クリスタルダイナミクス版“アベンジャーズ”とは? 『Marvel's Avengers(アベンジャーズ)』インタビュー
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スクウェア・エニックスは、スクウェア・エニックス・グループのスタジオCrystal Dynamicsが開発し、米マーベル・エンターテインメントと共同で制作したアクションアドベンチャーゲーム『Marvel's Avengers(アベンジャーズ)』の最新情報をお届けする“Marvel's Avengers War Table”を公開しました。
こちらの映像の公開を受け、開発に携わるCrystal Dynamicsの開発陣にインタビューを実施! 本作のさらなる情報について、4人のクリエイターにうかがってみました。
本作は“アベンジャーズ”の完全新作オリジナルストーリーで、マーベルとCrystal Dynamicsのコラボレーションタイトル。マーベルの80年以上の歴史と、Crystal Dynamics独自の解釈の組み合わせによる作品です。マルチプレイで楽しむこともできれば、シングルで楽しむこともできる作品になっています。
Scot Amos:スタジオヘッド。スタジオ・ゲームコンテンツ全般にかかわる。
Shaun Escayg:クリエイティブディレクター。ストーリーやハイレベルのゲームコンテンツにかかわる。
Vince Napoli:コンバットディレクター。戦闘やゲームプレイにかかわる。
Phil Therien:ウォーゾーンディレクター。ウォーゾーン・Co-op・ゲームプレイにかかわる。
――本作で登場するヴィランのモードックですが、構想初期から予定されていたキャラクターなのでしょうか? それともゲームを作っていく途中、モードックというキャラを登場させることになったのでしょうか?
Scot Amos:結論から言うと両方です。ヒーローたちはあこがれの象徴であるとともに、恐怖の対象でもあります。ゲームでは、ある事件をきっかけに、ヒーローたちは世間から責められることになります。
そんななかモードックは、A-Dayを引き起こしたアベンジャーズに代わり、科学の力を使って世界をよくしようとします。最初は人のために動いたのにもかかわらず、しだいに思想が歪んでいってしまい……。スタート地点こそヒーローと同じなのに、徐々に違った方向に進んでいってしまうのです。
――エフェクトもド派手で、いかにもアベンジャーズらしいなというアクションになっているように見えます。これらヒーローたちのアクションの表現は非常に難しかったのではないでしょうか? 彼らのアクションを手掛けるうえで、難しかったり苦労したところなどがあれば教えてもらえますでしょうか?
Vince Napoli:アベンジャーズはそれぞれ個性を持っているので、各ヒーローにあった技というものを作るのが一番難しかったところですね。
例えばハルクでいうと、公開されている6人のヒーローのなかで、彼だけが敵をつかんだりする技を持っています。またアイアンマンは空を飛ぶことができ、あわせて360度攻撃できたりもします。
既存のヒーローの技を表現するというだけではなく、いかに各ヒーローらしい技を作り上げていくのか。すごく大変ではありましたが、できあがったときの喜びは大きかったですね。
――ヒーローミッションは特定のキャラクターにフォーカスしていく展開のようですが、メインストーリーとは別の物語が楽しめるものなのでしょうか?
Shaun Escayg:ヒーローミッションは主にキャンペーンを中心に展開するものです。例えばヘリを修理するために、アイアンマンとしてプレイしなければいけないといったヒーローミッションが発生します。
基本的にヒーローミッションは、それをクリアしなければストーリーを進められないというもので、クリアするとギアを手に入れたりすることができます。
Phil Therien:補足になりますが、キャンペーンとは別のウォーゾーンというモードがあります。メインとなるキャンペーンとはちょっと違った展開を楽しむことができ、今まで見られなかったヒーローの一面が垣間見られたり。苦悩するハルクのエピソードがあったりだとか、メインでは見れない彼らの一面をウォーゾーンでは見ることができます。
――Crystal Dynamicsにとって、オンライン要素は初めての試みになるかと思います。他の例を見ても、オンライン要素でユーザーの評価を得るのはなかなか難しいようですが、オンラインの開発・運営にあたって、気をつけていることはありますか?
