【おすすめDLゲーム】『吾妻邸くわいだん』はレトロ感を存分に楽しめる妖鬼退治アクションADV
- 文
- イナヤ マギ
- 公開日時
ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は『吾妻邸くわいだん』をお届けします。
『吾妻邸くわいだん』は、妖鬼がはびこる人里離れた邸を舞台にしたアクションアドベンチャーゲームです。これまでに配信されていたPS4版、Steam版に続いて、8月20日にNintendo Switch版が発売されましたので、プレイしてみました!
なお、本レビュー内容及び画像は、すべてSwitch版となります。
妖鬼が跋扈(ばっこ)する吾妻邸の謎を解いて巨大な妖鬼を倒そう
舞台は昭和初期。古より続く鬼祓いの役目を持つ方相氏の見習い“四方堂遙”は、師匠の“橘志楼”と修行の旅をしていました。
ある日、人里離れた吉野の山奥に来ていたところ、妖鬼が出たと助けを求める男とともに、封印されていたはずの強力な妖鬼・燭陰が現れます。
燭陰は目覚めたばかりとあって、なんとか鎮めることができたのですが、隙をつかれた橘志楼がカエルに変えられてしまいます。
助けた男“平助”が言うには、奥にある“吾妻邸”で突然妖鬼が出現するようになったとのこと。橘志楼をもとに戻し、吾妻家の人を助けるため、四方堂遙たちは妖鬼が蔓延る謎多き吾妻邸を探索することになるのです。
まず目に入ってくるのが、レトロなポリゴン調のグラフィック! PS初期のゲームを彷彿とさせるグラフィックは、昭和初期という時代設定とマッチしていて、鬼が跋扈する妖しげな雰囲気をより一層引き立ててくれています。
本作では2種類の操作方法が選べるのですが、どちらを選らんだかでグラフィックも変化するので、違ったテイストで楽しむことができます。
元祖
元祖は、昔懐かしく“まさにレトロポリゴン”といった感じのグラフィックに!
改
改では、ポリゴンがトゥーン調になっており、違和感のない画像にしあがっています。
アクションとポイントクリックアドベンチャーの両方が楽しめる!
本作は、アクションとポイントクリックアドベンチャーを融合した作品となっています。邸内にいる妖鬼をアクションで倒しながら、邸内の妖しい場所にカーソルを合わせて調べていきます。
操作が少し特殊になるので、慣れるまでは手間取うところもありますが、筆者も含め両方のゲームジャンルが好きな方にとっては同時に楽しめるのは魅力的です。
敵の攻撃を見極めて戦うアクション
先述したように、操作方法はラジコン操作の“元祖”と直感的なスティック操作ができる“改”から選べます。
難易度の設定はありませんが、“元祖”を選択すると操作性でやや難しくなりますので、アクションが得意という方は元祖を、アクションがそこまで得意でない方やサクサク遊びたい人には“改”をオススメします。
敵によって3種類の武器を使い分けよう
武器は“薙刀”、“勾玉”、“神鏡”の3種類。それぞれ中段攻撃、下段攻撃、上段攻撃が出ます。妖鬼は空中や地面などさまざまな場所から出現しますので、有効な武器を選んで攻撃しましょう。
勾玉と鏡を使うときは“陣気”というエネルギーが必要で(右上の緑色のゲージ)、ない場合は使えなくなります。薙刀で敵を攻撃することで陣気を貯めることができます。
遠距離攻撃の手段がないので、遠距離から攻撃された場合は防御しましょう。後退中に敵の攻撃が当たれば、自動で防御します。また、防御を行うことで陣気が少し回復します。
セーブにはアイテムが必要!
