『龍が如く7』をまだ遊んでいない人に送る編集者座談会。遊びが変わったからこそできた新体験を熱弁

編集Okbjまり蔵
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 セガから発売中で、10月6日23:59まで“セガ60周年記念 アフターサマーセール”の対象として50%オフとなっているPS4『龍が如く7 光と闇の行方』について、電撃オンライン編集部座談会を掲載します。

 『龍が如く7』は、新主人公の春日一番が、横浜・伊勢佐木異人町を舞台に、仲間とともに巨悪を打ち砕く人間ドラマを体験できるドラマティックRPG。シリーズで培った喧嘩アクションとRPGコマンド選択システムが融合した新バトルシステムにより、新たなゲーム体験を提供すべく開発されました。

 物語の展開や奥深いゲーム性、シリーズ初のRPGなど、さまざまなパートが話題になった本作。発売から少し時間が経っていますが、まだプレイしていない人に向けて、本作の特徴やおもしろい部分について、熱く語っていきます。

 ただし、存分にネタバレを含んでいるのでご注意ください。

座談会参加者

編集O:『電撃PlayStation』にて『龍が如く』シリーズを編集。全シリーズプレイ済みで、『龍が如く7』はトロコンしました。マスター!

kbj:『龍が如く』シリーズは『2』、『4』、『0』、『6』と偶数タイトルが好きな、電撃オンラインのセガ担当編集。『バイナリードメイン』や『JUDGE EYES:死神の遺言(以下、『ジャッジアイズ』)』など、“龍が如くスタジオ”タイトルもプレイ。

まり蔵:『ジャッジアイズ』で“龍が如くスタジオ”のタイトルをプレイし、その流れで『龍が如く7』にハマった女性編集。

ジョブを試したくなるバトルシステム

kbj:今さらになるけど、いいタイトルということで語っていきたいと思います。個人的には、『龍が如く』シリーズの過去タイトルよりメインストーリーのボリュームがあって、やりごたえあるタイトル。長く遊べるところもいいポイントだったなあ。

編集O:本作はセリフをしっかり読んでいくとクリアまで50時間くらいはかかりますし、サブストーリーや会社経営などもやると、さらに楽しめます。RPGということでボリューム感を意識して開発されているのかもしれませんね。

 やりこめるタイトルを探している人にとって、『龍が如く7』は長く遊べるため、オススメできると思います。

まり蔵:私は『龍が如く』シリーズは本作で初めて遊んだので、以前のタイトルと比べることができないのですが、全部の要素が楽しかったです。

 レベル上げでは横浜・伊勢佐木異人町の地下ダンジョンや大阪・蒼天堀のバトルアリーナを死ぬほど周回しました。装備は手に入れたものを強化しましたが、作らずにクリアできたのも、ものぐさゲーマー的にはうれしかったですね。

編集O:“浪漫製作所”で武器や防具を錬成しなくても最後までいけるバランスになっていますからね。自分は最強の武器を作るまで楽しみましたが、いろいろな選択が用意されていると思います。

まり蔵:クリアまではできたんですが、本編クリア後に挑戦できる最難関ダンジョン“ファイナルミレニアムタワー”はきつかったです。

kbj:あそこは強敵が待ち受けていて、レベルと装備を揃えて挑む要素だから。

編集O:あとは転職して、キャラを強化することが重要。完全にクリア後のやりこみ要素です。

まり蔵:ジョブを変えると性能がガラッと変わるのもおもしろかったですね。全員ストリートミュージシャンにしてみたり(笑)。バトルアリーナはジョブのレベルもガンガンあがるので、いろいろなジョブを楽しみました!

編集O:ジョブはおもしろい要素でしたね。ただ、もったいなかったのは、ジョブのランクが上がる速度とキャラ本来のレベルが上がる速度がマッチしていないところ。転職した直後がどうしても厳しいので、慣れてくると春日であれば“勇者”一本のように、ジョブを固定している人が多かった印象です。

kbj:迷った人が困らないように、キャラ固有のジョブは使いやすいようにしているのかなと感じた。あと女性2人のジョブは、比較的なんでも強かった!

