甲冑+巨大武器のPS5『Godfall』! 見た目は派手だが中身は正統派ハクスラRPG

電撃オンライン
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 とうとう発売を迎えたPlayStation 5。そのローンチタイトルの1つとして発売されたのが、アクティブゲーミングメディアが運営する“PLAYISM”より、パッケージ版が発売された『Godfall』です。

 獣を模した甲冑に身を包んだ騎士たちが巨大な武器を振り回して戦うトレーラーは見たものの、そのゲーム性についてはピンとこない人もいるのではないでしょうか? 私もその1人でした。

 本記事では、事前プレイをもとに『Godfall』がいったいどのような作品なのかを、ざっくりとお伝えしていこうと思います。

 ちなみに、今後日本語修正パッチが予定されているとのこと。一部表示内容等が変わる可能性がありますのでご注意ください。

戦争に敗れた戦士たちの再戦を描く、ファンタジー作品

『Godfall』の舞台となるのは、多くの戦士たちが2つの勢力に分かれて争った戦争後の世界。ファンタジー色が強い世界観ですが、鎧のすき間から漏れる光や、敵が装備している銃のような武器など、ところどころにSF感も感じさせます。

 もともとは1つの勢力だった人々を策謀によって争わせたのは、マクロスという名の戦士。そして、その戦争で負けはしたものの、生き延びて再起を図る戦士・オリンが物語の中核となる人物です。

  • ▲狼の冑を装備した黒衣の戦士がマクロス、獅子の頭をした白い戦士がオリンです。血のつながりがあるかは不明ですが、2人は兄弟のような間柄のようです。

 オリンを始めとした戦士たちは、動物の姿を模した甲冑“ヴェイラープレート”を着用しており、その素顔は見えません。そのためか本作にはキャラメイクはありませんが、鎧の姿を変えるスキン要素はあるようでした。

 ちなみに、ゲームを進めることで12種類ものヴェイラープレートをアンロックすることができますが、最初はオリンが着用している獅子を模したヴェイラープレートでゲームを進めていくことになります。

  • ▲各ヴェイラープレートは外見のほか、所持しているパッシブ特性や“アルコンの憤怒(自己強化アビリティ)”の効果などが異なります。

 ゲームとしては3人称視点のアクションゲームで、肩越しに前を映すTPSなどと同じ感覚。ミッションに従ってマップを踏破しつつ、迫ってくる敵を斬り捨てて進むハック&スラッシュとなります。

 敵の攻撃がなかなか痛く、ブロック(ガード)やパリィ、回避などを駆使してさばき、適宜反撃していく、昨今ではよく見るタイプのプレイ感なので、ゲーム慣れしている人はなじむのも早いでしょう。

 しかし、本作はいわゆる“死にゲー”のような、プレイヤーの腕に依存するガチガチのアクションではなく、あくまでもアクションRPG。腕前よりも敵が落とす装備品を拾い、ステータスを強化していく成長要素に比重が置かれています。

  • ▲武器は2種類、防具にはさまざまなカテゴリがあり、レア度の等級も。レア装備掘りに夢中になる日々が始まります。

 登場する武器種は全部で5種類。ロングソード、グレートソード、デュアルブレード、ポールアーム、ウォーハンマー……どれも攻撃時のモーションや特殊技などが異なるため、プレイスタイルや敵に合わせた武器選びが楽しめます。

  • ▲武器種は5種類ですが、もちろん見た目が違ったり、同じ武器でも性能が異なったりするので、“より良い武器選び”が捗るのは間違いありません。
  • ▲各武器には2つの“テクニック”が存在。特殊技のようなもので、派手なエフェクトともに専用モーションの攻撃を繰り出します。

 もちろん、装備収集以外にもキャラクターを強化するすべは盛りだくさん。レベルが上昇すると手に入るスキルポイントを割り振ってスキルを習得することで、アクションのアンロックや強化が可能に!

