『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』先行レビュー。より深化したダンジョンRPGの深淵に迫る!
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- アツゴロウ
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日本一ソフトウェアから11月26日に発売されるPS4/PS Vita用ソフト『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』。本作をひと足早くプレイした担当ライターのレビューを、ネタバレなしでお届けします。
本作は、日本一ソフトウェアの名作ダンジョンRPG『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』のシステムやバトルを踏襲した完全新作。魔女に魂を吹き込まれた人形兵の旅団を編成し、広大なダンジョンの探索や手強い魔獣相手のターン制バトルが楽しめるのはもちろん、多彩な新要素も追加されています。
また、ディレクター兼シナリオを泉達也氏、キャラクターデザインを原田たけひと氏、音楽を佐藤天平氏が手がけるなど、『ルフラン』のメインスタッフが再集結。この陣容で作られる『ガレリア』は、『ルフラン』にドハマりした自分のようなファンにとって待望の新作にほかなりません!
本記事では、そんな本作のプレイレビューをお届け。新要素を含むシステム全般はもちろん、ゲームの概要についても語っていくので、ファンのみならず『ルフラン』未プレイという人もぜひ読んでみてください。
楽しくも奥深い魔女の旅団作り
まずは本作の流れについてですが、基本的には拠点での準備とダンジョン探索を繰り返していきます。ダンジョン探索で何らかの条件を満たすと、拠点で‟魔女報告”が可能に。これを選ぶことでイベントが発生し、ストーリーが進行していくわけです。
拠点では人形兵の作成やアイテムの購入など、戦力強化のためのさまざまなことができます。このなかでもとくに重要で、なおかつ楽しいのはやはり人形兵の作成ですね。何せ、人形兵のファセット(職業のようなもの)や外見、戦闘能力に関係する性格や成長タイプなどはもちろん、好きなものやフレーバーテキストまで自由に設定できるのですから。
この仕様は『ルフラン』からありましたが、条件を満たさなければ解放されなかった新ビジュアルが本作では最初から解放されているなど、人形兵作成がしやすい環境が整っています。設定を凝るのが好きな人は、細部までこだわった人形兵を作成して旅団に加えましょう!
人形兵がそろったら次は旅団を編成。その際は、プレイ中に手に入る結魂書のスロットに人形兵をセットすることで、1つのカヴンとして行動させられます。結魂書は探索などで新しいものを入手できますが、その種類はじつにさまざま。結魂書ごとにスロットの数や使えるドナム(DPを消費して放つ魔法や特技)は違ってくるし、スロットの配置場所に応じた特殊効果まであります。
この結魂書選びと人形兵の配置がまさに編成の要。適切な編成を組めばそれだけ戦闘がラクになるので、プレイヤーの腕の見せどころといえるでしょう。
ダンジョン探索のカギを握る‟降霊灯スキル”
編成を終えたらいよいよダンジョン探索。基本的には3Dのダンジョン内を移動して自動マッピングを行いつつ、目的地への移動や宝探しをすることになります。ですが、周囲には危険な魔獣が徘徊しているだけでなく、落とし穴や毒沼、水路などのさまざまなギミックが存在し、プレイヤーの行く手を阻みます。
こういった障害を乗り越えるには、‟魔女嘆願”で覚えられる‟降霊灯スキル”の出番。習得後は壁を壊して道を作ったり、長距離ジャンプで遠くの足場に移動したりと、場所に応じたアクションが使えるようになります。これらを駆使することで探索範囲が広がるわけです。
‟降霊灯スキル”で障害を取り除き、これまで行けなかった場所を探索できるようになるのはそれだけで爽快。ダンジョン探索を際限なく続けたくなっちゃいますよ!
新規の‟降霊灯スキル”には敵の進行を阻止する‟シール”や、好きな場所にメモを残して探索に役立てる‟任意メモ”などいろいろありますが、とくにオススメなのが‟フロアポータル”です。
これは、同じ階層に2つのポータルを設置することで、ポータル間の移動ができるようになるというスグレモノ。1つを入口に設置したまま探索を進め、敵に囲まれたときなどにもう1つを設置すれば緊急脱出口に。上の階への階段と下の階への階段の前に設置すれば、階層のショートカットに使えます。探索がグッとラクになるので、習得したらぜひ使ってみてください。
また‟降霊灯スキル”の使用にはリインフォースというポイントを使用しますが、探索中のメイン画面でR1ボタン→人形兵を選んで〇ボタンを押すと、リインフォースを消費して人形兵のHP回復が可能に。これも本作からの新要素で、回復アイテムが少ないときなどに重宝します。
カヴンバトルはオーソドックスに見えて戦術性高し!
バトルでは、最大5つのカヴンに攻撃や防御の指示を出して敵と戦います。前衛と後衛の概念と陣形、装備武器の特徴、攻撃属性といった要素もあり。そこに本作からの新要素も加わり、戦術性は飛躍的にアップしたといえるでしょう。
バトルにおける新要素でとくに有用なのものは3つあります。1つは秘紋解放。これは結魂書ごとに設定された特殊コマンドで、戦闘中にたまる‟解放ゲージ”が最大になると発動可能に。効果は広範囲攻撃や防壁の展開、味方のステータス強化などさまざまなものがあります。効果はどれも高めで、まさにバトルの切り札的存在!
