『三國志14』越後谷Pインタビュー。これまでの、そしてこれからのアップデート内容に迫る

電撃オンライン
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 コーエーテクモゲームスから発売中の『三國志14』。本作は発売から5カ月が経過した今も、有料DLCやアップデートでのバージョンアップでさらなる進化を継続中だ。今回は、発売からこれまでのアップデートを振り返るとともに、『三國志14』の“今”と、“今後”どんな形で進化していくのかをお聞きしてみた。

※本ページの内容は、基本的に執筆時点のものです。最新のゲーム内容とは異なる場合や、画面写真に開発中のものが含まれている場合がありますので、あらかじめご了承ください。

コーエーテクモゲームス『三國志14』プロデューサー
越後谷 和広 氏
(インタビューは2020年6月22日に実施)

  • ▲本作で開発の指揮を執るプロデューサー。好きな武将は張飛で好きな提督はビッテンフェルト(『銀河英雄伝説』より)。※写真は2019年のもの

好調な売り上げと新たな取り組みとなったシーズンパス

――まずは発売から5カ月を振り返っての感想をお聞かせください。

 まずまず好評を頂いているのかな……と、ホッとしたというのが正直なところです。発売前の社内評価でも「行けるだろう」という雰囲気もあったんですが、現在は累計出荷数も26万本を超え、一定の成功は収められたんじゃないかと思っています。

――成功の要因を挙げるとすると?

 アジア地域全体で同時リリースできたことですね。やはり中国が市場として大きいんですよ。一番販売本数が多いのは中国。次に日本、台湾、韓国とアジア地域が続く順番になります。今回は最初から簡体字(いわゆる中国語版)も用意していたのが中国のほうで話題になったくらいでして、その影響もあり中国語ボイスも早めに実装しました。

 あとは中国に限ったことではないんですが、『三國志13』からナンバリング的には4年ぶりとなりまして、久しぶりだね、という感覚もみなさんにあったんだと思います。

――『三國志』シリーズは中国でも人気とのことですが、意外に歴史シミュレーションやストラテジーとしての三国志作品って中国でも少ないように感じます。

 今更チャレンジしてくる企業があまりないのかもしれませんね(笑)。『三國志』シリーズでいろいろな作品を弊社が作ってきて、やりつくされている感も少しは影響してるのかもしれません。

――『14』ではシリーズ初の試みとなるシーズンパスが採用されました。ユーザーのみなさんの反応はいかがでしょうか?

 まずまず悪くない反応だと思っています。もちろん「無料でアップデートして欲しい」という声もいただくんですが、それでも内容的にネガティブに言われることは少ないかなと。発表しているシーズンパスの内容が、シリーズを経験されている方には想像しやすいものであることも「ああ、この内容ならこれくらいの値段ね」と理解されやすいんだと思っています。

――実際ユーザーの比率的にはどれくらいの方がシーズンパスを購入されているんですか?

 ざっくり半分くらいですね。そういう意味では想像以上に多くの方にご購入いただいていると思っています。

――個人的には有料DLCやシーズンパスという形式は、ユーザーが継続的に購買し続けることで、御社がそれを開発費に使い優良なアップデートを続ける限りはwinwinの関係になり得るものだと思っています。現状の熱量あるアップデートが今後も続くと期待してよいのでしょうか?

 そうですね、利益があるのは我々としても開発を続けやすいのは間違いありません。もともとシーズンパスの有料DLCはアップデートの内容も込みだと思っていまして、シーズンパスを売ることはその期間中はちゃんと力を入れてアップデートを続けますよ、という主張にもなるんじゃないかと私自身は考えていました。

 それもあってシーズンパスは8カ月とかなり長めに設定をしていますので、今後もアップデートはご期待いただければと思っています。

――『信長の野望・大志』のときの話になるんですが、アップデートの期間が短く残念に思った記憶があります。でもお金にならないことを続けられないのは、こちらも承知していて。今回のシーズンパスの流れは、例えばParadox社(編注:海外の開発メーカー。『Europa Universalis』などストラテジー作品で有名)のように何年にもわたって続く作品の(有料を含めた)ブラッシュアップを考えられているんでしょうか?

