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『FFXIV: 漆黒のヴィランズ』アーリーアクセス直前に闇の戦士を振り返る――後編・闇の戦士と世界観雑考【電撃PS】

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 オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』の新たな拡張パッケージ『漆黒のヴィランズ』アーリーアクセス、いよいよ明日からとなりました! パッチ5.0の物語をさらに奥深く楽しむためにお届けしている“闇の戦士”振り返り企画、後編では、闇の戦士たちのパーソナルについて記述しつつ、第一世界、次元圧壊と光の氾濫など物語の中心となるであろう要素にまつわる情報を、あらためて振り返ってみたいと思います。

 なお、本企画では“光の戦士”と“闇の戦士”という単語が乱立すると予想されるため、プレイヤーキャラクターのことは便宜上“冒険者”と呼称しています。また、パッチ4.55時点までのネタバレが含まれますので、その点はどうぞご承知おきください。

■闇の戦士振り返り企画前編・闇の戦士にまつわる物語をおさらい

※本企画の解説・考察は、ゲーム内の情報や公式世界設定本“Encyclopaedia Eorzea”などを参考に筆者が独自に行ったものです。

闇の戦士の素顔――5人の冒険者の出会い

 本企画の前編でもふれたとおり、闇の戦士はもともと第一世界で光の戦士と呼ばれた者たちでした。「最初は、困っていた者に手を貸しただけ」……彼らは我々と同じように、旅のなかで誰かと出会い、仲間とともに笑い、ときに世界の神秘を求めて危険に立ち向かう、普通の冒険者であったはず。しかし、各地で人々を助け、助けた者たちに背を押され……いつしか彼らは英雄と呼ばれる存在となっていきました。あらゆる闇に立ち向かい、そのことごとくを祓ってきたのも、ひとえに自分と、そして誰かの運命が、今より良くなると信じていたがゆえ。

 ……ですがその結果、強くなりすぎた光が氾濫し、愛した世界は滅びに向かうこととなりました。自分の、自分たちのせいで。その無念がどれほどのものだったのか……彼らと同じ“光の戦士”であれば、その心情を察せられるというものではないでしょうか。

 倒さんとしていた敵・アシエンと手を結び、自らの命を絶ってまで原初世界へと渡った彼らの魂は、紆余曲折をへて第一世界のエーテルの海に還ったはず。ですが、故郷を想うその強い心は、今なお第一世界のどこかで息づいているのかもしれません。

 ……あるいは第一世界の人々こそが、滅びに瀕したそのなかで“光の戦士”の再来を強く切実に願っている(いた)のかも……。

 ロールクエストでは、おそらく各ロールに応じた人物のエピソードが見られるはず。というわけで、以下では“Encyclopaedia Eorzea”を参考にあらためて闇の戦士5人を簡単に紹介してみたいと思います。ちなみに、彼らの名前はすべて原初世界で活動するための偽名だったのだとか。『漆黒のヴィランズ』では、別の名前で第一世界の歴史に残っているのを目にできるかもしれませんね。なお、冒険者と最初に出会ったとき、闇の戦士は5人全員が過去視を体験した素振りをしていることから、彼らはすべて、超える力の持ち主であると察せられます。

アルバート

ジョブ:戦士
年齢:31歳
性別:男性
種族:ヒュム(第一世界のヒューラン族)

 第一世界のとある山村に生まれ、19歳のときに村を飛び出し冒険者となった青年。闇の戦士一行の中心的人物。気の合う仲間とともに世界を旅し、その途中で困っている人に手を貸していくうちに、彼らはいつしか光と闇をとりまく大きな流れに飲み込まれることとなりました。原初世界へと渡る際、大切な仲間たちの命を絶つ役割を担っただけに、その絶望はとくに深かったものと察せられます。

ラミミ

ジョブ:導師
年齢:30歳
性別:女性
種族:ドワーフ(第一世界のララフェル族)
ロールクエスト:ヒーラークエストに登場

 冒険に出たばかりのアルバートがさっそく怪我を負った際、それを救ったのち、最初の仲間になったのがラミミでした。面倒見がよく、仲間たちのよき理解者であった彼女は、アルバートに秘めた想いを抱きつつも、最後までただ1人の癒し手としてその傍らに在ったのだとか。ちなみに第一世界のララフェル族はヒゲ(ヒゲ的な装飾品)が特徴の“ドワーフ族”ですが……『漆黒のヴィランズ』ではもしかしたらドワーフ然とした彼女の姿もどこかで見られるのかもしれません。

