……まるでガイ君に諭されているような気分だったよ(イアン)【軌跡シリーズ名言集】

Zenon
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 日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

 本記事で紹介するのは、『零の軌跡』『碧の軌跡』の登場キャラクターであるイアン・グリムウッドの名言。クロスベルの政界や企業、街の人たちにも寄り添ってさまざまなトラブルを解決へと導いてきた凄腕の弁護士です。とある理由で、クロスベルの物語で重要な役回りを演じることになる彼の軌跡を振り返っていきましょう。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

……まるでガイ君に諭されているような気分だったよ(イアン)

●終章 それでも僕らは。(英雄伝説 碧の軌跡:改)

 時は七耀暦1204年、場所はクロスベルに突如出現した《碧の大樹》内部にて、イアン・グリムウッド弁護士は《特務支援課》により静かに追い詰められていました。いったい彼に何があったのか、その経緯をまとめていきたいと思います。

●序章_特務支援課(英雄伝説 零の軌跡:改)

 まずイアンが主人公・ロイドたちと初めて出会ったのは、マフィアに関する情報を教えてもらうためでした。3年間街から離れていたロイドのことを覚えていたり、マフィアの抗争事情などを気前よく教えてくれたりと、非常に好感度の高い「頼りになる先生」として登場します。

  • ▲忙しい身なのに、嫌な顔ひとつせず相談に乗ろうとする度量の広さ。これはなんでも話してしまいたくなりますね!
  • ▲ロイドの兄ガイ・バニングスとも旧知の仲だったというイアン。彼が死んだ事件については、「手がかりすら見つかっていない状況」だと話していました。すべてを知ったあとだと、このシーンの見方がだいぶ変わります。

 また、イアンにはピートという助手がいました。彼はイアンを心から尊敬し、一人前の弁護士になるという夢を持って働いています。


  • ▲お酒に弱かったりお金の管理にだらしがなかったりと、ピート君にかかればイアンも形無し。スゴイ先生というイメージが強いですが、こういう人間味が表現されているためか、身近に感じられるキャラクターでもあります。

 やがて《D∴G教団》による事件が発生し、クロスベルの政界は大混乱。かねてよりIBC総裁ディーターとアドバイザーとして交友のあったイアンは、彼にクロスベル市長となるよう言ったり、《西ゼムリア通商会議》で国家独立を提唱するよう吹き込んだりしました。

 さらには《赤い星座》を雇って帝国の仕業に見せかけたクロスベル襲撃を実行させ、市民の独立への気運をあおるなど、物語の裏で糸を引く“黒幕”としてさまざまな陰謀をくわだてていきます。

●終章 それでも僕らは。(英雄伝説 碧の軌跡:改)

 そしてオルキスタワーでディーターが《特務支援課》に敗れたあと、イアンはついに自分が“黒幕”であり、真の計画『碧き零の計画』を遂行すると宣言します。


  • ▲君はいい生徒だった、「夢想家すぎる」という致命的な欠点を除けばね。とディーターに評点をつけるイアン。そのメガネは白く曇っており、表情が読み取れないところがまた不穏な気配をあおります。
  • ▲なお、余談ですが『空の軌跡』でもこの人が豹変するシナリオだったため、「メガネの善人はアヤシイ」という方程式が成立することに。それ以来、一部のファンはメガネキャラが登場するたびに疑ってかかるようになってしまったとか……。

 やがて《碧の大樹》で明かされる彼のたくらみ。イアンは帝国と共和国の諜報戦の結果、15年前に起きた飛行船事故で妻と子どもを失っています。そこからすべてが始まり、マリアベルと協力関係を結んで計画を進めてきたとのこと。アリオスを誘ったのは5年前の運搬車爆発事故のあとだったそうです。


  • ▲アリオスが語る3年前のガイ死亡事件のあらまし。真実に迫ってしまったガイを手にかけたのは、アリオスではなくイアンでした。同じ飛行船事故で両親を失っているガイも計画に誘うべきかと思ったそうですが、性格的に「絶対に賛同しない」と確信できてしまったため、闇に葬るしかなかったといいます。

