『アサクリ ヴァルハラ』の感想。正面突破の略奪が楽しすぎて暗殺を忘れてしまう
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- hororo
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目深くかぶったフードと、左腕に装着した暗器“アサシンブレード”をシンボルとした暗殺者が世に登場してから、すでに10年以上ーー。
史実に基づいたリアルなオープンワールドと、パルクールを生かした暗殺アクションなど、多くの独自の要素を持った『アサシン クリード』シリーズは、これまでに多くのファンを獲得してきました。
そしてついに、今年の11月17日にはシリーズ最新作『アサシン クリード ヴァルハラ(ACV)』がPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X/PCで発売予定となります。
今回、メディア向けの体験会でいち早く本作を体験できたので、そのプレイレポートをお届けします! まだ開発中の作品ですので変更される可能性はありますが、体験プレイで感じた本作の魅力の一端をぜひ最後までチェックしてみてください。
戦乱に明け暮れたイングランドを略奪し、ヴァイキングの新天地を築く
『アサシン クリード』シリーズの大きな特徴は、主人公はもちろん、時代や国が作品ごとに異なること。本作では9世紀のイングランドを舞台に、西ヨーロッパを略奪して回ったとされる“ヴァイキング”が主役となります。
主人公は、新天地を目指して故郷のノルウェーを去った戦士・エイヴォルです。彼は配下のノース人戦士団とともに北海を渡り、新たな定住地を築くことを使命としています。
そして辿り着いた豊かな土地・イングランドは、小王国同士が争う戦乱の時代。この混乱に乗じ、定住地を築く戦いに身を投じていくようです。
ゲームタイトルに含まれている“ヴァルハラ”とは、北欧神話に登場する、勇敢な戦士の魂が導かれる宮殿のことです。ヴァイキングたちは勇敢に戦って死ぬことでヴァルハラに導かれると信じており、それがこの上ない名誉であるとされています。
彼らにとって、戦いで死ぬことは望むところであり、それが荒々しい戦い方の源流となっているのかもしれません。
なお、ストーリーではさまざまな選択がプレイヤーに投げかけられるようです。今回のプレイでは、Oswaldという男性を助けるため、ある城塞の攻略に挑むクエストでの一幕でした。
その城を守る敵の指揮官・Ruedを倒したあと、彼を殺すか生かすかという選択が出現しました。当然、殺してしまえば、彼はその後の物語には登場しません。しかし生かしておくと、その後のストーリーに登場するとのことで、試しに生かしてみました。
その後の物語を進めると、Oswaldの結婚式の最中にRuedが再び現れ、Oswaldに決闘を申し込んできました。
さらにこのときも、Oswaldを決闘に送り出すか、エイヴォルが戦うかという選択肢が出現! プレイヤーの選択は、ただその場の展開を分けるだけでなく、その後永続的に世界に影響を与えるらしく、プレイヤーによって作中で起こる出来事が大きく変わるかもしれません。
余談ですが、ヴァイキングといえば、荒々しい戦いをする血も涙もない戦闘集団というイメージがあり、これまでの“アサシン”とはかなりイメージが異なります。
これはヴァイキングに資料を残すという文化がなく、襲撃された側が記した文献で書かれた表現が基盤になっているからとのこと。
実際のヴァイキングは蛮族どころか、かなり優れた技術や文化を持っていたようです。近年では、有名な戦士の遺体がじつは女性だったという発見もありました。
『アサシン クリード』シリーズは、1作目から作中に詳細な時代の解説を入れることでも有名ですが、『アサシン クリード オリジンズ』以降は、解説のみに注力した“ディスカバリーツアーモード”も追加されており、教育的分野でも取り入れられています。
恐らく『アサシン クリード ヴァルハラ』でも同様の機能があると思っているのですが、本作がどのようにこの時代を掘り下げてくれるのか、個人的にとても楽しみにしています。
ヴァイキングらしい荒々しい戦闘が新しい!