ブランヘルツ

ジョブ:魔剣士
年齢:40歳
性別:男性
種族:ガルジェント(第一世界のルガディン族)
ロールクエスト:タンククエストに登場

 冒険者稼業を始めたばかりのアルバートが依頼に苦労しているのを見かね、先達としてアドバイスしたことをきっかけに仲間となった人物。巨漢で酒豪、豪放磊落を具現したような彼ですが、仕事の報酬がなくなるほど酒を飲むことで、よくお目付け役のラミミに釘を刺されていたのだとか。ちなみに、アルフィノと冒険者が竜の眼を雲海に捨てた際、それを仲間に報告したのもブランヘルツ。のちに闇の戦士たち全員で回収に赴いたわけですが……その竜の眼が彼ら自身の力としてではなく、あくまで蛮神召喚(ハイデリンのエーテル切削)のために使われたあたりに一抹の切なさも感じます。

ナイユベール

ジョブ:魔人
年齢:29歳
性別:男性
種族:エルフ(第一世界のエレゼン族)
ロールクエスト:ソーサラー系DPSクエストに登場

 同じ依頼を受けたライバルとしてアルバートたちと対立し、想定外のアクシデントに立ち向かうため共闘したのをきっかけとして仲間になったという人物。非常に寡黙ですがアルバートとは気が合ったようで、長い冒険をへた今は親友と呼べる間柄なのだとか。闇の戦士にまつわるメインクエストでもほとんど喋りませんでしたが、数少ない言葉と、装束からわずかに覗く青い瞳を見る限り、かの盟友が寡黙になったらこんな感じだろうか……という印象。

ジャ・ルマレ

ジョブ:狩人
年齢:27歳
性別:女性
種族:ミステル(第一世界のミコッテ族)
ロールクエスト:ファイター系DPSクエストに登場

 トラブルとともに転がり込むように仲間に加わったという女性。勘が鋭く弓の腕も確かなものの、大変なお調子者なのだとか。彼女はアルバート一行のムードメーカーとして仲間たちを影に日向に鼓舞していましたが、その裏では、第一世界に生きる命すべての行く末を背負うというその重圧を誰よりも感じていた様子。そのため、原初世界に渡ってからは自他ともに努めて厳しく振る舞っていたそうです。


 アルバートたち一行は、光の氾濫という滅びに際し、愛すべき故郷に生きるすべての命を絶つことでしか救いの道を見いだせない状況に追い込まれました。ゆえに彼らの、原初世界でのいかにも悪ぶった言動は、自らを敵対者と規定するためにこしらえた“闇の戦士としての仮面”だったと思われますが……。『漆黒のヴィランズ』のロールクエストでは、彼らの本来の性格を目にすることが出来るかもしれませんね。 

ミンフィリアの行方と、“暁”メンバーの想い

 ハイデリンの鏡像世界である第一世界は、光の氾濫に飲まれすべてが無になりつつある世界。しかしすべてが滅び去ったわけではなく、原初世界のエオルゼアに該当する“ノルヴラント”という地域にだけは、まだ命の生存が許されています。

 光の調停者として第一世界へ渡ったミンフィリアのその後の足取りは不明ながら、ローンチトレーラーには彼女が光の氾濫の波濤を食い止めているらしき姿が描かれていました。もろもろの情報から察するに、おそらく第一世界のアム・アレーン南端においてミンフィリアが光の氾濫を押しとどめ、ノルヴラントを守ったものと思われます。注目なのは、光の氾濫により第一世界の夜が消えてから、すでに100年もの時がたっているらしいこと。

 第一世界が今なお滅びに瀕していることを鑑みると、おそらくは当時、光の調停者たる彼女の想定外の力が働いた結果、第一世界を完全には救えなかったのだと察せられますが……“現在”の第一世界にミンフィリアの名をもつ謎の少女が存在していることも含めて、原初世界のミンフィリアがかの地でどんな運命をたどったか、なぜ光の氾濫を止め切れなかったのかなどなど、ぜひ注意して見ていきたいですね。