まり蔵:女性陣は見た目がいいのもうれしい要素。サッちゃん(紗栄子)はキャバ嬢にして、スパークリング・キャノンを何度も使っていました。

 ただ私、えりちゃん(鎌滝えり)を仲間に入れずにクリアしちゃったんですよ……。

編集O:え? 途中で3人になるところ、きつくなかったですか!?

まり蔵:きつかったです(笑)。ただ、そういうものだと思ったので、レベルを上げてアイテムを駆使して乗り切りました!

kbj:俺も途中まで仲間にする方法がわからず、メンバーが集まっているのに全然からんでこないから、会社経営をむりやり進めて仲間にしたよ。

編集O:えりちゃんが仲間になることは、導線がもう少しあると全然違ったと思います。それこそ「会社が落ち着いたら春日さんのお手伝いをします」というセリフでもあれば「仲間になるのかな?」と感じるじゃないですか。

kbj:後輩の編集はまり蔵の話を聞いていたから、会社経営はやれるようになったらすぐに進めたらしい。あの会社経営も、序盤はもう少し優しい難易度で、えりちゃんを仲間にしてから徐々に難度があがっていくという遊び方でもよかったのかもなあ。

まり蔵:遊んだ人と話をした時に、会社経営を始めるポイントが2つあるんですね。1回目は操作キャラが3人になったタイミング。2回目は300万円集めるタイミング。どちらかで会社経営を行うのがいいと思いますね~。

編集O:シリーズをプレイしていると、会社経営は明らかにお金を稼げるコンテンツなので、とりあえず進めたくなるんですよね。

 遊び方といえば、ダウンロードコンテンツ(DLC)の最強メンバーを購入すると楽しみ方が変わるんです。

まり蔵:“敏腕従業員パック1(伝説の男達)”ですよね。桐生や真島が、株主総会に出てくる絵面がもうおもしろい!

編集O:迫力がやばいですよね。500円で5人が揃うし、パラメーターも高くて経営にも使えるので本当にオススメです。

kbj:株価ランキング1位になると春日一番が極技“サテライトレーザーの極み”を使えるようになるんだけど、それがまた強いんだわ。

 ランキング100位で使えるようになる“札束ビンタ”は、見た目がおもしろいうえに強いので、この技もかなり使っていたなあ。オススメするジョブとかはある?

編集O:女性はアイドル、ディーラーあたりですかね。女性陣はわかりやすく強いので、迷いにくいかと。

 男性陣は、個人的にはストリートミュージシャンですね。ボルテージが上がる組み合わせにするとかなり強い。見た目がズルいのもポイントですね。

 あとは地味ですが占い師がいいです。電気属性の“いかづち占い”はちょっと使いにくいですが強いです。機動隊員は武器が入りにくいのですが、防御力が高いうえに、威力の高い極技を使えます。

kbj:ジョブごとに声が収録されているし、演出がおもしろいからジョブを変えて試してみたくなるんだよなあ。個人的には、ホストの“イケイケバースデー”の演出がおもしろくて、無駄にケーキをたたきつけていた。

まり蔵:ジョブごとに極技が多いので、いろいろ試しましたね~。趙さんはマフィアからすぐに料理人にして、端から試していってどういう効果なのか調べました。

編集O:料理人、似合うよね!

