斉藤ロクロ氏の『P5』コミック完結記念インタビュー!! 総勢50名に当たる豪華グッズ企画など独占企画満載
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7月27日に最終巻のコミックス第3巻が発売され、大好評のうちに完結を迎えたコミック『ペルソナ5(P5) メメントスミッション』を大特集。
マンガ家の斉藤ロクロさんを召喚して、ファン必読のコミックス第3巻の制作秘話や見どころを語ってもらいました。
さらに発売記念企画として、電撃オンライン独占公開の描き下ろし“あとがき”や、総勢50名に記念グッズが当たる豪華読者プレゼントも実施。お楽しみ盛りだくさんのショータイムの始まりです!
CHECK!! 『ペルソナ5 メメントスミッション』とは?
販売本数が全世界累計320万本を突破した大人気RPG『ペルソナ5』。そのスタイリッシュな雰囲気はそのままに、主人公・雨宮蓮の怪盗ライフをコミック化。
昼はふつうの高校生、夜は悪党を改心する心の怪盗団“THE PHANTOM”のリーダーとして暗躍する蓮の日常は、多忙すぎる……!?
大衆のパレス“メメントス”にまつわる怪事件の数々をゲーム本編とはひと味違った物語で楽しめるのも魅力です。
斉藤ロクロ(さいとうろくろ)さんプロフィール&最新情報
マンガ家。代表作は、電撃コミックスNEXT『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』(全4巻)、電撃コミックスNEXT『GOD EATER 2 ‐undercover‐』など多数。『一血卍傑‐ONLINE‐』では、ハットリハンゾウのキャラクターイラストも手がけている。公式Twitter:@s_696
『P5』和田和久プロデューサーから祝福メッセージが到着!! 「何より主人公がカッコいい」
――今回、斉藤ロクロさんにサブライズを用意いたしました!! 本作の完結を記念して、『P5』のプロデューサーでもあるアトラスの和田和久氏より、メッセージをいただいております。
和田和久プロデューサー:「ペルソナチーム・プロデューサーの和田です。ロクロさま、サカマグロさま、この度は『P5 メメントスミッション』完結、まことにおめでとうございます!
企画から考えると、かれこれ2年くらいですかね……。コミック版『P4U2』からだともう4、5年、『ペルソナ』とおつき合いいただいてることに。長きにわたり、本当にありがとうございます。
さて、『P5 メメントスミッション』。『P5』の日常部分とコープキャラたちに焦点を当てて、それらの魅力を見事にまとめて表現してくれた作品……!
ゲーム本編では見られないキャラ同士のからみや、後半参戦する上級生キャラの活躍もしっかり描かれていてファン必見です。何より主人公がカッコいい。
正直、元のお話の間を縫って、それを活用しつつ新規のエピソードを展開させてかつ、綺麗に完結させる難易度ってめちゃめちゃ高いんですが、本当によくここまで上手く構成されたなあ……と感心します。
『P5』が好きな方は、より『P5』が好きになる、そんな魅力が詰まった作品ですので、まだの方はぜひ読んでほしいですね!
斉藤ロクロさん(以下、ロクロ):うわっ……? わわ、和田さん、ありがとうございます!!
実はこの連載が始まる前に、当時はまだ三軒茶屋にあったタルタロス(※アトラス本社ビルのこと)へ、担当編集と企画書を持って打ち合わせに行ったんですよ。
その席に和田さんもいて、「事件が多発するモジュール型の物語にしたいんです。キリッ」って我々が説明したあと「その構成がうまくいったら、おもしろいんじゃないか」と返事をくださって。
それが実質、『P5 メメントスミッション』という企画が本格的に動き出した瞬間でした。それが無事完結……感無量です。
雨宮蓮の魂は髪に宿る――!? 「大変だ」とボヤきながらも、手間のかかる“黒ベタ”を描いた理由
――「何より主人公がカッコいい」と和田プロデューサーが絶賛していますが、主人公の雨宮蓮が本当に生き生きとしていて、コミック作品として読みごたえがありますよね。
ロクロ:ありがとうございます~~。主人公をほめてもらえるのは本当にうれしい。原作のさまざまなエピソードを組み込んではいるけれど、本作はまぎれもなく蓮の物語ですから。物語は基本的に主人公の人生に捧げるものだと思うんです。登場回数も一番多いですし……。
――ちなみに、こちらで数えてみたところ、第3巻でロクロさんが描いた雨宮蓮(ジョーカー)の延べ人数は333人のようです(※手や足だけのカットなどは除く)。
ロクロ:数えたの!? お疲れ様でした。多いのか少ないのか、よくわからないけど(笑)。
蓮を描くのは物理的に大変でした。あの髪のベタが本当に手間がかかるんです。毛がカールしているでしょ? 祐介とか竜司はまっすぐだから描きやすいけど、クリクリ&モフモフの髪の毛はガチで大変!
