コミック『Re:ゼロから始める異世界生活 第一章 王都の一日編』レビュー。『リゼロ』を読むなら今!

セスタス原川
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 みなさんは『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、リゼロ)のアニメや原作には触れたことがあるでしょうか?

 知名度が作品であるが故に「いずれ見ればいいや……」と機会を逃している方も多いのではないでしょうか?

 そんな方こそ、今のタイミングが『リゼロ』を楽しむチャンスです。その理由は、2021年1月からアニメ第2期の後半がスタートするからに他なりません……! 休憩時期である今こそ、物語に追いつくチャンスです!

 そこで今回は『リゼロ』の物語を漫画で楽しめるコミカライズ版の第1巻『Re:ゼロから始める異世界生活 第一章 王都の一日編』(作画:マツセダイチ、原作:長月達平、キャラクター原案:大塚真一郎)のレビューをお届けします。

 タイミングを伺っていたあなたも、この機会に『リゼロ』デビューしてみませんか?

あらすじ

大人気WEB小説発のコミカライズ、第1巻が早くも登場!!

 異世界に召喚された少年・スバルが、死して時間を巻き戻す能力「死に戻り」で絶望の運命から未来を拓く!

 ――たとえ君が忘れていても、俺は君を忘れない。

 『Re:ゼロから始める異世界生活 第一章 王都の一日編』は、本作の最序盤にあたる部分が描かれています。原作小説では第1巻冒頭、アニメでは第1期の1話にあたる物語です。

 引きこもりの少年・夏樹スバルは、コンビニ帰りの途中で突如異世界に召喚されてしまいます。さらに、慣れない地でごろつきに絡まれてしまい、いきなり窮地に陥るのでした。

 そこをハーフエルフの少女・エミリアに救われ、スバルは恩返しとして彼女が盗賊に盗まれた“徽章”を見つけるために協力することにします。


 情報を頼りに盗品が集まる盗品蔵を訪ねるものの、店主は既に亡くなっており、訪れたスバルとエミリアも何者かによって殺されてしまいました。

 死を迎えたと思いきや、スバルは最初に召喚された同じ場所で再び目を覚まします。目の前には一度見たことのある光景が広がり、店主が先ほどと全く同じ言葉で話しかけてきます。スバルは自身が死ぬことでセーブポイントまで時を遡る“死に戻り”の能力を手にしていたのでした。

 スバルは状況もわからないまま、エミリアを助けるために王都での1日をやり直します。果たして、彼は絶望の中から未来を見出すことができるのでしょうか?

時間ループ×ダークファンタジー

 上記のあらすじを見てもらえるとわかるように、主人公やヒロインが何度も死を迎えるという、『リゼロ』は異世界転生系の作品の中でもかなりダーク寄りの物語になっています。

 第1巻で登場するエミリア、フェルトをはじめ、今後も魅力的な可愛らしいキャラクターも多く登場します。ところが、彼女たちにも、殺人鬼の手に掛かったり、さまざまな形で危険に晒されたりする展開が待っているのです。

 そのため、可愛いキャラクターが登場する作品が好きな方にも『リゼロ』はぜひオススメしたいところなのですが、思わず目を逸らしたくなるようなショッキングなシーンが訪れるのは覚悟していただきたいところです……。

 逆に、主人公だけでなくヒロインも巻き込まれながら絶望に立ち向かうダークファンタジーが好みの方にとって『リゼロ』は間違いなく楽しめる作品です。筆者はダークファンタジー好きであり、可愛いキャラクターが大好きなので、2つの視点から『リゼロ』を楽しむことができました

ただの少年が多くの人々を動かす!

 では、本作は永遠に暗い展開が続くのかと言えば、そんなことはありません。スバルは最初の絶望的状況から、さまざまな機転を利かせながら未来を掴むためにもがき、それが報われる展開もあります。

 前述の通り絶望的な状況の度合も高いため、それを乗り越えたシーンの感動はひとしおです。スバルの“死に戻り”ならではの先の読めない波乱万丈の展開と、それを乗り越えた先の感動は『リゼロ』の魅力的なポイントです。

携帯電話を取引材料に!

 第1巻にも、スバルが機転を利かせて運命を動かしたシーンがあります。スバルが異世界に転生されたときに持っていた物は、コンビニで買ったお菓子とカップラーメンと財布、そして携帯電話のみでした。

 彼は人知を超えた能力である“死に戻り”を持っていますが、死ぬ前と同じ行動をしては同様の結末を迎えてしまいます。悲劇的な未来を避けるためにも、スバルは運命を変えなくてはなりません。

 そこでスバルが武器とするのが、元の世界から持ち込めた僅かな道具と、土壇場で行動が起こせる勇気です。

 彼は盗品蔵にて、持ち込んだ携帯電話を魔道具“ミーティア”と偽り、盗品を取り返すための交渉材料に使いました。

 スバルが携帯電話のカメラ機能を見せつけると、初めてカメラを見た異世界の人々は興味津々。結果的に、かなりの高値が付く商品として、取引材料に使うことができました。

  • ▲こうした機転が利いた行動ができるのは、スバルの行動力と勇気があってこそです。

話の続きが気になること間違いなし!

