怪作の皮をかぶった神ゲー『巨神と誓女』がおもしろい

そみん
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 EXNOAが7月21日に配信するPC向けファンタジーRPG『巨神と誓女』。その先行レビューをお届けします。

 PCゲームプラットフォームDMM GAMESを展開するEXNOA自身が手がける大作RPGということだけあって、発表当初から期待していましたが……いい意味でクセが強い神ゲーとなっていました。

 外連味(けれんみ)にあふれて人を選ぶ部分もありますが、その実、ゲーム的にはしっかりと作られているので、RPGファンの方はぜひご期待あれ!

※本記事の内容は先行プレイ用のテスト版によるものです。正式サービス時には仕様や数値が異なる場合があります。

いい意味で常識人を突き放す、外連味(けれんみ)と謎に満ちた世界観

 暗鬱とし荒涼とした世界を何人かの女性が歩みを続け、彼女らが一歩踏み出すごとに、その足元には花が咲き乱れる。……ナニコレ?


 「お許しください」「皮を剥ぎ目玉をくり抜いてやる」

 女性たちの数倍にもおよぶ巨体を持つ巨神との戦いの中では、ノイズとともに不穏で剣呑な断片的なうめきのようなメッセージが脳に流れ込んでくる。……ナニコレ?

 巨神との戦いの拠点となる列車“キンダーガーデン”の中には不思議な施設がいっぱいで、ナビゲーター的な執事のようなキャラクター“ムニン”の頭部は鳥かごとなっており、かごのなかには鳥が囚われている。……いやもう、ナニコレ。

  • ▲ムニン=無人で、人間ではないってことかもしれませんね。

 物語の舞台となるフレストニアは、公式サイトによると、昼も夜も無い永遠の黄昏が続くモノクロームの世界で、あらゆる生命が死に絶えた時間の止まった世界とのこと。ええと……ナニコレ?

 と、ぶっちゃけ、ゲーム開始から30分くらいは怒涛の情報量と常識が通用しない世界観に眩暈(めまい)をさせられてしまいましたが……『巨神と誓女』、ガチでおもしろいっす。

プレイヤーの想像力によって想像される幻惑的なストーリー

 主人公の立ち位置すらあやふやで、ストーリーがあるんだかないんだがわからない導入に戸惑いましたが、結論的にはストーリーがありました。

 ありました……が、これまた文学的と言いますか哲学的と言いますか、一筋縄にはいかない形になっておりまして。

 フレストニアという世界には巨神と呼ばれる敵がおり、異世界から召喚され、神器という武器を持つ誓女たちは巨神を倒すために戦うことになる……という大枠はあるものの、いろいろとよくわかりません。

 そんな世界で物語がどうやって紡がれるかというと、戦闘中に巨神が発する(?)謎の言葉です。

 本質的には狩りゲーであり放置ゲーである本作は、巨神を倒すと武器やキャラクターの強化素材をドロップします。まあ、よくある流れですよね。

 で、そういった素材集めと同じ感じで、巨神が残す詩のように断片的なメッセージを集めていくことも、本作の目的であり、周回要素となっているわけです。

 これ、地味に楽しい。何度も巨神と戦うことで、その巨神のバックグラウンドらしきものが見えてきて、それを解釈し、考察することで物語の姿が見えてくるという。

 フレストニアという世界の存在意義や、巨神や誓女が誕生した理由など、いろいろな謎の答えらしきものが断片的に見えてきて、その世界観に引き込まれていく人も多いかと(筆者もその1人)。

 そういった解釈をもとに、ピースやスタンプで自分なりの物語を表現できるヒストリーメーカーという要素も用意されておりますが、まだ自分はさっぱり活用できていません(苦笑)。




 ちなみに、別にストーリーを理解しようとしなくても、次々と現れる巨神を倒す狩りゲーとして楽しめるので、ある意味でいさぎよい造りだと感じました。

わかりやすさで言えば、ハーレムものとして美女と戯れることが可能

 ちょっとストーリーについて哲学要素や考察要素が強そうな感じで書きましたが、それはそれとして、別ベクトルでのストーリー性も用意されています。

 それは、プレイを進めることで誓女の過去が見えてくる他、誓女との愛情度を高めることで魅力的なボイスも楽しめること。

 ええと、前述した「巨神とは何か?」「フレストニアという世界が存在する意味は?」みたいなシリアスで重いテーマとは真逆で、「かわいい女の子(誓女)ばかりいる世界のなかで、男性は主人公1人だけ! ハーレム展開ってやつですわ!!」と、頭が切り替わった感もあって素敵です(笑)。


 まあ、どうやら誓女は別の世界で死んだ直後にフレストニアに召喚されているようで、切られたはずの首がつながっていて驚くとか、わりとヘビーな設定の女の子も多いですけどね……。

 さておき、誓女との交流は、ぶっちゃけギャルゲーや美少女ゲーといった趣で、気になる女の子を見つけたら、そのキャラ目当てで本作を遊び始めるのもアリでしょう。


神ゲーだと感じた、ゲームシステム部分の魅力は?

 てなわけで、世界観的にも神ゲーだと感じた本作ですが、ゲームシステム部分も完成度が高く、中毒性が高いゲームサイクルになっています。

 近日公開予定のレビュー記事後編では、そのあたりについて語っていきますので、お楽しみに。

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