『グリムエコーズ』第二部直前特集:パンドラの正体と、その結末(ネタバレあり)

そみん
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 スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『グリムエコーズ』でメインクエスト第二部の公開が迫っています。

 第二部をより楽しむため、第一部の重要人物となるパンドラについて紹介していきます。かなりネタバレを含みますので、第一部を未クリアの方はご注意を!

キルケゴールの娘を自称するパンドラの目的は?

 新世界を実現しようと、図書館や主人公エルたちと敵対するキルケゴール。その娘を自称するパンドラは、ときにエルへと友好的な態度を示すことも。

 絶望と希望を口にするパンドラの行動を振り返っていく。

パンドラとエルの出会い

 “永遠なる姫たちのメルヘン”の物語が始まった冒頭、“迷える子供たちのメルヘン”にあるグレーテルの家に向かったエルたちは、そこで謎の少女(パンドラ)と出会う。

 ここでパンドラが描いた“妖精と妖精たちの絵(白雪姫とツヴェルク)”を見たエルは不思議な場面を思い出すことになった。それはのちのち、エルの正体と関係していたことがわかる。

 やがて過去の記憶=自分の正体を取り戻したエルは、パンドラと再会を果たす。そしてパンドラは彼に対して「絶望とは何か?」と質問を行う。

●???(パンドラ)
 はーい、ここで質問でーす

 絶望って、いったいなんだと思う?

●エル
 それは、ええと…、

 ……なにも信じられなくなって、立ち上がれなくなること、かな。

 僕が出会った、絶望した人はみんな、そんな状態だった……。

●???(パンドラ)
 半分アタリで、半分ハズレ。それは、絶望の本質じゃない。

 絶望っていうのはね、通過点なの。真の希望を掴むための。

●エル
 真の希望を、掴む?

●???(パンドラ)
 うん。だって、そうでしょ?

 絶望したこともない人間が、真の希望なんて見つけられると思う?

 これからどうするかはキミの自由だけど、次また会えたら教えてね。

 キミが感じた絶望と、キミが掴んだ希望を、ね?

●エル
 待って!まだ話は終わってない!

 せめて、君の名前だけでも……!

●???(パンドラ)
 パンドラ。

 それが、わたしの名前。

●エル
 パン、ドラ……?

●パンドラ
 約束、忘れないでね。エル。

 いつでもわたしは、あなたたちのこと、見てるんだから…。

パンドラの母・マイア

 “不思議の国”でパンドラの姿を見たジブリールはパンドラをマイアという女性と見間違う。パンドラがママと呼ぶマイアは、かつてキルケゴールとともに図書館に所属し、彼と恋仲であったとされる女性だった。

 なお、このときパンドラは、エルたちに「新たな希望は、新たな絶望を呼び込む。だからこの世界から決して、ボイドはいなくならない。キミたちの“役目”には、終わりがないんだよ?」と、世界の真実の一端を知らせた。

 さて、マイアの正体は物語後半で、そもそもは雪の女王だったことが明かされる。

 パンドラの正体とあわせて、その事実を知った上で“雪と氷の国”のパンドラのセリフを振り返ると趣深いものがある。

●ファントム
 …なぜ、カイを“図書館”の者たちに引き渡した?

●パンドラ
 もちろん、新世界の扉を開くためだよ。

 扉を開くためには、あの子たちの力が不可欠なの。

 まーそれに、カイとゲルダには罪滅ぼしもしておきたいし。

●ファントム
 罪滅ぼし?

●パンドラ
 ねぇ、知ってる?本物の雪の女王はね、二人の結末を見届けたりなんてしないんだよ。

 物語の途中でふらっといなくなって、それっきり。人間のことなんかどうだっていいんだよ。

 どうでもいいはず、だったのにね……。

パンドラと赤ずきん

 “雪と氷の国”では、かつてキルケゴールがボイドを発現させて苦しめた対象である赤ずきんと、和気あいあいと友だちとなっているパンドラの姿が描かれている。

 パンドラいわく、赤ずきんを苦しめていたわけではないという言い分で、逆にエルたちに自分の仲間になるように呼びかけてくるのだった。

●ウィズ
 君がここにいるのは偶然なんかじゃないだろ。オレたちに、なんの用だ?