 率直に申し上げて、私にそこまでの決定権はないのでなんとも言えない部分ではあります。でも、2年も3年もエキスパンションが続くという、そういう長く遊んでもらえるスタイルにしたいなという意欲はあります。それは間違いありません。

話題となったシナリオコンテスト

――シナリオコンテストはSNSで盛り上がった印象があります。先日結果発表も行われましたが、改めて選考理由を教えてください。

 おかげさまで世界中から約1000もの応募作品が届き、選考には苦心しました。当然いろんな言語でくるので翻訳も大変で。漢字ならなんとなくわかるからそのまま見せて……と、海外でも中国からの応募はそのまま読んだりしていました(笑)。

 まず日本から選ばれた「氏姓覇乱」は、“趙”や“劉”といった姓ごとに勢力がわかれたシナリオです。これはじつは全世界、とくに日本中国から同じアイデアが一番多く届いた設定だったんです。みなさんが求められてるシナリオなのかなと思い、そのなかでもシナリオ名が印象的だったものとして選ばせていただきました。

 次にアジアから選ばれた「黄天当立」は黄巾が漢を滅ぼして、曹操や孫堅たちが黄巾に所属しているシナリオになります。武将たちが張角の志に惹かれたという設定が面白いと(笑)。この黄巾勢力は巨大な力を持つことになると思いますので、倒し甲斐のある大ボス役として面白い存在になるんじゃないでしょうか。

 最後に欧米から選んだのは公孫瓚が袁紹を破って河北を治めたという展開の「河北の雄・公孫瓚」です。これは私が好きで選んだんですが、袁家に関してはこちらで少しだけアレンジしていて、河北で敗れた袁紹を滅亡させず南に逃がしています。袁紹は魅力的な勢力であるものの、普段のシナリオだといつも最初から大きな勢力を有していて、なかなか使う機会がなかったと思うんですよ。逆境の袁紹で遊ぶのも楽しいだろうと考えて、袁術のほうに逃がす形にしました。

――欧米からのチョイスが意外に一番真面目なIF展開ですよね。

 じつは1000もの応募作品にも地域性があって、欧米が一番歴史に忠実というか、もしもこうなったら、というIF展開が多かったんです。それと、IF展開でも孫堅ネタが多かった印象もあります。「こんなに孫堅が欧米で人気なのかしら?」と不思議に思いました(笑)。

――応募作の地域性は面白いですね。日本は他の地域と比べてどうだったんでしょう?

 日本だと「氏性覇乱」もそうなんですが、英雄集結的なシナリオが一番多かったですね。歴史のアレンジよりも、オールスター的な展開が好みなのかなと。アジアだと、関羽が麦城で死ななかったら……というIFものが多く、やっぱり関羽は人気なんだなと感じました(笑)。

――欧米のIF孫堅、アジアのIF関羽、では日本で多かったIFシナリオは?

 孫策と諸葛亮ですね。孫策が生きていたら、孔明が第一次北伐で勝っていたら……というシナリオが多かったように思います。ちゃんと数を数えたわけじゃなくて、あくまで選考した私の印象ですが。

――9月には有料DLCとして3本のシナリオ配布が予定されていますが、その3本がこのコンテストシナリオの3本なんでしょうか?

 はい、そうなります。もともと仮想シナリオ3本の配布を考えて予定を組んでいたんですが、せっかくならみんなの遊びたいシナリオを公募したほうがいいよね、と軽い気持ちでコンテストを企画させていただきました。『13』のときもけっこう盛り上がったと聞いていたので、是非やってみようと。

  • ▲コンテストの受賞作品は上記リンクのHPから閲覧可能です!

