『サイバーパンク2077』はなりきり型RPGの最高峰になる! メディア体験会でプレイした魅力に迫る
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- hororo
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※『サイバーパンク2077』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
11月19日に発売されるPS4/Xbox One/PC用RPG『サイバーパンク 2077』のプレイレポートを掲載します。
『サイバーパンク2077』は、『ウィッチャー3 ワイルドハント』を手がけたことで有名なCD PROJEKT REDが開発中の、オープンワールドRPGです。タイトルが示す通り、“サイバーパンク”と呼ばれる世界観を舞台とした作品。身体改造やネットワークを使った意識共有といったテーマや、政府や企業が力を持ち、必要以上に行動に枷をはめたディストピアなどが描かれることが多いです。
映画『ブレードランナー』やアニメ『攻殻機動隊』などを思い浮かべるとわかりやすいでしょうか。
本作の舞台となるのは、企業が大きな力を持ち、過剰な監視網を敷いた都市・ナイトシティ。そんな世界で生きるアウトロー“サイバーパンク”の1人・V(ヴィ―)が、己の力を頼りに生き抜いていくストーリーとなっています。
メディア向けの体験会が先日開催され、いち早く実機に触れることができたので、そこで得た体験をもとに、本作の特徴と魅力について語っていきます。
制限があるからこそ悩ましい成長要素は、TRPGのような味わい
本作は、1991年に発売されたTRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』を原作としています。それだけに、プレイヤーの分身となるVのカスタマイズ性は非常に高く、「これまでのどのオープンワールドRPGを凌駕するほど」と言っても差し支えないでしょう。
多くの作品同様に、本作でもプレイ開始時にVの容姿を変更することができます。顔の細かい造形はもちろんのこと、ユニークな部分では歯のカスタマイズも可能! これは表情の描写に力を入れた結果、カットシーンで歯が見えるケースが多かったことが理由とのこと。髪の色合いも自然なもののみならず、輝くネオンのような極彩色のものもあり、“まさにサイバーパンク”という感じ!
容姿のカスタマイズが苦手という方は、用意されているプリセットが便利。本作の容姿はゲーム中でも変更可能。なんせ体のほとんどが機械化できるサイボーグ技術がある世界ですから!
もちろん、外見のカスタマイズだけが特徴ではありません。すでに公開されているトレーラーやゲームプレイムービーでもわかるように、本作にはさまざまな戦い方が用意されています。
その幅広さの基盤となるのが、キャラクターの能力値やスキル、パーク、サイバーウェアといった要素。各要素がさらに細分化しており、誤解を恐れずに言えば、初見では何をどうしたらいいかわからないほどの量の多さ! ですが、こういった細かい要素の積み重ねがキャラクターの個性につながり、プレイスタイルとなっていくのです。
簡単にパラメータを紹介
【能力値】
キャラクター成長の基本となるステータス。5つに分かれており、レベルアップで得られるポイントを割り振って成長させていく。
・肉体……物理的な力。体力、スタミナ、集弾性、肉弾戦におけるダメージに影響
・反応……敏捷さ。クリティカル率、攻撃速度、敵の攻撃を躱す能力に影響
・知力……知性や記憶力。ハッキングの難易度、プログラムのアップロード時間、メモリ容量に影響
・技術……技術的な適性。防御力、クラフトに必要な素材の収集力に影響
・意志……自制心や精神力。ステルス能力、クリティカル時のダメージ、耐性に影響
【レベル】