●パンドラ
 うん。じつは、お願いがあってね。

 みんな、私たちの仲間になる気はない?

●エル
 なんだって…!?

●スカーレット
 そんなこと、できるわけないでしょ!

 あの子をボイドにして苦しめたくせに…、そんな奴らの仲間になんて……!

●パンドラ
 苦しめてなんてない。あの絶望はもともと、あの子の中にあったものだもの。

 パパはそれを形あるものとして取り出しただけ。遅かれ早かれ、あの子はボイドを発現してたはずだよ。

●ウィズ
 君たちの正義について議論する気はない。

 けど、シータさんを殺した連中にオレたちが味方するなんて、本気で思っているのかい?

●パンドラ
 殺した?

 ふふふふふ……。

●ウィズ
 なにがおかしい!?

●パンドラ
 ううん。ホントに、なーんにも知らないんだなって思って。

 薄情な守護天使。みんながどんなに悩んでもあなたは答えを差し出してあげないんだね。

●ジブリール
 ……なんの話ですか?私はなにも知りませんが。

●パンドラ
 そうだね。あなたはなにも知らないだろうね。知る権限も、話す権限もないのだから。

●ジブリール
 ……………っ!

●パンドラ
 ま、いいや。いつかキミたちにもわかる日が来るよ。

 キミたちが本当に立ち向かうべき絶望はなにかってことに。

 パンドラは赤ずきんとその後も仲よくしており、“眠りの乙女”ではヴィランに襲われた赤ずきんを守るという場面もあった。

エルの命を救うパンドラ

 “雪と氷の国”でファントムがエルたちを追い詰めたときなど、パンドラはエルたちをかばい、命を救おうと立ち回っている。

●ウィズ
 ぐ、わ……!

●スカーレット
 なんなの、コイツ…、でたらめに強い…!

●ドロシー
 こんな、手も足も、出ないなんて…!

●ファントム
 諦めろ。“図書館”の者たち。貴様らの役割もここで終幕だ。

●エル
 ……っ! 僕たちのことを、知ってる…?

 まさか、キルケゴールが……!

●ファントム
 ……これから死にゆく者が知る必要もなかろう?

 さらばだ。

●パンドラの声
 ストップ!ストップ、ストーップ!

●エル
 この声…、パンドラ!?

●パンドラの声
 なにやってるの! 時間稼ぎだけでいい、って言ったでしょ!

●ファントム
 ジャマをするな、娘。貴様の父親からは好きにしていいと言われている。

●パンドラの声
 娘じゃなくてパンドラ。名前は正しく呼んでくれる?

 私たちは同盟を結ぶ上で取り決めを交わしているはず。

 いい大人なんだし、約束は守ってよ。ね、「オペラ座の怪人」のエリックさん?

●ファントム
 ………貴様こそ名前は正しく呼べ。それはもう、捨てた名だ。

 また“シータの思い出、ウィズの記憶”でも、クリスティーヌやエルたちを助けるためにボイド・ファントムを牽制している。

●???(キルケゴール)
 さすがは、クリスティーヌ・ダーエだ。そこまで見抜くか。

●ボイド・ファントム
 ……なぜ、邪魔をした?

●キルケゴール
 君のジャマをするつもりはなかった。

 ただ、娘がね。

●パンドラ
 ……クリスティーヌは殺さないで。彼女には、資格があるもの。

 それに、エルたちにも手を出したら許さない。そう約束したはずだけど?

●ボイド・ファントム
 ああ、そんな約束もしていたか。

 だが、覚えておけ。私はイドラとやらを発現させるつもりはない。

 私は、私のやりたいようにやらせてもらう。それでいいな?