本作では、自由にセーブすることはできません。“式場”と呼ばれるセーブポイントで“記録木簡”を使うとセーブできます。ゲームオーバーになった場合は、セーブしたポイントからやりなおしになります。
記録木簡は、セーブ以外に武器を強化するためにも必要。数に限りがあるので、使うタイミングには注意しましょう
一歩一歩に緊張感があるアクションシステム
本作のアクションではコンボ(連続攻撃)はほぼありません。基本は単発の攻撃で、攻撃方向も武器によって限定されているので、敵に合わせて切り替えながら戦わなければなりません。
敵は最初からフィールドに配置されているわけでなく、プレイヤーが近づくと出現し攻撃してきます。
加えて、セーブ回数が制限されているので、不用意な行動を取れば、すぐにゲームオーバーとなり、前のセーブポイントからやり直しとなってしまいます。
どこからどんな敵が襲ってくるか分からない状況で、的確に対処して攻撃を当てていく必要があるため、進む時の緊張感が高いと感じました。じっくりと腰を据えたアクションを楽しみたい人にはオススメだと思います。
カーソルでクリックして調べるアドベンチャー
本作のもう1つのシステムが“ポイントクリックアドベンチャー”。舞台となる吾妻邸のあちこちを調べて仕掛けを解いたり、アイテムを見つけたりして、先へと進んでいくことに。
妖しい場所にカーソルを合わせてクリック!
探索で重要になってくるのが“カーソル”。Rスティックで動かすことができ、気になった場所をクリックして探していきます。探せる場所ではポインターのアイコンが変わるので、比較的見つけやすいです。
ストーリーが進んでくると、ある操作が解放されて屋敷をより子細に探索できるようになります。中にはこちらの操作でしか見つからないものも……。
ゲットしたアイテムは、右のアイテム欄に入ります。カーソルで合わせてクリックすると使用することができます。
キャラクターや妖鬼もクリック可能
キャラクターをクリックすると、キャラクターの名前を調べたり、会話したりできます。またプレイヤーをクリックした場合は、操作方法が確認できます。
ちなみに妖鬼もクリック可能。基本的に名前が表示されますが、時には倒すヒントが出ることもあるので、困った時にはクリックしてみてください。
このカーソル操作が慣れるまで大変でした。扉を開けて移動する、アイテムを拾う、回復アイテムを使用するといった際もすべてカーソルを動かして操作することになるので、少し煩わしいと感じる人もいるのではないかなと思います。
“レトロ感”として楽しめるかで評価が分かれる作品
ストーリーのところでも語りましたが、荒めでざらりとした質感のレトログラフィックと作品の世界観が相まって、非常にいい雰囲気の作品になっています。
敵の攻撃はやや単調気味ですが、敵の配置や攻撃方法を覚えて一撃一撃をしっかり適切に攻撃していくバトルシステムは、爽快感重視のアクションとはまた違ったおもしろみがあると思います。
アドベンチャーの謎解きは、パズルのようなひらめきが必要なものは少なく、邸内のあちこちを探索してアイテムを集めたり、レバーを動かしたり、ヒントを探して解くものが多いので、しっかり探せば進行できなくなるということはないと思います。
気になる点としては、まずセーブ。セーブは1つしかできず、セーブアイテムの数も限られます。セーブしたタイミングによっては、その後進めなくなってしまう可能性もあるので、アクションに慣れていない人には少し厳しいかなと思います。
あとはカメラワーク。カメラをキャラクターの向いている方向にリセットすることは可能ですが、基本的に自由に視点を変えることができません。室内など場所によっては固定カメラになってしまうため、調べられる場所が分かりにくかったり、カメラの死角から敵に攻撃されたりなど、フラストレーションが溜まることがあるかもしれません。
ただ、この不自由さ、もどかしさは当時のレトロゲームらしさでもあるので、それを含めて“レトロ感”として楽しめるかどうかで、この作品の評価が分かれてくると思います。
レトロゲームのテイストを存分に味わいたい方、じっくり攻めるアクションが好きな方にオススメする作品。ぜひ、方相氏となって妖鬼の魔の手から吾妻邸を救ってください!
(C)2016-2020 gudouan. Licensed to and published by Rainy Frog LLC. Nintendo Switch version by DICO Co. Ltd.
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“おすすめDLゲーム”まとめページはこちら(電撃オンライン)
『吾妻家くわいだん』
- メーカー:メディアスケープ
- 対応端末:PS4
- ジャンル:アクションADV
- 配信日:2018年6月15日
- 価格:2,500円
『吾妻家くわいだん』
- メーカー:メディアスケープ
- 対応端末:Steam
- ジャンル:アクションADV
- 配信日:Steam 2020年1月31日
- 価格:2,570円
『吾妻家くわいだん』
- メーカー:レイニーフロッグ
- 対応端末:Switch
- ジャンル:アクションADV
- 配信日:2020年8月20日
- 価格:2,500円