あたしのケツにぶっ刺さった(何が!?) 『私の傷は死んでも消さない』感想レポート

長雨
公開日時

 月刊コミックアライブで好評連載中の緋鍵龍彦さんの漫画『私の傷は死んでも消さない』の第2巻が10月23日に発売されました!

 本作は過去に大事故を引き起こしてしまった主人公・軒下山猫と、そのときに負った“傷”で結ばれた女性たちの物語を描くハーレムラブコメディです。

 登場する女の子は、可愛さと危うさが絶妙なバランスで共存して同性から見ても魅力的な人物ばかり! 

 今回は新たな少女の出現で、彼女たちと山猫の関係が大きく動き出した第2巻の見どころを紹介します。

山猫を取り巻く恋模様をおさらい!

 6歳のころ、宇宙博でイタズラをして展示品の模型を落下させる事故を起こした山猫。

 その模型が一緒に出掛けていた年上の幼なじみ家入野鼠に当たってしまい、彼女は額を何針も縫う怪我をしてしまいます。

 野鼠を傷つけてしまったことを反省した山猫少年は、彼女を“一生かけて守る”と誓うのでした。

 それからときは流れて10年後、高校2年生の山猫と大学生の野鼠は姉弟のような関係を築いています。

 しかし野鼠のスキンシップは、年頃の男の子には刺激的なもので……。いくら引け目があるとはいえ、美人な野鼠を相手に弟ポジションのままでいられる山猫はすごいです。

 野鼠の額には傷が残ったままですが、彼女は気にしている様子はなく、むしろ傷と山猫少年の誓いの言葉を持ち出して彼をからかう始末。

 顔の傷は男女問わずデリケートな問題のはずなのですが、野鼠さんがカラッとしているおかげで物語が暗くなりません。

 しかし子どもながらに悩んで出した結論を、茶化される山猫からしたらたまったもんじゃありませんよね。

 そんな野鼠に対する複雑な気持ちを、山猫はもう1人の幼なじみ・楢井豆柴に打ち明けます。

 実は、山猫に好意を抱いている豆柴。どこまでも野鼠ばかりを気にかける彼に、自分もあの事故で胸に傷を負っていることを告げて……。

 事故以来ずっと野鼠が独占していた山猫の“特別”の座に豆柴も立候補し、幼なじみの3人の関係は緩やかに変わり始めることになるのです。

 小柄でフワフワした可愛らしい雰囲気の豆柴ですが、自身の傷を告白してからは野鼠に宣戦布告したり、スキンシップを増やしたり、恋にかなり積極的!

 これまで山猫の負担を増やさないために一歩引いていたのが、気持ちを素直に出せるようになったのだと思うと微笑ましくなります。

 一方の野鼠もからかっているように見えて、本当は彼の言葉を大切にしているのがいじらしいんですよ。

 山猫の“特別”であることを自覚し、自身も好きなのに、まだ定まっていない彼の意思を尊重してあげられる大人な野鼠がステキ。

 それでいて酔っぱらうとだらしなくなったり、歳の差を気にしていたり、可愛いところがあるのもずるいです。

 そんな2人の好意を一身に受ける山猫は優しく誠実ですが、恋には消極的な男の子。今まで野鼠を優先して生きてきたのですから、恋どころじゃなかったというのもありそうですが……。

 彼は2人の好意を自覚していて、アプローチにも照れているので、モテモテでもあまりイラっとしませんでした(笑)。じれったくは、ありますけどね。

 しかしそこから好きか否かではなく、“傷をつけた責任をとって守る”という方向に考えがいってしまうのが山猫の問題点。子どものころの事故は、彼の心にも大きな傷を残したということなのでしょう。

 山猫がトラウマとどう向き合うかが、恋の大きなポイントになりそうです。

 『私の傷は死んでも消さない』という重いタイトル、そして三角関係とくればドロドロした展開になりそうですが……現在のところはその影も形もありません。

 豆柴の宣戦布告で不穏な空気が流れてドキドキする瞬間もありましたが、野鼠が大人の対応を見せて円満解決。

 豆柴も思い詰めていただけで、野鼠のことを慕っているのでほんわかした幼なじみの関係は保たれることになって一安心。

 3人のバランスがとてもいいだけにこのままでいてほしいような、でも彼女たちの想いが報われてほしいような、複雑な気持ちになってしまいます。

 そんななか、クラスメイトの少女・鳥骨 烏も事故でお尻に傷を負っていたことが判明して……というのが第1巻までのお話です。

三角関係の解決策は、皆でお付き合い!?

 烏は、誰とでも仲良くなれる明るい女の子。第1巻の序盤から目立つ子だなとは思っていましたが、まさか彼女も“傷”で結ばれた相手だったとは……。

 入学式のときから烏は山猫が事故の原因であることに気がついていましたが、恨むことはなく彼と友人になります。見た目はギャルですが、さばさばハキハキしたいい子なんですよ。

 山猫の家で烏は、同じときに傷を負った野鼠、豆柴と遭遇。

 そこで改めて“責任をとる”と言った山猫に、烏は“責任をとる=つき合って恋人になることじゃないのか”と指摘をします。

 幼なじみの3人が居心地のいい関係を守るために、見ないふりをしてきた問題が烏の出現によって明るみに出てしまったわけですね。切ない。

 空気を重くしたのも烏ですが、“みんなつき合っちゃえば”と爆弾発言をしてその雰囲気を一掃したのも彼女でした。

 確かにまだ若いのだし、合うかどうかを試してみるという彼女の提案はあり……なんですかね?

 真面目ゆえに考えがついていかない山猫、烏の考え方を面白がる野鼠、新たな道の出現に喜ぶ豆柴、友人の事情を面白がる烏。それぞれの想いを胸に、新たな関係が動き始めるのでした。

 第2巻では豆柴と一緒にデートをしたり、研究室にいる野鼠を気づかったり、山猫と女の子たちの恋が少しだけ進展。


 さらに他人事だと思っていた烏も、山猫の一生懸命な部分を知ってある気持ちが芽生えます。

 最初から山猫への好感度Maxの野鼠&豆柴と違って、少しずつ恋を自覚していく烏。読者は彼女の目線を通して、改めて山猫の良さに気がつくことができますよ。

 また思い出(因縁)の博物館を全員で訪れることで、“償い”にこだわっていた山猫の心にも変化が……。

 恋も山猫の気持ちにも大きな変革が訪れ、彼らの関係からますます目が離せなくなります。

 第2巻には、某シューティングゲームを連想させるお話も収録されています。ゲーマーなら思わずニヤニヤしてしまう要素満載&女の子たちの人となりがわかる楽しいエピソードになっているので、そちらにも注目です!

 『私の傷は死んでも消さない』は、現在コミックウォーカーでも配信中! 第2話までや最新話を無料で読むことができるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

『私の傷は死んでも消さない』注目記事 バックナンバー

『私の傷は死んでも消さない』連載情報

 月刊コミックアライブ(毎月27日発売)での連載を基軸にしつつ、ComicWalkerニコニコ静画でも月2回配信中です。

(C)Tatsuhiko Hikagi