まり蔵:見た目もいいんですよ。ペッパーミルブロウとウェルダン焼きが使いやすくて、ずーっと使っていました。プレイヤーごとにお気に入りの攻撃を探す楽しさもありましたね。

編集O:ただ、“龍が如くスタジオ”にとって初めてのRPGということもあってか、バランスが気になる部分はありました。ジョブの武器もそうで、アイドルは序盤に習得できる“バスタードソーダ”にMP回復と、冷気属性の威力上昇があって、かなり便利なんですよ。一方で使いやすい武器がなかなか入らないジョブもある。

 バトルでも、ひっかかるポイントや粗いと感じる部分はありました。ボスでいうと、真島と桐生が出てくるところは、わかりやすい壁でした。

kbj:バトルのシステムでも少し気になるところはあったね。カーソルの移動を画面下部のアイコン準拠にしてほしい。右をずっと押しているのに、スキルを当てたいメンバーにアイコンがあわないことがある……。

編集O:確かにアイコンにならってもよかったかもですね。

kbj:あとは範囲攻撃かな。攻撃を選ぶ時には明らかに目の前にいたのに、発動すると範囲にいないこともあって、ちょっとモヤっとした。そもそも攻撃が当たるか、当たらないかもわかりにくいし。

編集O:ああ、わかります。決定した時には入っていたのに、攻撃する時に動いていることがありますからね。敵がつねに動いているからこそ、メリットとデメリットがあるんですよね。

 バトル自体は好きなんで、今後に期待ですね。この開発チームは、作品を重ねていくことで洗練されていくので。

どのキャラにも光る魅力がある!

kbj:物語に登場する中で、印象的なキャラは?

まり蔵:迷いますが……青木遼かな。ブリーチジャパンで足固めをしておいて、段階を経て政界に進出する……もう、モデルがいるんじゃないかと思うくらいによく考えられていて。

編集O:ブリーチジャパンはカルトっぽさがあって、怖さはありましたね。個人的には沢城のカシラかなあ。『龍が如く』の敵としてはいい味を出していて、物語を作っていました。

 カッコイイ部分がありつつ、堤真一さんの演技で怖さもあった。真実がわかった時のクズっぷりを含めて、本作に欠かせないいいキャラだったなあと。

まり蔵:カッコよかったですよね~!

kbj:堤さんはコミカルなオヤジ役が多くて、あそこまで怖い役をやる印象がなかった。堤さんの知らない怖さを見られたのは、本作ならではでよかったですね。

 『龍が如く4 伝説を継ぐもの』に出てきた、遠藤憲一さんは強面な役も多いので、驚かなかったんですが、今回の堤さんは意外でよかった。このシリーズは俳優を含めて楽しめると思う。

編集O:怖いといえば、『ジャッジアイズ』の話になるんですが、谷原章介さんが怖くて怖くて……本作を含めて、俳優のイメージを変えるゲームはすごいと思いました。

まり蔵:有名で人気だからいい役というわけではないのが興味深いですね。個人的に、荒川のおやっさん(荒川真澄)は最後までカッコよかったです。

kbj:おやっさんが出てくると、グッと引き締まるんですよね。中井貴一さんの見た目に加えて、演じた荒川真澄の役どころも渋くて……そのうえで物語が動くからワクワクもする。いいキャラだったなあ……。

まり蔵:春日とおやっさんが横浜の夜景で話すシーンが、本当にすごくよくて……。あそこは印象的でしたね。

編集O:あそこはいいシーンだったんですが、いろいろ思うところがありましたね(苦笑)。ここはあえて語りませんが。

まり蔵:消えていく背中を見て、哀愁を感じました。

kbj:ちゃんとキャラごとにポイントが用意されているのはさすがだよなあ。

 本作で「宝の番人は俺だ」と桐生が、春日の前に立ちはだかるシーンがある。これまでの主人公と対峙する新主人公というわかりやすい構図があったうえで、シリーズをやっているプレイヤーからすると、春日を演じている中谷一博さんから、桐生一馬と錦山彰という過去の構図も連想するところがおもしろかったし、いいシーンだったなあ。

編集O:中谷さんは桐生一馬の幼なじみでありライバルの錦山彰も演じていますから、いろいろと重なる部分がありますよね。

kbj:春日のキャラクター性を出しているのは、ストーリーでは見えない“絆ドラマ”。趙やハンジュンギのエピソードでは、「君だから話せたのかな」と春日の人のよさが際立つ内容になっていて、グッときたね。

