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【おすすめDLゲーム】『Creaks(クリークス)』は絵画調の不思議な世界を旅する歯ごたえのあるACTパズル

柏又
公開日時

 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はPLAYISMより発売中のPS4/Switchソフト『Creaks(クリークス)』を紹介します。

 本作は、チェコの開発会社“Amanita Design(アマニタデザイン)”の手によるパズルアドベンチャーです。プレイヤーは、自室の地下に広がる不思議な世界を発見した主人公を操作し、さまざまな仕掛けを解いて地下奥深くへと進んでいきます。

 本作をクリアしたライターによるレビューをネタバレなしでお届けします。

ペン画調のキャラクターがアニメーションする独特の雰囲気がステキ!

 『クリークス』で特筆すべきは、ペンで描かれたようなグラフィックがそのまま動く、独特の雰囲気でしょう。ゲームの舞台となる不思議な建造物をはじめ、主人公や地下の住人たち、そして主人公の行く手をはばむ機械のようなクリーチャーたちは、絵画調のタッチで描かれていながら生き生きとしていて、海外アニメを見ているような存在感があります。

 そして、主人公や地下世界の住人たちといった、キャラクター描写も本作の魅力のひとつ。やや暗めのタッチで描かれているためちょっと不気味な印象を受けますが、実際に動く彼らはコミカルで非常にかわいらしく、見ていて楽しい気分になれること間違いなし。

 地下世界に迷い込んだ主人公が、鳥のような姿をした地下の住人と出会い、協力していく物語の流れがあるので、ただパズルを解くだけのゲームではないあたりもうれしいところです。

 なお、本作ではキャラクターのセリフがなく、おもに仕草で登場人物のやりとりや感情が表現されています。しかし、登場人物たちはいずれも表現力が豊かで、見ているだけでも物語をしっかりと理解できるあたりも見事だと思いました。

 また、主人公の行く手を阻む、機械のようなクリーチャーたちの描写も見逃せないポイントです。彼らに触れた瞬間、即座にミスとなってしまう危険な存在ですが、かなり細かく作り込まれていてまるで生き物のように動きます。その動きもそこはかとなくユーモラスで、どこかにくめない感じなのも本作の魅力ですね。

  • ▲主人公のやられるシーンも同じ相手でいくつも用意されているのでお見逃しなく。

操作はシンプルだがプレイヤーの頭を悩ませるパズルが秀逸!

 本作の目的は、建造物の各部屋を通過して次の部屋へ進むこと。操作は移動と地形に合わせて適切な行動をとるアクション、ゲームを進めると使えるスペシャルアクションの3つだけです。

 部屋にあるスイッチなどの仕掛けを動かして、先に進むルートを構築する点がパズルになっているというわけです。

 ここではどんな感じでゲームを進めていくのか、いくつか例を挙げてみましょう。

危険なクリーチャーを誘導して活路を開く

 下の写真の場面は、一番最初の関門。画面右下のはしごを使って下の部屋に向かえばクリアですが、はしごの前には主人公が近づくと追いかけてかみつく犬がいます。かみつかれたらもちろんアウトです。

  • ▲犬を左へ誘導したスキに主人公が右のはしごへ逃げます。

 この犬は、足場の端から下の階へ飛び降りると襲いかかるので、左へ逃げて床の割れているところを飛び越えれば逃げ切れます。犬が左に注意を払っているスキにハシゴを使って上の足場に戻り、再度右へ飛び降りれば出口のはしごに到達できます。足場から降りる、割れ目を飛び越えるといった行動は、すべてアクションボタンひとつで行えます。

 このようにクリーチャーの習性を利用して、襲われないように出口へ向かうのがクリア方法のいちパターン。クリーチャーはここで登場した犬の他、逆に主人公から逃げたり、主人公の動きをまねるように左右移動するものなど、ゲームを進めるごとにさまざまなタイプが登場するので、主人公が接触しないように注意しながら誘導していく必要があります。

 誘導したクリーチャーが元の位置に戻る前に進む場面のありますが、そこまでプレイヤーを急がせるわけではないので、アクションが苦手な人でも楽しめるかと思います。

  • ▲ここは画面右まで誘導した犬を、仕掛けで板を下ろして隔離します。

クリーチャーが嫌う“光”を利用する

 本作のクリーチャーは“光”が弱点です。電灯の明かりが差し込んでいる場所は、クリーチャーが入れない安全地帯となります。またクリーチャーが光を浴びると、タンスなどの無害な家具に変化してしまうのです。

  • ▲主人公がスイッチを入れると下の階の電灯が犬を家具に変えます。

 シーンによっては電灯をスイッチで点灯させることでクリーチャーを誘導したり、家具に変えて無害化したりしてから通り抜けることもあります。家具は押して動かしたり、上に登る足場にもなりますが、光の外に出してしまうと元に戻ったクリーチャーにやられるので注意したいところです。

 クリーチャーの誘導や無害化することで先に進む、パズルゲームとしての本作は謎解きのバリエーションが豊富で続けて遊んでもクリアまで飽きることはなく、難易度もかなり頭を使わされるものの、自力で何とか解けるものに仕上がっていると個人的に感じました。

 いわゆる“クリア後に記憶をリセットしてもう1回遊びたい”秀逸さがあると思います。

本編を進める合間の“絵画集め”も楽しい!

 本作には、コレクション要素としてエリアの各所にある絵画を集める要素があります。絵画はいずれもゼンマイのような動力で動く仕掛けがあって、ひもを引っ張ったりねじを巻くと絵が動くようになっています。

 また、絵画の中にはミニゲームのようにキャラクターを操作できるものもあって、作り込みはかなりのものが……。ミニゲーム仕立ての絵画をクリアするとトロフィーがもらえるので、ちょっとだけ気合が入りますね。地形に隠された絵画もあるので、コレクション欲もそそられます。

 ここまで本作の魅力を紹介してきましたが、ゲーム全体としてのボリュームもかなりあり、かなり長い時間楽しむことができたことも付け加えておきます。本作はグラフィックやキャラクターが素敵なことはもちろん、パズルゲームとしても非常に優れていて、かなりハマれる内容だと感じました。

 パズルゲームが好きな人はマストバイですし、どんなゲームかよくわからないけど本作の絵柄に興味が出てきた、という人がそのまま買っちゃっても後悔はしない内容だと思います。PLAYISMからはPS4とSwitch版が発売中ですが、Xbox OneやWindows、iOS版も発売中なので、好きなハードでプレイしてください。


2020 (C) Amanita Design, Licensed to and published by Active Gaming Media Inc.

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