 と同時に、永遠の別れになると知りながら、身を切る想いで彼女を第一世界に送り出すべく画策したウリエンジェや、幼い頃からミンフィリア(アシリア)を助け、成長を見守ってきたサンクレッドなど、彼女と深くかかわってきた暁の面々の想いにも着目したいところ。彼らにとってみれば、呼ばれた先が第一世界で、光の氾濫が今なお続いているこの状況を認識したならば、真っ先にミンフィリアの身を案ずるに違いないのですから。

……それにしても、時間軸が特異な第一世界において、冒険者より先に“呼ばれた”であろう暁の面々が、すでにどのくらい活動しているのかも気になりますね。ことによるとすでに何年も経過している可能性もあるのかも……?

アシエンの目的、彼らは第一世界で何を狙う――?

 本企画前編でもふれたとおり、アシエンの目的は、次元圧壊を引き起こして鏡像世界のエーテルを原初世界へ統合することとされています。ゆえに光の氾濫(闇の氾濫)が起きて世界のエーテルが無に帰してしまう事態は、誰もが望まない最悪の事態。アシエン・エリディブスが闇の戦士たちに取引を持ち掛け彼らを原初世界へと誘ったのも第一世界を統合するためですが……光の氾濫が結局収まりきっていないこの状況、アシエンと冒険者との利害は“第一世界を光の氾濫に飲み込ませない”という点においては一致していると言えなくもないでしょう。

 冒険者が第一世界で戦う際、あるいは闇の力を得る際に、それが助けとなるのか否か……。そもそもアルバートたちは第一世界から原初世界に渡る際“転生”という形で己の肉体を再構成して闇の戦士となったはずですが、はたして冒険者はどのように闇の力を得るのでしょうか。

 なお、アシエンの目的はあくまで“原初世界で”次元圧壊を起こすこと。冒険者が第一世界へ旅立ってしまえば、ここぞとばかりに原初世界で行動を起こすかもしれません。今回のメインストーリーでは、合間に「一方その頃原初世界では……」という物語が展開されるということですし、第一世界での冒険者の戦いの裏で、原初世界に残った仲間たちがどう困難に立ち向かっていくのかも要注目と言えそうです。

 さて、次元圧壊についての記述を振り返ると、“13個の鏡像世界にはそれぞれ光の力と闇の力が分割されていて、世界を統合することで、鏡像世界に眠っていたその力がエーテルとともにハイデリンに還元される”仕組みだという話でした。

 アシエンはこれまですでに7つの世界を統合しており、ハイデリンはそのぶんだけ“闇の力が強まっている”と述べていますが、反面、何らかの理由で光の力は弱まっている様子。原初世界で環境エーテルが著しく減っていた事実も鑑みて、はたして世界の裏で何が起きているのか……いずれその原因が語られることは間違いないと思いますし、アシエン側が何を考えどう動いているのか知る機会もきっとあるはず。みなさんもぜひいろいろ考えつつ5.0のメインストーリーを楽しんでほしいと思います。

光(闇)の氾濫と、命の変異

 そもそも光(闇)の氾濫とは、世界における光と闇のパワーバランスが乱れ、どちらかの属性に著しく傾いたときに起きる現象です。かの第十三世界……異界ヴォイドの場合は、アシエン・イゲオルムの力が強大すぎたうえに、対する光の戦士(ウヌクアルハイ)がまだ幼く力がなかったことなどから闇側にバランスが傾き、闇の氾濫が起きました。第一世界の場合は、もともと光の力が強かったところに、光の加護を受けしアルバートら光の戦士がアシエン・ミトロンを含むすべての闇を滅したため光の氾濫が起こっています。