編集O:絆ドラマはどれもいいものが多かったですね。ナンバのお酒のエピソードはお約束の展開だったけど、思わず笑っちゃいました。

kbj:街の中で起こるパーティチャットも印象的ですね。敵が迫ってきている時に発生すると、「ちょっと落ち着けよ」ってなるけど、他のメンバーがいるからこそのシステムだし、人となりが出てスキですね。

編集O:お店で食事をするといろいろな会話が出てくるのもおもしろいですね。ついつい店によって食べたくなります。

 インタビューで開発メンバーが言っていたのですが、主人公こそ春日になっているのですが、サイドを固めるメンバーもキャラ立ちしていて、誰が主人公でもいいようになっているそうです。

まり蔵:確かにみんないいキャラで、パーティのよさがいろいろなところに出ていましたね。『ジャッジアイズ』は海藤さんとかのスポット参戦はありましたけど、基本は1人。本作ではパーティの会話ややりとりにこだわっているのかなと感じましたね。

編集O:『ジャッジアイズ』でも海藤さんや東とかがいるシーンでは、一体感を感じました。パーティ感は伝わりやすく、人気が出ると思っていました。

 だからこそ『龍が如く7』の続きが描かれるとしたら、このメンバーにまた出てきてほしいです。ナンバ役の安田顕さんはお忙しいですし、演じられるかわからないけど。

まり蔵:私は足立さんがデリヘルの話をしているシーンで爆笑したんですよね。あの渋い声で「風俗じゃないのか?」と言われると、もうそれだけでおもしろい。

 そういう意味でも“デリバリーヘルプ”というネーミングセンスはすごいと思いました。「真島がデリバリーヘルプに追加されました」という文字だけでインパクト抜群でしたからね(笑)。

kbj:あれはずるいよなあ。“ヘルプをデリバリーする”わけだからまったく問題はないけどね(笑)。

まり蔵:後半になるんですが、沢城の兄貴とのバトルで回復が追いつかなくて、迷って真島の兄貴を呼んだんですよ。そうしたら、一発で倒してくれたんですね。敵で出てきた時はめちゃくちゃ苦労したけど、仲間になったら心強いのは物語と一緒でしたね~。

 私、シリーズを遊ぶのが初めてだったので、真島が分裂するとは思わなくて、「なんで分裂するの!?」ってシリーズをやっている人に話したら「いや、真島は分裂するでしょ」って言われて、「あっ、そういうもんなんだ……」ってなりました。

編集O:お約束を知らなかったから驚いたわけですね!

まり蔵:さっき桐生一馬との対峙について話があったじゃないですか。あのシーンで、龍が出てくるのはすごくゲーム的な演出ですよね。

 ゲーム序盤の“春日の妄想で敵がモンスターに見える”という簡単な説明だけで、ああいう表現をプレイヤーに納得させる『龍が如く』シリーズはすごいと思いました。

kbj:そこをやって貫き通すのがこのシリーズなんだろうね。

まり蔵:地面に埋まっている釘バットを抜くシーンはエクスカリバーをイメージしちゃいましたし、もうめちゃくちゃおもしろいですよね。

編集O:誰も突っ込まないですしね。雑魚敵はモンスターになるけど、ボスはそのままの姿で戦うというメリハリがあるのも、いい表現です。

パーティだからこそ、春日一番だからこそ描けた物語

kbj:物語で印象的だったところは?