 『碧き零の計画』――つまりイアンの目的は、キーアを《零の至宝》として覚醒させ、《碧の大樹》で世界そのものとリンクすることであらゆる因果を改変可能とする「現実を組み替える力」を得ること。その力で、クロスベルを争いのない平和な世界へと組み替えていくことでした。

  • ▲原理的には帝国と共和国との力関係を改変し、クロスベルが2国の“宗主国”として君臨する現実にすることも可能だとささやく。それは2大国に理不尽な苦しみを与えられてきたクロスベル人にとって、非常に魅力的な提案でした。

  • ▲また、キーアの力を行使する際は独裁ではなく、マクダエル議長やディーター、ロイドたちのような若者の意見も汲み取り、よりよい時代を築きたいと話していました。なまじ説得力があり、ティオやランディはちょっと動揺した様子を見せる場面も。

 一見するととてもよい提案にも聞こえます。すべての元凶である帝国と共和国に挟まれた“宿業の地”クロスベルの悲劇を、すべて「なかったこと」にできるのですから。目の前に迫った帝国軍と共和国軍の脅威はもちろん、過去に起きたイアンの妻子、ロイド&ガイの両親やアリオスの妻などの“死”すら改変できるでしょう。

 しかし、ロイドたちはそれを拒絶します。そうした改変は、大事な人の“死”を乗り越えて努力してきた人たちの“尊厳”を犯すことだと主張したのです。



  • ▲ロイドたちもわかっています。現実にはキーアの“奇蹟”に頼らなければ、クロスベルはより危機的な状況になってしまうと。それでも、失敗や悲劇を糧にして強くなれるクロスベル人の強さを信じて、ロイドたちは与えられるだけの“奇蹟”を拒みました。

 そしてイアンは、自分がクロスベル全体の平和を願ってこの計画を進めているつもりだったものの、結局は個人的な私怨(亡くなった妻子)であり、正しいと思ってしてきた行動が欺瞞であることを認めて舞台を降りる決意を固めます。その場面で発したのが、今回の名言でした。

 「……まるでガイ君に諭されているような気分だったよ」


  • ▲かつて自分の手で、障害になるからと排除したガイの名を出したイアン。ガイ本人に恨みはなく、計画を悟られてしまったから、そして彼に説得されたら揺らいでしまいそうだから、仕方なく銃で不意打ちをした相手でした。

 そう、ロイドの兄ガイも、生きてさえいればロイドのようにイアンを説得していたに違いないのです。どこまでもまっすぐで、粘り強く真実を追うガイ・バニングスならば。そしてその弟であるロイドにここまで言われてしまい、自分のなかにあった後ろめたさを自覚したのでしょう。

 このあとイアンはもう1人の黒幕であるマリアベルに攻撃され、死んだかのように倒れますが、すべてが終わったあと仮死状態にされただけと判明し、しかるべき罰を受けるためにノックス拘置所へ収監されることになります。


  • ▲罪を認め、改心して舞台を降りようとしたイアンに対するマリアベルの仕打ちがコレ。さすがドS、容赦がありません。

 なお、『創の軌跡』では収監された彼の“その後”も描かれているので、まだプレイしていない方はお楽しみに! ピート君とのやり取りも要注目です。基本的には優秀でいい人なんですよね……。

  • ▲最新作におけるイアン弁護士。かつての“黒幕”は本作でも、とある重要な役回りを担っています。プレイ中の方もいるでしょうから、今回はここまでとさせていただきます。

 シリアスなものからコメディ的なものまで、軌跡シリーズにはほかにも数々の名言が存在します。今後もそれらをピックアップしてお届けしていく予定なので、お楽しみに!

※画面はPS Vita『英雄伝説 空の軌跡 FC Evolution』、PS4『英雄伝説 零の軌跡:改』『英雄伝説 碧の軌跡:改』『英雄伝説 創の軌跡』のものです。

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