Scot Amos:厳密に言うと、Crystal Dynamicsにおいて、オンラインプレイは今回が初めてではありません。『トゥームレイダー』シリーズだったり、マルチプレイの実験的な施策はすでに行なっているんです。
ただ、この規模でのオンラインプレイは初めてです。手掛けるヒーローも多くいたりするので、いろいろなチームを呼ぶなどして、拡大して取り組んでいます。
Phil Therien:ウォーゾーンには主に2つのプレイスタイルがあります。1つは他のプレイヤーと一緒にプレイできるというもの。もう1つはシングルプレイというか、AIの仲間と一緒に1人でプレイするというもの。
ただ単にマルチプレイが好きな人向けの専用のゲームモードというわけではなく、1人でもチームを組んでプレイすることができるわけです。そういうところは他のオンラインゲームとは異なるところだと思います。みんなが楽しめるようにという意図で、このような形になっています。
――トレーラーの最後のほうでブラックウィドウが「これからもっと変になるぞ」といった発言をしています。モードックがヴィランとして登場するほか、カマラの技だったり、かなり尖がった部分がありますが、そのへんについて聞かせてください。
Shaun Escayg:いろいろ要素があるので、3つに分けて回答していきます。まずストーリー面について。ストーリーはカマラだけでなく、モードッグのものでもあります。
簡単に冒頭の説明をすると、A-Dayという、もともとアベンジャーズを祝ったイベントがあるのですが、そのなかでとある事件が発生します。これによってアベンジャーズは責任を負うことになるわけですが、そのさなかキャプテン・アメリカが行方不明になり、アベンジャーズも解散となってしまいます。
A-Dayの被害者となるジョージ・タールトンは、AIMを創設。そのAIMが力を蓄えることになります。彼が抱える理想は、スーパーヒーローではなく科学の力で世界の治安を守るという、モードックのストーリーが展開します。
その一方、カマラは何かおかしいと、モードックの活動に対して不信感を覚えるのです。彼女はその証拠を持っていて、それがキャンペーンのなかでの出来事に繋がっていく……。ちなみのこれはキャンペーンだけの物語であり、その冒頭の部分になります。
次にウォーゾーン。市街地や森、砂漠、また変わった場所としては深海の基地だったり宇宙ステーションだったり。そうしたステージがウォーゾーンには用意されています。
なぜこういう構成になっているかというと、1つの大きなオープンワールドの世界というのもアリなのかもしれませんが、この物語では世界各地でAIMと戦闘が発生しているというところから、ステージの多様性というものが必要になってきます。ストーリーテリングという意味でも、世界規模のストーリーでもあるので、ステージもバリエーションのあるものが用意されているわけです。
最後はヒーローについて。戦闘ではかなりワイルドなこともできるようになっています。例えばギアです。マーベルならではの要素が入っているギアは、ヒーローのステータスを強化することができます。
ギアのステータス上昇効果のなかには、敵を縮小するものもあるんです。縮小すると、今までつかめなかった敵をつかめるようになったりします。ボスさえも縮小することが可能です。ハルクを使うと敵をつかむ攻撃ができるんですが、小さくなった敵を振り回したりとかも! そういったほかではあまり見られない奇抜なプレイをすることもできますよ。
こうした3つの要素が、本作には織り交ぜられています。これらに加え、ローンチ後のコンテンツというものも用意されており、ヒーローやヴィランを無料で追加していく予定です。
――日本ではアベンジャーズと言えば映画を連想する人も多いと思います。映画に登場するヒーローたちになりきりたいという方が多くいると思うのですが、プレイアブルキャラだけでなく、非プレイアブルキャラを含め、そうした部分のサプライズも期待してよいでしょうか?
Shaun Escayg:今はまだ、こういうサプライズがあるということは明かせませんが、現在公開されている要素は、ゲーム全体から見ても、ほんの序章でしかありません。
もちろんストーリーはあるのですが、それは本作でのアベンジャーズのキャラの設定作りと捉えてもらってよいかと思います。その後に、サプライズだったり、いろんなコンテンツが追加されていきます。
映画MCUの話が出ましたが、以前多少なりとインスピレーションを受けた部分はあるとお答えしましたが、コミックにも豊富なコンテンツがあり、そのなかからインスピレーションを得ているものも多くあります。いろいろなものからインスピレーションを受けて、追加キャラなどを用意しているのです。
Scot Amos:この作品は単にMCUを受けてゲームにしたり、コミックだけでできあがったりというものではありません。マーベルというのは80年以上の歴史を持っているので、いろいろなところからインスピレーションを受けての作品になっています。
もちろんCrystal Dynamics独自の設定というものもあります。細かいところでいうと、A-Dayに出てくるキャプテン・アメリカの盾ですが、他のバージョンの盾と比べ、星のサイズが小さいのです。そういう細かい部分でも、Crystal Dynamics独自の解釈を見て取れると思います。ほかにもアイアンマンはいろんなスキルを習得できたり、カスタマイズという意味でも独自の解釈を取り入れています。
(C) 2020 MARVEL. Developed by Crystal Dynamics and Eidos Montréal. Development support provided by Nixxes. All rights reserved.
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Marvel’s Avengers(アベンジャーズ)
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応機種: PS4
- ジャンル: アクションADV
- 発売日: 2020年9月4日
- 希望小売価格: 7,980円+税
Marvel’s Avengers(アベンジャーズ)
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応機種: Xbox One
- ジャンル: アクションADV
- 発売日: 2020年9月4日
- 希望小売価格: 7,980円+税
Marvel’s Avengers(アベンジャーズ)
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応機種: Windows
- ジャンル: アクションADV
- 発売日: 2020年9月4日
- 価格: 7,980円+税