『The Last of Us Part II』クリア後レビュー。エリーの復讐の行く末に最後まで目が離せない!

柏又
公開日時
最終更新

 SIEより6月19日発売のPS4ソフト『The Last of Us Part II』。本作は、人を凶暴なクリーチャーに変異させる謎の真菌類によって崩壊した世界を描くアクションアドベンチャーの最新作です。今作は、前作から5年後を舞台に、19歳の女性に成長したエリーを中心とした物語が描かれます。

 今回は発売に先立ちゲームを最後までクリアしたレビューをお届けします。

今作のテーマは“復讐”。非情な時代だからではすまされないハードな物語に注目

 前作『The Last of Us』は、娘を失った父と親のいない少女が、崩壊後のアメリカ大陸を横断する旅路を経て実の親子のような絆で結ばれるという、非情な世界を描きながらもどこか心温まる物語でした。

 しかし、その5年後を描く本作では、ある凄惨な出来事をきっかけとする前作の登場人物のひとり、エリーがワシントン州シアトルへ旅立つハードな復讐劇が描かれます。復讐に燃える彼女のふるまいは、バイオレンスなゲームに比較的慣れているつもりだった筆者でもちょっと引くくらい、激しく容赦のないものだと感じました。

 しかし、本作ではエリーの周辺以外に、武装組織“WLF(ワシントン解放戦線)”や、自然主義のカルト集団“セラファイト”といった、敵対する組織についてもち密な描写がなされているのが物語にも大きな影響を与えていきます。本作をプレイすれば登場人物だけではなく、道中で戦う敵キャラクターまでもが、崩壊後の社会を構成する人々として感じられるよう作り込まれているのがわかると思います。

 そんな、生きているかのようにふるまう相手を見て、プレイヤーは主人公であるエリーを通してなにを感じるのか? 彼女の目的であり本作のテーマのひとつである“復讐”について深く考えさせる内容になっているあたりが、“プレイする映画”と評価されることの多いノーティドッグ作品の凄みであると筆者は思いました。

崩壊した廃墟の上に緑が生い茂る、独特のマップは探索しがいのある作りに!

 本作で主人公が旅する崩壊後のアメリカは、感染の封じ込めに成功した地域を除いて大きく破壊されました。本作の舞台のひとつであるワシントン州シアトルは、大発生した感染者を制圧するために大規模な爆撃が繰り返されたため、街並みは完全に崩壊しています。

 さらに、それから20年以上が経過したゲームの世界は廃墟が豊かな自然に包まれ、残酷ながらも見ていて思わず美しいと感じてしまう、魅力的な世界を作り上げています。

 本作を構成するマップのいくつかは、最終的な目的地こそあるもののある程度の探索が可能なものがいくつか存在していて、じっくりあたりを調べることで、弾薬やキャラクターを強化するアイテムなどを集められます。探索もただ歩き回るだけではなく、足場を探したり窓ガラスを割って中に入るなど、適度に頭を使って進める場所もあって退屈せずに遊べる作りになっているあたりもさすがと感じました。

 とくに本作で大きいのは◎ボタン長押しで“伏せ”られること。FPSやTPSに慣れている人にはピンとこないかもしれませんが、キャラクターが伏せて移動できることを前提に構成された今作のマップは、行動のバリエーションは前作とは段違いに豊富になっています。本作の伏せは、探索やステルス、戦闘で大いに活躍してくれる重要なアクションです。

 歩く以外にも多彩な移動手段が存在するのも本作の魅力。一部のマップでは馬やボートに乗って移動できます。馬は、広大なフィールドを素早く駆け回るのに便利な乗り物で、ダッシュのほか人間では乗り越えられない柵をジャンプで超えることが可能です。

 また、道路が崩壊して水が川のように流れている場所ではモーター付きのボートで移動できることもあります。さらに水場は泳ぐことも可能。泳いでいる間は◎ボタン長押しで水中に潜れます。水中では隠された通路やアイテムが見つかるほか、水中にもぐっている間は敵の視界から隠れて移動できます。

 本作の美しくも残酷で、探索しがいのある要素が満載の世界は、今の時期だからこそ実現できたともいえる魅力に満ちあふれています。

戦闘はNORMALだと難しめかも。豊富なカスタマイズで理想のバランスを追求しよう

 本作では、WLFやセラファイトの戦闘員といった主人公に敵対的な人間のほか、真菌類に感染して凶暴化したクリーチャーが敵となります。たいていのシーンでは多勢に無勢の状況となるため、しゃがみや伏せで障害物に隠れながら移動し、相手の死角からつかみかかってステルスキルを狙うのは前作同様。

