『KAMEN RIDER メモリーオブヒーローズ』プレイレポート。受け継がれるのは『正義の系譜』の魂!?

うま
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 バンダイナムコエンターテインメントから10月29日に発売予定のPS4/Nintendo Switch用ソフト『KAMEN RIDER memory of heroez』の先行プレイレポートをお届けします。

 仮面ライダーといえば、今や親子3世代にわたって愛され続けている特撮ヒーロー番組の名作として有名なシリーズです。

 昭和46年から放送開始された『仮面ライダー』を始めとする昭和時代の仮面ライダーが大人気。

 それ以降も平成12年『仮面ライダークウガ』が放送開始されると、それ以降2020年の令和2年に『仮面ライダーセイバー』が放送されるまで約20年間途切れることなくシリーズが放送され続けるほどの人気を誇っています。

 本作『KAMEN RIDER memory of heroez』はそんな仮面ライダーが登場する家庭用ゲームの最新作。『仮面ライダーW』と『仮面ライダーOOO/オーズ』、令和元年に放送された『仮面ライダーゼロワン』から仮面ライダーが登場し、彼らを操って物語を進めていきます。

 今回、プレイする機会をいただけたので、昭和から『仮面ライダー』を見続けている筆者が物語の中盤まで進めてわかった、タイトルの魅力について語っていこうと思います。

 なお、プレイはPS4版を使っていて、ボダン操作もそちらに準拠しています。

テレビを見ているかのようなアドベンチャーパートは想像以上!

 本作は怪人を倒したり、ガジェットを使ってアイテムを探したり、時には謎解きをしながら物語を進めていくアクションゲームとなっています。

 物語はゲームオリジナルのものとなっており、正体不明のエネルギーがあふれだす島“セクターシティ”を舞台に展開していきます。

 鳴海探偵事務所に届いた“アイダ博士を探して”というメールによって、セクターシティへと導かれた左翔太朗。そして時を同じくして、導かれるように集まった2人の仮面ライダーたち。

 立ちはだかる額に“X”の刻印を持った戦闘員たち。

 これらの謎に挑むことになります。

 ゲームは、ナビゲーターAIの“アイ”の指示に従って目的地へと移動していくことで進行していきます。

 戦闘員が出現すると周囲をバリアに囲まれて脱出不可能になってしまうので、戦闘員を倒しながら少しずつ物語を進めていくことになります。

 「敵を倒していくだけのシンプルなゲームかな」とも思っていたのですが、これが想像以上にドラマティック!

 合間にイベントシーンが挿入されるのですが、BGMとして作品本編で聞きなじんだお馴染みのジャズやスカが流れるので雰囲気はバツグン。

 自由に変身したり解除したりといったことはできませんが、それでも作品本編を見ているかのような感じになれました。いや、むしろ複数の作品からライダーが登場しているので、MOVIE大戦といった雰囲気すらあります。

 発表時には、最新作のゼロワン以外のライダーが声優陣による吹き替えとなっている点が注目されていましたが、問題なく楽しめました。もともと昭和のころの客演や、平成のオールライダー系映画でも声優が声をあてていることが多かったですしね。

ライダーパワー(スタミナ)を使って戦うバトルシステム

 次にバトルシステムについて紹介していきます。

 攻撃方法には弱攻撃(□ボタン)、強攻撃(△ボタン)、固有攻撃(R1ボタン)の3種類があります。

 仮面ライダーのレベルを上げることで、エネミーコードと呼ばれるポイントを消費してスキルを解放して、成長させられます。スキルを解放していくことで、威力の上がる技も存在。

 各種アクションには、ライダーパワー(RP)と呼ばれるスタミナのようなものが設定されていて、弱攻撃以外のすべてのアクションはこれを消費することで繰り出せます。

 RPの消費量は意外と少ないため、強攻撃や固有攻撃(フォームごとの特殊能力)を数回使ってもなくなりません。また、合間に弱攻撃を挟むことであっという間に回復するので、ザコ戦ではほとんど気にせずに、自由に繰り出せます。

 「適当に弱攻撃を連打していればいいのか……」と思う人がいるかもしれませんが、難易度ノーマルをクリアするだけならそれでも大丈夫です。

 しかしライダーのレベルを上げるために必要な経験値のエナジーエレメントや、スキルレベルを上げるエネミーコードは、バトルで多くのチェイン数を稼いだり、大ダメージを与えたりすることで獲得量がアップするのです。

