『インディヴィジブル 闇を祓う魂たち』レビュー! 手ごたえのあるアクションとバトルを楽しめる

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 スパイク・チュンソフトから発売されたアクションRPG『インディヴィジブル 闇を祓う魂たち』の特徴や感想などをお届けします。


 『インディヴィジブル』は、主人公・アジュナを操作して手描きビジュアルの美しいフィールドを進んでいく、探索型アクションRPGです。

 PS4版をプレイしているため、記事中のボタン操作はそちらに準じています。

培った技術がふんだんに盛り込まれた美麗なビジュアル

 本作をプレイして、特に目をひくのがそのビジュアル。背景、キャラクターともにアニメ調で丁寧に描かれており、ゲームをプレイするというよりも操作するアニメという印象を強く感じました。

  • ▲イベントでもない普通のバトルシーンで、このクオリティ。
  • ▲ありがたいポーズのようなスライディングが見られるゲームは(多分)本作だけ!

 物語全体にただよう雰囲気は仏教圏をイメージしたものが多いですが、大自然の中を歩いたり、近未来的な建造物に突入したりとロケーションはさまざま。2Dではありますが、広い世界を旅している感覚が味わえます。

 本作を手掛けた“Lab Zero Games”は、『スカルガールズ』の主要スタッフによって設立されたディベロッパー。『スカルガールズ』で、スキがなく精細なビジュアルに心惹かれた人ならば本作の絵作りにもきっと惹かれることでしょう。 

  • ▲ありそうでない。もしかするとあるのかもしれない。そんな街並みを歩くことができます。

十分すぎる手ごたえの2Dアクション

 そんな本作のゲームプレイは、大きく分けて探索パートとバトルパートで構成されています。

 探索パートはダッシュやジャンプ、壁を使った三角飛びなどを駆使して進むスタンダードな2Dアクション。入力に対するレスポンスがよく、非常に気持ちよくフィールドを攻略していけます。シナリオが進むと、斧を壁に引っ掛けて二段ジャンプのように再上昇する行動や、弓で遠くにあるスイッチを起動するなど行える、使えるアクションが増えていくためアクションにマンネリさを感じさせない作りも好感触。

 新しいアクションを習得した直後にそのアクションが必須になるシンプルなギミックが用意されているため、明確なチュートリアルなしに自然と新しいアクションを使えるようになっているのも遊びやすさを増している要因ですね。

  • ▲三角飛びを連続で行うような、複数回のアクションが必要になるギミックが序盤から登場します。

 アクションゲームに慣れていると序盤こそ難易度に物足りなさを感じますが、シナリオ後半になると習得してきたアクションを正確に素早く使い分けながら攻略していく場所があり、結構な手ごたえ。ただ、操作ミスで穴に落ちるなどの失敗をしても失敗したギミックの直前(連続して一連のギミックになっている場合は、そのギミックの塊の直前)から即座にスタートできるのでミスに対するストレスは感じませんでした。


  • ▲矢を左のブロックに当てると、一定時間で消える足場が出現。こういった時間制限のあるギミックとミスした時に直前に戻される、本作の仕組みは相性バツグン。

 少し気になったのは初期設定では〇ボタンがダッシュ、×ボタンがジャンプになっているため、ダッシュ中のジャンプが行いにくい点。遊びにくさを感じたら、ボタン設定を変更するのも手ですね。

 スクリーンショットだけを見るといわゆる“メトロイドヴァニア”タイプのようにも見えますが、本作は自分で新しい道を見つけるというよりも用意されているギミックを丁寧にこなしていく要素が強め。個人的には“メトロイドヴァニア”感は薄いと感じました。

バトルは探索とは異なるもう1つのアクションシーン

 スタンダードなアクションである探索パートに対して、本作のバトルは一般的なRPGとは少し異なるシステムが採用されています。プレイヤー側は最大4人でパーティを組めて、それぞれのキャラクターにひとつずつボタンが割り当てられています。

 PS4版は△、□、〇、×の4つのボタンが4キャラクターに対応。各ボタンを入力すると対応するキャラクターが攻撃を実行します。攻撃時に左アナログスティックを入力しない(以下、N攻撃)、上に入力(以下、上攻撃)、下に入力(以下、下攻撃)の3種類でそれぞれ異なるアクションを繰り出すことができます。

 各キャラクターの攻撃をうまく組み合わせることで、1人が敵のガードを崩して、2人目が宙に打ち上げて、3人目、4人目が空中の敵に追撃する……というように、アクションゲーム的なコンボを狙うことが可能。

  • ▲各ボタンに対応したキャラクターを好きな順番で動かせます。人によっては“リスペクトしたタイトル”が、わかるかと。

 敵が攻撃を仕掛けている間は上記の対応したボタンはガードを行うボタンに。タイミングよくガード(いわゆるジャストガード)すれば、ダメージを大幅に軽減できるなどのメリットがあり、アクション性のあるシステムになっています。