 とくに今作では、伏せで草むらや車の下をくぐって移動できるため、ほとんどのシーンでプレイヤーの行動の選択肢が大幅に広がっている印象を受けました。同じシーンでも複数の攻略法があるため、ステルスアクションとしてもかなりレベルの高い部類に入っていると感じました。

 敵に発見された場合は正面から戦うことになりますが、この場合は設定をほとんど変更しない難易度NORMALだと、若干難しいかな? という感じ。本作は敵のAIがこちらの隠れている場所を覚えていて、同じ障害物に隠れながら戦っていると、こちらが銃の照準をつける前に反撃を受けることがよくありました。

 撃ち合う際は、敵に見つからないように別の障害物に移動したり、ダッシュでいったんその場を離れて仕切りなおすなど、プレイヤー側の工夫が必要とされるようです。

 また、感染者など近接攻撃を仕掛けてくる敵は、タイミングを合わせてL1ボタンで相手の攻撃を回避してから反撃しないと、相手の攻撃でこちらの攻撃モーションを“つぶされる”感じになることもしばしば。前作もそうでしたが、今作も普通の難易度をゴリ押しで進めるのは厳しい感じですね。相手の支配地域を慎重に進める『The Last of Us』独特の緊張感は、本作でもバッチリといったところです。

 ただし、今作はぼう大なオプション項目が設定可能で、難易度にしても敵の強さや拾える資源の量などをそれぞれ設定できます。

 なかでも特筆すべきポイントは“アクセシビリティ”の項目。ここでは、コントローラのボタン配置をすべてカスタマイズ可能なほか、プレイ中の探索や移動をより便利にするアシスト機能をオン/オフ設定できます。ここでは、視界内の敵をロックオンしてL2ボタンで武器を構えると自動的に照準を合わせてくれるよう設定可能です。

 さらに、“戦闘アクセシビリティ”では、敵が主人公の背後に回り込まなくなったり、プレイヤーの任意のタイミングでゲーム内の動きをスロー状態にできるなど、ゲームそのものが苦手な人でも難易度そのものを変更せずに快適に遊べるようにする仕組みが満載です。

 もしプレイしていて操作しづらかったり、戦闘で理不尽さを感じたら、難易度を下げる前に自分が遊びやすくなるまで設定を変更することで先に進められるかもしれませんね。

 筆者も各種設定を変更しながらプレイしましたが、このオプション項目の豊富さは1人でも多くの人に本作を楽しんで欲しいという開発サイドの意気込みと、「ここまでいじり倒しでもゲームがつまらなくなることなんてないよ!」という自信を勝手ながら感じてしまいました。

 前作がPS3時代の2013年ですから、実に7年ぶりの続編となる本作。前作とはまた異なるハードな展開となる物語ですが、“復讐”というテーマは、非常に強い印象を与えつつも実はほとんどの人が持っている感情にいきつく、普遍的なものではないのかとゲームをプレイしていて感じました。

 さらに、プレイ中のロード時間は皆無でストーリーに没入するとやめ時がわからなくなるほど熱中できるあたりも前作同様。PS4史上最高峰のクオリティと抜群の間口の広さを併せ持つ最高傑作としておすすめします。

©2020 Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Naughty Dog LLC.

The Last of Us Part II コレクターズエディション

  • メーカー: SIE
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アクションADV
  • 発売日: 2020年6月19日
  • 希望小売価格: 17,900円+税

The Last of Us Part II スペシャルエディション

  • メーカー: SIE
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アクションADV
  • 発売日: 2020年6月19日
  • 希望小売価格: 8,900円+税

The Last of Us Part II デジタルデラックス版(ダウンロード版)

  • メーカー: SIE
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アクションADV
  • 配信日: 2020年6月19日
  • 価格: 8,690円(税込)

The Last of Us Part II

  • メーカー: SIE
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アクションADV
  • 発売日: 2020年6月19日
  • 希望小売価格: 6,900円+税

The Last of Us Part II(ダウンロード版)

  • メーカー: SIE
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アクションADV
  • 配信日: 2020年6月19日
  • 価格: 7,590円(税込)