『銀河英雄伝説』コラボの歴史がまた1ページ

――次は発売前にも話題となった『銀河英雄伝説』及び『銀河英雄伝説 Die Neue These』とのコラボですが、改めて振り返っていかがでしょう。

 『三國志』シリーズを遊ばれてきた方って、だいたいは『銀河英雄伝説』のブームをリアルタイムに味わった世代の方が多いんですよね。それもあって、とくに日本では反応がよかったです。

――いち『銀英伝』ファンからすると、声が無いとか、いわゆる石黒版の顔が少ないとかもあるんですが……。

 おっしゃりたいことは重々承知していて、そこは申し訳ありません。実際の実装にあたって、いろいろな都合あってこの形になりました。

 また『Die Neue These』版について配信が延期になってしまっている点も申し訳ありません。こちら、制作的に言うと今でもまさにリアルタイムに苦労しているのですが、イラストの描き下ろしなどに時間がかかってしまいまして。さらに最近のコロナウイルス(COVID-19)の影響を大きくに受けた結果、現在リリースが遅れて延期となってしまいました。

――イラストは新規描き起こしだったんですね。

 主要キャラはもともとあるイラストを版権元からいただいているんですが、そうでないキャラは描き下ろしなんです。逆に言うと、今後追加されるキャラは描き下ろしが必要な人物……というと誰が出るかのヒントになるかもしれませんね。

――もう一声ヒントをお願いします!

 まず『銀河英雄伝説』のなかでも、『Die Neue These』に出たことのある人物です。そこは間違いなく、あとは『三國志14』の個性システムに適した人選で選んでいます。

――なるほど「猪突」っぽい人がいるかもしれませんね!

 いるかもしれませんね(笑)。あとは「名声」っぽい人であるとか。それはあくまで例ですが、個性システムに落とし込みやすい人物にしています。

  • ▲ちなみにロイエンタールの魅力の低さを嘆いたところ、『Die Neue These』基準……つまり原作9巻、新領土総督としての彼ではなく、原作2巻リップシュタット戦役時点の評価とのことでした! メルカッツ曰く「思うに、ロイエンタールは、地位が高まり、舞台が広がるのに応じて、その力量を充実させていく男です」。

5カ月間のアップデートと『14』の進化

――2月のアップデートで「曹家分裂」が突然追加されたのは驚きました。Facebookのコメントによれば、越後谷さんもいきなり完成していて驚いたとか?

 私も最後に報告聞いただけなんですよ。いきなり「できたので出します」と言われて「え!?」という(笑)。

――開発の方の熱量を感じさせるエピソードですね。今後もこういったシナリオを追加することはあるんですか。

 これはもう余裕があればとしか(笑)。もともと予定にないものは、相当余力がないとできないことなので……。「曹家分裂」は作った者が最初から入れる気で、発売直後から作っていたようなんですよね。「漢忠臣ここにあり」はSTAY HOME週間に何かできることはないかと考え、ちょっと無理していたようです。

――アップデートではAIの強化も頻繁に行われているところです。やはり最も大変な部分なんでしょうか?

 はい、難しい部分ですね。ただ強いAIではなくて、面白いAIでないといけないと思うんですよ。ただ単に割り切って強くすると、最適解しか選ばないワンパターンなものになって、おもしろみがなくなるんです。「この手か」とわかった瞬間につまらないものになってしまう。

――強いことよりも面白いこと、なんですね。

 はい。各武将は性格なども考慮して動くようにしています。一見して意味がわからない動きをしているとしても、それはじつは性格であったりのなんらかの意味がある動きになってるんですよ。あえて最適な行動を取らせていないことすらあります。そこはみんながみんな同じ動きだと没個性になっちゃうんですよね。

 AIが何を考えているかは一見してわからない部分で、動きで見せるしかないんですよね。そこはどう表現するか悩んだ部分で、これからも永遠に悩み続けるところでもあると思います。

――アップデートで防衛AIは目に見えて強化されたと思います。一方で攻撃に関しては少数で城に突っ込んで自滅したり、簡単に兵站を切られたりという弱い部分もまた目立つように感じます。

 防衛に関して言うと、これはだいぶ強化できたんじゃないかとこちらも思っていて、たとえば親愛の相性を見て出撃する、複数の武将を固まって動かすなども行うようになりました。