戦闘やクエストクリアで上昇。レベルが上がると、能力値ポイントとパークポイントを獲得できる。
【クレド】
プレイヤーの評判。依頼の達成やプレイヤーの行動などで変化する。“名声”のようなもので、高くなればなるほど、利用できる店や取引できる商品の質、依頼される仕事に影響する。
【スキル】
プレイヤーがアクションを行うことで上昇する。例えば銃を使って敵を倒すことでガンスリンガーのスキルが上がり、よりアクションを効率的に行えるように。
【パーク】
各スキルに付随する能力。スキルごとに無数に存在し、獲得するとアクションやパッシブボーナスを解除できる。獲得にはレベルアップ時などに得られるパークポイントが必要。
【武器防具とサイバーウェア】
武器や服装には改造パーツをセットするためのスロットがあり、カスタマイズが可能。サイバーウェアはいわゆる身体改造で、アクションの幅を広げてくれる。
このように、カスタマイズ要素はかなり豊富、かつパークの数が膨大。武器や防具にはレアリティがあり、同じ名前のものでも改造パーツのスロット数に差があるため、凝りだしたらキリがなさそうな気配……。また、レベル上限も設定されているようで、最終的にすべての要素に優れた超人になれるということはなく、プレイヤーによる取捨選択が必要とのこと。この辺りは、“制限されたなかで自分なりの個性的なキャラクターを作る”というTRPGのエッセンスを感じて、個人的にテンションが上がりました。
また、使うことで上昇していくスキルの概念はここ最近では珍しく、ちょっと懐かしさすら感じます。プレイをするうえで必然的に得意分野が形成されるようになっており、それが「自分のVはこういうキャラなんだ!」というナラティブ感の助けになっているように思いました。
細かな表現にも注目! 描写の作り込みや戦闘の多様性など、あらゆる面にこだわりを感じる
本作は、最初に選んだライフパス(出自)によって序盤の展開が変化します。ナイトシティで育った悪ガキ的な“ストリートキッド”、ナイトシティの外からやってきた“ノーマッド”、企業務めで日々のストレスと引き換えに一流の暮らしを送っている“コーポレート”から1つを選ぶことに。まったく異なる環境のため、自分のVがどのような存在なのか、ロールプレイ的にも大きな意味を持つでしょう。
今回の体験会ではすべてをプレイする時間は取れなかったので、コーポレートを選びました。インプラントマシマシの企業の犬……なんてサイバーパンク的な響きでしょうか。
コーポレートを選ぶと、大企業“アラサカ”に勤めるエリート社員としての導入がスタート。アラサカは作中の世界において、もっとも力を持つ企業のひとつ。Vは過激派の幹部に尽くすエージェントなのですが、始まりが社内のトイレでストレスに頭を悩ませているという、企業主義の世界に生きるサラリーマン的な、なんとも言えない陰鬱な幕の上がりかたでした。これが“サイバーパンク”……!
コーポレートでスタートした際のVの上司である、ジェンキンス。かなりの野心家で、暗い仕事をVに実行させていました。そのためか、Vは社内の人間にも距離を置かれているようです。
その後いろいろあり、社内の政争に敗れてすべてを失ってしまうのですが、今回は割愛。おもしろいのが、アラサカで働いていた時は視界に株価や最新ニュースが表示されていたこと。すべてを失ったあとはそれらの表示はなくなってしまうのですが、これはアラサカの社員がインストールしているサイバーウェアによる演出とのことで、作り込みの細かさが見受けられました。
物語の舞台となるナイトシティは広大で、ワトソン、ウエストブルック、サントドミンゴ、パシフィカ、ヘイウッド、シティ・センターという6つの地区と、バッドランズと呼ばれる周辺地域で構成されているとのこと。まさに大きな街を丸ごとひとつ作ってしまったような感覚です。今回の体験会で移動できたのはその一部分のみでしたが、それでもすべては見て回れないほどの要素が詰まっていました。
