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『プロ野球 ファミスタ 2020』先行レビュー! ゲームらしさを重視した作りが気持ちいい

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 バンダイナムコエンターテインメントが9月17日に発売を予定しているNintendo Switch用ソフト『プロ野球 ファミスタ 2020』を先行レビュー。『ファミスタ』ならではの魅力を解説します。

魔球飛び交うファンタジーな投球システム

 世の中には野球を題材にしたゲームがいくつもありますが、本作は現実の野球をどこまで再現するかよりもゲームとしての楽しさを重視している印象です。なかでも『ファミスタ』らしさを感じるのが、ピッチングとバッティング。

 どのピッチャーも共通で投げられるのは、球速の異なるストレート2種類と左右に曲がるボール、そしてフォークボールが用意されているだけです。一方のバッターも、ボールの上下を打って打球の軌道を調整する要素はなし。回数制限のある強打“パワースイング”を使うかどうかという悩みどころはありますが、バッターボックス内でバッターを左右に動かしてタイミングよくバットを振るだけでOK。

  • ▲どの位置にバッターを合わせればよいかが見られるアシストも表示可能(初期状態ではOFF)。

 そう、本作には基本的に“高め”“低め”といった上下への細かな投げ分けはなし。ボールの左右の軌道と速度だけでピッチャーとバッターの駆け引きができるんですよ。例外となるのがフォークボールで、これは“バットを振ってはいけない球”。バッターの空振りを誘う選択肢になっています。

 ヒットになるかはともかくとして、バットにボールを当てるだけならタイミングを計るだけでほぼ問題なし。バッティングに慣れるまでの敷居が非常に低く、「こんなに遊びやすい野球ゲームなのか」と正直驚きました!
 
 では、上下の概念がないぶんピッチャーが不利なゲームになっているのかというと、そうではありません。ここからがあえてリアルを捨てたゲームらしい部分。本作ではボールを投げたあとも、ピッチャーがボールの軌道を操作できるんですよ。

 ストレートがバッターボックスで曲がる、カーブが途中からシュート気味の軌道を描くといった、現実ではまずあり得ない軌道のボールを投げられます。これによって、ボールがバッターの横を通り過ぎるギリギリまでピッチャー側も駆け引きができるのがおもしろいですね。

  • ▲バットを振る瞬間まで、ボールから目が離せません。

 そして、本作のピッチャーを語るうえではずすことができないのが“決め球”の存在。“決め球”はいわばピッチャーの必殺技で、多くの投手は種類の異なる決め球を1種類もしくは2種類習得しています。これがすごいんですよ。

 例えば、あるピッチャーは“剛速球”という決め球を習得しています。ここで、通常のストレートよりもさらに速いストレートを想像した人は正常。ですが、残念ながら不正解なんです。本作の剛速球は投げたあと、少し経つと一気に加速してバッターボックスめがけて飛んでいくもの。『ファミスタ』の世界ではボールは途中で加速する。これが令和の常識です(笑)。

 ほかにも、バッターのもとに届く直前に巨大なボールの映像が画面をおおってバッターの邪魔をする決め球や、ボールが分身する決め球など、現実の野球では見ないような決め球が満載。

  • ▲ボールを謎の影に変化させる決め球“巨影ボール”。地面を這っていますが、ちゃんとストライクになります。

 そう、この決め球、言ってしまえば魔球です。ピッチャー側は上記のストレートやカーブに加えてこの魔……決め球を駆使してバッターと対峙していくわけです。上下の概念がないぶん遊びやすく、そして決め球のおかげで淡泊にならない。本作のピッチャーとバッターの駆け引きは、リアリティよりもゲームらしさを重視した絶妙なバランスで投げても打ってもとにかく気持ちよく遊べます。

マスコットや変わり種も入り乱れるエディット機能

 また、エディットモードでオリジナルの選手“マイ選手”を作り出せるのも本作の特徴です。選手はエディット機能といえばイメージする、目のパーツや鼻のサイズなどを選んでいく方式。

 デフォルメされた選手が特徴の本作ですが、それだけに髪型や口などのバリエーションは豊富。ピッチングやバッティングのフォームも選べるので「あの選手のフォームで遊びたい」というようなワガママにも応えてくれます。