●キルケゴール
 もちろんだとも、同盟者。

 私と君とで、共に奏でようじゃないか。『ヴィクトル・エレミタ』。あるいは……君の絶望を、この世界に響かせろ。

大会で深まるスカーレットとの関係

 “眠りの乙女”では大会をめぐって、スカーレットとパンドラが何度も衝突することに。自分の親友である赤ずきんに近づくパンドラを不審に思い、敵対的な態度を示すスカーレット。

 だが、パンドラはときにはスカーレットを「オオカミちゃん」と呼び挑発しつつも、キング・フルモンティの攻略方法を教えるなど、エルたちに救いの手をのべる場面もあった。

●エル
 うん…ゲルダを助けた時も同じようなことを言ってたよね。

 「メルヘンの住民が滅んでもいいとは思っていない」とか「世界をいずれくる終わりから救うため」とか…。

●ウィズ
 ああ、言葉から察するにだけど…。彼女にも、彼女なりの正義があるんだと思う。

 そうであれば、メルヘンを滅ぼそうとしてることと、メルヘンの住民に好意的であることは矛盾しないだろ?

●スカーレット
 …だから何よ。それでも、あいつがメルヘンを滅ぼそうとしてることには変わりないでしょ。

 だとすれば、あいつは“図書館”の敵よ。メルヘンにとって滅びをもたらす存在よ。

 たとえ理由があったとしても、その為にメルヘンを…世界を滅ぼしていいわけないでしょ!

●ウィズ
 オレたちだってそんなことはわかってるよ。だけど、戦って止めるだけが手段じゃないだろ?

 この説が正しければ別の止め方もあるってオレは言いたいんだよ。

●エル
 別の止め方って…?

●ウィズ
 彼女を説得できるかもしれない、ってこと。

 もちろん、キルケゴールのこともあるから簡単ではないかもしれないけど…ね。

●スカーレット
 話し合おうってこと!? あいつらが何をしてきたか、わかってるの!?

●ウィズ
 !…そんなの、わかってるに決まってるだろ。

 彼女たちはメルヘンの人々を傷つけ、シータさんを殺した…それは許せることじゃない。

 でも、殺したいとは思わない。それはオレたちの戦い方じゃない。

●エル
 …僕も、できればパンドラとは戦いたくない。話し合いで済めばそれが一番だと思う。

 スカーレットだって、本当はわかってるんじゃないかな? パンドラの全部が全部、悪いわけじゃないってこと。

●スカーレット
 それは…!

●ウィズ
 別にパンドラを好きになれとは言わないよ。でも、今はもう少し様子を見た方がいい。

 彼女のことはもちろん。彼女の正義がなんなのかを知るためにもね…。

●エル
 そうだね…こんな機会はもうないかもしれないし。だから、スカーレット…。

●スカーレット
 …ああもう、わかったわよ。もうちょっとガマンしろって言うんでしょ。

 でも、あいつが少しでも赤ずきんに何かしようものなら、あたしは迷わずあいつに噛み付くからね。

●エル
 うん! ありがとう、スカーレット!

●スカーレット
 …どうしてエルがそんなに嬉しそうなのよ、まったく…。

●エル
 えっ…?そ、そうかな…。普通のつもりだけど…。

 ちなみに大会終了後には、なぜパンドラがスカーレットに対して挑発的な態度が多かったのかが明かされる。それは、いつも赤ずきんがスカーレットの話ばかりをするので、自分もいいところを見せたかったという、人間味にあふれるものだった。

●ウィズ
 ああ、大会を楽しみたいだけなら、オレたちと戦うのは決勝じゃなくてもよかったはずだ。

 教えてくれ、パンドラ。君は一体、何にこだわってたんだ?

●パンドラ
 …赤ずきん。

●スカーレット
 えっ…?