平面的な広さでいえば同社の『ウィッチャー3』のほうが広いかもしれませんが、本作の魅力はその“密度”。立体的に入り組んだ街並みを自由に移動するには慣れが必要だと感じるほどでした。ですがそれがストレスに感じないのは、サイバーパンクという世界観と合致しているからかもしれません。
何よりも、英語と並んで“なんちゃって日本語”や中国語、それらのハイブリッドが散りばめられた街並みは、まさに我々が望んでいたサイバーパンク! ビカビカに光るネオンと並んで、混沌とした雰囲気作りに一役買っています。
本作の移動手段として多用する車は、ワンボタンで近場まで自動で乗り付けてくれる優れもの。おかげで徒歩で長々と移動する必要はなく、快適に移動できました。ファストトラベルも用意されていて、特定のターミナルから別のターミナルに移動する『ウィッチャー3』と同様の形式となっていました。
ちなみに、車はパーツの交換などはできないものの車種はたくさん用意されており、コレクションを楽しめるとのこと。車に乗りながらの戦闘なども行えるだけでなく、助手席から追手の車両を迎撃するといったカーチェイスイベントもあり、多彩な手段でプレイヤーを楽しませようという気概を感じます。
戦闘について語ると、これまでに発表されているように正面戦闘もできるし、ステルスで切り抜けることもできるという、“攻略の多様性”を意識したスタイル。本作ならではのハッキングを駆使した戦術も楽しめます。せっかくなので、本作の特徴でもあるハッキング重視でプレイしてみたところ、さまざまな発見がありました。
まずハッキングで行えるアクションは、サイバーデッキというハッキング用のデバイスが必要ということ。簡単に言い換えればハッキング時に行えるアクションを装備する感覚です。敵を自爆させるような強力な効果はコストが高く、これらを有効活用するにはハッキング重視のカスタマイズが必要になりそうでした。
一方で、看板の表示をいじったり、電源を誤動作させたりするものであればコストは低め。比較的気軽に使えますが、ハッキングにはクールタイムが設定されており、一度使うとしばらく再利用できません。つまり、タイミングと使うハッキングを考える必要があり、なかなかインテリジェンスを求められそうな要素になっています。
だけどそれが楽しい……! スマートに切り抜けられた時は、他では味わえない独特な快感を得られそうです。まぁ、自分はほとんどバレて銃撃戦になりましたが(苦笑)。
なお、ハッキング時にはスキャンモードという状態を経由します。ハッキング可能なオブジェクトなどがハイライトされ、わかりやすくなるモードなのですが、おもしろいのが人をスキャンして、その人の生活や職業などを覗けること。賞金首が紛れている場合があるそうで、倒せば報酬を得られるようです。残念ながら今回は発見には至らなかったものの、怪しい人物をスキャンし狩っていく、“賞金稼ぎプレイ”も楽しそうです。
時間が限られたため、今回はハッキング重視のプレイしか体験できませんでしたが、公開済みのトレーラーを見ていると扉を無理矢理こじ開けたり、腕に格納できるブレードを壁に刺して貼り付いたりと、さまざまなアクションが用意されていることが伺えます。1つのクエストにつき多彩なクリア方法を用意しているとのことなので、自分なりのプレイスタイルを突き詰めるのが今から楽しみでなりません。
ちなみに戦闘についてですが、ファーストパーソン(一人称)視点となっているものの、本作のジャンルは“アクションRPG”です。そのため、ヘッドショットを当てれば一撃で敵を倒せるというわけではなく、あくまでもダメージが増大するという形式。敵にもレベルが設定されているため、序盤からどこでも好きな場所へ殴り込める、というわけではありません。
この辺を自由度がないと捉えるか、成長するためのモチベーションと捉えるかは人それぞれですが、個人的には今回の体験範囲でさえ行ける場所が豊富に用意されていたため、特に気になりませんでした。
プレイヤーの行動が展開やギャングとの関係に影響!
