一身上の都合により、義に背き、道を外れ、勝手を貫かせてもらう!(アリオス)【軌跡シリーズ名言集】

Zenon
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 日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

 本記事で紹介するのは、『零の軌跡』『碧の軌跡』に登場するキャラクターの1人、アリオス・マクレインの名言。《風の剣聖》の二つ名を持ち、『軌跡』シリーズ最強クラスの達人でもある彼の苦悩がよく表されたセリフと、そこに至った経緯を振り返っていきます。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

一身上の都合により、義に背き、道を外れ、勝手を貫かせてもらう!(アリオス・マクレイン)

●終章 それでも僕らは。(英雄伝説 碧の軌跡Evolution)

 《風の剣聖》アリオス・マクレイン。シリーズでもなじみ深い流派《八葉一刀流》二の型《疾風》の奥義皆伝で、遊撃士のランクはA級。

 その実力は『空の軌跡』に登場するS級遊撃士カシウス・ブライトに匹敵するともいわれており、遊撃士協会本部からはS級への昇格を打診されるも「若輩の身ゆえに」と断っている謙虚な性格の武人です。

 《特務支援課》発足時のジオフロントではロイドが命をかける覚悟を決めるほどの大型魔獣を、一撃で倒して救ってくれたこともありました。この時点では文字通り、実力に天と地の差があったんですよね。


  • ▲マフィアや事件が多く警察が頼りないクロスベルにおいて、遊撃士は市民にとっての“ヒーロー”でした。なかでもアリオスはその実力から《クロスベルの守護神》とまで呼ばれる存在に。

 アリオスはかつてクロスベル警察に所属しており、ロイドの兄・ガイと並んで“若手のエース”と呼ばれるほどの活躍を見せていました。しかし5年前に起きた運搬車の事故で妻を亡くし、一人娘のシズクが失明したことをきっかけに辞職しています。

 じつはこの事故、エレボニア帝国とカルバード共和国の諜報機関による破壊工作、つまり人為的な“事件”だったのです。その真相を公表できないクロスベル警察に失望し、アリオスは警察を辞職して遊撃士となることを決めました。



  • ▲ロイドの両親も15年前に同じような経緯で、飛行船の事故で亡くなっています。じつは『閃の軌跡』シリーズのトワの両親も飛行船事故で亡くなっており、時期も一致するので同じ飛行船なのかもしれません。……ハッ、そうなると《攻略王》ロイドとトワにつながりができてしまう……!?

 やがてアリオスはクロイス家と“黒幕”が立てた“碧き零の計画”へと誘われ、暗躍することになります。

 と言っても、作中で語られているのは、国外への出張と偽って自由時間を作って太陽の砦を訪れ、こっそりキーアを封印から解き放って《黒の競売会》に持ち込んだことくらいなのですが。きっとほかにもいろいろしていたのだと思います。

  • ▲キーアをローゼンベルク人形と交換するアリオス。『零の軌跡』では明かされなかった謎が、『碧の軌跡』で明らかになりました。

 そしてディーター・クロイスによる“国家独立宣言”により国防長官へ任命され、ロイドたちの前に《壁》として立ちはだかります。

 この時の彼の心情はどんなものだったのでしょうか。絶対に退けない戦いであると同時に、《特務支援課》に期待もしていたように思えます。


  • ▲作中最強クラスの猛者が敵に回る絶望感……! 実際、このときの戦闘は敗北しても物語は進行するタイプのものでした。まぁ、めちゃくちゃ失望した目で見られるのですが(苦笑)。

 やがて最終決戦の場において、《壁》の1人として立ちはだかるアリオス・マクレイン。そこで彼は懺悔するように、これまでのことを語りました。

 なかでも彼の相棒であり、ロイドの兄でもあるガイの死については、非常に責任を感じている話しぶりでした。




  • ▲真相は“黒幕”による銃撃での死亡。しかしアリオスは「ガイは俺が殺した」の一点張りで真犯人のことはしゃべりません。自責の念で、もう後戻りはできない心情だったのだと思います。

 すべてはシズクの目を治し、クロスベルを帝国と共和国の争いという“呪い”から解放するために行ってきたこと。

 そのためにキーアを《零の至宝》として目覚めさせ、その“奇蹟”に頼る計画を進めてきました。相棒の死のきっかけを作り、いたいけな少女を家族から引き離して利用する。そんな彼が《特務支援課》に対して放ったセリフが、こちらです。

 「一身上の都合により、義に背き、道を外れ、勝手を貫かせてもらう!」



  • ▲シビれませんか、このセリフ。自身を“悪”のポジションに置き、それでもなお“勝手”な都合で《特務支援課》と戦うと宣言したわけです。国防長官でも遊撃士でもない、1人の剣士としてすべての責を背負って。個人的には非常に印象深いシーンです。
  • ▲ちなみにこの戦闘は負けると普通にゲームオーバーです。無防備にSクラフトを受けてしまうと一撃で全滅の危険すらある強敵なので油断なりません。

  • ▲敗北後のセリフからは《特務支援課》を認めるとともに、どこか止めてくれた感謝の念も感じます。倒れ方までカッコイイなんて反則でしょう、このおっさん。

 やがてキーアが“奇蹟”の力を手放し、5年間かけた“計画”は潰えました。

 次に起こるのは帝国軍による占領です。アリオスは娘であるシズクを守るため、そしてクロスベル独立のため、再び遊撃士としてロイドたちと協力して活動することになります。


  • ▲ロイドと協力してキーアを守りつつ潜伏するアリオス。『閃の軌跡III』では《鳥篭》から解放された際に姿を確認できました。『閃の軌跡IV』の裏では結社《身喰らう蛇》のヴァルターと戦っていたらしいです。彼の性格上、罪滅ぼしの意識もありそうですね。

 ……ここまで彼の事情を知ると“正義”ってなんだっけという哲学的思考に陥りますが、アリオス自身もかなり悩んでいたんでしょうね。

 人はみな自分や誰かのために行動するのであって、決して彼の行動が“悪”だったとは思えないのですが、それを彼は“勝手”と表現しました。まぁ目が治った娘からも「私はそんなの望んでいない」みたいな目を向けられていましたし、もはや後戻りできない意地の境地だったのかもしれません。

 ともあれ、彼の行動はすべて娘であるシズクのため、という点はゆるぎないものです。娘想いの最強パパが、娘の未来のために国の在り方を変えるべく奮闘した。言い替えれば彼のお話はそういう物語になります。

 クロスベル解放のお話が描かれる『創の軌跡』にはアリオスも参戦していますし、なにか新たなエピソードも描かれているかもしれません(執筆時点では発売前)。

 彼がクロスベル解放にどう力添えをするのか、解放後はどうするのか。同じ《八葉一刀流》の剣士としてリィンとの会話も気になりますね。あぁ、早くプレイしたいっ!

 シリアスなものからコメディ的なものまで、『軌跡』シリーズにはほかにも数々の名言が存在します。今後もそれらをピックアップしてお届けしていく予定なので、お楽しみに!

※画面はPS Vita『英雄伝説 碧の軌跡Evolution』、PS4『英雄伝説 閃の軌跡Ⅲ』、PS4『英雄伝説 閃の軌跡Ⅳ』、PS4『英雄伝説 零の軌跡:改』のものです。
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