 いずれの場合もその世界が崩壊する未曾有の惨事であり、深刻なエーテル枯渇によって、その世界のあらゆる生命がおぞましい生き物へと変異する事態に。第十三世界の場合は、命が闇の力に侵された結果、数々のおぞましい妖異たちが生まれました。一方で第一世界では“罪喰い”という存在が発生していますが……彼らはつまるところ“光属性版の妖異”と認識して問題ないように思います。妖異と同じように貪欲に生ある者のエーテルを求め、上位のものは己の意思と強大な力を持つ、そんな存在。なかでも大罪喰いと呼ばれる個体は、倒すと内に秘めた属性の力が放出され、また新たな大罪喰いを生み出してしまうなど、アシエンの不死に似た厄介極まりない性質を持っているようです。それを倒せるのは光の加護を持つ者のみとのことですが、はたしてどのような戦いが繰り広げられるのか……。


 ちなみにこれはまったくの雑考なのですが、『FFXIV』における“命”について。惑星ハイデリンに生きるすべてのものはエーテルを持って生まれ、死ねばそのエーテルは星に還ります。つまりエーテルが星の中で絶えず循環している形なわけですが……光(闇)の氾濫が起きた世界においてはこのエーテルが無と消え、あとには虚ろな空間が残るのみとなってしまいます。しかしながら、エーテルが霧散したその世界においても、属性に侵され妖異や罪喰いという存在に形を変えてはいるものの、命自体は依然としてそこにあり続けていることに注目してほしいのです。

 “エーテルがなくなれば命は尽きる”“エーテルとは魔法などの力の源であると同時に、生物の魂である”が真でありながら、エーテルが枯渇しきった世界にあっても、命そのものはそこにあり、意志を持つ妖異や罪喰いも存在する。これはどういうことなのでしょう。

……ハイデリンの血液たるエーテルがあるからこそ命は形を為していたはずが、エーテルがなくなっても命そのものは存在する……ならば、命とは? これは裏を返せば、ある意味“命の形そのものが、ハイデリンのエーテルによって歪められている”と見ることもできるのでは……? いずれにしろ、現時点の情報で答えを出すことは叶いません。今はシンプルに“どういうことなんだろう”に留め、いずれ語られる日が来るのを楽しみにしていたいと思います。

“最古にして最強の蛮神”

 「その文明の人々は、祈りと犠牲によって、星の新たな理を紡ぐ者……“星の意志”を生み出した」。ハイデリンとゾディアークは「最古にして最強の蛮神」。

 E3 2019で公開されたローンチトレーラーの最後に導入された衝撃のワンシーンで、ソル・ゾス・ガルヴァス(アシエン・エメトセルク?)が冒険者たちに語った内容です。これについては現時点で深く言及するのは控えつつも、少なくとも、蛮神であるならば何者かが祈りとともに呼び出した存在であることは確かでしょう。人の歴史が始まるはるか前にいた何者か、ウリエンジェが見た“ゲルンの託宣”の記述……“ゲルン”といえば……などなど妄想がはかどりますね。

 しかしながら、かつて『蒼天のイシュガルド』で七大天竜ティアマットが語ったとおり“神とは、想像力の産物……願いの力が、星の命を用いて作り出す虚像”。どれだけ強力で、どれだけそれらしく見えても本当の神ではなく、呼び出そうと願った対象そのものでもないというのがこれまでの事実でした。また、これが第一世界での話なのか、すべての鏡像世界をひっくるめた大元の話なのかもまだ疑念が残るところ。ハイデリンとゾディアークが蛮神……さもありなん、とは思いつつ……その真偽も含めて、『漆黒のヴィランズ』で語られる物語を見るのが待ち遠しいです。


 といったところで、今回の闇の戦士振り返り企画は以上を持ちまして一旦の区切りとさせていただきます。まだ事実として判明していることが少ないためややあっさり目ではございましたが、いずれより多くの事柄が明らかになった暁には、ぜひまた振り返り企画など掲載したいですね。

 本記事では妄想含めて世界観についても触れていますが……『FFXIV』の世界観はこれだけ本気で考えさせてくれるくらい奥深いっていうのがまずすごい。ライトに物語を楽しむだけでも楽しめるし、深く考えていくともっと楽しいという、そんなつくりです。しかも何年も前から奥底に潜ませていた要素が、サービス開始から6年が経とうとしている今になって花開いているわけで……この先も目が離せません。

 さて、いよいよ明日からアーリーアクセス! まずはメインストーリー、衝撃の展開が待っているはずですので……みなさまぜひぜひお互い存分に楽しみましょう!

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