ちょっとバランスを間違うとパーマネントをあてた昭和のお母さんみたいな雰囲気になるんです。もっと間違うと、アフロというか、ドリフの高木ブーさんが鬼になってボヤいているみたいに……。
――もしかして『ドリフ大爆笑』(※注)の“雷様”のことですか? ロクロさんはドリフターズの世代ではないと思うんですが(笑)。
※1970年代に大ブレイクした人気グループ、ザ・ドリフターズが出演したお笑いバラエティ番組。通称・雷様は、鬼の格好をしたメンバーがボヤき芸や楽器演奏を披露するコント。余談ですが、高木ブーさんは緑の鬼です。
ロクロ:どこで観たのか、魂に刻まれてるんですよね。音楽すごいし。蓮は雷様になってはいけない(断言)。
ファンアートを拝見すると、皆さん非常に上手に蓮の髪を描いているんですよ。愛のさせる技だと思いました。
愛を持って、クリクリヘアを描いている方々の髪型は本当に素晴らしい! やはり愛は偉大だ……。負けちゃいかんと思って、気合を入れてました。
深い絆で結ばれた怪盗団を描いた第17幕&蓮が、苦悩する第14幕に想いを馳せて……
――では続いて、物語についてお聞きします。コミックス第3巻は最終巻だけあって、人間ドラマも濃厚なのですが、ロクロさんご自身はどの話数が印象に残っていますか?
ロクロ:特に第17幕はお気に入りです。コミカルな部分もあったし、メンタル的に深い描写もあったし、描いていてジェットコースターのようなアップダウンがありました。
釣りのシーンを通じて、怪盗団メンバーの絆や蓮への想いをストレートに描けたのはよかったです。
竜司、祐介、モナ、杏、真、春、双葉がいかに蓮のことを大好きか、それが伝わるシーンがあるとよいなとずっと思っていたので。
それから第14幕の葛藤する蓮のシーンは、描いていて手ごたえを感じました。被害者でもあり、加害者でもある少女・黒羽エリが持つ“割り切れなさ”は、ピカレスク・ジュブナイルと呼ばれる『P5』のテーマに寄り添えるものだと思ったからです。
改心する側の蓮たちも傷つきながら、それでも前に進んでいく、それでも誰かを救っていく……という姿が描けたのはよかったなと。
――蓮といえば、毒殺未遂犯の聞き込みのために、婦警に扮して麻倉邸に潜入を試みる第12幕が衝撃的でした。
ロクロ:照れもなくあの衣装を着こなしていたので、度胸のパラメータが“大胆不敵”を越えてそうですよね。
プロットの段階では、違和感がなければ『P5D』に登場したお仕置きコップの衣装にしようと思っていたんです。今思うと、イヤイヤ、ムリでしょって思うんですが(笑)。
婦警姿の蓮は、自分と担当編集の間では“お説教コップ”と呼んでいます。熱血警官で熱く語りますから。アニメイトさんの店舗特典にも登場しているので、見かけた際には、ぜひともお説教コップをよろしくです!
ライバルの明智は無視できない存在――つねに蓮に己の生き方を問いかけてくる
――そういえば、コミックス第3巻では明智吾郎も重要な役どころですね。第3巻のカバーイラストにも登場していますし……。
ロクロ:蓮の物語を作る上で、ライバルの存在は無視できないですよね。言葉にするのが難しいのですが、ライバル同士って言葉を交わさなくても、その存在自体が相手にいろんな“問いかけ”をしていると思うんです。
だから、好む好まざるに関係なく、互いの生き方に影響を与えている。コミックス第3巻はそれを実感できるシーンが多かったような気がします。
たとえば、第17幕で明智が蓮のことを「理解しがたいな……」と言うんですが、その裏を読めば、理解しているからこそ否定したい、というのはあるんじゃないかと。理解はできても、自分はそのようにはなれない――。
理解しているから共感し合っている親友の竜司たちとは別の方向性ですが、蓮の理解者の1人だと思って個人的には描いていました。
今、振り返ると明智は自分にとって、非常に描きやすい人物でしたね。第17幕で蓮と明智が映画館で密談するシーンは、プロットの段階から非常に楽しみで、描き上がってからもお気に入りのシーンです。
上映作品がヒーロー系の『ダメンジャーズ』なのもよかった。途中、明智に捜査本部から電話が入るけれど、本当にそうなのか――?