 攻めに関してはこちらの努力不足で申し訳ないんですが、言い訳をするとやはり攻めのAIのほうが、守りのAIよりもはるかに難しい部分なんです。守りのAIは城に攻めてきた敵部隊のことだけを考えればいいんですよね。目標がシンプルで、考えのゴールを設定しやすいんです。

 逆に攻めのAIは考えなければならないことが非常に多い。兵站の維持や、攻める城の戦力や防衛部隊の位置関係などなど、どれが最適な行動かとアルゴリズムが検索するにしても、深いところまで検索を続けているとどうしてもCPUの思考時間が長く重くなってしまうというのもあります。テンポを維持しつつとなると、どうしても攻めは荒めになりがちです。

  • ▲なにげに親愛武将同士で出撃しやすくなったAI。“神将”関羽の親愛グループなどは怖いことに……!

――君主が1人で攻めてくるのをよく見かけるんですが……。

 君主1人で行動するケースは、たいてい君主が強い武将であることが多いんですよね。都市から部隊を出すにあたって、弱い武将に兵をもたせるくらいなら一番強い武将、この場合だと曹操や袁紹に兵を集中したほうが強いよね、という判断をAIが下しています。なので、その都市に君主くらいしか強い武将がいないときに起きるパターンです。

――なるほど。前線に強い武将を集めたりはしないんでしょうか?

 それはしています。ただ後半シナリオの曹操のように、勢力が大きくなって前線が広くなると武将の配置も薄くなってしまうんですよね……。こちらもその問題はわかっていて、5月のアップデートで君主単独で動くというパターンを軽減はしました。「萎えるからやめてね」と担当に指示は出しているんですが、どうしても状況次第では今でもそうなることはあります。

――君主の戦略性としてのAIの話なんですが、蜀の劉璋や河北の韓馥ら、引き籠り系AIが治める地域は彼らっぽいと思う反面、情勢が動かないという批判もあるんではないでしょうか?

 確かに賛否両論いただいている部分です。ただ、「それが劉璋だよね」という肯定的なご意見のほうが多く、そこは大丈夫かなと。劉璋で言うとそれよりも「蜀なのに生産力が高まりすぎる」というご意見の方が多く、そこが今は気になっている部分です。

 ゲームシステム的に、戦争の舞台にならない土地は荒らされることなくぬくぬくと豊かに育っていくんですよね。蜀は戦場になることが少なく、結果、どんどん国力が高まっています。蜀の地はもともと魏に比較して人口の少ない土地なのに、それでいいのかなと。ただシステムの根幹に関わる部分なので今すぐ対応できることではなく、今後の課題とさせてください。

――こちらも君主AIの話なんですが、「漢中争奪戦」シナリオで劉備がまったく漢中を攻めずに荊州に夢中になっているのはなぜなのでしょう。

 これはですね、もともとAIは相性の悪いほかの君主を狙いやすい傾向にあって、一言で言うと劉備は張魯よりも曹操が嫌いなんですよ。さらに言うと、AIは漁夫の利を狙って係争地(主権を巡り領土争いがある場所)に介入しやすいこともあって、動きの発生しやすい荊州を狙う傾向にありますね。

――なるほど、「潼関の戦い」で梓潼に入った劉備が成都を狙わずやっぱり荊州を攻めるのも同じ理由ですよね。

 そうですね。先ほどの劉璋の蜀が豊かになっているという話にも関係するんですが、兵力を蓄えて引き籠っている、いわば隙の無い、しかも相性のいい劉璋よりも、やはり相性が悪く情勢の動きやすい曹操を狙う傾向ですね。ちなみに劉備は孫権とも相性が悪いので、東にも喧嘩を売りやすい傾向にもあるんですが(笑)。

――『信長の野望・大志』では、例えば長宗我部家が四国に拘るなど大名家に地域的な攻略優先度がありました。曹操打倒を最優先することも劉備らしいとは思うんですが、成都や漢中を目指して欲しいという気持ちもやはりあります。

 こちらとしてのやり様はあるんですよ。例えば劉備のAIがいろんな情報を吟味して最終的に攻める場所を決めるにあたって、目標のうち成都や漢中には優先順位のゲタを履かせるとか。ただ今のバランスだと隙のない劉璋に撃退されて、逆にその隙を曹操に狙われて滅ぼされるかもしれません。

 難易度の追加は9月のアップデートであと一度予定していますし、何らかのそういう工夫があってもいいとも思います。

  • ▲ぬくぬく安全地帯で蜀を肥えさせるいつもの劉璋さん。防御施設の山盛り建設も、他勢力が手を出さない要因のひとつとか。

――ちなみにAIのアップデートに関して直近の目標は?