編集O:“密度”ですね。15章あるような長い物語だと、どうしてもダレがちじゃないですか。

 でも横浜・伊勢佐木異人町で物語の山を作って、蒼天堀、神室町でまた山を作る……ダレずにずっと盛りあがっていたのは印象的でした。

kbj:フレンドのトロフィーって、表示されるじゃない? まり蔵が朝の6時にトロフィーを獲得していて、明らかにおかしいよね。「この時間まで遊んでいて、いつ出社するつもりなんだろう?」って発売当時は思った(笑)。

まり蔵:物語がおもしろすぎて、止め時がわからなかったんですよ!(笑) その結果、朝までやっちゃう学生みたいな日々が続いていました。

編集O:でも、気持ちはわかる! 止め時はわからなかったなあ。

まり蔵:私がすごいと思ったのは、ブリーチジャパンの小笠原が話すシーンです。延々としゃべっているだけなのに、それでもつんですよ。ひたすら読ませていくテキスト力に感動しました。

kbj:ほぼ独白でダレずに読ませる、すごいシーンだね。

編集O:あそこで裏がとれたり、物語がわかったりするから夢中で読んじゃうんだよね。でも、ゲーム内でも気を利かせてインターバルを挟むのはおもしろかったですね。長いことがわかるという(笑)。

 あとは、春日の修羅場イベントはおもしろかったですね。紗栄子やえりちゃんとかの好感度をマックスにして、バー・サバイバーに行くと女の子がみんな来てもめるのはおもしろいシーンでした。

kbj:それってこれまでの桐生ちゃんではできないイベント。春日だからこそできたイベントだよね。

編集O:そうなんですよ。あれも春日ならではのものです。おそらく遊んだ人で春日が嫌いな人はいないと思うんですよね。

 キャラを最初に知った時に「学がないのかな?」と思ったら、そんなことはなかった。弁が立つし、行動に説得力があるし、嫌みがない。熱さにもひかれるし、これぞ主人公というキャラでした。

まり蔵:言っていることがきれいごとにもならないキャラでしたね。そして、中谷一博さんの演技がすばらしかったです!

一同:あれはよかった!

編集O:他に今回の『龍が如く』でよかったのは、タブーに切り込んでいるところ。すべてそのままではなく、ゲームに落とし込んでいると思うけど、問題があるいろいろな要素に触れているのは印象的ですね。

 例えば風俗であれば、店の権利を買えないという知識を得られたのはおもしろかったです。

まり蔵:私は、東京都知事についてのくだりが印象的だったなあ。国会議員ではなくなぜ都知事なのか、都知事だとどれだけ権力があるのか、だからこそ都知事を選んだという説明にすごく納得できて、ため息が出ました。

kbj:選挙の部分はリアリティがあっておもしろいよね。「春日、お前が出馬しろ」ってなった時に、「いやいや、無理でしょ」と突っ込みつつ、キャラクター性もあいまって、なにか起きそうな気がする。演説の部分もカッコいいね。

まり蔵:グレーをなくす“ブリーチジャパン”もすごいですね。介護施設に殴りこむというのも、問題に切り込んでいると思いました。

編集O:現代社会での問題に切り込みつつ、それをクエストとダンジョンに絡めていて、うまいと感じました。

まり蔵:伊勢佐木異人町の権力図もリアルでしたね。実際にある中華街を含めて、日本と中国、韓国の裏社会の三すくみという構図もおもしろかった。

編集O:あれは今回の横浜という広いマップだからできたこと。街並みの差は出しにくいかなと思ったけど、ちゃんと差別化できていて、迷うこともなかったです。

まり蔵:韓国人のたくさんいる街、中華街、そして大きな公園。景色が違うからどこを走っていてもおもしろかったです。

 伊勢佐木異人町の商店街はデュオバンドの“レモン”が歌っていたり、イベントが多かったり、ネタが詰まっていていいですね。歩いているだけで楽しかったから、写真をたくさん撮りました。

kbj:神室町は看板がにぎやかさで、ネオンを主としたにぎやかさがある。それに対して横浜は、南は人が多い住宅地や商店街が中心で、北に行くと海と夜景を見られる。

 大阪とも博多とも違う絵作りになっていると思ったね。

編集O:夜景を遠目から見たら、実写と変わらないくらいのリアリティ。これまでのノウハウが詰まっていて、すごかったですね!