 そのため、大ダメージを与えつつチェイン数を増やしていくコンボを、RPの消費量と合わせて作っていくのが重要です。

 防御はR2ボタンによる“回避”が基本。レバーと組み合わせることで、倒した方角にステップしたりローリングを行ったりするので、これで敵の攻撃を回避できます。

 敵の攻撃がヒットする直前、仮面ライダーの頭上に“!”が表示された瞬間に回避できると、○ボタンでカウンター攻撃も使えます。

 カウンターに成功するとRPが全回復するうえに、ザコ戦ではHPが10%回復します。また、アーマーをもっている敵にはアーマー値を大きく削ることができます。しかもこのカウンター攻撃がヒットすると相手がよろけて短時間無防備になるので、ボス戦では特に重要なアクションだと感じました。

 なによりカウンター攻撃がヒットするとカメラアングルが変わって、攻撃がヒットする瞬間を映してくれるのが気持ちいいので、ついついカウンターを狙ってしまいます。

 ライダーのHPが0になると倒されてしまいますが、このHPはライダーごとに別々になっているので、ピンチになったらライダーを交代するのも方法の1つ。

 ライダーの交代はバトル中以外ならばいつでも行えるので、HP残量だけではなく、マップや敵に合わせてライダーを交代するとよさそうです。

 減ったHPはマップ内にあるターミナルを調べることで最大まで回復できるので、ターミナルの場所まで戻って回復するのもいいかもしれません。

フォームチェンジをコンボに華麗に組み込める“チェインアクション”!

 バトルシステムで最大の見どころといえば、フォームチェンジしながら攻撃をたたき込む“チェインアクション”でしょう。

 L1ボタンを押してウィンドウを開き、左スティックでチェンジしたいフォームにカーソルを合わせて×ボタンを押すことでいつでもフォームチェンジが可能です。

 チェンジしたいフォームを決定する時に×ボタンではなく、□ボタンなどの攻撃ボタンで決定すると、フォームチェンジしつつボタンに対応する攻撃を同時に放つことができます。

 例えば、仮面ライダーWのサイクロンジョーカーの強攻撃で敵を打ち上げた瞬間にL1を押して、ルナジョーカーにカーソルを合わせてR1ボタンで決定すると、打ち上げた相手を固有攻撃のルナアームでつかんで引き寄せるコンボにつなげることができるのです。


 フォームチェンジを繰り返しながら相手に連続して攻撃をたたきこんでいく様子は、本作のオープニングを制作した坂本浩一監督が手掛けた『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』のラストバトルのようです。

 そして忘れてはならないのが、ライダーたちが持つ必殺技と最強フォームでしょう。そのどちらも、もちろんゲームで使用可能です。

 ジョーカーエクストリームやタトバキックなどの代名詞的必殺技は、EXアタックとして登場。

 画面左上の体力ゲージの下にあるEXゲージが2本溜まっている時に “○+△”を同時押しすると、EXパワーを消費して技が発動します。

 最強フォームは、このEXゲージが点灯中にL1ボタンを押しながらOPTIONボタンを押すとチェンジ! EXパワーが少しずつ減っていき、0になるまで使うことができます。