 漠然と言うと、より面白くなるAIですね。先ほども言いましたが、ただ強いよりも面白い形です。単調なAIが面白くないのは間違いないので、今後もここは突き詰めていきたいです。今は9月の次の難易度を、どうすれば面白くなるかを検討している最中です。

――5月には超級難易度が追加されました。次の難易度は、単純に難易度の上がるものではないんでしょうか?

 そこも今まさに悩んでいるところです。いろんなバリエーションで楽しめて、かつ歯応えのあるものが理想と考えています。先ほどの史実的な動きと仮想的な動きの差も、アイデアの選択肢のひとつではあります。

――超級難易度に関して、ユーザーのみなさんの反応はいかがでしょうか?

 勢力が大きくなっても面白さが続く、という肯定的な意見は多くいただいています。上級でも簡単に思える人は、今までは勢力がある程度大きくなって、それこそ三国鼎立したくらいであとは歯応えなく勝てていけたと思うんですよ。それが超級では、そこからも敵の強さが続いて大勢力同士の戦いが盛り上がるようになりました。一方、相対的に序盤~中盤の難易度はものすごく上がって辛いものになっているはずです。

 とくに府の効果に関してはCPU側に有利に働くように作っているので、「純粋にアルゴリズムで勝負してほしい」という意見がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の超級難易度はAI強化を優先としつつも、CPU側の府の補正も含めてこれくらいの難易度なら面白いんじゃないかと提示させていただきました。

――ちなみに超級は捕虜を捕縛しにくくなっていますよね? 身代金を取りにくく、敵のエースを斬りにくくなったことも難易度に影響があるように思います。

 たぶんしています。たぶん、というのも仕様の細々した部分は調整担当に任せていて、難易度調整も「面白くなるならいいよ」とざっくりした指示しか出していないからですね(笑)。以前、私が「これちょっと簡単に捕まりすぎじゃない?」とボヤいた記憶があるのでそれが影響している可能性も……。

――逃げやすいといえば捕虜も逃げやすいですよね。誰がそんなとこに鍵置きっぱなしにしてるんだと、一周して逃げセリフが面白くなってるんですが。

 そこもボヤいた記憶はありますが、こっちは特に動いてないみたいですね(笑)。とは言え、今後、何か調整してくる可能性は勿論ありますが。

  • ▲脱走し放題と噂(?)の牢屋。いちいちコメントが面白いんですが!

――5月のアップデートで追加された「BGM編集&追加BGMセット」では、『12』と『13』のBGMを使えるという大満足な内容でした。今後、『11』以前のBGMを同様に使えるようになるんでしょうか……?

 申し訳ないのですが、今のところ予定はありません。楽曲を利用するのには権利の問題もありますし。使えるようになったとしても、すべてを無料にはできないので、今後のみなさんのご要望に応じて検討させていただければと思います。

――個人的には一騎討ちのモデルの少なさは残念に思ってる部分です。これは『13』のモデルを流用するなどアップデートでなんとかならないんでしょうか……?

 これは難しいところです。開発側の問題で申し訳ないんですが、『13』から描画エンジンが大きく変わって、『14』では以前の作品からの3Dグラフィックの流用がかなり難しくなっているんです。

 グラフィックエンジンが変わったことで全体のクオリティは上がっているのですが、過去のリソースを使えなかったのがモデルの少なさにつながっています。そこは私の責任で申し訳ない部分でもあり、有名武将まで汎用なのはガッカリだというみなさんの気持ちもわかりますので、いずれなんとかしたいです。コスト面もあって、なかなか難しいですが。

  • ▲こだわりを楽しめるBGM編集機能。個人的には処刑テーマこと『13』の戦闘(優勢)はここぞというときに使いたいBGM!

