レースゲーのド初心者が『Project CARS 3』を遊んだ感想は?

セスタス原川
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最終更新

 バンダイナムコエンターテインメントから、ハイクォリティのレースゲームシリーズの最新作として、PS4/Xbox One/PC(Steam)用ソフト『Project CARS 3』が発売されます。

 今回は、レースゲーム初心者の筆者が本作に挑戦。初心者がプレイして本当に楽しめたのか? その感想をお伝えしていきます。なお、プレイしたのはPC版となります。

カーシミュレーションってつまりどういうこと?

 筆者は、レースゲーム経験がほぼゼロ。似たような方のために、まずは本作がうたう“カーシミュレーション”というものがどういうものなのか? というところから見ていきたいと思います。

 下調べをしてみたところ『Project CARS』シリーズは、レースゲームの中でも、よりリアリティに特化している作品ということです。ひと口にレースゲームと言ってもいろいろあり、とにかく速いレーシングカーを操作する爽快感を重視したものから、実車の挙動をどれだけゲームに落とし込めるのかといったシミュレーション部分を重視したものまでさまざま。

 『Project CARS』シリーズは、後者の要素が強く出た作品で、車の動きをリアルに再現したため、特に“カーシミュレーション”という打ち出し方をしています。実際にその車を運転しているかのようなリアルなアクションやグラフィックを再現しています。

  • ▲グラフィックはナンバリングを重ねることにより美麗に。サーキットも実際の有名なコースを再現しています。
  • ▲まずはキャラクター設定画面で出身国、ユニフォーム、ヘルメットなどを選択。かなりのバリエーションがあり、自分好みのカラーリングを設定できました。

 初期設定とチュートリアルを終え、いざプレイしてみた結果……。

 「これがサーキットか……」

 筆者は普通運転免許を取得しています。レースゲームの経験こそないものの、クルマを運転する感覚はあるので、その延長線上の感覚かな~? くらいに考えていたのですが、その想像は誤りで、実際の経験とゲームの中での運転はまったく別次元の体験でした。

 考えてみればそれもそのはずで、普通の人間が経験するクルマの運転は法定速度と信号を守り、安全に運転をするというもの。一方で、ゲーム内で行われるのは、クラッシュ上等、生死を賭けたハイスピードで競い合うというもの。

 本作のウリは“リアリティ”なのですが、そのリアリティとは実際の道路で乗用車を運転するような感覚でなく、サーキットを回るレーシングカーの挙動をトコトンまで追求したという意味でのリアリティ。“普通の人間にとっての非現実をゲームの中でリアルに体感する”という部分に重きが置かれているのです。

 ここでようやくカーシミュレーションというゲームのコンセプトを理解できた筆者。運転をゲーム内で楽しむというよりも、普通に過ごしていては叶わないハイスペックなレーシングカーを乗り回せる夢を体験できるゲームなのですね。

レースに挑戦……しましたが

 少しプレイして、本作が何を楽しむ作品なのかが理解できました。では、さっそく次はレースで上位を目指してみようではありませんか。

 本作のレースには複数の種類があり、CPUを交えてレース、他プレイヤーのゴーストとのレース、ランキング、タイムアタックなど、さまざまなテーマでレースに参加できます。まずは、一般的なCPUとのレースに挑戦してみました。

 すると……。

 「なにもできない……」

 筆者が初心者なせいか、それともゲーム内とは言え、サーキットでレーシングカーを運転するという行為そのものが難しいのか。初めてのレースは16人中15位という結果に終わりました……。これがリアリティか。

 プレイを続けてみた結果、原因はどうやらスピードを出しすぎでカーブが曲がれていないところにあるようです。カーブに差しかかる際には、ボタンの押し具合を調節して徐々に減速してゆるやかに曲がる必要がありました。

 まさに、これは実際の車の速度制御と同じ。レーシングカーと言えど、全速力でツッコんで魔法のようにくるりと回れるわけじゃないんですね。ここでようやくプレイしていて自分の運転知識と一致する部分を発見できました。逆に言うと、その状態の人間がレースで上位を獲れるわけがなく。むしろ1台後ろにいることのほうが奇跡にも思えますね。

 原因がわかったものの、それをすぐに実践しろというのは初心者にとってはなかなか難しいところ。ハイスピードでカーブに突撃することは無くなったものの、どうしてもカーブでスリップしてしまい速度が大きく落ちてしまいます。

 どうしたものか? と悩んでいたところ、ふと各種設定にブレーキの項目があることに気が付きました。それがオンになっていることを確認して、もう一度レース挑戦してみると……。

  • ▲設定で各種機能のレベルを調節できます。サポート機能を増やすと取得経験値が下がってしまう仕組み。

 「う、うおお、曲がれたっ……!!」

 驚愕。なんとカーブのときに自動的に操作がサポートされているではないですか! 完全自動とまではいきませんが、このサポートを主軸にマニュアルで追加入力を行えば、これまでにないほどすんなりカーブを曲がることができました。

 聞くところによると『Project CARS 3』では、歴代作と比べて私のようなレースゲーム初心者はもちろん、ゲームに不慣れなユーザーに向けたサポート機能が充実しているとのこと。

 残念ながら筆者は今作がレースゲーム初体験なので比較はできませんが、初心者の筆者が数時間のプレイでレースを走り切れるようになったので、間違いなくサポート機能の影響は出ていると言えます。

  • ▲走りきれるようになったとはいえ上位には程遠く……。いつかはここに立ってみたいものです。

 初心者視点で見るとカーシミュレーションならではの手強さはまだありますが、それは初体験のジャンルにはだいたい言えること。わかりやすくストレスを感じないことに心地よさや快感を見出す作品もありますが、本作では逆に、扱う難度の高いレーシングカーだからこそ、自在に動かせた時の喜びや上達の実感、楽しさを味わえると言えます。