 単純にステータスを強化するものや、特定のアクションの効果を増強するものがあり、何を優先するかでプレイヤーごとの個性が反映されます。最初は四隅のスキルしか習得できず、習得したスキルから線で結ばれたものが解放されていくツリー形式のため、欲しいスキルがある場合は手を付ける場所も悩みどころ。

  • ▲各スキルにはレベルがあるため、手広くスキルを習得していくか、絞ってレベルを上げて行くかは好みが分かれそうです。

 アクションはライトアタック(弱攻撃)ヘビーアタック(強攻撃)、そしてブロックと回避を使い分けていくスタンダードな形式。体力の回復は回数制ですが、敵がまれに落とすHPボールで回復回数を増加することができます。とはいえ、少なくとも初期は3回が上限であったことや、HPボールを落とす確率もそこまで高くなかったこともあり、敵から攻撃を受けない立ち回りや、回復の使いどころはそれなりに重要になりそうです。

 ですがチェックポイントが細かく刻まれており、倒されたときの復活もラクだったので、多少大雑把にプレイしてもゲームを進めることは可能でした。

  • ▲ボス戦で負けてしまっても、敵の体力が減った状態で再挑戦可能。少なくともストーリーを進める程度であれば、アクションゲームが苦手な人でも進めることはできると思います。

 敵の攻撃のほとんどはブロック可能ですが、当然ブロック不可な攻撃も存在します。ちなみに、ボスはブロック不能攻撃とは別に“危険攻撃”というものも使ってくることがあります。危険攻撃はブロックできるものの、大きくよろめいてしまいスキができてしまうという特徴があります。

 もちろん直撃すれば大ダメージを受けてしまうため、回避が基本的な対策になるのですが、危険攻撃はパリィできれば敵を長時間スタンできるというメリットも。安全に回避するか、リターン狙いでパリィに挑戦するかという駆け引きが楽しめます。

  • ▲ブロック不能攻撃や危険攻撃は敵の体が赤や青色に光るため、視認しやすいのは嬉しいですね。

 一方でこちらの攻撃をブロックしてくる敵も存在。ヘビーアタックで敵のHPゲージの下にある“ブリーチバー”を蓄積させることでブロックを崩したりと、敵に合わせた対処が必要になってきます。

 本作ならではの要素として触れておきたいのが、“ソウルシャッター”というシステム。敵にライトアタックで攻撃すると、敵のHP残量の一部が蓄積状態になります。敵のHPに蓄積状態のHPがある状態でヘビーアタックを当てると、本来のヘビーアタックのダメージに加え、それまで蓄積していたダメージを一気に削り取ることができます。簡単に言えば、ヘビーアタックを当てると発動する爆発ダメージを、ライトアタックで蓄積するということ。

  • ▲敵のHPの色が白く囲われている部分が蓄積状態の部分。ヘビーアタックを当てると、この蓄積した部分のダメージを一気に与えられます。

 ヘビーアタックは攻撃スピードが遅いものが多いため、素早い敵を相手にする際には回避が間に合わないことも珍しくありません。そんなときは、ライトアタックで蓄積ダメージを溜めて、スキを見てヘビーアタックで攻撃。ソウルシャッターを発動させて大ダメージを与えるといった立ち回りが可能です。これにより、メリハリのついた戦闘を楽しめるのです。

 スキルの習得を進めることで、さまざまなアクションや戦闘に関する要素が解禁されていきます。例えば、シールドをブーメランのように投げて周囲の敵を攻撃したり、敵の体力を吸収したりと効果はさまざま。単純に戦術の幅が広がるため、ゲームを進めるほど戦闘が楽しくなっていきます。

  • ▲敵がスキをさらした際に弱点が表示されるようになるスキルも。画面中心にある照準を弱点に合わせて攻撃すると、より大きなダメージを与えられるといった効果があります。

 全体的にハードすぎはしないものの敵は程よく手ごわく、だからこそ装備が充実したときの成長を感じられる、ハクスラアクションとしての魅力は充分に感じました。

“自己強化”というハクスラの根源的な魅力を突き進む、いぶし銀な魅力

 もしかしたら本作の絵面を見て、本格的なアクション作品というイメージを持つ人もいるかもしれません。ですが本作の本質は伝統的な……誤解を恐れずに言えば、古風なハクスラRPGというのが個人的な感想です。

 アクション要素は多分に含まれているとはいえ、先に述べたようにプレイヤーの腕前よりも装備とレベルによるキャラクターの成長による影響が大きいです。“困難な敵を実力で降す”という魅力よりも、“自分の考えた最強のキャラクターで無双する”ことを目指す作りになっていると言えるでしょう。

 単純にハクスラアクションとして捉えれば、本作は十分に魅力的な作品だと思います。ボスを倒したときや宝箱からジャラジャラと湧き出るアイテムに対するワクワク感や、装備品の効果を見比べたりスキルポイントの割り振りに悩む時間など、ハクスラとしての基本要素は揃っています。

  • ▲序盤から惜しげもなくレジェンダリーアイテムなどが落ちるのもテンションが上がります。ビジュアルも特別感のあるものが多く、見た目にこだわりたい人も安心!

