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『デッドバイデイライト』元ネタ集第8回。霧の森に現れた新たな殺人鬼・ゴーストフェイスに迫る【電撃PS】

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※『Dead by Daylight』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。

 1人の殺人鬼と4人の生存者に分かれて、殺るか殺られるかの命がけの儀式を行う、非対称型対戦アクション『デッドバイデイライト(DbD)』。本作の元ネタ記事も早いもので、今回で8回目になります。

 今回は最近になって霧の森に現れた新たな殺人鬼、ゴーストフェイスの元ネタを紹介しましょう。

⇒“『デッドバイデイライト』に登場する殺人鬼の元ネタは?”
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【注意!】殺人鬼などの元ネタとなった映画については、内容のネタバレに言及しているものもあります。今回紹介している映画をこれから見ようと思っている人はご注意ください。

ゴーストフェイス

本名:ジェド・オルセン/ダニー・ジョンソン
性別:男
武器:タクティカルナイフ
特殊能力:闇の包容

 『DbD』ではいままで、ホラー映画をフィーチャーした新チャプターでは映画のキャラクターがそのまま登場していました。ですが今回実装された殺人鬼ゴーストフェイスは初の試みとして、半分が映画からの設定、もう半分が開発チームによる創作のキャラクターとなっています。

 今回の新殺人鬼がどの映画を元にしているかは特に明言されていませんが、ゴーストフェイスと聞けばホラー映画ファンならばすぐに思い浮かぶ作品があることでしょう。

 90年代以降のホラー映画ブームにおける“中興の祖”として名高い、『スクリーム』(1996年公開)です。今回は『スクリーム』シリーズを中心に、ゴーストフェイスの元ネタを紹介していきましょう。

90年代ホラーの金字塔『スクリーム』

 『スクリーム』シリーズは『サランドラ』(1977年公開)や『エルム街の悪夢』(1984年公開)などで知られるウェス・クレイヴン監督による、ブラックなコメディ要素あふれるホラー作品です。これまでに4作が劇場公開され、2015年からはテレビシリーズも制作されています。

 本シリーズの最大の見所は、それまで数々あった“ホラー映画の突っ込み所”を登場人物に語らせ、そのとおりに展開するというある種メタ的な楽しみを盛り込んだ点です。簡単にいうと、死亡フラグを立てた人物がどれだけそれを回収するか(もしくはうまく回避するか)、ということです。

 例えばヒロインのシドニーが、ホラー映画のヒロインについて「なんで家で襲われても外に逃げないで二階に逃げるの?」と言っていた次のシーンで、ゴーストフェイスに襲われたシドニー自らが二階に逃げる、といった具合です。

 本シリーズはこのような“ホラーあるある”にあふれており、ホラー映画ファンなら思わずニヤリとする……というよりは、盛大に吹き出してしまうような展開が目白押しになっています。

 なかでも重度のホラー映画オタクである登場人物、ランディが毎回披露する“ホラー映画の法則”は必見です。そこで、1~3作でランディが披露したそれらの法則を紹介してみましょう。

■1作目 ホラー映画で生き残るためには
 ルール1:性行為はご法度。処女しか生き残れない
 ルール2:酒やドラッグも厳禁
 ルール3:「すぐ戻る」は禁句

■2作目 続編の心得
 ルール1:殺人の件数を増やす
 ルール2:殺人シーンはさらに凝る。血糊の量も増やす。
 ルール3:マルチに売るなら決して……(途中で遮られる)

■3作目 3部作完結編
 ルール1:完結編のラスボスは超人。普通の武器では殺せない
 ルール2:主人公でも死ぬ場合がある
 ルール3:思いがけない過去の事実が判明し、現在における復讐劇の動機となる

 ……どうです? どれもこれもホラー映画ファンなら思い当たることばかりなのではないでしょうか。

 ちなみに1作目でホラー映画の法則をランディが披露したのはホラー映画鑑賞会(作品は『ハロウィン』(1978年公開)でした)でのことでした。みんな酒やタバコを手にし、上階ではシドニーがボーイフレンドとエッチなことをしている真っ最中。シドニーの親友テイタムは「すぐ戻る」と追加のビールを取りに行っていました。

 こんな感じで“ホラーあるある”を随所にちりばめた『スクリーム』シリーズ。ゴーストフェイスの襲撃を辛くも生き延びたランディの「童貞でよかった!」というセリフは、ホラー映画史に残るものなのではないでしょうか……(笑)。

 また「(『エルム街の悪夢』は)1作目以外は最低」とか「まるでリンダ・ハミルトンみたいだ」、「警察官はブルース・ウィリス以外やられ役」など、本シリーズは実在の映画や俳優に言及してネタにするシーンも数多くあります。

 さらに、『エクソシスト』(1973年公開)のヒロイン・リーガンを演じたリンダ・ブレアがTVリポーター役で出ていたり、あのレイア姫役のキャリー・フィッシャーが出演しているなど、大物女優のチョイ役も見逃せません。

