930円で超ハイクオリティFPSを楽しめる『Bright Memory』レビュー

　いよいよ発売されるmicrosoftのXbox Series X。こちらのローンチタイトルとして11月10日にリリースとなる『Bright Memory』をプレイしてのレビュー記事をお届けしていきます。

　本作は、個人デペロッパーであるFYQDが開発した、FPSとアクションの要素を組み合わせた新感覚のFPS。個人製作ながら、Unreal Engine 4を使った美しいグラフィックと、作り込まれたアクションが魅力的な作品です。

　現在開発中の『Bright Memory: Infinite』のプロローグにあたる作品であり、ストーリーのボリュームは短めで、およそ1周につき約1時間程度でクリア可能。とはいえ密度は非常に濃く、手軽な価格で楽しめるという点では、発売したばかりのXbox Series Xの実力を知るのにうってつけのタイトルの1つだと思います。とにかく個人製作とは思えない、驚異的な作り込みは圧巻です。

超能力＆斬撃を駆使する近接戦闘は爽快感バツグン！

基本操作はオーソドックスなFPSといった印象ですが、本作では銃撃のほか、近接攻撃やサイキックアクションが可能で、それらを組み合わせたハイスピードアクションが味わえます。攻めの選択肢が多く、敵の種類や距離に応じて臨機応変に戦えるのが、戦略的で楽しい！　

　光刃は一度展開すると再使用に時間がかかるものの、銃撃よりも威力が高め。敵がまとまったときや接近時は光刃、光刃のクールタイム時や敵と距離を離したいときは銃撃やスキルと、使い分けていく感じです。

　小型の敵を浮かしたり、重量級の敵をひるませたりと多彩な用途を持つ“電磁パルス”や、範囲内の敵を停止させる“時間停止”など、特殊な効果を持つ超能力のようなスキルも豊富。浮かした敵には斬撃を浴びせたり、時間停止した敵には銃撃で弱点を狙い撃ったりと、スキルと銃撃or斬撃の組み合わせでコンボをつなげていくのが楽しいです。

　電磁パルスや光刃の効果範囲が広く、おおざっぱに近接戦闘を仕掛けても敵の集団を一掃できるバランス。無敵時間のある回避行動の“閃光”で敵の攻撃をギリギリで回避しつつ反撃していくのは、アクションゲームらしい楽しさがありますね。とにかく全体的に操作性がよく、動かしていて気持ちいい！

SF＋ファンタジーが融合した世界観が魅力的

　エージェントであるシアが、“死者をよみがえらせる遺物”を巡り、テロ組織と対立するシーンから始まる本作のストーリー。物質転送装置で北極の辺境地にある伝説の浮遊大陸に飛ばされたシアは、遺物の影響で復活した太古の生物や死体と戦いながら、脱出の手段を探ります。

　と、上記のような導入からSF的な世界観を想像していましたが、浮遊大陸に移動してからは敵のバリエーションも増え、ファンタジーのような世界観も混ざり始めてなかなか衝撃的。仕掛けのある遺跡や神秘的な建造物もあって、どこか“インディ・ジョーンズ”のような冒険映画にも似た雰囲気を感じさせられました。

　敵のバリエーションの豊富さも魅力の1つ。とくにボス戦は甲冑騎士や異形の怪物といった個性的な敵が出現。盾によるガードをかいくぐって銃撃を当てたり、グラップルで頭上に接近してから頭に斬撃を浴びせたりと、ボス戦では通常の戦闘とはひと味違った戦術が必要になります。

サクッと遊べるライトなFPSを求める人にオススメ！

　ちなみに、2周目以降にスキルを引き継いでのプレイも可能です。周回を重ねることで新たなスキルを習得できるので、同じ敵であっても周回プレイ時は別の戦術を試せるのが楽しいですね。

　あくまで体験版的な位置づけの作品なので、本作のボリュームはやや控え目。とはいえ、自由度が高く爽快感のあるアクションは一見の価値アリです。¥930 (税込)という低価格のおかげで手に取りやすいのも魅力なので、Xbox Series XまたはXbox Series Sを購入したら、ぜひ一度触ってみてください！