●パンドラ
 赤ずきんちゃんに、いいところを見せたかったの…。

 だって、赤ずきんちゃんってば、話すたびにオオカミちゃんの自慢ばっかりするんだもん。

 だから、わたしもそうなりたかった。赤ずきんちゃんが自慢できるような子になりたかったの。

 その為にはまず、オオカミちゃんよりすごいってことを証明しなきゃいけないって思って…。

 何かいい方法がないかなって考えてたら、『眠りの乙女』のことを知ったの。

●ウィズ
 …まさかとは思うが、色んなメルヘンの住民を呼んだのも…その為だけに?

●パンドラ
 うん、そうだけど…。それ以外に何か理由が必要なの?

●ウィズ
 はは…つまり、パンドラの赤ずきんちゃんに対するちょっとした嫉妬に、オレたちは巻き込まれたワケか。

●スカーレット
 な、なんてはた迷惑なの…。

●エル
 あはは…でもよかったんじゃないかな。パンドラが何か企んでるわけじゃなくて。

 それに…正直、すごく楽しかった。いろんなメルヘンの人たちと会えたし、パンドラともたくさん話せたしね。

●パンドラ
 ほ、本当に?

●ウィズ
 …まあ、そうだね、なんだかんだ楽しんでたかも、ヴィランが出てきたこと以外はね。

●エル
 うん、なんだかお祭りみたいでとても楽しかったよ。ありがとう、パンドラ。

●パンドラ
 …ふふ、よかった。それならがんばった甲斐もあったかな。

 …でも結局、赤ずきんちゃんにはカッコいいところ、見せられなかったな…。

●赤ずきん
 そんなことない!

●パンドラ
 あ、赤ずきんちゃん…?

●赤ずきん
 ずっと応援してたからわかるもん!

 スカーレットお姉ちゃんも、パンドラお姉ちゃんも…どっちもカッコよかった!

●スカーレット
 …だってさ、よかったわね。

●パンドラ
 うんっ!ありがと、赤ずきんちゃん!

 それから…ごめんね、オオカミちゃん。ふたりの仲を悪くしようとしたりして。

 わたし、自分にこういう感情があるって思わなくて。抑え方がわからなくて…だから…。

●スカーレット
 …いいわよ。その様子なら二度とやらないでしょうし。

 あたしもあんたに、ひどく冷たく当たったからね。…ここはお相子ってことにしましょ。

 それに…あんたのおかげで知れたこともあるし。

●パンドラ
 それって…リシュリューのこと?

●スカーレット
 ええ…そういう選択もあるんだって、よく分かったわ。

●パンドラ
 …メルヘンに戻りたくなった?

●スカーレット
 …ちょっとだけね。心が揺れたのはたしかよ。

 でも、いろんなヤツとの出会いとか、思い出とか…そういうのを天秤にかけてわかったのよ。

 「ああ、あたしはなんだかんだ、今のあたしが好きなんだな」って

●パンドラ
 …………。

●スカーレット
 だから、あたしはメルヘンには戻らない。

 “図書館”の一員…『スカーレット』として戦う。『役目』を降りるつもりもないわ。

 当然、あんたたちとはこれからも戦い続けることになる。…覚悟しておきなさい。

●パンドラ
 …そっか。

 …ううん、オオカミちゃんはそうするだろうって、なんとなく思ってた。

 でも…わたしも譲れないことがある。だから、負けないよ。

●エル
 パンドラ…行くんだね。

●パンドラ
 うん、そろそろ帰らないといけないから。

 …今日は本当に楽しかったよ。またこんな風に、みんなで遊べたらいいな。

●赤ずきん
 パンドラお姉ちゃん…なんだか悲しそうだった。

 それに、スカーレットお姉ちゃん…戦い続けるって言ったよね…?

 やっぱり…パンドラお姉ちゃんとは仲良くできないの? それはパンドラお姉ちゃんが悪い人だから?

