【ネタバレあり】PS5版『スパイダーマン マイルズ モラレス』レビュー。ピーターと一味違うアクションのプレイ動画も!

hororo
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※本記事の中盤以降に『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』のネタバレにつながる部分があります。気になる人は、フォトモードの記述より後ろは読まないよう推奨します。

 11月12日に発売予定のPS5/PS4ソフト『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』を一足先に体験できたので、そのプレイレポートをお届けします! 今回プレイしたのはPS5版。ゲームの要素だけでなく、ハードがPS5に変わったことでどんな違いが生まれたのかをお伝えしていきます!

 世界的な人気ヒーロー“スパイダーマン”となり、ニューヨークを脅かすヴィランとの戦いを味わうことができた『Marvel's Spider-Man』。スパイダーマンらしさを表現するために一挙一動までこだわり抜かれたモーションや、代名詞でもあるウェブ(糸)を生かしたアクションなど、ゲームとしての高い完成度は、スパイダーマンファンのみならず多くのユーザーの心をつかみました。

 本作は、そんな『Marvel's Spider-Man』の続編。主人公はピーター・パーカーではなく、前作にも登場した青年、マイルズ・モラレスへと代わり、新たな物語が幕を開けます。ピーターはマイルズにとっての“スパイダーマンの師”として登場。しかしピーターは途中で一時的に海外へと飛び立ち、その間の“スパイダーマン業”をマイルズに任せるというストーリーとなっています。

 ちなみに、『Marvel's Spider-Man』は、原作コミックや映画シリーズとは異なる、ゲーム独自のユニバース(世界観)を舞台としています。登場するキャラクターは同じでも、背景や関係性が変化したいることもあり、ファンでも新鮮な気持ちで楽しめるでしょう。このユニバースのマイルズがどんな活躍をするのか、楽しみにしている人も多いのではないでしょうか?

ゲームの骨子は引継ぎつつ、主人公の違いが新たな楽しさを生む!

 本作はニューヨークのマンハッタンが舞台。高層ビルが立ち並んでいるため、ウェブスイングで空中を駆けまわるスパイダーマンにとって、うってつけの場所です。

 スパイダーマンと対峙するのは、脱走した囚人や強盗たちといった犯罪者のほか、ロクソンと呼ばれるエネルギー企業の私兵や、ロクソンと敵対する謎の組織・アンダーグラウンド。そして、数々のヴィランたち。

 彼らが引き起こす事件を解決しながら物語を進めていく、オープンワールドゲームとしてオーソドックスなタイプとなります。

 続編とはいうものの、基本システムは前作を踏襲しているため、プレイ感覚としては『2』というより『1.5』という感じ。ウェブを使ったアクションや、ゲーム自体の進行のしかた、探索&収集要素なども、大きくは変わりません。そのため、前作のプレイヤーであればすんなりとプレイできるでしょう。

 もちろん変わった部分もあります。主人公がマイルズになったことにより、アクションのモーションが全体的に変更。ピーターと比べると、もっと大胆で奔放な動きが多くなっており、違った感覚で大空を舞うことができます。

 マップは前作と同じですが季節が冬になっており、雪が舞うニューヨークを堪能できます。積もった雪の上を歩くと足跡が付いたり、体に付着した雪が解けて消えたりと、描写の細かさが目立ちました。

 そしてピーターとマイルズでは、戦闘アクションが大きく異なります。ピーターは基本的な肉弾戦に加え、独自開発した多くのガジェットを駆使した戦闘スタイルでしたが、マイルズはピーターほどのガジェットを持っていません。ですが、その代わりにマイルズ独自の能力を持っています。

 1つは自身が持つ生体電撃を放つ“ヴェノム・パワー”。手から発生する強力な電撃を生かして敵を攻撃したり、機械を作動させたりできます。前作同様に、本作でもスキルを強化していくことができますが、強化された電撃能力は多数の敵を同時にスタンさせられるため、集団戦でもかなり有利に立ち回れました。

 ガジェットで敵をかく乱しながら戦うピーターと比べ、マイルズは電撃のパワーでまとめて敵を吹き飛ばす、豪快な戦闘スタイルという印象です。

 もう1つの能力が、自分を透明化できるカモフラージュ能力。時間制限はあるものの、発動中は完全に敵に発見されなくなるため、ステルスプレイがよりやりやすくなりました。前作のピーターは、豊富なガジェットで敵を静かに倒していくことができました。そういった絡め手を苦手とするマイルズですが、このカモフラージュ能力を活用することで、発見されたあとでも簡単に敵の追撃を振り切ることができ、隠密行動を継続できるのです。

 ステルスプレイのやりやすさ自体はピーターのほうが上ですが、発見された後のリカバリーがマイルズのほうがやり易いため、ステルスプレイが苦手な人はマイルズのほうが動かしやすいかもしれません。

 なお、ピーターほどではありませんが、マイルズもガジェットを扱うことは可能です。基本のウェブシューター以外はマイルズ独自のガジェットとなっており、ホログラムの分身を出現させて戦わせたり、敵を引き寄せて一カ所にまとめたりと、隠密行動よりも肉弾戦のサポートとなるガジェットを多く持っていました。

 ピーターとは違い、マイルズにはスパイダーマンとしての師がいるためか、アクションの習得は前作よりも早い印象を受けました。前作でスキルポイントを割り振って解放していたアクションが、本作では序盤から次々に使えるようになります。そのため、前作をプレイした人が同じ感覚でプレイしたときに「あっ、まだこの動きできないのか!」となることが少なく、非常に快適だったのは、地味に嬉しいポイント。

 また細かい改良点ではありますが、本作では“親愛なる隣人アプリ”というゲーム内アプリが登場。タッチパッドをスワイプすることで表示することができ、周辺で助けを待つ人物の依頼や犯罪行為などをトラッキングすることができるようになりました。いちいちマップを開いて確認する手間がなくなるため、スピーディーにアクティビティをこなせるようになっています。

 マイルスのアクションを収録したプレイ動画も撮影できましたので、あわせてお届けします。

※記事冒頭で記載しているフォトモードについての記述は、下の項目にあります。フォトモードより後の内容は『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』のネタバレにつながる部分があります。自分でプレイするまで見たくないという人は、ご注意ください。

PS5の性能を生かした細かい改良点から新しいゲームの可能性を感じた!