 ところが、簡単には事件を解決してハッピーエンド、とさせてくれない部分が本作のダークなところ。運命を変えても、また違ったバッドエンドを迎えてしまうこともあります……。

 加えて、“死に戻り”があるとはいえ、その瞬間の痛みは感じるうえ、周りの人が傷つく姿も見ることになるため、スバルが感じる苦痛は我々が想像できないほどのものでしょう。

 その苦しみは少しずつスバルの中に蓄積されていき、何度も“死に戻り”を繰り返しているうちに彼も……っと、あまり多くを語りすぎてしまうと、これから『リゼロ』に触れる方の楽しみを奪いかねないので、第1巻の先の話はこれくらいにしておきましょう。

第1巻から張られた伏線の数々

 『リゼロ』の原作小説は24巻まで続いている長編小説です。その中では、過去に起きた出来事が伏線になっていたり、その後に関連するキーワードが登場したり、物語を読み続けることで面白さが膨れ上がる要素が多くあります。

 もちろん、それらはストーリー上でも重要なポイントなので、コミカライズ版でも健在です。例えば、エミリアはスバルに自己紹介をする際に“サテラ”という名を名乗ります。

 これ、ただ偽名を使っているだけのようにも見えるのですが、彼女の精霊であるパックはそれを聞いて「趣味が悪いよ」と呟きます。

 これは、物語を読み進めているうちに、なぜ彼女がこの名前を名乗ったのか、どんな意味があるのかなど、点と点が繋がっていく感覚を味わえるはずです。

 第1巻には他にも、エミリアの徽章を盗んだフェルトの生い立ち、スバルの後を追う男の影など、後の物語に続く伏線が各所に散りばめられています。

 先の物語を読んだ後に、改めて前のお話に戻ることで「ここがその伏線だったのか!」と納得しながら、複数回にわたって物語を楽しむこともできますね。

『リゼロ』を楽しむのは今からでも遅くない!

 『リゼロ』は、異世界転生ד死に戻り”×スバルの性格の3つが組み合わさることで、物語の面白さが何倍にも膨れ上がっています。

 何かしらの能力を持って転生をする展開は異世界転生系の王道ですが、スバルは自身が死なないと発動せず、それ以外は至って普通の少年なので、とんとん拍子に物語が進まないところが本作のむず痒くも面白いところです。

 スバルの行動に影響されて、最初のループでは険悪な関係だった人物が最終的に協力してくれたり、状況を大きく変える人物が現れてくれたり、彼の積み重ねた努力が形になる瞬間は涙なしには見られません。

 今回は第1巻の物語と、それに関連した作品全体のお話に少し触れましたが、その後スバルがどんな行動を起こし、それによって周りの人々がどう影響され、運命がどう揺れ動くのか、ぜひみなさんの目でお確かめください。

 現在、コミカライズ版は全14巻が発売中。最新巻は夏に放送されたアニメ第2期の前半にあたる部分の物語が描かれています。

 2021年1月からアニメ第2期の後半がスタート。さらに盛り上がりを見せる『リゼロ』を楽しむのは、今からでも遅くはありません! まだ見ていない方は、コミカライズ版で予習をしておきましょう!

『リゼロ』ファンは『コミック アライブ』をお見逃しなく!

 毎月27日発売の月刊誌『コミック アライブ』では、『Re:ゼロから始める異世界生活』のコミックや、長月達平さん執筆の外伝小説が掲載されています。

  • ▲こちらは現在発売中の12月号の表紙です。

剣鬼恋歌 Re:ゼロから始める異世界生活†真銘譚

 現代日本より異世界に転移した少年ナツキ・スバルを主人公とする『Re:ゼロから始める異世界生活』。その第三章で五十メートルほどの巨躯を持つ魔獣・白鯨に悠然と立ち向かった老剣ヴィルヘルム・ヴァン・アストレアの若き日にスポットを当てた作品です。

 スバルが転移する40年前に繰り広げられた剣鬼と剣聖――男と女の出会いと別れの恋物語。激動と剣戟のスピンオフ作コミカライズです!

Re:ゼロから始める異世界生活 第四章 聖域と強欲の魔女

 魔女教大罪司教“怠惰”を討伐し、エミリアとの再会を果たしたナツキ・スバル。辛い決別を乗り越えて和解した二人、しかし彼らには新たな波乱が待ち受けていて……。

 謎多き“聖域”にて繰り広げられる、待望のリゼロ第4章のコミカライズがスタート! TVアニメに追いつくのなら、ぜひとも読んでおきたい作品です。

Re:ゼロから始める異世界生活 外伝

 『コミック アライブ』初のノベル連載は、長月達平さん自らが執筆する小説『Re:ゼロから始める異世界生活』の外伝です。こちらは毎号掲載となっています。

©Daichi Matsuse 2014
©TaPPei Nagatsuki 2014