●スカーレット
 …ごめん、赤ずきん。あたし、ひとつウソをついてた。

 パンドラは別に悪いヤツじゃない。話せばわかるヤツだと思う。

●赤ずきん
 そ、それなら…戦わなくても…!

●スカーレット
 …いいえ、あたしたちの問題は、話し合いだけで解決する問題じゃない。

 あいつの譲れないものが、どんなものなのか、まだよくわからないけど…。

 それがこの世界にとって悪いことなら、あたしはあいつと戦わなきゃいけない。

 それがあたしたちの『役目』だから。

●赤ずきん
 …わかった、それがふたりが選んだことなら…。わたしも…戦うことを選ぶよ。

●スカーレット
 …赤ずきん?

●赤ずきん
 スカーレットお姉ちゃんとも、パンドラお姉ちゃんとも戦う!

 ふたりの戦いを止める! それがふたりの友達としての…わたしの戦い!

●スカーレット
 …ふふっ、ほんと、あんたには敵わないわね…。

 でも…友達か。

 …もし、あたしがリシュリューみたいにメルヘンに戻る選択をしていたら…。

 あんたとは、いい友達になれたかもね…パンドラ。

パンドラのペンダント

 第一部最終章では共通の敵を探すため、エルたちとパンドラが行動を共にすることになる。

 その際、パンドラが持つペンダントはキルケゴールからわたされたもので、それをのぞくとすべてのメルヘンを見渡すことができることが判明する。ただし、無条件というわけではなく、ボイドがいるメルヘン限定となっている。

 かつてパンドラが口にした「いつでもわたしは、キミたちのこと、見てるんだから…」という言葉は、そのままに事実だったと言える。

エルとのデート

 第一部最終章の冒頭では、パンドラがエルを誘い、2人でデートをすることに。年に一度のお祭りの日であるヴェーレの町で、祭りを楽しむ2人。途中、迷子の子どもを助ける出来事などを通じて2人は仲を深めていくが、パンドラは人間をヴィラン化するムジカ・マキーナを持ち出してエルを攻撃する。

 その危機はオーロラ姫(リシュリュー)によって脱することができたが、最後の戦いに向けてパンドラはエルに「……エル、早く気づいて。この世界の真実に…。もう始まるの。おしまいの始まりが。夢を見る時代は、おしまいにしないといけないの。」と告げるのだった。

パンドラの正体

 第一部最終章では、パンドラが誕生する瞬間が描かれる。それはキルケゴールが図書館への反乱を起こし、シータに敗北し、“虚無の回廊”に送られたときのこと。

 ヴィランの襲撃を必死に退けたキルケゴールが目にしたのは、自分を襲ってこない不思議なヴィラン。キルケゴールは直感的にそのヴィランがマイアであることを感じ、“空白の書”を与えた。こうして形どられたのがパンドラだった。

●キルケゴール
 うっ…ここは…≪虚無の回廊≫か…。

 もはや“図書館”に戻ることは絶望的か…。いや、生きてここを出ることすら…。

●ヴィラン
 クルルルル…!

●キルケゴール
 …身体が動かん。もう、終わりか…。

 …終わるのか?終われるのか…? このまま、希望を掴めぬまま…?

 …否。断じて否!!

●ヴィラン
 クルルルル…!?

●キルケゴール
 我が糧となれ、虚無の住民たち。そして、私の中で見届けるといい。

 私は…必ず希望を掴む。

●ヴィラン
 …………。

●キルケゴール
 …君は襲ってこないのだな。ヴィランにも大人しい種がいるのか…?

●ヴィラン
 ……キ…ル…ケ……?

●キルケゴール
 …っ! 君は…もしや…!?

 …だとすれば、これを…。このマイアの『空白の書』を持たせれば…!

●少女
 …………。

●キルケゴール
 …ああ…成功だ…。

●少女
 あなたは…だれ? わたしは…だれ?

