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【おすすめDLゲーム】『Iwate Mountain Dance』は敵弾のコントラストが美しい弾幕系のボスラッシュアクション

豊臣和孝
公開日時

 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はPC(Steam)にて配信中のアクション『Iwate Mountain Dance』を紹介する。


 ボス戦にフォーカスしたアクションシューティングとなっている。

岩手を舞台にしたオリエンタル感

 『Iwate Mountain Dance』は、ピクセル風グラフィックが印象的な弾幕アクションシューティング。プレイヤーが操作する若き巫女(Priestesses)は、5世紀前は偉大な支配者が治めていたが今は姿を消したという岩手におもむき、岩手山の精霊たちを解放せよと命じられる。

 タイトルの“Iwate Mountain”は岩手県のシンボルである“岩手山”のことらしく、作品の世界観も山岳信仰などをベースにしている模様。“Dance”は恐らく“神舞”にちなんだジャンプ主体のアクションを表現したワードに思えるが、これは筆者の勝手な推測に過ぎない。

 いずれにしても、キャッチーかつユニークなタイトルだ。

 着物の色からも、主人公よりずっと偉い人なのは間違いない。なんとなくだけど宮司さんクラスだろうか? とにもかくにも岩手山の精霊たちを解放せよと命令される。

マップ内を探索して発見次第、ボス戦に突入!

 ゲーム開始後、プレイヤーはマップ内の各所にいる精霊(ボス)を探し話しかけてバトルに突入。誰といつ戦うかは完全にプレイヤーにゆだねられており、最終ボスへの経路をのぞけばどれを先に倒すかなどの条件も特にない。

 メッセージは英語のみだが、ぶっちゃけすべて読み飛ばしてもゲームの進行に差し支えはなく、ひたすらボスを倒していけばオーケー。ただ、前述のように山岳信仰を元にしたオリエンタルな世界観を読み解く、あるいは考察を深めたいなら、スクリーンショットや動画を撮って、後々翻訳するのもいいかもしれない。

  • ▲マップ内にいるボスを探して戦うのが目的だが、ゲームの進行に影響しないNPCと会話を楽しむのもいい。

 操作はキーボードとゲームパッドに対応しているが、執筆時点のバージョンではオプションにキーコンフィグがない。筆者が使用中のXbox 360(ONE)用ゲームパッドでは、左スティックが移動、RBが攻撃、Bボタンがジャンプ、Aボタンがダッシュにそれぞれ対応していたが、これからプレイされる方は念のために、ご注意願いたい。

  • ▲最初に戦うボスは小手調べといった感じなので、基本的な操作に慣れておきたい。ちなみに主人公側はライフ制で画面左下にあるハートは3つ。

 バトルの基本は、ボスの攻撃を移動、2段ジャンプ、ダッシュで避けながら攻撃ボタンのショットを撃ち込んでいくというもの。ショットのパワーアップ要素はないが、ボスのフォームが変化しない限りオートショットで狙いをつけてくれるため、実質的には“避け”に集中するプレイスタイルとなる。ショットはボスと離れすぎていると届かないため、状況次第ではジャンプを多用することになるが、ここで重要なのがダッシュボタンだ。

  • ▲ショットボタンは押しっぱなしでオートでボスに狙いをつけてくれる。

 ダッシュはボタン押しっぱなしで方向を定めている間はゲームの進行が止まるため、ジャンプして「あっ! このままだとボスの攻撃が避けられない!」といった時に役立つ。一定距離をつねに動くため、多少展開を読んで使わなければならないが、普通に避けていくのはもちろんジャンプ中の空中制御まで、いざという時は本当に頼りになるシステムだ。

  • ▲ダッシュはボタン押しっぱなしで方向を定めている短い時間が、緊急避難という意味で役立つ。

多彩なボスの攻撃パターン!

 ボスの攻撃はいわゆる“弾幕系”を想起させる激しいものだが、特筆すべきは全ボスが最低でも5段階以上の攻撃パターン、いわゆる“攻撃形態”をもっていること。

 攻撃形態は画面上のボス体力ゲージが尽きるたびに変化。最終形態で体力ゲージが尽きるとボスが赤いリングのようなラインで囲われて、そのラインに主人公が触れれば撃破となる。慣れないうちは「あっ、赤いラインが出た!」と急接近しがちだが、その段階でもボスの攻撃は止まないので、慌てず確実に弾幕をぬって赤いラインまでたどり着きたい。

  • ▲最終攻撃形態の体力ゲージが尽きるとボス周囲に赤いラインが出現。
  • ▲ラインに接触するとボス撃破となり演出が入る。

きらびやかな弾幕のデザインとコントラストがステキ

 Steamの商品説明には“情け容赦のない地獄の弾幕(tough-as-nails bullet hell)”という表現が使われているが、本作の弾幕は画面を多い尽くすインフレ系ではなく、あくまでもジャンプアクションとダッシュを前提とした質量が好印象。なかでも筆者が特に気に入ったのは、攻撃形態のバリエーションと弾幕のデザイン、そして色遣いとコントラストだ。

 こうした弾幕はケレン味を追求しすぎるとギラギラまぶしく激しいだけで全然気持ちよくなくなるが、本作はボスごとに変化をつけつついい塩梅におさめていると思う。ハードコアなアクションゲーマーはもっと濃密な弾幕を求めるのかもしれないが、筆者はこれくらいがちょうどいい。

 オプションに難易度設定があれば完璧だったのかもしれないが……このあたりは開発元・Kirisame Jumpの今後の作品に期待したい。

  • ▲ジャンプアクションを楽しめる範疇の弾幕なので「こういうのあまり得意じゃないんだよなあ」という人もぜひ!

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『Iwate Mountain Dance』

  • メーカー:Kirisame Jump
  • 対応端末:PC(Steam)
  • ジャンル:アクション
  • 配信日:2020年5月2日
  • 価格:1,220円

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