刀を抜けない理由に、まだ見ぬ許嫁。小雨は伏線だらけの重要人物【天晴爛漫座談会】
- 文
- 長雨
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P.A.WORKSが制作し、橋本昌和氏が監督・シリーズ構成を担当するオリジナルTVアニメ『天晴爛漫!』。
本作は19世紀末から20世紀の始め、ひょんなことからアメリカに漂着した天才エンジニア・空乃天晴(声優:花江夏樹)と侍・一色小雨(声優:山下誠一)が、日本に帰るために賞金は高額だが超過酷なアメリカ大陸横断レースに挑む、心躍るカーレースアニメです。
本作に登場する豪華声優陣演じる個性豊かすぎるクルーたちを紹介する連載企画第2回目は、天晴に振り回される苦労人・小雨の魅力を紐解いていきます。
※本記事は3話まで視聴した段階で執筆したものです。
小雨は天晴と正反対な常識人
下級役人だった小雨は、天晴が起こした騒動に巻き込まれる形で一緒にアメリカに渡ります。
天才肌でマイペースな天晴に対して、小雨は心配性で周囲にも気を配る常識人です。天晴の言動に呆れることも多いですが、放っておけない面倒見のいい性格の持ち主。
半月一刀流道場の師範代で、剣の腕はかなりのもの。争いは好きではないようですが、帯刀している二振りはとても大事にしているようです。
故郷に年老いた父と妹、まだ見ぬ許嫁を残しており、帰りたいという気持ちは天晴よりも強そう。
精神的に一番成長しそう
●座談会参加者
・長雨:本作のレーシングカーに、浪漫を感じているスチームパンク好き女性ライター。
・そみん:カーレースの順位と、クルーたちの人間ドラマが気になる男性編集者。
・編集K:豪華声優陣に惹かれて見始め、名言の多さに胸をときめかせっぱなしの女性編集者。
長雨:小雨は天晴に振り回されてばかりで、本当に大変だなと思います(笑)。
編集K:天晴が無理やり巻き込んでいることもあるけど、小雨がついていっている部分もありますよね。だから可哀そうな感じがなく、さっぱりした関係なのがいいです。
そみん:エキセントリックで行動的な天晴と、常識的で慎重派な小雨。何だかんだでいいコンビかもしれません。
1話のOP曲の後に小雨が出てきて、「天晴と小雨、なんだろう、名前で負けてる気がするなあ。実りの雨、ね、大事なんですよ、雨は。小雨爛漫、このあとスター」で、セリフが見切れた時に、「こいつは……いい味を出すキャラになるな」と確信しました。その想いは話を追うごとに確信に変わっていきました(笑)。
編集K:1話を見ている途中までは、小雨って王道の“侍”だと思っていたんですけどねえ。
長雨:門下生を抱えた道場の師範ですし、姿も正統派ですよね。
編集K:でも、天晴のことを放っておけないからと上級役人の思惑を邪魔したところで、命令厳守の堅物じゃなく柔軟性もある人なんだとわかってかなり好きになりました。……いろいろ苦労人体質な感じがしますけど。
長雨:頭は柔らかそうですが、価値観はガッチガチの幕末男児ですよね。ホトト(声優:悠木 碧)を、いつまでも子ども扱いしたりとか……。
そみん:ホトトは11歳の子どもなんで、小雨の対応も正しいんですけどね。でも1人旅できるほどしっかりしているホトトとしては、納得いかないだろうな。
長雨:アメリカに渡り、レースに参加することで、小雨は日本にいたままでは知らなかった世界を見ることになると思います。そのなかで、彼がどう変わっていくのか興味があります。
編集K:文明開化的なことが、彼に起こってもおかしくないですね。人間的な伸びしろは、かなり大きそう。
そみん:小雨で気になるのは、彼が刀を抜けない理由かな。
編集K:ある話で、彼のトラウマのようなシーンが登場しますよね。家族が関係していそうなので、傷はかなり根深いはず。
長雨:レースは荒くれ者から身を守ることも大事になるようなので、彼が戦力になるかどうかは“天晴号”チームの勝敗を左右しそうです。
編集K:彼がトラウマを振り切れるようなことが起こるといいんですけどね。じゃないと、天晴にレーシングカーの部品扱いされそう(笑)。
そみん:アル・リオン(声優:斉藤壮馬)との勝負で、すでにそんなシーンありましたしね(笑)。ラストスパートでまた……ってのも面白そうです。
あとは、まだ実際に顔が出てきていない許嫁という伏線が、どのような形で明かされるかにも興味が高まりますね。
編集K:公式サイトに書かれた“父によって決められた。まだ見ぬ許嫁が美人だと信じている”という一文が、フラグのような気がしてなりません(苦笑)。
長雨:王道パターンだと最後まで顔が出てこないなんて流れもありそうですけど、個人的には小雨を追ってアメリカまで来ちゃうような行動力があるとうれしいですね!
……まあ、小雨がアメリカに流れ着いたことは誰も知らないはずなので、下手をすると小雨が失踪扱いされていて婚約解消されているバッドエンドな可能性も……。小雨の幸薄さを考えるとシャレになりませんが、ぜひハッピーエンドになってほしいところです。
(C)2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会
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