  • ▲眼鏡や口ひげなど、マイ選手を作る際に選択できる項目は豊富。

 そして、選手の肌の色には緑や青、メタリックな金色などリアリティに寄せていたら決して用意しないだろうものがチラホラ。現実の試合では基本的に使用されないカラフルなバットも用意されています。

  • ▲国籍どころかどこの星の生物かわからないような選手も作成できます。

 見た目が完成したマイ選手の能力は、いくつかの質問に答えることでベースになる能力が決まり、その後ピッチャーなら述べ10人の打者を相手にピッチング、野手なら逆に10打席をCOM操作のピッチャー相手にバッティング。その成果に応じて手に入ったポイントを割り振って、好みのキャラクターとして完成させられます。

  • ▲ピッチャーなら多くの三振を取るほど、バッターならヒットやホームランを打つほど最終的に優れた選手を作成できます。

 一度作成した選手の能力の変更はできませんが、見た目や名前を決めてから最短なら10球でキャラクターの能力を決められるので、1人の選手が完成するまでにかかる時間は数分程度。納得いくまで新しい選手を作るのも、1チーム分のオリジナル選手を作るのも手軽にできますよ。

 そして、自分だけのチームを作る“チームカスタム”では、マイ選手や実在の選手、さらに各球団のマスコットキャラクターまで交えたオリジナルチームが制作可能。各チームから好みの選手を集める定番の楽しみ方をしてもよし、マイ選手のなかで少し足りない部分を補強するように実在の選手を組み入れてもよし。好きなように楽しめます。

  • ▲ファンシーな見た目のマスコットですが、選手としての能力はガチです(笑)。

初心者にこそオススメしたい“ファミストーリー”

 リアリティよりもゲームらしさを重視した本作には、RPG風のゲームモード“ファミストーリー”が収録されています。こちらは『ファミスタ』シリーズでおなじみの“ナムコスターズ”のメンバーの活躍が描かれています。

  • ▲主人公のパックを中心に物語は展開。

 RPGとはいっても、もちろん『ファミスタ』なのでトラブルやイベントは野球で解決します。多くのイベントは“3打席中1回ヒットを打つ”“出塁している状態から始まり、盗塁を3回成功させる”といった野球のワンシーンをこなすもの。また、ファミストーリー中の試合は3イニング制と、実際の野球よりもライトに遊べるようになっています。

  • ▲対戦相手には、歴代バンダイナムコのキャラクターがモチーフの選手が多数登場。

 さらにRPGだけあって、レベル上げや能力を底上げできるアイテムを装備するなどの育成要素もあり。勝てない相手に能力を上げて挑めるぶん、時間をかければ試合に勝ちやすくなっています。

 物語を楽しむ以上に、ファミストーリーに魅力を感じたのはこのテクニックを磨かずとも勝ちに近づけるという点。本作が初めての、もしくは久々の『ファミスタ』という人なら、まずファミストーリーで遊んでみるというのもよさそうですね

  • ▲レベルアップすると、能力が高まるだけでなく新しいスキルを習得することもあります。

初めてや久々でも文句なしに楽しめる!

 ここまで書いてきたとおり、本作は遊びやすく初心者でも気持ちよく試合ができる印象。やはり、投球に上下の要素がないことが明らかに遊びやすさにつながっています。そこに加えて、真面目なものから「そうはならんやろ」と突っ込みたくなるような決め球の存在も相まって非常にキャッチーな野球ゲームです。

 最近野球を見始めてゲームにも興味を持った、普段は野球ゲームを遊ばない友人にも遊んでもらいたい、そんな令和から野球ゲームを始める人に最初の一本としてもオススメできるタイトルですね。

  • ▲とっさの判断を迫られることもある捕球、送球、走塁をオート操作に変更できるのも初心者に進めたい理由の1つ。極端な話、ピッチャーとバッター以外をいっさい操作せずに試合を楽しめます。

※情報はインフォメーション配信日現在のものです。発表後、予告なしに内容が変更されることがあります。
※画面は開発中のものです。
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プロ野球 ファミスタ 2020

  • メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: スポーツ
  • 発売日: 2020年9月17日
  • 希望小売価格: 6,680円+税

プロ野球 ファミスタ 2020(ダウンロード版)

  • メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: スポーツ
  • 配信日: 2020年9月17日
  • 価格: 6,680円+税

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