明智の場合、どこまでが本心かわからないところも魅力ですから、2人の会話の駆け引き具合を推測して、ぜひ悩んでいただけるとうれしいです。
最悪の状態で出会って最高の仲間になった怪盗団。それが垣間見れる日常のシーンが描けてよかった!
――先ほどの和田プロデューサーの言葉にもありましたが、本作はゲーム本編にあった“メメントス”がらみのエピソードを活用しつつ、新規のエピソードを展開させてます。
それが最後に1つに収束していく物語は、第1巻から一気に読むとさらにスリリングですね。これまでの『ペルソナ』コミックにはない、新しい試みでした。
ロクロ:そうですね。アトラスさんがしっかりと監修してくださるのは、コミック版『P4U2』の経験でわかっていたので、新しいことも迷いなく進めることができました。
今回もキャラクター設定の掘り下げから会話のアドバイス、さらに励ましのコメントまで添えていただき、まるで1つのチームで作っているような心の通った監修をしていただきました。それが心理描写や会話の端々に出ていると思います。
実際、ゲームのシナリオを作りつつ、コミックの監修をするのは大変な作業だと思うんです。コミック版『P4U2』のころから、それをずっと続けてくださったアトラスさんには本当に感謝です。
――最後に読者の皆さんへメッセージをお願いいたします。
ロクロ:このコミックには、ゲームやTVアニメで『P5』に触れたファンの皆さんが、大好きなキャラクターや世界観を、さらに深く、もっと楽しく、味わえる物語を作りたい……という想いが込められています。
我々がこの作品を作ることで、雨宮蓮と心の怪盗団メンバーの魅力を皆さんとシェアできていたら、本当にうれしいです!!
全3巻、無事に完走できたのも読んでくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。
大人に裏切られ、つらく苦しい日々もやはり青春であって、その痛みと引き換えに本当の仲間と出会った蓮が、笑ったり、励まし合ったりしている姿を描けて、本当によかったです。
それから、ひそかに英語版の企画も進行中なので、海外のかたはもちろん、英語で『P5 メメントスミッション』を読んでみたいという日本在住のかたもぜひ楽しみにしていてください。
――ありがとうございました。斉藤ロクロさんのインタビュー、いかがでしたか? 何気ないシーンに込められた想いなどが明かされ、よりいっそう物語が楽しめるのではないでしょうか。ぜひ続けて、描き下ろしのあとがきをお楽しみにください。
斉藤ロクロさん描き下ろしのジョーカーがクール!! 特製クリアファイルが総勢50名に当たる
ここからは魅惑のオタカラ企画がスタート。コミック『ペルソナ5 メメントスミッション』の完結を記念して、非売品のロゴ入りクリアファイルが50名に贈られます。
使用イラストはもちろん、ロクロさんの描き下ろし。「よし、このオタカラをいただこう」という方は、第3巻にまつわるクイズに答え、必要事項を記載して郵送してくださいね!
また、ロクロさんへのメッセージなども書き添えていただいてOKです。この機会にしか手に入らない特別なオタカラ、ぜひ奮ってご応募ください。
【Question】第18幕の最終ページで蓮がうっかり忘れたものは?
1.物理の課題
2.数学の課題
3.地学の課題
4.聖火台
応募方法
下記の住所へのハガキまたは封筒(手紙)での応募となります。
募集要項
(1)氏名
(2)郵便番号・住所
(3)電話番号
(4)クイズ(Question)の回答
あて先
〒102-8177 東京都千代田区富士見2-13-3 角川本社ビル
電撃マオウ編集部
「P5MM第3巻発売記念のオタカラをいただこう!」係
応募締め切り
2020年10月1日(当日消印有効)
※提供された個人情報は発送以外の目的では利用されません。
※当選者の発表はプレゼントの発送をもって行われます。
※譲渡・転売・複製しないことが応募・当選の条件となります。
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本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
comic-walker『ペルソナ5 メメントスミッション』の作品ページはこちら
電撃コミックスNEXT『ペルソナ5 メメントスミッション 3』
- 原作:アトラス
- 発行:KADOKAWA
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電撃コミックスNEXT『ペルソナ5 メメントスミッション 1』
- 原作:アトラス
- 発行:KADOKAWA
- 発売日:2019年2月25日
- 価格:本体580円+税