 今回のプレイにはPS5版を使用しましたが、ゲームそのものの魅力とは別のところで、細かい驚きがあったので、そちらにも触れておきましょう。

 まず当然ですが画像がキレイ! テクスチャの細やかさはこれまで以上ですし、レイトレーシング技術によって、ビルのガラスなどの映り込みがハッキリと描写されており、リアルさに磨きがかかっています。また、高い場所に登ったときに見える遠景のクリアさもパワーアップしており、これまでの感覚とは次元が違う……というほどではありませんが、確かに描画力の向上を体験できます。

 そして記憶媒体がSSDになったことでの読み込みの速さは多くの人が気になるところだと思います。これに関しては、もっとも恩恵を受けているといっても過言ではありません。

 具体例を出すと、まずゲーム開始時。今まではゲームを起動し、読み込みが入り、企業ロゴなどが入って、それからゲーム画面……という流れでしたが、本作では起動直後にゲーム画面がスタートします。だいたい5秒もあればプレイ可能になるのではないでしょうか。企業ロゴなども全部すっ飛ばしていたため、初見時はかなり驚きました。

 もう1つが、オープンワールドについて回るファストトラベルの問題。素早く遠くまで移動できる機能ではあるものの、その分読み込みも長いという欠点も目立つ要素です。本作にもファストトラベルは導入されていますが、ボタンを押した数秒後にはすでにその地点に降り立っています。まさにファスト。

 前作で読み込みのあいだ映されていた、地下鉄に乗るスパイダーマンの姿は、PS5版ではロードが短すぎてなくなってしまいました。ただし、設定で表示させることは可能です。地下鉄に乗るスパイダーマンを、ちょっと疑わし気に見る市民たちとの姿は好きだったので、うれしい限りです。筆者と同じようにこの演出が好きな人は表示させるのもありかと。

 そして気になる方も多いであろう“フォトモード”は今回もあります。ゲーム中の一瞬を切り取り、ぐるぐるカメラを回してキメアングルを探したり、フィルターをかけて全体的な印象を変えたりと、見栄えのするアクションが多い本作ならではのスクリーンショットがバンバン撮れます。描写の細かさなどをじっくり確認するためにも使えますよ。

※ここからの内容は『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』のネタバレにつながる部分があります。自分でプレイするまで見たくないという人は、下記を読まないように強く推奨します。

敵か味方か、魅力的なキャラクターたち! そしてたくさんのスーツ!

 上でも触れたとおり、『Marvel's Spider-Man』はゲーム独自のユニバースが舞台となっており、よく知られたキャラクターであっても、ちょっと違うアレンジが加えられたりしています。前作では、ミスター・ネガティブを初め、エレクトロやヴァルチャーといったヴィランたちに加え、DLCではブラックキャットやシルバー・セーブルといったキャラクターが活躍しました。

 もちろん本作でも魅力的で強力なキャラクターが登場します。そして、ゲームを進めることによって解放されるさまざまなスーツについても、スパイダーマンファンであればきっと気になっていることでしょう。もちろんネタバレになるため、楽しみにしておきたい方は注意してください。

ティンカラー

 アンダーグラウンドを束ねる仮面の人物。独自の技術を用いた装備を作り、アンダーグラウンドのメンバーを強化しています。ロクソンと対立しており、攻撃的な手段でロクソンの破滅を狙っています。

プラウラー

 紫と緑のボディスーツに身を包んだ謎の男。スパイダーマンとも互角に戦える腕前の持ち主です。コミックなどで登場した際は、敵から味方へと立場を変えたようですが、本作でははたして……。

サイモン・クリーガー

 ロクソンの宣伝担当として、新しいエネルギー源“ニューフォームリアクター”の有効性を大きく売り出しています。しかしこのエネルギーには謎が多く、その正体は明らかになっていません。

最後に

 前作でもスパイダーマンのスーツをさまざまなものに変更してゲームを楽しむことができました。本作でもその要素は引き継がれており、コミックや映画で登場したスーツに着替えることもできます。プレイした段階では全部で19種類の存在を確認できましたが、前作が発売後にどんどんスーツが追加されていったように、本作でももっと増えるかもしれません。


 ド派手なアクションに目が行きがちな本作ですが、キャラクターたちとの関係性や心理描写などもしっかり描かれており、前作同様に物語としてもかなり楽しめます。演出やプレイ感との相互作用により、いつでもワクワクさせてくれる展開が目白押し! 難易度を変更すればアクションゲームが苦手な人でも進めることができるため、ぜひスパイダーマンが好きな人は、前作も併せてプレイしてみてください!

 もちろん、スパイダーマンをまったく知らない人にもオススメです。むしろここからスパイダーマンにハマるにはうってつけの作品。なぜスパイダーマンが世界中の人々に愛されているのか。そのワケを味わえる作品だと思います。

©2020 MARVEL ©Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Insomniac Games, Inc.
※掲載した画像は、PS5で2560ピクセル×1440ピクセルで撮影したものを、記事掲載用に1280ピクセル×720ピクセルにサイズ調整したものとなります。

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