6月25日アップデートとこれからの『14』

――6月のアップデートでは「武将CG追加ツール(Windows®版のみ)」が実装されます。これは要望の多かったツールではないでしょうか?

 じつはこれも、先ほどの描画エンジンの話がここにも影響していまして……。本来、武将CG追加ツールは発売と同タイミングで実装する予定でした。ツールの存在そのものは去年の東京ゲームショウの時点でも言及していて、実装は既定路線だったんですよ。

 ところが描画エンジンを変えたことで、過去のツールがまったく動かず1から作り直しになってしまいまして。6月でようやくリリースということで、お待たせしてしまって申し訳ありませんでした。

――過去作と操作の仕様も違うのでしょうか?

 それは同じです。絵を取り込む部分の内部的な仕様が違ってるだけで、やり方は従来通りです。初めての方のために説明書もPDFで用意させていただいています。

  • ▲好きな写真を使って武将を作ることが可能に。これで色んな遊び方ができるんじゃないでしょうか!

――あとは武将名鑑と名品名鑑も地味にうれしいところです。

 これはアジアはもちろんですが、とくに欧米からの要望も多かった要素です。欧米の方々にとっては三国志が日本や中国ほど身近ではないこともあって、どんな武将なのか、どんな名品なのか知りたいという知識的欲求があったんじゃないかなと思っています。

  • ▲欧米からの要望が多かった、各種名鑑。これで三国志博士に!?

――6月アップデートは、5月以前と比較して少なくも感じました。

 正直、今回の6月アップデートはコロナウイルスの影響の直撃を受けてしまって……。あれでアップデートや『銀英伝』コラボの予定が相当狂ってしまい、そこはユーザーのみなさんにご迷惑をおかけして申し訳ありません。

――シーズンパスは9月が終わったあと、第2シーズンや第3シーズンも考えられているんでしょうか?

 構想はあるんですが、実際どうなるかはわかりません。今は直近の作業でとにかく忙しくて、9月のアップデートの作業が終わるまでは腰を据えて考えられない状況ですね(笑)。何か形になるとしたら、最初のシーズンパスが完成したあとに発表できればいいなと思っています。

――以前のインタビューで“『パワーアップキット』を出すなら、エキスパンション的な内容にしたい”というコメントをいただきました。そちらの構想は……?

 その気持ちは今も変わっていません。ただ次のシーズンパス同様、今のところは目先のDLCと『銀英伝』を出し切ることがとにかく大変で、まだそこには至れない状態ですね。次に何かするとすれば間違いなく、遊び方が変わる拡張的なものになると思います。

――個人的には外交や謀略面が薄く感じるんですが、今後変わっていく予定は?

 まさにそのあたりもエキスパンション的な内容の1つではないでしょうか。もともと今回は戦争面に注力した作品で、外交、謀略が薄いというのはこちらも理解しています。『14』はもともと色塗りを核に戦争や内政をする作品になっていて、その色塗りの要素を外交や謀略に持ち込めないかなとは考えています。外交での勢力の変化を色塗りに何か落とし込めれば、外交のダイナミズムを再現できるんじゃないかなと。

 まあ、まだ何かしたいなあくらいの構想です(笑)。アップデートでやるには重すぎる内容ですので、エキスパンションクラスの何かで入れたい要素ですね。

――では最後にユーザーのみなさんに一言ありましたら。

 発売からもう5カ月という気分と、まだ5カ月という気分と両方あるんですが、ずっと遊んでいただいているユーザーのみなさんにはありがたく思っています。

 予定されているDLCはあと2個、そして『銀英伝』コラボもまだ続いていますので、やや首を長くしてお待ちください。引き続き『三國志14』をご愛顧のほどをよろしくお願いいたします。

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三國志14

  • メーカー: コーエーテクモゲームス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: SLG
  • 発売日: 2020年1月16日
  • 希望小売価格: 8,800円+税