オンラインBitSummitで並ばずにゲームを遊べる! 気になった体験版をピックアップ
- 文
- まさん
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毎年恒例となっていたインディゲームのお祭りイベント・BitSummit。例年では京都のみやこめっせで開催され、世界中から多くのゲーマーが集まる一大イベントとなっています。しかし、残念ながら今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、開催が中止となってしまいました。
リアルイベント自体は中止となってしまいましたが、その代わりとしてBitusummit史上初のオンラインイベント“Bitsummit外伝”が開催! 6月27日と28日の2日間にわたり、生放送を中心に最新のインディゲーム情報がユーザーに届けられる初の試みが行われました。
私もいつもなら会場にあるゲームを試遊してレポートしていましたが、今回はオンラインイベント。残念ながら、会場にあるゲームの情報をお届けすることはでき……るのです! じつは今回、ゲームの試遊に関しても初のオンライン対応。ゲームのサブスクリプション(月額定額制)サービス“Utomik”と連動して、自宅にいながら発売前のインディゲームが遊べてしまうんですよ!
Utomikは本来有料サービスなのですが、BitSummitの期間中だけ特別に7日間ゲームを試遊できるので、お金を払う必要はありません。期限は7月4日までなのでまだ間に合います! 今までのように会場で並ばず、好きなときに遊べるのも利点ですね。もちろん、ある程度パソコンのスペックが必要なものもありますが、まさに未来の試遊体験といえるでしょう。というわけで今年のBitSummitレポートは少し形を変えて、Utomikでプレイできる56作品のなかから、私が気に入ったものを紹介していきたいと思います。
Utomikの導入方法
では、さっそくゲームの紹介……と行きたいところですが、その前にUtomikについて説明しておきましょう。Utomikは現在のところ英語圏のプラットフォームで、日本語化が完全ではありません。なので、導入の手順がよくわからない人もいると思います。ここで、軽く説明させてください。
1.アカウント登録
まずは、アカウントの作成から。アカウントを作るときは、BitSummit外伝のUtomikページにある“1.サインアップ”の(7日間無料でお試しください)のリンクからUtomikのページに飛ぶと安全です。ここから、メールアドレスとパスワードを設定してアカウントを作成しましょう。
2.BitSummitの特設ページからUtomikクライアントアプリをダウンロード
アカウントを作ったら、次にUtomikのアプリをダウンロードしてPCにインストールします。BitSummitページの“2.ダウンロード”の項目にあるリンクからダウンロードするのが一番早いでしょう。
3.Utomikアプリをインストールしてからアプリでログインする
無事、アプリをインストールできたら、次はアプリを立ち上げます。アカウントを作成したときのメールアドレスとパスワードを入力する画面が出るので、ここで必要な情報を入れてログイン。これで、Utomikのホームが見られるはず。
4.アプリのホーム画面から“BitSummit gaiden”を選択
ホーム画面が出てきたら、あとはゲームを遊ぶだけ。ホーム画面の上部にある“BitSummit gaiden”の項目を選べば、体験できるゲームがズラッと表示されます。あとは、無料体験期間の間にBitSummitのゲームを遊ぶだけ!
ただし、1つだけ注意点があります。BitSummit gaidenで展示されているゲームは、あくまでも開発中のもの。そのため、ゲーム自体にホーム画面へ戻る仕組みがついていないものもあるのです。
遊んでいてゲームをやめる方法がわからなくなってしまった……なんて人もいるかもしれません。どうしても予期せぬ動作をしてゲーム画面から抜けられない、という場合は“Ctrl+Alt+Deleteキー”を同時に押してタスクマネージャーを呼び出しましょう。これで、ゲームを強制終了すれば戻れるはず。一応あくまでも最終手段なので、基本的にはゲーム側の指示に従ってゲームを終了させてください。
A Space for the Unbound 心に咲く花
そんなわけで、ここからはゲーム紹介。まずは、ゲームの情報をひと目見た時から「絶対にやりたい!」と思っていたインドネシアのインディゲームから。最近は日本のインディゲームでも名作が排出されている横スクロールのアドベンチャーゲームです。とにかく雰囲気がバツグン!
インドネシアの田舎町を再現した美しいピクセルアートの町並みを歩くだけでも楽しいですし、体験できた範囲でも主人公の高校生アトマと、幼い少女ニルマラのコンビが紡ぐ物語の先が気になります。というか、ニルマラがキュート。
会話をするだけのアドベンチャーではなく、謎解きもあります。魔法の赤本を使って町の人の心に入り込み、問題を解決するなど、超能力のような謎の力を使う場面も。発売は2021年3月31日。来年になる予定のようですが個人的に大ヒットしたので楽しみですよ! 早く最後まで遊びたい!!
