キーメッセージは“冒険を届ける”『ブループロトコル』インタビューその1 調整点&システム編
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バンダイナムコオンラインとバンダイナムコスタジオによる共同プロジェクトチーム“PROJECT SKY BLUE”がおくる、PC向け新作オンラインアクションRPG『BLUE PROTOCOL(ブループロトコル)』。
完全新作国産のオリジナルタイトルとして、注目度の高い『BLUE PROTOCOL(ブループロトコル)』について、バンダイナムコオンライン“PROJECT SKY BLUE”エグゼクティブプロデューサーの下岡聡吉さん、『BLUE PROTOCOL』運営統括ディレクター兼プロデューサーの鈴木貴宏さん、バンタイナムコスタジオ『BLUE PROTOCOL』開発統括ディレクターの福﨑恵介さんらに、インタビューを行いました。
今回は、CβTのフィードバックを経て見えきた調整点、およびコミュニケーションやそのほかシステムへの疑問を中心にお聞きしました。
1番予想と違ったアンケート結果は……?
――まずはユーザーアンケートの結果から予想が異なっていた、または予想を超えてきた部分についてお聞かせ下さい。
鈴木貴宏氏(以下、敬称略):予想を超えてきたのがゲームパッドの利用率でした。CαTのときも多かったのですが、今回は参加人数が増えたこともあって、とくに増えた印象を持ちました。
年齢別に見ると高い年齢の方ほど、ゲームパッドを好まれる傾向が強かったですね。しっかり対応していきたいと思っています。
また、Discordなどのボイスチャットツールの利用率が思ったよりも高かったです。ボイスチャットを通してオンラインゲームを楽しまれる方も増えているんだなっていうのが感想としてあります。
福﨑恵介氏(以下、敬称略):1番予想と違ったのはミッション中のトークの自由入力ですね。ここは開発でも意見が別れて困っていたので、それならユーザーに聞いてみようと考えた結果、見事に割れちゃいました。
でもいろいろなパターンで考えていたので、アンケートでいただいた意見を加味して決定しようと思っています。
あとはゲームに慣れている層が多く、レベル分布が上に振れているかなと感じています。全体的な最終レベルが高かったということですね。
CβTは4日間という限られた時間の中で遊んでもらい、その期間で反応を確かめないといけないので、まずシナリオをクリアしてもらわないといけないんです。
後のコンテンツに触ってもらうために、その前段階となるストーリーの難易度を意識して緩めに設定していました。ゲームに慣れている度合いから考えると優しすぎたのかなと。手応え感が薄れちゃったかもしれませんね。
アクションが苦手な人がソロでやってクリアできる難易度っていうのは、複数人でやったら楽で楽で仕方ないと思うので、難易度のバリエーションは今後調整したいと思っています。シナリオクリアはソロでも構わないので、その先の難易度をもっと細分化していくべきかなと。
下岡聡吉氏(以下、敬称略):基本的には2人が言ってくれたとおりです。今回のCβTで加えられたストーリーですが、限られた時間の中で本作の世界観を伝えるところですが、最後まで進んでくれた人が多かったという印象です。
フィードバックのアンケートのなかで、セリフで語られてないナラティブな手法で世界観を伝えている部分にも興味を持ってくれている方たちもいらっしゃったのは参考になりました。
あとはフェステがしっかり人気になってくれていて、NPCにも興味を持っていただいているので、NPCとの共闘も楽しんでいただけそうです。
ストーリーを通して、フェステと同じぐらい全部のキャラが愛されていくといいなと思ってます。
最大の改善点は“バッグ”
――フィードバックレポートから一番変えなきゃいけない部分はどこでしょうか?
福﨑:バッグ関連ですね。中途半端な状態で出しちゃったなとか、そういう言い訳ではなくて、改善に向けた良いデータが得られたと思っています。ストレスの溜まる仕様だったと開発の中でもすごく感じていますし、冒険のショートサイクル(冒険に行って帰ってくるまで)は一連の流れなので、関連する仕様と合わせて修正・調整が必要だと感じています。
下岡:大枠の方針を変えるつもりはないんですが、解決法はいくつかあるんです。その細かい点を(『ブルプロ通信』では)伝えきれていないことがありますので、しっかりみなさんにお伝えしておきたいと思っています。
鈴木:具体的に説明しますと、本作はユーザーさんが所属するサーバーを選ばないメガサーバー方式のため、大量のサーバーが存在する形になり、それによってコストが高くなってしまう問題があります。
ここにビジネスとして成立しないレベルのコストがかかってしまうと、継続・運営できないことになってしまうため、ゲーム仕様的にも調整が必要でした。
一定のコスト水準にするためにはサーバーを効率的に使用する必要があり、ユーザーさんにゾーンを移動してもらいたい、定期的にフィールドから街に帰って来て欲しいという開発上の制約があって、CβTでは頻繁に街を行き来する状態が生まれていました。
ただ、ユーザーさんがどう動くかをサーバー構造論理的で考えていましたが、CβTを受けて意外とこういう風に遊んでくれるから、ここの仕様ってここまで緩和してもサーバーコストとしても問題ないよねとか、そういう情報をたくさんいただくことができました。
この知見をもとにチューニングできる部分が分かったのが現時点の状況です。
福﨑:実際にやってみたらプレイヤーは街に帰るものの、すぐ外に出て、フィールドに結構滞在していました。