 ほかにも、ヴェイラープレートに装着できる“オーグメント”というものも。これらはレベルが上がると解放されていくノード(スロット)にアイテムを挿入していく強化要素です。オーグメントには紅、翠、碧の3つのタイプがあり、一致するノードか、どのオーグメントでも挿入できる中立ノードにしか挿入できません。また、オーグメントにはそれぞれコストがあり、オーグメントの総コストを上限内に収めなければいけません。

  • ▲オーグメント機能の解放はやや遅く、レベル10でようやく最初のノードが解放される程度。ゆっくりと揃えていく、後半向けの強化項目になりそうです。

 フィールド上で手に入る素材を使ったキャラクター強化要素などもあり、素材を求めてマップのすみずみまで探索するのもまた楽しいひとときです。こういった収集要素は苦手な人もいるかもしれませんが(苦笑)。ちなみに、素材は新しいヴェイラープレートの解放にも必要なため、序盤から積極的に集めることをオススメします。

  • ▲“精霊の視覚”という能力を使うと、周囲にある素材や重要な場所がハイライトされます。目視だと見逃してしまうようなものを捉えられるので、探索では定期的に使っていきたい機能です。

 ちなみにレベルや解放したスキルなどは、ヴェイラープレートを切り替えても引き継がれるほか、装備もほぼ共有できるので、操作キャラを変えたらイチから育て直し……というストレスもありません。

 まさに“ハック&スラッシュ”の意味する通り、フィールドに降り立って敵を倒し、戦利品で自己強化して再び戦場へ舞い戻るという、戦いの連鎖こそがもっとも楽しいポイント。

 もちろんその中で「うまくパリィを決められて気持ちいい!」とか、「スタイリッシュな戦いかたを目指す!」といったアクション由来の魅力も堪能できます。

  • ▲戦闘演出は全体的に派手め。敵を倒す際のトドメ演出などもあり、戦闘が淡々とすることはありません。

 また、ハクスラと言えばどんどんと上がる難易度と、その攻略に向けた装備品収集と周回が頭に浮かぶ人もいるでしょう。今回のプレイではまだそこまで体験できなかったものの、難易度は各ミッションごとにイージー、ノーマル、ハードが用意されており、難易度が上がるごとに敵が強力になっていきます。逆に報酬はよくなっていくため、装備が整ったら積極的に挑戦していきたいところ。

  • ▲強化項目を見るにハードはかなり手ごわそうな雰囲気。フレンドと協力プレイで挑むのもいいかもしれません。なお本作の協力プレイにはマッチメイク機能はなく、フレンドのみとなっているようです。

 もちろん手放しに褒められることばかりではなく、新規タイトルならではの粗さが目立つ部分も。例えば敵がドロップしたり宝箱から出たアイテムなどを吸い寄せないため、いちいち回収して回らなければいけないのは少しストレスに感じました。

 とくにオブジェクト破壊でもアイテムが落ちることがあるのですが、その際に壊しながら走り抜けてしまうとアイテムを回収しきれておらず、歩みが止まってしまうなど、ゲームのテンポに影響があります。

  • ▲アイテムをまったく吸い寄せないというわけではないものの、かなり近づかないと回収できません。

 固有名詞が多くスキルの説明を読んでも理解しにくかったり、そもそもの文字が小さいといった部分もあり、どの部分を強化すれば何に影響するのかといった部分がわかりにくいのもツライところ。

 ミッション目標のマーカーが、15m付近まで近づくと消失する(正確に言うと消えているわけではなく、とても小さい“点”になる)ため、近くに目標のオブジェクトがあっても、アクセスする場所がわからない、という場面にも遭遇しました。

  • ▲中心付近に白い点が付いているのですが、これが近づいたときの目標マーカー。見つけるのに苦労しました……。

 とはいっても、これらの要素がアップデートで改善される可能性もありますし、今後はさらにプレイしやすくなると思うので、あまり悲観的には見ていません。むしろ、数時間プレイしただけで、装備集めの楽しさを感じ取れたポテンシャルには、個人的に満足しています。

 来年にはエクスパンションの配信が予定されているとのことで、遊びごたえはどんどん増していくはず! ハクスラ好きであれば、PS5の第一歩として『Godfall』の世界に足を踏み出してみてはいかがでしょうか?

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