新たな性癖が開発されちゃう? Switchの良作アクションRPG『箱庭えくすぷろーらもあ』レビュー
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PLAYISMが6月18日に配信したNintendo Switch用ソフト『箱庭えくすぷろーらもあ』。ちょっぴりHなグラフィックやクスリとくる小ネタ、自由度の高さが魅力的な本作のレビューをお届けします。
本作はsuxamethoniumがHSPプログラムで開発し、HSPプログラムコンテスト2015でアクティブゲーミングメディアPLAYISM賞、ニコニコ自作ゲームフェス賞を受賞したフリーゲーム『箱庭えくすぷろーら』のグレードアップ版です。
2018年に製品版としてPC(PLAYISM、Steam)で配信されており、Nintendo Switch版はその移植となっています。
自分で世界を切り開く! 自由な冒険が楽しい!!
フリーゲーム版をプレイして、いつかコンシューマでも遊びたいと思っていた作品がついにSwitchへ移植! いや~、うれしい。このゲームの魅力はいろいろありますが、やはり何といっても自分で世界を切り開いていく自由度の高さ。それから、モンスターや町の人の描写から溢れるフェチズム。そして、脱力感あふれるゆる~いテキストでしょう。
そうなんです。とにかく、このゲームいろいろな意味で“自由”なんですよ。まず、ゲームを始めるとときに主人公の性別と難易度を決めますが、ここからしてもかなり“自由”なゆるさ。
ゲームが始まってプレイヤーが冒険する目的を聞いたら、あとはどう行動するのも自由です。主人公を起こしてくれた“すく水”さんをいきなりぶん殴ってもよし。そもそも、なんでファンタジー世界で“すく水”がいるのかはよくわかりませんが、そこもよし!
一応、外にいるおばさんの依頼を聞いて“ハジメ橋”を攻略するのがチュートリアル的な流れになっており、そこで行動できる世界が一気に広がるのですが、別に“こうしろ”という指示はありません。猫の尻尾をなでなでしてもよし! 怒られるけど。
町の人を殴ったり、尻を触ったり、ジャンプして頭の上に乗って怒られたり、何をするのもプレイヤーの勝手です。あまりやりすぎると“怨恨度”が上がって町の人に嫌われてしまいますが、下げる方法はあるのでご安心を。
あえて悪さをしないと見られないイベントもありますが、序盤は怨恨度が20を超えない程度に抑えつつ、ゲームに慣れたら上げるくらいで十分です。怨恨度を下げられるようになったら、いろいろワルイことをやってみましょう。笑っちゃうと思います。
まあ、段差から話しかけようとして頭に乗った判定になって怒られたり、後ろからぶつかってお尻を触ったことになったりと、意図せず怒られることも多いのですが……。ラッキースケベみたいな意図しないハプニングで怨恨度が上がるので、話しかける時はご注意を。
このゲームは相手の正面や横からぶつかると普通の会話になりますが、後ろからぶつかるとなぜかお尻を触ったことになるのです。老若男女問わず。おじいさんもおばあさんも、犬も猫も馬も触ります。なんなんだ、この主人公。触るつもりじゃなかったけど老人にボコられ、幼女に殴られてゲームオーバーになる……なんてことは日常茶飯事。それもまた、このゲームの醍醐味です。
こう書くとネタばっかりのいい加減なゲームのように思われるかもしれませんが、とんでもない! 行ける場所も多いですし、ボスもいっぱいいますし、作り込まれたゲームとしてマトモに楽しいんですよ。
探索すればするほど、どんどん新しい場所を発見できる喜びがあります。町の人から情報を聞き、好きなダンジョンから攻略できる自由さも見どころ。ふざけた部分をのぞけば、ゲームとしてしっかりしているんですよ。ふざけたところも大きな魅力ですが。
拾った装備をやりくりしていく楽しさ
このゲームでは町の人から情報を集め、フィールドマップに隠されたダンジョンを発見して攻略すると新たなエリアに行ける仕組みになっています。まさに“箱庭”を切り替えていく感じで、探索と発見が次々とやってくるんですよ。サクサク遊べてテンポも最高!
アクションRPGとしてもシビアではなく、いい意味で大味。きっと、初めてすぐにアイテムが豊富なことと、それに対して所持数上限が厳しすぎることに驚くと思います。アクションRPGなのでアイテムを大事に持っておきたくなるものですが、ボッコンボッコン手に入るので使い捨てが正解。
どちらかというとローグライクゲームのように、いろいろなアイテムを拾ってやりくりするゲームです。装備も耐久度があって簡単に壊れますし、宝箱がどこでも降ってくるのでアイテムが枯渇することはゼロ。惜しまずガンガン使うのがポイントですね。なんで、宝箱が降ってくるの!?
素手でも十分強いので、武器は弓か近接武器を1個持っておくくらいで問題ありません。ドコドコ手に入るアイテムを使い捨てながら進みましょう。レベルも驚くほどにガンガン上がるので、積極的に画面内の敵を全滅させる必要もありません。困ったら画面を切り替えて逃げちゃうのも手。
とにかく、好き放題進めるのが本作のよさなんですよ。自分の思うがままに冒険を楽しみましょう!
アイテムの説明から会話まで小ネタが満載!
冒険自体も楽しいのですが、何よりも楽しいのがテキスト。町の人の会話はどこかネジが吹っ飛んでいるし、主人公の選択肢も“小学生か!”と思うようなものばかり。ただし、否定の選択をすると怒らせてしまうことがあるので、答えたくないときはBボタンでキャンセルしましょう。キャンセルすると無視した扱いになりますが、無視なら怒られません。
また、アイテムのテキストも小ネタが多すぎて笑えます。下ネタからバカバカしい小ネタ。開発当時に流行っていたネットの時事ネタもあり、ところどころ「今だとわからないのでは?」と思うものも。それも含めて、ギャグとして受け入れられると思います。
テキストについて解説しちゃうとギャグの解説になってしまうのでやめておきますが、脱力するようなテキストでも性能がよかったりするので侮れません。解説文だけではなく、能力もちゃんと見ておきましょう。
こだわりを感じるフェチなモンスターに小中学生も目覚める!?
このゲームで、もっともこだわりを感じるもの。それはモンスターへのフェティシズムです。ぬるぬる動く女の子型のモンスターには作者の尋常ならぬ情熱(推測)があふれており、プレイした小中学生を新たな性癖へと誘うのは間違いありません。いや、誘っちゃダメ!
スライムから手に入る“けしからん液体”をすく水に使って動きを止めると、アイテムのすく水を落としたり、お尻を触ってお金を巻き上げられたり……あれ、そういうゲーム!? と思っちゃうような際どいところもスゴイ。直接的な描写はないのですが、どこか“エロい”です。家庭用ゲーム機で出せたこと自体が信じられない!
と言っても、ただいやらしいわけじゃないんですよ。あくまでも、“ちょっぴりH”にとどまっているのがポイント。おじいさんもおばあさんも男の子も女の子も男女平等に尻を触れますし、お色気ハプニング的でちょっとドキドキする感じかな。少年マンガのお色気描写みたいな。だから、下品なゲームではありません。たぶん。
おっと、あまり語りすぎてもゲームの魅力を損ねてしまいますね。続きは冒険の旅に出て、自分の目で確かめてみるほうがよいでしょう。おふざけと冒険が詰まった本作は、肩の力を抜いて遊べる良質なアクションRPGです。ちょっと変わったテキストのゲームを遊んでみたい人にもオススメですよ!
(c)すき suxamethonium 2015-2020. Licensed to and published by Active Gaming Media Inc.
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