『グリードフォール』レビュー。17世紀欧州がベースの架空世界と、自由度の高さが魅力!

柏又
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 Game Source Entertainmenより発売中のPS4ソフト『グリードフォール』

 本作は17世紀ヨーロッパを題材にしたファンタジー世界が舞台のアクションRPGです。プレイヤーは、故郷から遠く離れた未開の島“ティア・フラディ”へ赴任した外交官“デ・サルデ”となり、6つの派閥がひしめくこの地で不治の伝染病“マリコール”の治療法を探します。

 今回は、日本語版が発売された本作の魅力をレビューします。

中世よりもちょっと時代が進んだ“剣と魔法と銃”の世界観が新鮮!

 ファンタジー世界というと中世ヨーロッパを題材とした剣と魔法の世界をイメージするのですが、本作の世界はそれよりはちょっと進んだ17世紀ヨーロッパがベース。大国が遠く離れた植民地を運営し、武器も剣から銃に重きがおかれつつあるイメージですね。

 17世紀をモチーフとした世界観は、バロック調の建物が立ち並ぶ光景や登場人物の服装、剣や魔法と並んで銃が武器として使える戦闘システムなどに現れていて、ちょっとだけ新鮮な感じがします。

 また本作の舞台“ティア・フラディ”は、主人公の属する“商人会衆”含め3つの大国が植民地を建設しています。さらに現地に兵力を提供する傭兵“コインガード”や独自の掟を持ち海運を担う“ナウツ”といった中立勢力、彼らが来る前からこの地に住んでいる“現地人”が複雑な力関係を築いています。

 各派閥の成り立ちや構成員、法律など設定もしっかりと作り込まれていて、登場人物の話を聞いて知的好奇心をそそられますね。

クリア手段が幅広く用意されたクエストが楽しい!

 メインストーリーやサイドクエストを通じ、主人公が外交官としてこの地の派閥とどのような関係を築いていくか選べるシステムも特徴のひとつ。本作では、クエストクリアに複数の手段が用意されているものがほとんどで、プレイヤーの習得した“能力”によってさまざまな行動がとれます。

 例えば敵のいる建物へ入る場合でも、ステルスで見張りに見つからないよう忍び込むか、もろくなった壁を爆発するポーションを使って爆破するか、見張りの手薄なドアのカギをピッキングでこじ開ける、といった手段が場所によって存在します。どの能力を生かしてクリアしていくのか考えていくのも本作の楽しさです。

 さらに、クエスト内の会話や行動の選択によって各派閥との関係は変化していきます。派閥からの評判が良くなるとプレゼントとして装備などがもらえることも。各派閥の評判は、最終的にこの地をどのような形に治めていくのかという、メインストーリーにも大きくかかわる要素でもあります。

 また、本作では各派閥からコンパニオン(仲間)が登場、戦闘でいっしょに戦ってくれるのはもちろん、会話に参加してクエストを有利に進めてくれることもあります。主人公に対するコンパニオンの好感度も設定されていて、一定以上だと同行時に能力ボーナスがつくほか、恋人同士になるロマンスイベントが発生することも。

 メインストーリー以外にも楽しめる物語が数多く存在するのも本作の魅力といえるでしょう。

3系統のスキルを組み合わせたバトルがおもしろい

 習得スキルによって異なる立ち回りを要求される戦闘も本作の魅力です。本作は3人称視点のアクションで敵と戦います。基本操作は□ボタンと△ボタンで攻撃、〇ボタンが受け流し、×ボタンが回避です。

 ポイントとしては耐久力のステータスにライフと装甲の2つがあること。装甲は受けた物理ダメージの一部を肩代わりするため、ライフに大ダメージを与えるには先に装甲を破壊するのがセオリーです。

 装甲には特定の武器で大ダメージを与えられますが、これらの武器はライフへの攻撃力が低めなので、相手の状況に応じた武器の切替えて戦うことが重要となるわけです。

 もうひとつのポイントがL1で行う“戦略的一時停止”。このシステムは、ゲームを一時停止している間にコマンド選択式のRPGの要領でポーションやスキルが使用できるというもの。

 ゲームを進めていくとキャラクターが使えるスキルやポーションの種類が増えてくるのですが、“戦略的一時停止”を使えば簡単な操作ですべてのアクションを使いこなせることができる、というわけでなかなか興味深い仕様だと思います。

 プレイヤーは、習得スキルが異なる“戦士”、“技術”、“魔法”3つのクラスから1つ選んでゲームを開始します。

 “戦士”ならライフに有効な剣と、対装甲に有利な大型武器を切り替えて効率よくダメージを与えていくスタイル、“技術”なら銃と罠を駆使するトリッキーな戦い方が身上、“魔法”は敵を追いかける弾を放ったり、短時間敵の動きを止めてその間に強力な攻撃を繰り出すなど独特のアクションが使えます。

 さらにレベルアップごとにもらえるスキルポイントで習得した能力をさらに伸ばしたり、別のクラスのスキルを習得することも可能。アクションに加えて習得した能力を駆使していく戦闘システムは、プレイスタイルの幅が広くかなり楽しめます。

 ここまで紹介してきた『グリードフォール』。筆者は海外版をクリア済みで日本語版も個人的に楽しみにしていましたが、翻訳したセリフなどの日本語にやや乱れがあるのが気になるところ。ただし、ストーリーは十分把握できるレベルなので、普通に遊ぶ分には問題ないと思います。

 ゲーム全体のボリュームもしっかりありますし、フィールドを探索やポーションのクラフト、装備のカスタマイズなどRPG的な要素もバッチリ。粗削りな部分もありますが、それも含めてこのゲームの魅力だとも思います。これまでとはちょっと違う世界観のゲームを求めている人、トリッキーなアクションで戦いたい人におすすめの1本ですね。

© Greedfall. A game developed by Spiders, published by Game Source Entertainment in Japan under licence from Focus Home Interactive and Spiders. Greedfall is a registered trademark of Focus Home Interactive. All rights reserved.

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グリードフォール(GreedFall)

  • メーカー: Game Source Entertainment
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2020年10月15日
  • 希望小売価格: 7,480円+税

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