会話の内容やクエストの進め方で物語展開が大きく変化するのは、開発をてがけたCD PROJEKT REDの得意とするところ。本作でも一切の妥協なく、その魅力は受け継がれています。
メインクエストのひとつでは、その要素を強く味わうことができます。Vは相棒のジャッキーとともに、有名なフィクサー(仲介人)のデクスターから依頼を受けることになります。その内容は、メイルストロームと呼ばれるギャングから、購入した軍用ボットを回収してきてほしいというもの。代金はすでに支払っているものの、その後にメイルストロームのリーダーが変わってしまったため、取引を反故にされる可能性があるとのことでした。
つまりVたちに与えられた任務は、どうにかしてボットを回収することです。さらにこのクエストでは、Vたちとメイルストロームだけでなく、ボットの本来の持ち主であるミリテク(世界有数の軍用兵器メーカー)も絡んでくるということ。そう、ボットは実は盗品だったのです。
ここでプレイヤーが取りうる選択肢はかなり多く、実際今回の体験会に参加したメディア間でも、クリア方法はさまざまなようでした。
私が取った方法は、まず本来の持ち主であるミリテクのエージェント、メレディスと会うことでした。ミリテクはミリテクでいろいろ事情があるらしく、結局ミリテクが用意したクレジットチップでボットを買い取ることを承諾。その見返りとしてボットは持ち帰ってよいということに。このクレジットチップにはウイルスが仕込まれており、メイルストロームの金の流れを把握することができるとのこと。つまり、ミリテクと協力してメイルストロームを出し抜こうというわけですね。
もちろんそのまま条件をのむことも可能ですが、このクレジットチップにしかけられたウイルスをハッキングして解除することにしました。ハッキングスキルを上げておいたからこその方法です。
なお、このようなハッキングでは、英数字の羅列から表示されたハッキング項目と同様の文字列を選ぶミニゲームが始まります。一度仕組みがわかってしまえば構造はシンプルなのですが、一見すると少しわかりにくいかもしれません。製品版では、ミニゲーム的な要素はスキップできるように検討中とのことです。
無事にウイルスを除去し、メイルストロームとの会談へ。メイルストロームの新リーダー・ロイスとの交渉は、一時険悪なムードになりつつも、ミリテクからもらったクレジットチップを使うことでボットの引き取りは完了。さらにウイルスが仕込まれていたことをロイスに教えることで、メイルストロームから(一応の)感謝をされます。
この直後、あとをつけてきたミリテクの部隊との銃撃戦が始まるのですが、メイルストロームに貸しを作ったことで共闘関係に。自分のプレイが大きくプレイに影響を与えるというのはこういうことかと、その場で実感を得られました。
実はここでウイルスを除去していないと、メイルストロームとの戦闘になるらしく、実際メイルストロームと和解したルートを選べたのはかなり珍しいとのことでした。ちなみに、お金さえ持っていれば全額自腹を切って買うこともできます。
別のタイミングの話になりますが、Vに仕事をくれたフィクサーのデクスターを出し抜いて、報酬を山分けしないかと持ち掛けられるシーンも。デクスターは会うなり「裏切りは絶対に許さない」的な言葉を言うような人物なので、実際にどう判断するかは悩ましいところ。この時もその場の判断ではなく、ギリギリまで言葉をにごしておくことも可能なようで、リアルな駆け引きが楽しめそうです。自分はデクスターに「裏切るように持ち掛けられた」とバラしました。
自分の行動がさまざまな人物との関係に絡んでくるだけでなく、キャラクターを殺害しても物語が破綻しないようになっているとのことで、メインのシナリオラインは共通ではあるものの、プレイヤーによって細かい部分の差異は多くなりそうです。
さらにはライフパス(出自)ごとに、特別な選択肢が出ることもあって、他のライフパスでどうなるのか気になる場面もありました。
最後に、気になる日本語版での表現問題に関してですが、下着の着用や切断面の黒化といった、『ウィッチャー3』同様の手法で表現の変更が行われるようです。ただし、下着はキャラクターに合うようにデザインを調整したり、映せない部分をノイズが走るような表現でボカしたり、過激なイラストの看板であれば、機械が故障しているような描写となったりと、世界観的に違和感のない方法を取るとのこと。
発売日こそ2カ月後ろに倒れて、2020年の11月19日となってしまいましたが、今回プレイしたことでその期待感はさらに高まる結果になりました。PlayStation 5、Xbox Series Xへの後方互換も発表されているうえ、PlayStation 4、Xbox One版を持っていれば追加購入の必要なく、将来的に発売されるPlayStation 5、Xbox Series X版を無償で提供することを予定しているようです。
なお、PS4版のパッケージ版を購入した場合、PS5のディスクドライブがない、デジタル・エディションでPS5版へアップグレードを行うことはできないようです。
さらにフォトモードもアップデートで実装予定とのことで、この退廃的ながらも美しい世界を思うまま記録できると思うと、今から胸が高まります。発売までまだ時間はありますが、さらにいい仕上がりとなって我々の前に現れてくれることを期待しましょう!
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サイバーパンク2077(ダウンロード版)
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サイバーパンク2077(ダウンロード版)
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- ジャンル: RPG
- 配信日: 2020年12月10日
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Cyberpunk 2077(ダウンロード版)
- メーカー:CD PROJEKT RED
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- ジャンル:RPG
- 発売日:2020年9月17日
- 価格:7,980円+税