 キャリー・フィッシャーの登場シーンなど、「あれ? もしかして……」「違うわよ」「でもそっくり」「しょっちゅう言われるけどレイアじゃないわよ」と、メタにもほどがある会話が繰り広げられます。この後に続くやりとりはここに書けないほどのブラックジョーク加減なので、ぜひ作品を観て自分で確かめてください。

  • ▲シリーズには毎回クレイヴン監督自らがカメオ出演しています。1作目では高校の用務員として、赤と黒のボーダー柄セーターに中折れ帽という姿で登場していました。クレイヴン監督に用務員といえばもちろん……。

「一番好きなホラー映画は?」はゴーストフェイスの決めゼリフ

 映画『スクリーム』シリーズに登場する殺人鬼“ゴーストフェイス”。じつはこの名称はファンによる通称で、劇中では特に定まった名称はありません。

 というのも、この殺人鬼が着けているマスクはハロウィンなどの仮装用グッズで、一般に市販されているものだからです。某量販店のパーティグッズ売り場で見たことがある人もいるのではないでしょうか。

  • ▲元々はR.J.Torber氏が考案したゴーストフェイスのマスク。映画『スクリーム』は、それを劇中で使用しています。今回『DbD』でも、このマスクとのコラボという形になっています。

 市販品ゆえに誰もが入手可能であり、そのせいで誰が本物の殺人鬼かわからない。殺人鬼だと思ったら恋人のイタズラだったり、逆に友人だと思ったら本物の殺人鬼だったり……。誰もが怪しく見え、本当の殺人鬼が誰なのかわからない。いったい犯人は誰なのか?

 そんな“犯人捜し”は、このシリーズにおける大きな魅力となっています。毎作ごとに意外すぎる人物が犯人なので、4作すべてを当てられた人は相当洞察力が高いといえるでしょう。

 またゴーストフェイスはなぜか電話好きで、付け狙う相手にやたらと電話を掛けてきます。

 1作目でドリュー・バリモア演じるケイシーに間違い電話のふりをして電話を掛け、徐々にその本性を現していく冒頭のシーンは、ホラー映画でも特に名高いオープニングとして知られています。

 ホラー映画にも一家言あるようで、「『13日の金曜日』の殺人鬼は誰か?」などのクイズを毎回仕掛けてきます。

 ちなみに正解は“ボーヒーズ夫人”。うっかり“ジェイソン”と答えてしまったあなたは、ケイシー同様惨殺死体にされてしまいます。ジェイソン本人が登場するのは2作目からですね。

 このときの「一番好きなホラー映画は?」はゴーストフェイス定番の決めゼリフとなっています。

  • ▲犠牲者と一緒にデジカメでパチリ! のゴーストフェイスのメメント・モリ。初期に公開されていた映像では、デジカメではなくガラケーで撮影していました。本作に登場するゴーストフェイスことジェド・オルセンは記者ということで、デジカメに変更されたようです。

 そんなゴーストフェイスですが、ジェイソンやフレディ、マイケルなどの超人的な殺人鬼と違って中身はごく普通の一般人なので、それほどタフではありません。

 犠牲者を襲うシーンでも、毎回何かをぶつけられたり(女の子に)殴られたりして、1度は昏倒してしまうくらいです。

 むしろシリーズを重ねるごとに修羅場をくぐり抜けてきたシドニーのほうが、どんどんフィジカルが強化されていっているような……?

 このように、ちょっと抜けているところもゴーストフェイスがホラー映画ファンに愛されている理由の1つです。

 『DbD』のゴーストフェイスも、物陰から顔だけ出してこっそり凝視するなど、他の殺人鬼と違ってなんだかコミカルなアクションが多いのもうなずけますね。

  • ▲攻撃を命中させたあとナイフを指でぬぐうモーションは、『スクリーム2』でそっくりな場面が登場します。『DbD』に登場する殺人鬼が武器の血をぬぐうモーションは、そのシーンのオマージュなのかもしれませんね。

 また前述のとおり、ゴーストフェイスのマスクは市販品ということで、じつはこのマスクを被った殺人鬼(?)が登場する映画やドラマは、多数存在しています。

 『スクリーム』のパロディ映画『最終絶叫計画』(2000年公開)やさらにそのパロディ映画である『SHRIEK 最低絶叫計画!?』(2000年公開)、日本でも人気のアニメ『The Simpsons』(2005年)や、変わったところではボードゲーム『Trivial Pursuit "90's Edition』(2004年)のCMなどに登場しています。

 いかがでしたか? 第3回で予想したゴーストフェイスがついに霧の森に現れました。ホラー映画ファンなら目が離せない『DbD』。今後Nintendo SwitchiOS、Android版の発売も予定されており、これからの展開がますます楽しみですね!

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※画像はすべてPC版のものです。

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