり、ついには大陸各地で暗躍する秘密結社《身喰らう蛇（ウロボロス）》の戦闘員にまで落ちていくのですから。

　そんな転落人生だけである意味おいしいキャラクターなのに、彼のあきらめの悪い性格、小物過ぎる思考と言動、偽りの謝罪芸なども手伝って、『軌跡』ファンからは愛され芸人のような扱いで親しまれるようになりました。

　いろいろと見せ場の多いギルバートですから、名言もたくさんあります。今回は『軌跡』シリーズの原点にして、彼の初登場作品である『空の軌跡FC』でのギルバートの行動や名言を紹介していきましょう。

　ギルバートが初登場したときの肩書は、リベール王国にある海港都市ルーアンの市長秘書。彼が名門校であるジェニス王立学園のOBということもあり、まさにエリート！　というたたずまいの紳士として、主人公のエステルたちの前に姿を現しました。

　ルーアンを根城にする不良グループ“レイブン”の蛮行を注意するなど、正義漢の強い人物として描かれるギルバート。ただこのころから、どこか小物臭い雰囲気が漂っていたような……？

　エステルたちがルーアンを訪れているときには、ジェニス王立学園の学園祭が開催。学園祭を見物し、学生時代を懐かしむギルバートの姿も見られました。立派な政治家になることを目指す彼にとって、名門校のOBという経歴は間違いなく自信の1つになっているでしょうし、感慨深いものがあるのでしょう。

　そんなおり、ルーアン市付近にあるマーシア孤児院が放火される事件が発生。市長のダルモアとともに、孤児院を管理するテレサ院長と子どもたちのお見舞いに訪れたギルバートは、犯人は“レイブン”の不良たちなのでは？　という推論を展開します。

　以前から市長に反抗的な不良たちが、市長と親交のあるテレサ院長の孤児院を狙う。一見理屈が通っているように見えて、やや飛躍的過ぎる気もするギルバートの推論。なぜ彼がこんなことを言い出したかという理由は、その後の調査で明らかになります。

　事件の黒幕は、多額の借金を抱えていたダルモア市長。金に困ったダルモアは、マーシア孤児院のある土地一帯を高級別荘地にして売り出す計画を立て、ギルバートもそれに加担していました。孤児院への放火はテレサたちの排除が目的で、“レイブン”の不良は放火の犯人に仕立て上げられるところだったわけです。

　孤児院の土地の確保と不良たちの排除が同時にできて“一石二鳥”とのたまうギルバートでしたが、すべてのもくろみは事件を調査していたエステルたちに知られてしまいます。焦ったギルバートは、計画の協力者であるリベール王国軍・情報部の兵士にエステルたちの始末を依頼。そこで言ったのが今回の名言「か、顔を見られたからには生かしておくわけにはいかない！」です。

　時代劇の悪役しか言わないような、いやむしろ使い古されてもう言わないほど、小物臭さがあふれ出るセリフ。これほどギルバートが言うのにふさわしいセリフもないでしょう。しかも、最後は情報部兵士が逃亡するための人質にされ、足を撃たれるなど踏んだり蹴ったり。多少ギルバートがかわいそうな気もしますが、まあ自業自得ですね。

　事件後に捕えられたギルバートは、同じく悪事がばれて捕縛されたダルモア市長とともに王国軍に引き渡され、晴れて罪人の身に。こうしてギルバートは、エリート街道から足を踏み外し、『空の軌跡FC』の物語からもフェードアウトしていきます。

　ですが、このあとにあんな形で新たなサクセスストーリーを模索するとは……詳しくは別のギルバートの名言集で語りますので、どうぞお楽しみに！