 この最強フォームに変身中は、すべての技をRP消費なしで繰り出せるので、他のフォームにはない圧倒的な戦闘力を持っています。

各ライダーの特徴

 ここからは、中盤までに登場した各ライダーを実際に動かしてみた様子を紹介していきます。

 なお、一部のライダーはすべてのフォームを使用可能になっていないところは、ご容赦いただければと思います。

仮面ライダーW

 左翔太郎(声優:細谷佳正)とフィリップ(声優:内山昂輝)の2人がガイアメモリで変身する仮面ライダー。

 体の中心を走るセントラルパーテーションを境に、右半身のソウルサイドと左半身のボディサイドにそれぞれ異なるガイアメモリの能力を組み合わせて戦います。

 基本の6つのメモリとエクストリームメモリを使ってみたところ、非常にバランスのいいキャラだと思いました。その中でも、メタルメモリの使い勝手が非常にいいです。

 メタルシャフトを振り回すことで広範囲の敵を攻撃できますし、固有攻撃でメタルシャフトを回転させることで銃弾を防げるなど、攻守のバランスがいいです。

 欠点はヒットした相手を吹き飛ばしてしまうことですが、これはルナジョーカーの固有攻撃で腕を伸ばして敵をつかんで引き戻すことで解決します。

 ボス戦ではトリガーメモリを使って遠距離から攻撃すれば安全に戦えるのも強みです。

 カウンター攻撃を当てて敵をよろめかせたら、一気に近づいてジョーカーメモリの格闘攻撃で一気に大ダメージを与えるといった戦法を使うとカッコいいです。


仮面ライダージョーカー

 ジョーカーメモリとロストドライバーを使って左翔太郎が1人で変身する仮面ライダー。

 ジョーカーメモリで運動能力が高まっているため、近距離での格闘攻撃が得意です。

 リーチが短く攻撃が直線的なので複数の敵と戦うのはやや不向きですが、1対1のボス戦などではかなり強力。

 攻撃力が非常に高く、相手の攻撃のスキに懐に潜り込んでコンボで大ダメージを与えると、いかにも仮面ライダージョーカーっぽい動きになってテンションも上がります。


仮面ライダーオーズ

 3枚のコアメダルを組み合わせて仮面ライダーオーズ(声優:鈴木達央)に変身する。

 本作ではタトバ コンボを始め、同系統のコアメダルを3枚組み合わせたコンボ形態を使うことができます。

 今回、タジャドル コンボとシャウタ コンボとムカチリ コンボ以外のコンボを触れたのですが、少しトリッキーな戦い方を楽しめました。

 オーズには攻撃ボタンを長押しすることで強化できる技があるのですが、ためている間に攻撃されることも。

 そこでガタキリバ コンボの強攻撃・電撃ショットで敵をスタンさせて動けなくしてからためたり、相手を空中に打ち上げて地面に叩きつけられるまでの時間に攻撃をためたりするコンボが爽快でオススメです!

 余談ですが、ラトラーター コンボでL2ボタンを押している間は超高速移動が可能。フィールドの移動に便利でした。


仮面ライダーゼロワン

 飛電或人(声優:高橋文哉)が、生物の力がインプットされたプログライズキーをゼロワンドライバーに差し込むことで変身した姿。

 ゲーム中ではライジングホッパー、フライングファルコン、シャイニングアサルトホッパー、メタルクラスタホッパー、ゼロツーの5つの形態が登場します。

 ゼロワンは“どのフォームもとにかく強い”という印象があります。

 シャイニングアサルトホッパーの固有攻撃のシャインクリスタで遠距離攻撃ができますし、メタルクラスタホッパーの固有攻撃のメタルバッタラッシュでバッタの大群と同時に攻撃することで大ダメージを与えられます。

 防御面でもスキがなく、ボスの強力な範囲攻撃をライジングホッパーの特殊能力のハイジャンプでかわしたり、フライングファルコンの飛行能力で敵の攻撃が届かない場所から攻撃したりと、多彩なアクションを楽しめました。


仮面ライダーアクセル

 照井竜(声優:古川慎)がアクセルメモリとアクセルドライバーで変身する仮面ライダー。

 通常のアクセルに加えてVシネマに登場したアクセル ブースターと、最強フォームとしてのアクセル トライアルも使うことができます。

 それ以外にも通常のアクセルでパワースロットルをふかすことで、フルスロットルモードにも変化します。

 フルスロットルモード中はつねにRPが消費されるものの、各種攻撃がパワーアップ! RPの管理がやや難しいものの、使いこなした時の爆発力はかなりのものです。

 また、アクセル ブースターには飛行能力もあるので、回避能力がかなり高くなっています。


 この他にも、先日の配信番組にて仮面ライダーバースの登場も公開されていたので、こちらも早く使ってみたいものです!

ライダー同士の掛け合いも見逃せない

 先行してプレイした本作ですが、ドラマ部分の演出とバトルシステムのバランスが絶妙のため、古きよき『仮面ライダー 正義の系譜』を思い出させてくれました。あのゲームのアクション部分をさらに強化し、ドラマ部分の演出を大幅にパワーアップさせて令和の時代に新たに誕生させたようなイメージです。

 ただ敵を倒すだけでもクリアできますが、いかにかっこよくチェインをキメて大ダメージを与えるかをうまくシステムに取り込んでいるのがたまりません。

 序盤はWとオーズのかけあいが多いのですが、彼らのセリフまわしやBGMがいかにも劇場版にありそうな雰囲気となっています。この2人が共演していた『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE』や『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』を見た時のような感覚すら覚えました。

 「これはもはや、新たな劇場版作品だ!」という印象を持ちました。

 バトル中に所長から電話がかかってきて話しながら戦うコミカルな演出もあって、バトル→イベント→バトルという展開にはならずに、1つの映像作品のような流れでつながっていくのがたまりません。

 プレイすればするほど物語の続きが気になり、よりいっそう派手なアクションをキメたくなって、思いっきり熱中することができました。仮面ライダーが好きな人であれば、新たなシリーズとして楽しめることでしょう。

※画面は開発中のもの。
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KAMEN RIDER memory of heroez

  • メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応機種:PS4
  • ジャンル:ヒーローチェインアクション
  • 発売日:2020年10月29日
  • 価格:通常版 7,600円(税別)/Premium Sound Edition 11,800円(税別)

KAMEN RIDER memory of heroez

  • メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応端末:Switch
  • ジャンル:ヒーローチェインアクション
  • 配信日:2020年10月29日
  • 価格:通常版 7,600円(税別)/Premium Sound Edition 11,800円(税別)

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