『九怨』は不気味なわらべ唄「はしぞろえ」が耳に残る平安ホラーアクション【綾那のゲームに夢中】

綾那
公開日時

 さまざまなゲームを遊び、愛するゲーマー女優である綾那さんのゲームコラム“綾那のゲームに夢中”の連載第39回をお届けします。

 そろそろ夕方から闇が包むようになってきた今日この頃、いかがお過ごしですか?

 突然ですが、質問します。わらべ唄が耳に残るホラーゲームって記憶の中にずっとありませんか?

 昔の言葉や方言とかが基本的に使われていて、意識して聞かないと理解できないのですが、その唄がストーリーを謎解くヒントになることもある。

 今回書かせていただくゲームも、唄の記憶が色濃く残っているタイトルとなります。

 『九怨 -kuon-(くおん)(以下、九怨)』というゲームをご存じでしょうか?

 ゲームショップでホラージャンルを見ていた時、インパクト抜群すぎるパッケージに一度そっと棚に戻したことがあるこのゲーム。 

 パッケージのインパクト最恐。雰囲気も最恐。さらに「はしぞろえ~はしぞろえ~」という不気味なわらべ唄がずっと耳に残る平安ホラー。

 2004年発売なので今から16年前のゲームなのですが、動きの滑らかさと3Dグラフィックの美しさが素晴らしく、今プレイしても「おぉ~!」となる所は、流石フロム・ソフトウェアさんといったところでしょうか。動作など繊細に作られており、フロム色をひしひしと感じれます。

 以前に紹介した『エコーナイト』もトラウマを植え付けられたゲームの1つですが、フロムさんの暗闇って本当に暗闇でめちゃくちゃ怖いんですよね。

 『九怨』の時代設定は平安時代なので、時代設定にちなんで灯りがまともになく、屋敷内はほぼ闇。天井に灯りがあるにもかかわらず肝心の自分の周囲は暗黒。

 明るさをMAX近くまで上げても闇……。唯一の灯りは自分が持ってる提灯だけというのがまぁ怖い。

 そんな『九怨』について書いていきたいと思います!

別の視点から物語を追う!

 『九怨』のメインキャラクターは2人いて、稀代の陰陽師・蘆屋道満の娘で赤い着物が印象的な浮月と、蘆屋道満の弟子で黄色い水干が印象的な咲耶。どちらも操作することでできます。

 浮月視点で進むことになる“陰の章”は、姉・暮葉の探索をしつつ屋敷での怪現象が起こるきっかけを知ることとなり、咲耶視点で進む“陽の章”は屋敷の人たちがどうなってしまったのかを知ることができます。

 どちらもプレイしないと話が見えてこないわけですが、オススメの攻略手順は“陽の章”→“陰の章”でしょうか。

 2つの章をクリアするともう1つ出てくるのですが、今回は置いておきましょう。

▲浮月、咲耶ともう1人は、平安時代最強の陰陽師・安部晴明です。

 こういったホラーゲームはこちらが武器を手にして戦えるものと、無力で逃げ回るしかできない2パターンが存在しますが、『九怨』は前者です。

 近接武器と札で戦うことができるので、一方的にやられてトラウマを植え付けられるということはありません。

 攻撃の隙が大きいので、慣れるまではヒット&アウェイどころかヒット&ダメージで五分五分の戦いを繰り広げましたが……。

 符を使いこなせれば強いのですが、私はボス戦でしか使わない“ドケチ野郎”だったので、一戦ごとに精神を集中しつつのバトルでした。

  • ▲遠距離から安全に倒せる符。強いです!

 このゲームの好きなところの1つが、“精神集中”システム。

 心拍数が上がったり、眩暈状態になったり、体力が低下したりした場合に精神集中すると回復する神機能です。咲耶が精神集中する時には「千妖万邪皆悉済除急急如律令」と唱えるのが私的にポイントが高いです。

 好きなところはまだあります。回数制限があり、行ったり来たりがちょっと面倒に感じますが、このゲームの雰囲気にマッチしてるセーブ! 紙で作った小舟に厄災を乗せて流す船送り形式なセーブがとてもグッド!

 他にも話の進展で現れる引きずられた血の跡の生々しさとか、血だまりの上を通ると足跡が付いたりするところとか、BGMがほぼなくて聞こえてくるのは環境音な所もシンプルに恐さを引き立てていて最高です。

 16年前のゲームとは思えないほど精密に作られていて、今やっても感動しますよ!

考察するところや世界観にもハマる!

 ここで私の『九怨』トラウマシーンを紹介していこうかと思います。

 それは何といっても“本当の恐怖は覗いてはいけない…”というキャッチフレーズ通りの所。

 幼い姫君が自室に籠って出てこないので、姫君を呼ぶために鐘を手に入れるという進行の所で、その姫君の部屋を穴から見ることができるんです。

 そこを覗いた時が……コントローラを引っこ抜いてしまったくらいにビクっとなりました。

 もう1つは限られた場所ではなく、走っていると突然現れる幽霊。

 走っている時に当たると、“禍風”という主人公を眩暈状態にするのですが、ホントにいきなりくるんで心臓に悪い!

 走ると近くにある食器などを蹴飛ばして音が出てしまうために幽霊に襲われるとか、細かい要素があって私は好きでした。

  • ▲画面がグワングワンになってしまうので焦ります!

 ストーリーについてかるく触れましたが、すべてを理解するには自分なりに考えなければならない要素もあるので、考察が好きな人はたまらないんじゃないかなと思います。私はすごくハマりましたね。

 平安時代も好きですし、陰陽師ブームには陰陽師にハマっていたので、式神を使役したり符で術を使えたりするのはロマンがありました(笑)。

 欲を言えば、もう少し符の種類が欲しかったのと、ボスと戦闘をしたかったというのがあります。

 今のフロムさんの技術でリメイクされたら、とてつもなくおもしろい和風アクションホラーになるんだろうな……と思い、今でもリメイクか続編を熱く希望し続けているタイトルです。


 オープニングムービーはゾワゾワする作り。美麗で見入ってしまうのですが、ゲームを現したような気味の悪い内容になっています。

 最後に『九怨』のジャケットを載せておきます。

 ゲームショップで目にした時、ホントに恐かったんですよ……。今でもこのパケを見るだけで、脳内で「はしぞろえ~」って流れてきます。

(C)2004 FromSoftware, Inc. (C)智内兄助

『九怨 -kuon-』

  • メーカー:フロム・ソフトウェア
  • 対応機種:PS2
  • ジャンル:アクション
  • 発売日:2004年4月1日
  • 希望小売価格:6,800円(税別)