 実際、カーブひとつをスムーズに曲がれたことがこんなにうれしかったことって、人生でもなかなかないなと(笑)。

ド初心者、車のカスタマイズでやらかす

 レースにある程度慣れてきたところで、続いて車のカスタマイズにも挑戦。そう、本作では、プレイヤーがクルマのブレーキやエンジンの種類を選択して、独自のカスタマイズをした状態でレースに挑めるんです。

 何度かレースに挑戦したことで、お金もある程度たまっており、かなりの高性能なカスタマイズが可能になっていました。有り金をはたいて最速のクルマを作ろうではありませんか! と思い、現時点でできる最速(と思われる)カスタマイズを施します。どれがどの機能を向上させるのか詳しくはわかりませんでしたが、速度やハンドリングなどをとりあえずできる限りパワーアップ。これまで追いつけなかったクルマたちに仕返しをしようと思ったところ……。

 「レースに参加できない……」

 何といううっかりミス。実はレースには車のロードクラス制限があり、強化しすぎた車ではレースに参加できないのでした。確認しなかった自分が悪いとはいえ「強化できる部分があったら強化するでしょ……」と愚痴をこぼさずにはいられませんでした。

 仕方ないので、もう一度ガレージにてパワーダウンを行うことに。パワーダウンを行うには強化した際より安い金額を支払えば元に戻すことができるのですが、いかんせんお金がない……。

 そう。パワーアップにお金を使いすぎて、逆にパワーダウンに必要なお金がなくなってしまったのでした。レースに参加できないし車も元に戻せない……もう絶望です。

 何か手はないのかとながめていたところ、数あるレースの中に参加できるものを発見! 見てみると、どうやらレースごとに指定された車に搭乗してゲームをプレイできるようです。

 ミスで詰んでしまったかと思った筆者にとって、この機能はまさしく救いの手! プレイ時間の兼ね合いもあって、クルマの調整はここまでとあきらめ、指定されたクルマを使ってレースを楽しみました。もしかすると上記のグレードアップの詰み状況から脱出することができたのかもしれませんが、筆者がプレイした時点では解決方法は見つからず。

 筆者と同じ状況になってしまった方や、所持している車に飽きてしまった人にとっては、購入せずに新しい車に乗れる機能は嬉しい仕様と言えます。もちろん、お金を貯めれば自由にカスタマイズできるだけでなく、新しい車も購入できるので、しっかりと車にこだわりたい人はレースでお金を貯めていきましょう。

 どうにか遊べる状態にはなりましたが、説明があっさりしており不親切に感じてしまう部分があったのも事実です。ロードクラスの制限などは、筆者のような初心者には気付きづらいポイント。1回ミスをして覚えていくわけですが、この記事を読んだ人はひとつ失敗を回避した形で遊べるんじゃないかと!

結果:ド初心者でもレースやカスタマイズは楽しめた!

 そんなこんなで、レースゲーム初心者のプレイ期間は終了。山あり谷ありで大変な面もありましたが、ハプニングも含めて新しいゲームに触れるおもしろさを久しぶりに味わえました。

 まだまだ初心者にはわからないことだらけではありますが、記事中盤で触れたサポート機能の充実や、カスタマイズなしでさっくりと遊べる機能を見ると、そこまで敷居が高いわけでもないと感じました。残念ながら走らせることこそできませんでしたが、カスタマイズも最高速度やハンドリングなどのパラメータが表示されるので、どの改造でどんな効果が出るのかも初心者でも把握できました。

 先ほども書きましたが、まさか“カーブをひとつきれいに曲がる”だけで、こんなに嬉しく感じるとはプレイ前には思いもしませんでした。できなかったことが(サポートありとは言え)できるようになるって、やっぱりいくつになってもうれしいですね。

 これも周りのクルマが遅くなるのではなく、“あくまで操作がサポートされている”という形で難易度調整しているのがミソ。当面は、この機能なしでもクルマを操作できるようになろう! など、自分の中で腕を上げていくための目標を設定しやすく感じました。

 なお、本作にはまだまださまざまな要素がありますが、テストプレイ期間で遊べたのはここまででした。初心者である筆者目線では、レースゲームに遊び慣れた皆さんが気になる部分までの情報をお届けできないのが現状です。すみません。

 そうしたレースゲームファンや、シリーズファンが気になっていることなどは、8月7日に予定している生放送などで情報が発信されると思います。こちらには本作のプロデューサーや、忍ism所属のレースゲーマー・高橋拓也さんが出演し、実機を使って本作の魅力をお届けしていく予定です。

 初心者の方からレースゲーム大好きな方まで楽しめる内容になると思いますので、そちらもお見逃しなく!

【実機プレイ】『Project CARS 3』最新情報&国内最速でプレイしちゃう生放送

■出演者
中島プロデューサー(バンダイナムコエンターテインメント)
高橋 拓也(レースゲーマー/忍ism)
ゴロー(電撃オンライン)

© 2020 Slightly Mad Studios Limited. Published and
distributed by the BANDAI NAMCO Entertainment Group.
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Project CARS 3

  • メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応端末:PS4
  • ジャンル:リアル・レース・シミュレーション
  • 発売日:2020年9月10日
  • 価格:7,600円+税

Project CARS 3

  • メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応端末:Xbox One(デジタル版のみ)
  • ジャンル:リアル・レース・シミュレーション
  • 発売日:2020年8月28日
  • 価格:7,600円+税

Project CARS 3

  • メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応端末:PC
  • ジャンル:リアル・レース・シミュレーション
  • 発売日:2020年8月28日
  • 価格:オープン価格

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