Starstruck:Hands of Time
次に気に入っているのは『Starstruck:Hands of Time』。これは地球の滅亡を回避するためにタイムトラベルして、バンドを組んでいる少年少女たちの運命に介入していくアクションアドベンチャーです。
クレイアニメの現代的な風景は、往年の『MOTHER』シリーズが好きな自分の大好物。少年を操作して音ゲー形式でバンド活動をするパートも面白いのですが、主人公は少年たちだけではありません。歴史を変えようとする未来人のほうも操るのです。
本作では宇宙船に乗って西暦30XX年の世界から、彼らの運命に介入することが大きな目的となっています。ただし、自分自身は過去に飛べないという制約も。未来人にできることは“手”を巨大化させて送り込むだけなのです。なぜ、手だけ?
手を使って過去に介入すれば、本来と違う方向に歴史を変えることができます。たとえば、バンド会場に入れなくて少年が困っているなら、手で柵を破壊してしまえばいいのです。少年の運命を手で(強引に)変えていくのが楽しい!
宇宙船のUIも凝っていて、こだわりを感じました。少年と少女と未来人。3人の物語がどうなっていくのか気になります。出たら絶対遊ぶぞ~。なお、このゲームは現在Steamでも体験版を配信しているので、Steamを導入している人はそちらでも遊べますよ。
The Wake
ロックされたスマホを解析して中のデータを調べ、テロ容疑の真実に迫る『Replica』。供述調書を作成して有罪か無罪かを決めていく『Legal Dungeon』。アイデアに満ちたアドベンチャーゲームで評価の高いゲーム制作者SOMIさんの“罪悪感3部作”のラストとなる『The Wake』も体験してきました。
前2作はどちらも購入して遊んだのですが、いやはや衝撃的でしたね~。顔グラフィックすらないアドベンチャーなのに、物語そのものにガツンと打ちのめされるしギミックも練られてるんですよ。どんな部分が衝撃的だったのかは実際に遊んでみてほしいのですが、そんなわけで3作目にも期待しまくり!
今回は、暗号でロックされた日記帳を解読してそこに隠された著者の真実に迫るという内容。パズルのようにダイヤル式の日記を解読していく手順と、何が仕込まれているのかわからない物語の構造が傑作を予感させます。
発売日は7月11日なので、もう間もなく遊べますね。ちょっと遊んだだけでも続きが気になってしまう……。早く、最後までプレイさせてください!
Super Glitter Rush
こちらは、弾をまきこんで打ち返す弾幕シューティングゲーム。弾幕シューティングですが、ボスラッシュということでボス戦しかありません。シューティングが苦手だという人も、美味しいところだけ食べられるタイプです。
見てわかる通り、ドット絵のカラフルさが魅力的! チップチューンのサウンドと相まって、まさにポップとしか言いようがない良さ。こういう色使いのセンスいいな~。個人的にシューティングは得意分野じゃないのですが、このゲームは最後までやってみたいと思わせる力がありました。ああ、BitSummitは体験版だけなのが辛いよ~。全部遊びたい~!
“furiko(フリコ)”
ラストは、ボタン1つで遊べるアクションゲーム『フリコ』。その名の通り、振り子です。ボタンを押すと、その場で振り子のようにグルグル回転し始めるので、飛びたい方向を定めてポーンと飛んでいく。そして時間内にゴールを目指すという、ただこれだけのシンプルなルール。それなのにおもしろい!
キャラクターの跳ね方やポコッと鳴るSE。軽快なチップチューンと合わせて、なんだかファミコン時代の楽しかったゲームを遊んでいるような懐かしい気持ちになれました。シンプルイズベストなゲームです。PlayStation 4で配信予定とのことで、これまた気になる作品でした。
ここまで紹介してきたゲーム以外にも、楽しめる作品が盛りだくさんのBitSummit Gaiden! 個人的に倒れてしまうので紹介しきれませんが、欲を言えば全部注目作です。たとえば、PC版をすでにクリア済みだったので今回は触れなかった『ジラフとアンニカ』は、コンシューマ版が出たら絶対遊んでほしいイチオシの作品!
さらに、巨大なホットケーキのタワーを倒して巨人に食べさせてスコアを稼ぐ謎のゲーム『HotCake!』といったヘンテコなゲームもあり、そのバリエーションはまさにBitSummit! 家に居ながら、まるで会場で遊んでいるような楽しい気分でゲームを遊べました。冷房の効いた部屋でダラダラしながら遊ぶのサイコー!
初のオンライン開催ということで、いろいろとこなれていないところもありましたが、感想としてはBitSummitらしい楽しいイベントになっていたと思います。並ばずに遊べるので、気になっているゲームがある人が気軽に楽しめるのもいいですね。無料体験期間は7月4日までとなっているので、みなさんもぜひUtomikを入れて、体験版を遊んでみてください。
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