このラノW1位は伊達じゃない。電撃文庫の話題作『七つの魔剣が支配する』が超面白い4つの理由

カワチ
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 電撃文庫の魔法バトルファンタジー『七つの魔剣が支配する』(著者:宇野朴人、イラスト:ミユキルリア)第1巻のレビューをお届けします。

 本シリーズは、名門キンバリー魔法学校を舞台に、新入生の“オリバー”と、日本刀を持つサムライ少女“ナナオ”が織りなす、運命の魔剣を巡る学園ファンタジーです。

  • ▲少年エースではえすのサカエ先生による漫画が連載中。10月26日にはコミック最新3巻が発売されました。

 “このライトノベルがすごい!2020”の文庫総合部門と新作部門で1位を獲得し、現在は6巻まで発売されている人気シリーズですが、シリーズを知らない人に改めてここで第1巻の魅力を紹介していきましょう。

 ちなみに筆者がいちばん「そう来たか!」と思われたのはラストのドンデン返し。最初の第1巻とはいえ、その部分は内容を知らずに読んでもらいたい……! 本書にはそのドンデン返し以外にも多彩な魅力が詰まっているのでその部分を中心に語っていこうと思います!!

そもそも『七つの魔剣が支配する』とは?

 まずは、あらすじとともに、本書の概要を紹介していきます。

あらすじ

 春――。

 名門キンバリー魔法学校に、今年も新入生がやってくる。黒いローブを身に纏い、腰に白杖と杖剣を一振りずつ。胸には誇りと使命を秘めて。そんな魔法使いの卵たちを迎えるのは、桜の舞う満開街道と魔法生物たちのパレード。

 

 が、希望に胸躍らせるのも束の間。キンバリーの孕む数々の脅威が彼らに襲い掛かる。気まぐれに生徒を飲み込む地下迷宮、怪物じみた上級生たち、亜人種の人権を巡る派閥の対立――。

 そんな魔境を仲間と生き抜く中、オリバーは一人の少女と縁を結ぶ。腰に日本刀を提げたサムライ少女――ナナオ。

 二人の魔剣を巡る物語が、今、始まる。

 アニメ化もされた『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』などで知られる宇野朴人先生の最新シリーズとなる『七つの魔剣が支配する』は、キンバリー魔法学校という大英魔法国(イエルグランド)にある七年制の魔法学校が舞台。

 新入生である主人公・オリバーたちは入学式で起きたトロールの暴走事件をきっかけに仲間になります。

 キンバリーは七年制の学校で、第1巻ではオリバーたちは1年生ですが、物語が進むと進級していき後輩もできます。多彩で複雑な人間関係も本シリーズの見どころです。

 なお、学校というと楽しいイメージもありますが、そこでの生活は内容はシビア。最初の入学式で学校長から「卒業できるのは生徒の八割で、残りは死亡、再起不能、行方不明などの理由で卒業できない。」と語られます。

 実際、シリーズが進むなかで悲しい別れをするキャラクターたちも多いです……。緊張感のあるストーリーから目が離せないようになっており、ダークな雰囲気もシリーズの魅力です。

 また“魔法”以外にも、一足一杖の間合いにある敵を必ず斬り伏せる“魔剣”や、エルフやドワーフなどの“亜人種”、夜になると内部構造が変わる“魔宮キンバリー”など、ゲームのような設定もあり、ファンタジーRRGなどをプレイしているとワクワクするシーンがたくさん登場します。そのため、ゲーマーなら、より本書の世界観に入りやすいのではないかなと思います。

 ここからは第1巻の注目ポイントについて紹介していきましょう。

『七つの魔剣が支配する』の魅力

魅力1 400ページ超えで描かれる設定の数々

 シリーズものの第1巻である本書ですが、400ページを超えるボリュームになっており読み応えがバツグン! この1巻を読めばキンバリー魔法学校がどういうところなのかわかるようになっており、テーブルトークRPGなどの世界設定が好きな人にはたまらない内容になっています。