本来であればコスト高になるムーブなのですが、机上で考えていた費用よりも実は安かったよねとか、じゃあここの頻度は変えても大丈夫だよねとかいうことがよく分かりました。
なので、サーバーの費用の都合として作っていたんだけども実際はそうではなかったから緩和できるよね、という方向に持って来るって言う形に落ち着きました。
下岡:本来なら、仕様とともにしっかり説明できれば良いのですが、どこかの仕様をひとつだけ説明すると紐づいている項目すべてを説明する必要が出てくる。なかなかその全体の仕様を一気に公開することは難しい状態です。
プレイヤーのみなさんが、問題だと思ってることに対して解決法を考えていても、必ずしもそのままの解決法ではなかったりするので乖離が生じちゃうと思います。
鈴木:アプローチの仕方が違うけど最終的に要件や目的は達成している、みなさんが求めてるのはここだけど、そのやり方、ご提案いただいているやり方じゃない方法で達成するよっていうものがあったりするんです。
下岡:だから『ブルプロ通信』やフィードバックでは検討中が多くて、歯切れが悪く感じられた方もいらっしゃるんですよね。「ズバリ言えよー!」と。
福﨑:単純な話だとバッグの容量を増やすのではなく、そもそもバッグが埋まりにくい状況にするというアプローチになってます。
下岡:プレイヤー視点で言うと、武器を作るためのダンジョンをクリアしてキーアイテムを先に持っている状態がCβTでは生まれやすかったです。
武器制作にはあと鉱石が20個必要みたいな状態になったら、それが欲しくなるのは当然ですよね。で、バッグを空にして街を出て、必要素材を取って敵も倒して帰ってきます。そして鑑定してみたらあと1つ足らないというときに、1つのためにまた行くのかよっていう気持ちが生まれやすい。
でも武器が作りたいので鉱物1つのためにその場所に行きました。そこで人がピンチになってます。「あいつ助けたら“ゴブリンの皮”入手しちゃうなー」みたいな。それで、“バッグがいっぱいになるから助けない”という選択肢が発生しちゃう。
最初は素材が欲しいっていうただそれだけの気持ちだったのに、バタフライエフェクト的に最終的に人を助けないまで行っちゃうのが、今のバッグ鑑定倉庫周りのCβT版の仕様だったので、それを解決したいと思ってます。
解決できる方法も提案してもらってるし、全部スタックさせろよという気持ちが生まれることも理解しています。それなら確かにそういう悲しい連鎖は起こらない仕様になろうとしてるけど、いろいろな方法で解決に向けてアプローチしているので一個だけは言えないっていう状態なんです。
福﨑:みなさんがフィールドに冒険に出て、満足するまで遊んでからまた街に帰ってくることを目指していて、そのために必要な仕様はどこを変えるべきか、何が必要かを検討しています。満足行くまでプレイするといううえで、1番目立っていたのはバッグ問題でした。
鈴木:いっぱいだからもう帰らなければいけないっていう“ネガティブだけ”で帰るので、そこが1番強く出たんですね。
『ブループロトコル』の“核”
――まだ調整点も多いと思いますが、『ブループロトコル』の核となる部分はどこでしょうか?
下岡:冒険を届けるっていうのをキーメッセージとして持っています。ゲームでしかできないことで冒険を届けるっていうことは念頭においてたんですよね。
なので、その世界観も含めて大冒険して欲しいっていう気持ちがまず最初にあって、冒険していく上ではやっぱり仲間との絆。仲間と言うことはコミュニケーションが必要だし、その延長線で自分がかっこいいって思ってもらうためにはどうするのとか……。
見た目も大事だけど、アクションの心地よさとか、そういうことの土台がないと楽しめないでしょう。
ゲームって当然リアルじゃないことが大前提なので。リアルじゃないなら、どこまでそのリアルから外れたところで、逆説的にリアルを感じてもらうのかっていうことは考えなきゃいけない。本物なのは本当に関係性とか絆だけなわけで。
当然リアルじゃないところで、日本だから出せるビジュアルを突き詰めたいという思いもあります。そこはやっぱりアートディレクターの奥村とも意見が合ったところです。ジャパニメーションの国から出るゲームとして、その特徴が出てるゲームにしたいです。
鈴木:最終的に人と人のコミュニケーションツールになっていくのが理想ですね。オンラインゲームならではの部分なので。
そこに至るまでにいろんな冒険があったり、パーティVSパーティというところで、パーティを組んで敵と戦うので、連携や共闘感、先程上がった仲間との絆を大切に、楽しんでいただきたいと思っています。
福崎:“世界を楽しんでもらいたい”が土台にあります。コミュニケーションにしても、世界の中で自分自身を感じるための要素でもあるのかなっていう部分があります。
新しい世界がネット上に生まれ、その中に自分がいるって言う感覚を突き詰めていきたいですね。
――実際、チャットのスタンプや全員が同じタイミングで踊るように計算されたりと、交流に注力してるなと感じました。今後、実はこんなことも考えてるよというコミュニケーション要素はありますか?
下岡:プランはたくさんありますね。街中に大画面のテレビがあったと思いますが、そこでいろいろ映せないかと思ってたり。街に楽しい気持ちで滞在できるような企画っていっぱい出してるので、“アステルリーズ”での生活は充実させていきます。
またダンスの拡張性は高いと思っています。例えば、今は同じダンスを繰り返してますけど、ダンスの1、2、3、4番と実行すると曲振りができるとか、振り付けができるとか。
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- 対応機種: PC
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