スクエニ新作『エンゲージソウルズ』がアクションから“eじゃんけん”になった理由とは?

紅葉つかさ
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 スクウェア・エニックスより6月25日に配信予定のiOS/Android用アプリ『エンゲージソウルズ(エンソル)』の開発者インタビューを全2回に分けてお届けします。

 第1回となる本記事では、本作の開発秘話や世界観についてお聞きしたことを紹介します。

 『エンゲージソウルズ』は、“じゃんけん”とバトル要素を組み合わせた“eじゃんけん”という新しいバトルシステムと、プレイヤーによってまったく異なる育成を行えるのが特徴のRPGです。

『エンゲージソウルズ』は最初アクションゲームだった

――本作の企画がスタートした経緯や、現在の仕様に固まるまでの流れを教えて下さい。5人1組のチームであることや、トレーニングでのキャラクター育成の仕様は初期からあったのでしょうか?

 企画の最初のスタート時はスマホで遊べる手軽に遊べる対戦型のアクションゲームのモック制作からスタートしました。

 少人数でモックを作り、それなりに遊べるところまで作れたのですが、特に対人対戦での通信時間遅延など問題もあり、別案も検討しようという流れになりました。

 そこでアクションで使っていたキャラやモーションを流用した現在のじゃんけんバトル版を作り、アクションとじゃんけんの両バージョンをゲーム系の専門学校の生徒さんたちにレビューしていただきました。

 レビューの結果はかなり拮抗しており、その結果をもとにプロジェクト内で議論を重ねて、とても悩ましかったのですが、「じゃんけんバトルで行こう!」と決め、そこからさらにブラッシュアップを重ねました。

 最終的にじゃんけんバトルを選んだ理由は大きくは下記の3点です。

・対峙した瞬間に負けを覚悟するようなパラメーターだけで勝負が決まるゲームにはしたくない
 そのためのアクション要素でしたが、アクションはプレイヤースキルの影響度コントロールが難しい。そこで、求めるプレイヤースキルを操作スキルから戦略スキルへと切り替えました。

・パラメーター育成のシステムと相性がよい
 やはり育てた能力やアビリティに比例してダメージが大きくなっていく方がわかりやすいと考えました。

・新規IPでもあるため、キャラや世界観の認知は望めない
 せめて何をするゲームであるかは一言で表現したいと考え、“じゃんけん!”なら皆知っていると思いました。

 また、5人1組でのトレーニング、キャラクターの育成システムは企画当初から変わりありません。「育成したキャラでどう遊んでもらう?」がこのプロジェクトで最後まで悩んだ部分であったと思います。

――本作では“eじゃんけん”という要素がありますが、そのキーワードに至った経緯を教えてください。

 じゃんけんを使ってオンラインで戦う競技という認知をさせるために“e”をつけることで説明がつく、ということで“eじゃんけん”が誕生しました。

――キャラクターをどのように育て上げるのかが重要となりますが、本作を制作するにあたって工夫した点や苦労した点を教えて下さい。

 『エンソル』ではキャラクター毎にユニークなソウル(=バトルの技)があり、そのソウルには属性やタイプ(じゃんけんの種類)があります。

 “エンゲージ/ソウル”という言葉の通り、キャラクター同士が親密になり互いのソウルを共有して使える技を増やしていくシステムなのですが、「理想的な育成結果がどうあるべきなのか?」という部分が最後まで悩ましい部分でした。

 具体的には“属性は揃えた方が良いのか? バラバラの方が良いのか?”や“じゃんけんのタイプは満遍なくする? 偏らせる?”などですね。

 結果的にはどちらを選んでも良いように、ピーキータイプにも安定タイプにもそれぞれのメリットデメリットを持たせることで、ベストな育成結果などない! と開き直りました。

同じキャラだけではなくいろいろなキャラを育ててみてほしい

――育てたキャラクターを1キャラ1データしか保存できないという部分などは、コンシューマではよくあるものの、運営型ゲームではかなり英断だと感じましたが?

 1キャラ1データの部分はプロジェクト内でも賛否がわかれ、割合でいうと複数データ派が多数派だったと思います。

 基本的に選抜チームは5人揃えればよいわけですが、その時にひとりのキャラでいろいろな育成結果を残せるよりも、そのキャラでできなかった事は他のキャラの育成で実現する! という方向でより多くのキャラの育成をして欲しかったのが、一番の理由になります。

 キャラクターはこれからもどんどん増えていく予定ですし、1人のキャラクターがいくつもの役割を持ち選抜チームが固定化されていくよりも、どんどん新しいスクールやキャラを育成して、新しい物語やキャラクターに触れていって頂きたいと考えております。

――本作では初期に6つのスクールが登場しますが、それぞれのスクールのコンセプトや特徴、ストーリーの見どころを教えてください。

・マイティエッグ:アットホームでお気楽な、まさに寄せ集めという感じの急増チーム。プレイヤーの皆さんが最初に触れることになるチームということで“エンゲージ初心者”レイジを主人公に置いています。彼と同じ目線でエンゲージという競技に触れ、この世界を知っていってもらえればと思います。

・ファーストスター:エンゲージというのは、いろいろな競技のエキスパートが集まる“異種格闘技”の要素があるのですが、このチームはスポーツ選手を集めた強豪エリート校です。対立、和解、努力、勝利とスポコン的要素が詰まったお話になっています。

・シュタールリッター:お忍びでエンゲージに挑戦するお姫様と、彼女を守る個性的な仲間たち。メンバーの平均年齢も高めで、雰囲気も少し落ち着いたものになっています。また、お話しの中でこの世界の根幹にちょっと触れているのもポイントですね。

・風爪光牙:拳法チーム。己を見つめ、悩みを乗り越え、ひたむきに修行を重ねて強くなる。そんな熱くひたむきなお話しです。主人公フェイロンは、マイティエッグのレイジとライバル的な位置づけでOPアニメでも二人が戦っています。

・春宵一刻:とある旧家の放蕩殿様と、それに振り回される家臣たち。殿・侍・剣といった和のテイストでお送りするお気楽コメディです。殿であるジュウロウが本当にいいキャラしてますので、彼の言動と皆のリアクションを楽しんでください。

・ジャンブルトイズ:流れ者の集まる街の裏通りを舞台に、子供たちが生きるためにエンゲージを習得していくという、かなりシリアス寄りのお話になっています。反目し合っていたメンバーたちが、徐々に関係を変化させていく様子が注目ポイントです。

――ありがとうございました。

 次回は、『エンゲージソウルズ』のゲームシステムや開発者に聞く攻略アドバイスなどをお届けします!

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エンゲージソウルズ

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年6月25日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

エンゲージソウルズ

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年6月25日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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