新要素の2つめはタクティカルフォースとヘイストフォース。これらはリインフォースを戦闘中に消費することで発動するものです。2つは同時使用が不可ですが、そのぶんかなり有用。
まずタクティカルフォースは、10ターンの間だけ敵の行動を事前に知ることができるというもの。その際は、自軍の誰が敵の攻撃対象になっているかも表示されます。そのため、狙われているカヴンは防御を固め、それ以外は攻撃に専念するなど、ベストな行動選択が可能に。さらに、発動中は人形兵がスタンしにくくなるというメリットまであります。
ヘイストフォースを発動すると、自軍の行動速度、命中率、回避率が大幅にアップ。行動が速い敵と戦うときや、速攻でケリをつけたいときにピッタリです。ただし、攻撃されるとスタンしやすいというデメリットもあり。
リインフォースを戦闘中に使う行動としては、攻撃力を強化するアタックフォース、防御力を強化するディフェンスフォースが『ルフラン』のときからあり、もちろん本作でも使用できます。この2つはタクティカルフォースやヘイストフォースとの併用も可能。バトルではリインフォースをどれにつぎ込むかが勝利のカギとなるでしょう。
新要素の3つめはミラマキーナ。これは、特定のドナムで召喚できる傀儡兵のことです。ミラマキーナはカヴンを対象に召喚し、指定したカヴンの盾となりつつ味方の補助やオトリ役をしてくれます。敵の攻撃を受けたり、一定ターン経過でミラマキーナは消滅してしまいますが、いてくれる間は確実に戦力がアップ。小さい姿ながら非常に頼れる存在です。
日本一ソフトウェアタイトルならではのやり込み要素も充実
ダンジョン探索やバトルのおもしろさに加えて、やり込み要素まで充実しているのも本作の大きな魅力。前述したとおり人形兵の育成やカスタマイズにはトコトンこだわれますし、それ以外にも装備の収集や強化など、さまざまなやり込みプレイが楽しめます。以下では主なやり込み要素について説明しましょう。
まずはアイテム収集について。アイテムはダンジョン探索や戦闘に勝利することで手に入ります。アイテムには戦闘に役立つ装備品はもちろん、分解することで人形兵作成に必要な‟魂の小瓶”が手に入るアーティファクト、換金用アイテム、消費アイテムなどさまざまなものがあります。
なかでもとくに集めたいのは装備品ですね。いい装備があれば、それだけ戦闘もラクになりますし。また装備にはCOMMON<RARE<EPIC<LEGENDARYというレアリティがあり、これが高いほど性能もアップ。
また装備品は、拠点メニューの‟錬金釜”で強化することも可能。強化にはほかの装備や触媒アイテムなどが必要となりますが、使ったぶんの効果は十分得られます。
新規のやり込み要素としては、敵魔獣のデータが確認できる‟ガレリア図録”があります。図録の内容は魔獣を倒したり、その行動をラーニングすることでデータが充実。撃破時の戦利品なども掲載されるので、アイテム収集にも非常に役立ちます。
ほかには、ダンジョン探索の進行度を示す指標として‟踏破ポイント”が新登場しました。ポイントはダンジョンから拠点に戻ったとき、探索具合に応じて加算。これが一定値を超えると報酬アイテムが獲得できるので、探索のしがいがあるってものです。
『ルフラン』を知らない人にもオススメできる珠玉のダンジョンRPG
本作の総評としては、『ルフラン』のシステムをしっかりと継承しながら、探索やバトルで取りうる選択肢が増えており、ダンジョンRPGとしての完成度はかなり高まったという印象。『ルフラン』をプレイ済みの人はもちろん、ダンジョンRPGが好きな人ならバッチリ楽しめるタイトルだと思います。
難易度はやや高めに感じることもありましたが、それを乗り越えたときの達成感はかなりのものがありましたし、‟魔女嘆願”で難易度を下げればより快適にプレイすることも可能。もちろん高難易度にしたり、もとの難易度に戻すこともできるので、プレイヤーのスタンスに合わせて調整すればいいかと。
あとはストーリーについても語りたいところですが、『ルフラン』と同じくストーリーが大きなウリとなっているタイトルですし、そちらはプレイしてからのお楽しみということで。ただ、シナリオ担当の泉氏独特の言い回しはもちろん、心の芯に迫ってくるようなストーリー展開が健在なことだけは伝えておきます。
個人的にですが泉氏の描く世界観やシナリオは大好物で、もっと評価されていいと思っているもので、興味が沸いた人には本作をぜひプレイしてもらいたいところです。また、本作のプレイに役立つ攻略記事も近々アップされますので、よければそちらもチェックしてみてください。
(C)2020 Nippon Ichi Software, Inc.
※画像はすべてPS4版のものです。
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ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団
- メーカー: 日本一ソフトウェア
- 対応機種: PS4
- ジャンル: RPG
- 発売日: 2020年11月26日
- 希望小売価格: 7,200円+税
ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団
- メーカー: 日本一ソフトウェア
- 対応機種: PS Vita
- ジャンル: RPG
- 発売日: 2020年11月26日
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- 発売日: 2020年11月26日
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- 対応機種: PS4
- ジャンル: RPG
- 発売日: 2020年11月26日
- 希望小売価格: 9,200円+税
ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団(限定版)
- メーカー: 日本一ソフトウェア
- 対応機種: PS Vita
- ジャンル: RPG
- 発売日: 2020年11月26日
- 希望小売価格: 8,200円+税