小説版『ラピスリライツ』第1弾レビュー。LiGHTsの日常をチャット風に描く新感覚ノベル

セスタス原川
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 MF文庫J(KADOKAWA)から発売中のノベル『ラピスリライツ 魔女たちのアルバム LiGHTs編』(著者:あさのハジメ、イラスト:U35、原作:Project PARALLEL)のレビューをお届けします。

 本書は、KLabとKADOKAWAによる“魔法”דアイドル”をテーマとしたメディアミックスプロジェクト『ラピスリライツ ~この世界のアイドルは魔法が使える~(ラピスリライツ)』初となる公式ノベライズ。第1弾では、魔法学校に通う5人の少女たち“LiGHTs”の日常が描かれます。

 また現在、TVアニメ『ラピスリライツ ~この世界のアイドルは魔法が使える~』が放送中です。

あらすじ

魔女。それは、光。

人々の脅威となる魔獣を浄化する存在。

そして希望の歌を届ける存在。

一人前の魔女を目指し、魔法学校に通う五人の少女たち、LiGHTs。落ちこぼれの彼女たちだったが、異世界からやってきた“先生”のスマホを使って、日々の魔女活動を記録したドキュメンタリーを作ることを思いつき――。

「写真を撮ろう!? 誰かを笑顔にするには私たちが笑顔にならなくちゃ♪」

 『ラピスリライツ』の舞台は、魔力を持ち“魔女”と呼ばれる少女たちが、人間を襲う“魔獣”と戦う世界。“魔女”は戦うだけでなく、歌や踊りで人々を楽しませる存在でもあります。

 ライトノベル第1弾の主役は、“魔女”を育てるフローラ女学院で、落ちこぼれとして特別クラスに集められてしまった“LiGHTs”のメンバー5人です。

 彼女たちは、来訪者(フォーリーナー)としてスマホを片手に異世界からやってきた“先生”との出会いをきっかけに、“魔女”として大きく前に進み始めるのでした。

  • ▲“LiGHTs”のメンバー。左から、リネット、ロゼッタ、ティアラ、アシュレイ、ラヴィ。

“LiGHTs”メンバー紹介

ティアラ

 明るく元気なムードメーカー。幼いころ病気がちだったせいか、歌で誰かに元気を届けたいという強い想いを持つ。ロゼッタとは幼なじみ。

 特別クラスの中では普通な女の子に見えるが、その正体は、ウェールランドの第二王女。姉である第一王女に憧れて魔女になったが、ロゼッタ以外には身分を隠している。

ロゼッタ

 学科テストでトップ3に入る優等生。貴族家系の出身であり、成績優秀でクールな性格。

 後輩たちから人気が高いが、少々抜けている部分があったり、節約好きで家計簿をつけていたりと、貴族らしくない一面もある。

ラヴィ

 スポーツ万能かつ魔女の素質が高い天才児。かなりの自信家で、自称“特別クラスのエース”。天真爛漫な性格。

 勉強はすさまじく苦手で、学科試験では常に最下位。アシュレイとはルームメイトで、本人曰く大親友。

アシュレイ

 騎士家系の出身で、「魔女は騎士になるための通過点だ」と主張する少女。

 昔から鍛錬を積んでいるためか厳格な性格だが、実は可愛い衣装やヌイグルミに目がなく、手芸部に所属している。“LiGHTs”の衣装製作担当。

リネット

 本が大好きな図書委員。幼いころから本ばかり読んでいたせいか、性格はシャイで大人しい。

 人一倍、魔女に強い憧れを抱いている。物語を妄想してしまうクセがあり、たまに脳内ストーリーが進みすぎて暴走してしまう。

お手軽に読める新スタイルのライトノベル

 本作はライトノベルと称してはいるのもの、その内容はキャラクターのイラストとセリフを中心に構成されており、文章も横書きという新しいスタイルの小説です。

 チャットアプリの文面のようなスタイルは、簡単にスラスラと読み進められるので、活字が苦手という人にもオススメできる内容になっています。

 1章で1つの話が完結するショートストーリー形式になっているため、隙間時間を利用して分割して読み進めても問題なし。まさに気軽に楽しめる“ライトノベル”と言えます。

 全ページフルカラーとなっており、U35先生の描く美麗なカラーイラストも満載です!

  • ▲物語を彩る見開きのカラー挿絵にも要注目!

メンバーの以外な一面が明らかに!?

 物語は、“魔女”としての発表会“オルケストラ”の2週間前のタイミングから始まります。

 落ちこぼれのレッテルを張られた彼女たちは、どうにかして自分たちのステージに人を集めなくてはなりません。物語では、そのための事前準備に切磋琢磨する彼女たちの様子が描かれています。

 それぞれ個性的な性格をしている彼女たちですが、物語を読み進めると、第一印象では見えなかったさらに可愛らしい一面も明らかになります。

 小説を読み終えた後には、彼女たちのことがもっと好きになることはもちろん、意外な一面を知ったことで5人の中から新しい“推し”が生まれてしまうはずです。


  • ▲お堅いイメージがあるロゼッタとアシュレイですが、物語を読むと印象がガラッと変わるかも……!?

異世界の知識が魔女活動のカギ?

 彼女たちは、来訪者として現れた“先生”が持っていたスマホを使わせてもらっています。どうらや、自分たちの世界には無い不思議な機械に興味津々のようです。

 物語の中でも、初めて携帯を買ってもらった子のようにカメラ機能を使って撮影を楽しむ姿が印象的でした。

 また、過去にも“先生”のように我々の世界から彼女たちの世界を訪れた人は居たらしく、その人らが記した“別世界の夜空”という本は、彼女たちの活動に大きな影響を与えることになります。

 アイドル作品でありつつも、異世界転生作品のような要素も含まれている本作。今後も“先生”の存在が、彼女たちにどんな影響を与えるのか注目したいです。

コミック版『ラピスリライツ』発売中

 メディアミックスプロジェクトとして、ヒロイチ先生が描く『ラピスリライツ』公式コミックが、月刊コミック電撃大王で連載中。その第1巻が、7月22日より発売中です。

 コミカライズでは、本書の物語から時を遡り、ティアラのフローラ女学院入学のお話や、学院でのロゼッタ再開のシーンなどが描かれています。

『ラピスリライツ』公式コミック紹介ページはこちら

 小説と漫画の両方を読めば、『ラピスリライツ』の物語をより楽しめること間違いなし! ぜひあわせてお楽しみください。

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『ラピスリライツ 魔女たちのアルバム LiGHTs編』

  • 発行:MF文庫J(KADOKAWA)
  • 発売日:2020年7月20日
  • ページ数:128ページ
  • 定価:900円+税

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