 冒頭に出てくる“騙る植物(プライドプラント)”など、オリジナリティある生体など、作り込まれた設定が魅力なのでぜひじっくり読んでもらいたいです。

 とくに上でも少し触れた“魔宮キンバリー”はゾクゾクする設定。オリバーたちはここで“出会ってはいけないタイプの先輩”であるオフィーリア=サルヴァドーリと遭遇。なんとか逃げ出そうとするところで、もうひとりの危険な先輩・サイラス=リヴァーモアに鉢合わせてしまうという展開が。

 いきなり桁違いの敵と鉢合わせてどうなってしまうのかとハラハラしましたね。

 また、バトルシーンをはじめとしたハラハラする展開の多い本書ですが、仲間たちが仲良くなっていくシーンや事件を乗り越えて結束を高めていくシーンなど、心温まるシーンも多いです。

魅力2 ヒロインであるナナオの清々しい性格

 仲間たちはどのキャラクターも魅力的ですが、なかでも特筆すべきはヒロイン的な立ち位置にあるナナオ=ヒビヤ。“拙者”や“ござる”など、武士のような言葉でしゃべるため、本書の世界観からはかなりかけ離れており、異質なキャラクターとなっています。

 彼女はとても無垢な性格で、おどろおどろしいキンバリー魔法学校のなかであるにも関わらず澄んだ水のように清らかな存在であり続けます。

 ただ、彼女自身が歪んでいないかというと、そんなことはありません。彼女は戦で死にかけたところ、キンバリー魔法学校にスカウトされたという経緯があり、死に場所を求めています。そんな彼女の動向は第1巻のいちばんの見どころかもしれません。

 「復讐の剣は愉(たの)しからず。相愛の剣こそ愉しけれ」という考えのもと、オリバーと生死をかけた戦いを望むという部分も、先々の伏線的なものとなっており、いろいろとドキドキさせられます。

魅力3 それぞれアイデンティティを持っているキャラクターたち

 ナナオ以外の味方も魅力的です。動物が好きなカティ・アールト、明るく気さくなガイ・グリーンウッド、勤勉で実直なピート・レストン、魔法界でも指折りの旧家出身のミシェーラ・マクファーレンというメンバーで、第1巻ではカティに大きくスポットが当たります。

 本書では序盤にトロールが暴走してカティを襲おうとしますが、そのトロールの処罰を巡るカティの奮闘が描かれます。

 カティは亜人種の人権を認める動きをしている人権派の家系で、自身を襲ったトロールを養護。

 トロールの隣で同じ食事をして仲良くなろうとしたりするカティを見て嫌悪したりする人物も多く、彼女がクラスでも孤立していくかなか、同じく人権派である先輩のミリガンが親身になってくれて……という展開に。

 本書はファンタジーのシリーズであり独自の世界観を持つ作品ですが、登場キャラクターたちもそれぞれ自分の考えを持った人間なので、自分たちのリアルな社会と学校と照らし合わせることで考えさせられることもあるかも。

魅力4 衝撃のラスト。主人公の目的は………。

 第1巻のエピローグは本書のなかでいちばん驚かされるシーン。エピローグに次巻への伏線が張られること自体はよくある手法ですが、本書は強烈なインパクトがあります。それは次巻への伏線というよりも、本シリーズの主軸が明かされるようなもの。

 ネタバレになるため、ここに書くのは控えますが、明かされるのは主人公・オリバーの目的。穏やかで仲間想いのリーダーだと思ってたオリバーがじつは………。おっと、ここまでにしておきましょう。ぜひ、その衝撃のエピローグを含めて、その目で確かめてみてください!

『聖剣学院の魔剣使い』×『七つの魔剣が支配する』コラボにも注目!

 10月26日にコミック版『聖剣学院の魔剣使い』2巻と『七つの魔剣が支配する』3巻が同時発売されたことを記念して、どちらのコミックを購入すると、両作品が掲載された特別な限定リーフレットがもらえるキャンペーンが開催中です。

 片方の作品しか読んでいなかった方も、この機会にもう1つの作品を楽しんでみてはいかが? どちらもオンリーワンな魅力を持ちながら、王道ファンタジーとしてしっかり楽しめる作品という意味では共通しているので、両作品とも気にいるはず!

 配布対象となる店舗など、詳細は少年エース公式サイトでご確認ください。