 バトルは基本的にはリアルタイム制なのですが、敵の攻撃中は上記の対応するボタンを押しても必ずガードを行うため、明確に敵のターンとなります。味方のターンと敵のターンが区分けされており、個々のキャラクターはどちらのターンかでできる行動が変わるのですが、好きなタイミングで行動可能。リアルタイム制とターン制の中間というイメージのバトルですね。

  • ▲バトルで操作できるのは最終的に約20キャラクターに。いろいろなパーティを組んで狙えるコンボなどの戦い方の変化を試すだけでも楽しいです。

 このバトルのスパイスになっているのが、攻撃時やガード成功時にたまる“イッディ”というゲージ。たまった“イッディ”は1目盛り分消費して各キャラクターの強力な攻撃が繰り出せて、最大までたまっている時はすべての“イッディ”を消費して味方全体の回復&蘇生が可能。

 本作には回復アイテムはなく、一部のキャラクターの攻撃に味方を回復する効果があるのみ。そのため戦闘中の回復手段として“イッディ”は非常に重要です。

 味方パーティが半壊した状態から一気に味方を戦線復帰させて逆転……“イッディ”には、そんな気持ちよさを後押しする力があります。

 ただ、この“イッディ”は敵の攻撃を受けたり、ガードを入力しっぱなしにしたりしているとドンドン減っていくもの。ピンチになればなるほど、ジャストガードなどのシビアなプレイが必要になるシステムはバトルの高めの難易度と相まってかなりの緊張感を与えてくれます。

  • ▲戦闘が終わるごとに体力は全回復しますが、そのぶんシビアなバランスの戦闘も多め。“イッディ”による回復を効果的に使えるかで難易度が激変します。

 そして、バトルの中でもさらにひと工夫施されているのがボスなどの強敵を相手にした時。強敵とのバトルでは、途中でバトルパートが中断されて探索パート(と同様のシーン)に移行。ジャンプやダッシュといった探索パートのアクションを駆使してボスの攻撃に対処して、再度バトルパートに臨むという流れになっています。

 アクションゲームとしての遊びとRPGとしての遊びの両方がボス戦に詰め込まれているのは、本作のシステムがあってこそでしょう。

  • ▲あるボスとの戦闘。序盤は手ごわいながらも本作では普通のバトルパート。
  • ▲ある程度ダメージを与えるとボスが逃げ去り、探索パートと同様のアクションで子グモを撃破するシーンに。
  • ▲しばらく時間が経過するとボスが再度現れるので、そこをすかさず攻撃するとバトルパートでの戦闘の続きになります。

アクションRPGというジャンルは少し気になるがクオリティの高いタイトル

 上記のように、クオリティが高いうえに、いろいろと魅力のあるタイトルになっています。一方で、道中の敵かボスかを問わず一度倒した敵は再出現しないシステムが、RPG的な楽しみを奪っている印象。

 例えば20人以上のキャラクターが仲間になるとなれば、いろいろなパーティを作ってどの編成が気持ちよく戦えるのかを試したくなります。特定のキャラクターが気に入ったので、そのキャラクターを生かすパーティ編成を考えるというケースもあるはずです。

 ですが、敵が再出現しない以上、そういった編成や特定の編成でのコンボなどを試す機会は少なめ。さらに、戦闘の総数が限られているということは何度も試して自分のなかでの理想の戦い方が生まれたとしても、そこまでに試した数だけ理想の戦いかたを実践できる回数が減っていることを意味します。ただ、トレーニングで無限に戦うことはできます。

 また、敵が再出現しないためにRPG定番の“勝てなければレベルを上げる”という選択肢を取りにくいのも気になるところ。ボスまでたどり着いた時点で十分な育成が終わっていると考えることもできますが、序盤からジャストガードができなければ敗色濃厚という戦闘もありました。各キャラクターにサブクエストがあり、クエストを達成するとキャラクターが大幅に成長するので、アクションが苦手な人は活用してみてください。

 いい作品であることは間違いないので、探索とバトルで異なる2種類のアクションを楽しみたい人にオススメしたいタイトルだと感じています。

Developed by Lab Zero Games. Published by 505 Games, S.p.A. "505 Games," "Lab Zero
Games" logos are the trademarks and/or registered trademarks of 505 Games S.p.A. and Lab
Zero Games. All rights reserved. Licensed to and published in Japan by Spik e Chunsoft Co.,
Ltd.

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インディヴィジブル 闇を祓う魂たち

  • メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: ARPG
  • 発売日: 2020年7月16日
  • 希望小売価格: 4,500円+税

インディヴィジブル 闇を祓う魂たち(ダウンロード版)

  • メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: ARPG
  • 配信日: 2020年7月16日
  • 価格: 4,500円+税

インディヴィジブル 闇を祓う魂たち

  • メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: ARPG
  • 発売日: 2020年7月16日
  • 希望小売価格: 4,500円+税

インディヴィジブル 闇を祓う魂たち(ダウンロード版)

  • メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: ARPG
  • 配信日: 2020年7月16日
  • 価格: 4,500円+税

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