kbj:会社経営を進めると、浜北公園のすぐそばにあるビルのいい階を借りられるんだよ。

編集O:そこからの景色がきれいなので、やっていなかった人はぜひ進めてほしいですね。会社経営を進めると武具錬成の資金や資格学校の試験を受けるお金を作れるので、プレイの手助けにもなります。

横浜に行きたくなる魅力の詰まったタイトル!

kbj:それ以外でおもしろかった要素はどこ?

まり蔵:発売前はスジモン集めやドラゴンカートが話題になったのですが、プレイして一番おもしろかったのは、ストーリーですね。

編集O:興味を持つ入口はたくさんあるので、何から興味を入ってもらってもいいんですよ。そこから来て遊んでもらってお話に興味を持ってもらえると、シリーズとして広がっていく。新規層は多く入ったのが本作では大きなことだと感じますね。

kbj:これまでファンではなかった人を取り入れて、ここまで描ききったのはすごいね。そのうえでシリーズファンであれば、より楽しめる要素がたくさんある。

まり蔵:横浜の地下ダンジョンにさりげなくバンクシー風のイラストがあって笑いました。いろいろと細かいネタがあるので、見ていておもしろいんですよね。あと掃除機のクエストが好き。一般の人が巻き込まれていくのに笑いました!

編集O:あれはおもしろかった。ちゃんと馬鹿に振り切るのが『龍が如く』のいいところですから。

まり蔵:街で発生するちょっとしたサブストーリーはどれもおもしろいですね。マゾおじさんとかすごかった!

編集O:戦う時にはどんな攻撃を繰り出してもゼロ。あれはシュールでおもしろかったですね。

 個人的には、落ちそうな柿を心配するサブストーリーが地味に好き。相撲取りとか、スナイパーとか、普通は来ないような人ばかり来て、突っ込みどころ満載。

 あと、シリーズ的には時事ネタを入れてくるのが特徴。旬なネタを入れているからこそ、『龍が如く』を遊ぶとその当時を学べるので隅々まで見てほしいです。

kbj:時事ネタとは違うけど、時代にあわせてスマートフォンからタクシーにアクセスができたり、いろいろと確認ができたりと、便利になっているのはよかったなあ。

編集O:タクシーは便利になっていたのですが、街に停車しているタクシーに一旦話しかけないと、その場所で降りられないのは気になりました。あれも序盤でタクシーの人とか、他のメンバーからちょっとでも説明があればよかったんですけどね。

kbj:まだ行っていない場所にタクシーで入れないようにするためなのかもしれないけどね。プレイスポットで好きなのは何?

編集O:ドラゴンカートですね。ポケサーファイターはシリーズでも何度も出てきていたキャラで、今回はちょっと違う出方をしてきます。展開がおもしろかったうえに、途中で出てくるライバルがまた濃くて、いいんですよ。

 コース自体では伊勢佐木異人町の街を使って、走りがいがあっておもしろい。それこそ1位をとるためには、アイテムを温存したり、あえてブーストを使わないようにしたりとか、ちゃんと考えないとダメなゲーム性にもハマりましたね。

まり蔵:私はカラオケが楽しかったです。キャストの方が、皆うまくて、思わず聞いちゃいました。趙さんを演じる岡本信彦さんが、いい声でメタルを歌うのが最高でした!

kbj;えりちゃんの曲でユーロビート調の曲があって、映像中で春日がサングラスをかけてラップを歌うシーンがあるのね。それが、とあるアーティストを連想させて毎回笑ってしまう。

編集O:遊びにも全力で向き合うのがこのシリーズですからね。ちなみに今海外で、『龍が如く』のカラオケ動画が人気らしいですよ(笑)。

kbj:あと難易度をイージーにしても、フルコンすると90点をとれるから、バイトクエストのチャレンジをクリアできるのがいいね!