●キルケゴール
 …私は、君の父。君の名は…そうだな…。

 『パンドラ』君の名は…パンドラだ。

●パンドラ
 ぱん、どら…?

●キルケゴール
 そうだ…パンドラ、共に行こう。絶望の果てにある、希望を求めて。

ハデス・グランディの依り代となったパンドラの最後は…?

 キルケゴールの紹介記事に掲載したように、世界がやがて消滅すると考えたキルケゴールは、あえてパンドラを依り代として、かつて世界を滅ぼした“滅び”であるハデス・グランディを復活させる。荒療治的に人々に絶望を与え、そこから希望が生じるようにと。

●キルケゴール
 …イドラは全て破られたか。

 無理もない、一度は打ち破られた絶望たちだ。それに…予想外の介入もあった。

 だが…予定通りだ。さあ、いくぞパンドラ。

●パンドラ
 …うん。

●キルケゴール
 …さあ“滅び”よ、姿を現せ。世界に真実を見せるために。

●パンドラ
 (…サヨナラ、エル)

 だが、戦いの末にハデス・グランディはエルたちによって打ち破られる。ハデス・グランディに取り込まれたキルケゴールとパンドラは肉体を失ってしまったが、ジブリールは2人の魂を救い、新たな生を与えることを決意する。

 キルケゴール自身はその救いを拒否したが、娘であるパンドラの魂は救って欲しいと返す。こうしてパンドラは、魂をメルヘンに連れ帰ってもらうことで、新たな生を得ることになった。ただし、メルヘンの住民となった場合、それまでの記憶は失われるという。

 こうしてパンドラは記憶を失い、メルヘンの住民として、新たな人生を歩むことになったのだった。

●ウィズ
 …戻ってこれた、か。なんだかすごく長い時間が経った気がするよ。

●スカーレット
 あんなところにいたら、時間の感覚もおかしくなるわよ。

 …でも、これで戦いは終わったのよね。もう、メルヘンは滅んだりしないのよね?

●パンドラ
 うん、そうだよ。いわゆる「ハッピーエンド」ってやつかな。

 …それを見れないのだけが、残念だけど。

●エル
 パンドラ…体が消えて…!

●パンドラ
 もう、お別れみたい…。今度こそ、本当のお別れ。

 …ねぇ、またみんなと会えるかな?

 絶望から生まれた、わたしみたいな子でも…。みんなと会えるのかな…?

●エル
 …パンドラ、君は絶望なんかじゃない。希望だよ。

 また生まれ変わったら、絶対に会いに行く。約束するから。

 だから、さよならは言わないよ。…「またね」、パンドラ。

●パンドラ
 ありがとう、エル…。「またね」。

●エル
 …ねえ、ジブリール。これから世界は、よくなっていくよね?

 もう、彼女やキルケゴールのような、悲しいことには、ならないよね?

●ジブリール
 …はい。ですが、それには長い時間がかかるでしょう。

 ≪虚無の回廊≫も、すぐに消えるわけではありません。

 少しずつ、長い時間をかけて、虚無に呑まれていた世界は実体を取り戻していきます。

 そして、世界が再生を果たしたそのとき、人々の魂は“図書館”というゆりかごを離れていく…。

 再生した世界へと、旅立っていくのです。

 それまでは…世界に絶望が残り続けます。ボイドが発生することもあるでしょう。

●スカーレット
 …つまるところ、今まで通りってことね。

●ウィズ
 でも、これまでと違って、永遠に続くわけじゃない。それだけで、希望が持てる。

●ジブリール
 はい…未来への希望がある限り、人は何度でも立ち上がり、前へ進める。

●エル
 …それまで、メルヘンを守り続けるのが…。見出した希望を世界に残すのが、僕たちの戦い。

 僕たちの…“役目”。

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グリムエコーズ

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2019年3月28日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

グリムエコーズ

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2019年3月28日
  • 定価: 基本無料/アイテム課金

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