これまでのシリーズ作品の主人公たちは、いずれも武芸に秀でた熟練者で、戦闘になるとスマートに敵の攻撃をさばいている印象がありました。
しかし本作の主人公であるエイヴォルは、ヴァイキングらしさ全開の荒々しい戦い方! 盾で敵を殴ったり、手斧を投げまくったりする力任せの戦い方はかなり新鮮でした。
斧とフレイルの二刀流など、片手にそれぞれ異なる武器を装備できるようになったため、プレイスタイルの幅もさらに広くなっています。
戦闘の操作としては、武器攻撃、ガード、パリィ、ステップ回避と基本的なものが一通りそろっていました。シリーズ作品をプレイしていなくても、比較的馴染みやすいのではないでしょうか。
ちなみに本作では体力の自動回復がなく、回復は回数制になっています。とはいえ、回復回数を増やすための食料などはいたるところで回収できたので、ボス戦以外などでは回復が足りなくなるということはありませんでした。
『アサシン クリード』シリーズの象徴ともいえるステルスプレイも健在です。
高所を身軽に移動でき、視界外から一気に襲いかかる気持ちよさは従来そのまま! 長年に渡り積み重ねてきた要素だけあって、大きく目立った変更点はないですが、これはむしろ完成されている部分だからでしょう。
オープンワールドに用意されたさまざまなコンテンツ
広大なオープンワールドと、各地に配されたアクティビティの数々も『アサシン クリード』シリーズの醍醐味のひとつ。
今回体験できたのはそのごく一部ではあるものの、個性的なものばかりでした。なかでも、ヴァイキングらしさをビンビン感じたアクティビティをいくつか紹介していきましょう。
「これぞバイキング!」と言わんばかりのアクティビティが“襲撃”と呼ばれるものです。これは名称の通り、集落を仲間とともに襲撃し、金品を略奪する行為になります。
ヴァイキングの特徴的な船であるロングシップから上陸し、雄叫びとともに村落に襲いかかる仲間たち。瞬く間に上がる火の手と、打ち鳴らされる鋼の音。その中をのしのしと歩いて進むのは、まさに略奪を指揮するヴァイキングの首領……!
この暴力の具現化のような空気感は、これまでのシリーズ作品にはなかったものですし、我々がイメージするヴァイキングの絵面としては完璧でテンションは最高潮に!
アクティビティのひとつとして、強力な敵と戦えるワールドボスというものも用意されていました。
今回戦えたのはReganという名の魔女。このようなメインストーリーには絡まない強力なボスが各地に点在しているらしく、彼らに挑戦して勝利することも、目的のひとつとなるようです。
血生臭いもの以外のアクティビティでは、飲み比べなどがありました。
操作は画面に表示されるボタンをタイミングよく押していくだけなのですが、酒量がかさんでくるとたびたびフラつくことがあり、すぐに体勢を立て直さないとタイムロスになってしまいます。
また、口論詩(こうろんし)と呼ばれるものも。これはヴァイキング流のラップバトルで、相手の喋るセリフと同じような音……つまり韻を踏んだような返しをしていくミニゲームです。
今回のビルドは英語版だったのですが、要は口に出して喋ったときのイントネーションが同じようになればいいようです。
川べりでは釣りも楽しめます。しかも竿を使わない、ロープのみで行うワイルドさ!
魚が食いついたら、魚の動きに応じてロープをコントロールしつつ、引くだけ。とはいうものの、慣れるまではなかなか難しい……!
今回のプレイでは一部の地域を4時間ほど遊べたのですが、それでも網羅できないほどの広さ! 全域ともなればかなりのボリュームになるでしょう。
当然、徒歩移動では時間がかかる広さですが、馬やロングシップ、ファストトラベルなどの移動手段も多く、移動にストレスがないのも嬉しいポイントでした。
アビリティ、スキル、武器……エイヴォルをどう育てるかはプレイヤーしだい!
本作の成長要素は、シリーズ通してみてもかなり充実していると言ってよさそうです。
限りある時間ではすべてチェックすることはできませんでしたが、そんななかでも、プライベートプレイではどんな育て方をしようか夢想してしまうほど。さまざまな強化が目白押しで、ワクワクしました。
ひとまず今回確認できた情報を整理してみましょう。
“アビリティ”は、エイヴォルのアクションを増やすことができる要素。今回のプレイでは初めから8つのスロットがすべて埋まっていましたが、製品版では順番に覚えていき、徐々にアクションの幅が広がっていくものだと思われます。
見た感じでは、アビリティの種類はもっとありそうなので、どれをセットするかも重要そうです。
“スキル”ではエイヴォルの能力を向上させるほか、タイミングよく回避すると一定時間周囲の時間を遅くするといった、特殊能力の習得が可能です。
膨大な数が用意されているため、どのようにスキルポイントを割り振っていくか悩みどころ。プレイヤーのスタイルでも大きく変わりそうな要素です。
装備に関しては、今回用意されていたもの以上のものは使うことができなかったため、どれくらいの種類が登場するかは不明です。
体験プレイでは片手剣、片手斧、両手斧、盾、槍、フレイルが使用でき、それらの組み合わせで戦うことができました。
一通りの要素に触れた感覚としては、前作『アサシン クリード オデッセイ』のシステムを基本に、ブラッシュアップしてきた印象。大きな進化には乏しくは感じましたが、言い換えれば安定しているという意味でもあります。そもそも、まだ何か隠し玉があるかもしれないですしね!
むしろ新しさで言えば、システム面よりも強襲をはじめとしたヴァイキング的なシーンに注目したいところ。『アサシン クリード』シリーズは時代考証に基づいた世界作りを徹底しているため、9世紀のヨーロッパを見て回れるというだけで価値があります。知られざるヴァイキングの世界を体験できることが、今から楽しみでなりません。
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