フルリメイクのPS5版『Demon's Souls』は10年前の経験が生きるほどの完璧な再現

電撃オンライン
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 2009年2月25日にPS3版『Demon's Souls』が発売。それから約10年間、数々の“ソウル”シリーズを生み出してきた原点のタイトルが、この度PlayStation 5でフルリメイク作品として復活! 発売されました!!

 多くのプレイヤーの心を折り、希望をくじいてきた、いわゆる“死んで覚える”を地で行く“死にゲー”というジャンルを築いた金字塔的タイトル。いや、このゲームに限っては、こんな難易度のゲームを作り出した“悪魔”“デーモン”と表現してもよいかも? そのフルリメイクタイトルに触れてみての魅力などをお伝えしようと思います。

原作に対する100%のリスペクトを感じさせる究極のフルリメイク

 まず本作に触れてみて驚くのは10年前の『Demon's Souls』の記憶といっさいの変わりがないこと。PS5ですから当然映像はキレイですし、全体的なグラフィックも驚くほどの質感、表現力になっています。ですが、それ以上に敵の配置や攻撃モーション、行動パターン、背後からの一撃の判定、そしてパリィのタイミングに至るまでPS3版と寸分の変わりがありません。

 これまで自分が経験してきたリメイク作品は、今風にアレンジされて遊びやすくなっているものがほとんどでしたが、PS5版『Demon's Souls』は、以前のプレイ感となんら変わりがありません。ある意味で究極の移植と呼べるタイトルに仕上がっています。その懐かしい操作体験がありながらも、朽ちかけている王城やよどんだ空模様など、細部の表現力のすごさから、むしろ没入感は以前より高まっている嬉しさもありました。

 改めてゲームを振り返ると、本作は騎士と鎧、城と王、ドラゴンとデーモンといった中世ファンタジーをモチーフに独自の架空世界を構築した、いわゆるハイファンタジーと呼べる世界観となっています。そしてスピーディかつ派手なアクションとは正反対の、鎧の重さを感じさせるような重量感ある動きや武器の使い方が特徴的なタイトルです。

 人間らしい地に足のついたアクションの手応えは、デーモンが潜む地を征く1人の戦士という、ロールプレイの体験を強く印象付けるのに役立っています。そういった作り込まれた世界観や操作の感触が、自分と操作キャラを自然と重ねさせ、その世界に入り込んだかのような没入感に浸れる魅力の1つになっています。

 また、生と死を感じさせるようなゲームバランスもポイント。どれだけレベルを上げても、強力な武器や防具を携えても、一瞬の油断と判断ミスが致命傷となり得る……。しかし、死んだことが“見えない経験値”となってプレイヤーの腕に反映されていく。失うものがないときは命が軽く思えるほど歩みを進められるが、いざレベルアップやアイテムの売買に必要なソウルを大量に抱えていると、急に死ぬことが惜しくなる。そんな緊張と緩和のバランスも本作ならではの面白さだと感じています。

 高難易度と評され、敵が強い、エリアの過酷さという難しさが実際にあるものの「がんばれば行けそうだな?」と思わせてくれたり、“観察をしていればどこかに抜け道がある”“ラクなポイントが用意されている”といった攻略のしがいもあわせ持っています。困難を乗り越えたあとに得る達成感や快感は、PS5になっても健在! “ソウル”シリーズにおける“経験”はどんな武器や術よりもたしかなものだと思います。

 完全、完璧なリメイクだけでなく、新要素も多々ありました。ゲームを始める際に行うキャラクターメイキングは、以前よりも表現力が増し、項目も大幅に増加! プリセットの数だけでもさまざまなタイプが用意されています。キャラクターのアニメーションも変更でき、基本的な要素こそ変わっていませんが、細かな部分に調整がほどこされていました。

 また新しいアイテムや装備品も追加されており、装備を集める楽しさやプレイの幅も広がっています。さらにフォトモードも用意! 起動するとゲーム内の時間が停止するので、見栄えのある瞬間をおさめられます。もともと装飾の細かいゲームだったので、武器や防具のディテールをより間近で見られるのは非常に嬉しいこと。細かなところでは返り血の表現もいいなと思いました。ちゃんと雨などで血が流れたり、飛び散り方もリアル!

 個人的に一番嬉しかったのは、所持重量を超えるアイテムを取得する際、倉庫に送れるようになったこと。PS3版では、所持重量以上のアイテムは取得できず、その場に捨てておく形になっており、ロードを挟むとアイテムが消えてしまう事故のようなものがありました。今作では重量を超えるアイテムは元の位置に戻されるか、楔の神殿の倉庫に送れるようになっています。不便さが消えているのは素晴らしい判断! そのほかにもヘルプメニューで各種システムを動画付きで見られますし、冒頭には世界設定を説明する映像も挿入されていました。

 原点のよさをそのままに、さまざまな要素の追加、遊びやすさの改善と、今回のフルリメイクを期に『Demon's Souls』を初めて触れる人には“ソウル”シリーズの発端となったタイトルの魅力を十二分に感じてもらえるでしょうし、すでにプレイしてる方でも、懐かしい操作感と機能の改善、そして変わらない難易度で楽しめること間違いありません。

コントローラーから感じる金属の躍動、気配の察知

 PS5のコントローラーの表現力には驚きました。剣が敵に命中するとコントローラーが振動します。これまでの振動は“震える”が適切だったと思うのですが、PS5では金属がかち合ったときのような“痺れ”をコントローラーが表現してくれています。しかも右手の武器が命中すれば右側が、左手の盾で防げば左側が! 非常に繊細な表現を堪能できます。

 このハプティックフィードバックという機能はものすごく、敵がこちらを察知した瞬間や鼓動が聞こえる演出の際にも、攻撃の際とはまったく違う微振動が手に伝わってきます。とくに松脂で武器を燃やしたとき。炎のゆらめき、熱を感じるようなじりじりとした非常に細かい振動が伝わってきます。この臨場感は、さすがPS5だといえるすごさでした。

 この演出の細かさは徹底していて、攻撃が空振りしたら振動しません。敵か壁に攻撃が命中したときだけ特有の振動を返してくれます。また松脂で燃えている演出と、魔術を展開中の振動も微妙に違います。炎は下から上に微振動し、水のヴェールという魔術は上から下へと振動が伝わってきます。

 コントローラーの振動というささいなことかもしれませんが、そこから感じる臨場感の差には驚きました。ある意味、さびれているボーレタリア王城やよどんだ空、静けさの増した嵐の祭祀場以上に、振動の演出は新しい『Demon's Souls』の体験になってくると思います。

 一部変更された武器や防具のデザイン、×と○の操作の違いなどもありますが、ここまでキレイに、かつ本家のよさを100%残したままでフルリメイクされたタイトルは早々ないでしょう。10年前に何度も遊んだ『Demon's Souls』のリメイクで、ここまで素直にすごさを実感できたのですから、過去に私と同じく“ソウル”シリーズに魅了された人たちも、新しい発見と驚きが必ず待っているでしょう。

 “ソウル”シリーズ経験者だけど、まだ『Demon's Souls』だけは触れていない人、そして興味あるけどまだプレイしていなかった人は、この機会にプレイすることをオススメします。そして経験者の方、ぜひまた、あなたの中のデーモンに触れてみてください。

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