編集O:そういえば、本作くらいの難度でプラチナトロフィーを獲得できるのがいいですね。『ジャッジアイズ』はプレイスポットをふくめて目録を埋める必要があったのが大変だったので。

kbj:まだ語り足りないことはある?

まり蔵:途中でも少しふれましたが、声優陣の演技ですね。中谷さんはもちろん、他の方も素晴らしいです。

 ブリーチジャパンの小笠原のキャスト、新垣樽助さんの演技が好きなんですよ。あの長い説明をダレずに聞かせる演技力はすごいなって。すごくいい演技でした。

kbj:平川大輔さんが演じたブリーチジャパンの久米さんも印象的。とにかくイラッとさせられるところとか、さすがの演技力だと思ったね。

 あとソンヒ役の武田華さんの演技も、強さと優しさ、それこそ華を感じるような演技でよかった。

編集O:石尾田礼二役の速水奨さんの関西弁がよかったことを加えさせてください。そもそも速水さんがコテコテの関西弁キャラを演じるイメージがなかったので、驚きもありました。

 あとはソープの店長の野々宮もよかったですね、いい人の感じが出ていて。

まり蔵:このゲームでもう1つのポイントは遊んでいると、横浜に行きたくなることですね。

編集O:確かに! 桜がきれいな時期とか行ってみたいよね。どぶ川の横も今では綺麗になっているらしいので。

 ランドマークをゲーム中にしっかり作っているので、実際に行ったら感動すると思います。

まり蔵:横浜にいる編集スタッフが「いい感じに省略されていて、わかりやすくていいです」と太鼓判を押していました。

編集O:バトルをやって、街遊びを楽しんで、プレイスポットをやって、最終的にストーリーを好きになる作りになっていると感じました。『龍が如く7』からシリーズに入った人は、過去シリーズをやってもらうとより楽しめるはずです。

kbj:ハン・ジュンギであれば、シリーズをやっているからこそ、キャラを見て「え?」って思って、遊んで「いい落としどころにしたなあ」と感じるわけだしね。

編集O:そう! シリーズをやっている人からすると、最初は驚くけど遊ぶと腑に落ちる設定。むしろ「『龍が如く』の世界だったらありそう」と思いました。

 小野ミチオにも出番がありますし、ファンへの楽しみをしっかりやっている。そのうえで新規ファンも楽しめる要素を用意していると感じましたね。

kbj:さっき言ったポケサーファイターもファン向けの楽しみであるけど、別に知らなくても問題ない。これまでの設定をうまく生かしているところもよくできているよなあ。

 シリーズをこれから遊べるのはうらやましいこと。だって、たっぷり遊べるから!

まり蔵:個人的には『ジャッジアイズ』もやってほしいですね。私は歌舞伎町に行くと、八神探偵事務所を確認に行っちゃうくらい楽しんでプレイしたので。

編集O:本作にも源田法律事務所やシャルルがあるのはうれしかったですね。中には入れないけど、そういう遊びも好きです。

kbj:どうしても息苦しい世の中だけど、エンタメでモヤッとした気持ちを吹き飛ばしてほしい。楽しさ、爽快さがしっかりあるタイトル、コンテンツなので、まだ遊んでいない人はぜひ!

“セガ60周年記念 アフターサマーセール”

 “セガ60周年記念 アフターサマーセール”は、PlayStation Storeおよびニンテンドーeショップにて販売中の一部タイトルを、9月23日~10月6日の期間限定で特別価格にて販売するというもの。アトラスの人気タイトルを含め、全80タイトル以上が対象となっています。

 対象タイトルには、30~50%引きとなっている『龍が如く』シリーズタイトルに加えて、『ジャッジアイズ』や『北斗が如く』など、“龍が如くスタジオ”タイトルも入っています。

 セールの詳細は特設ページを参照のこと。

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