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『桃鉄』最新作プレイレポート! 定番のおもしろさと時代に合わせた新要素が融合

梅津爆発
公開日時

 コナミデジタルエンタテインメントから11月19日に発売予定のSwitch用ソフト『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』のプレイレポートをお届けします。

 シリーズ1作目が昭和63年に発売され、30年以上にわたり日本の定番すごろくテレビゲームとして愛されてきた『桃太郎電鉄(桃鉄)』。その最新作が11月19日にSwitch用ソフトとしていよいよ発売されます!

 この記事では『桃鉄』を長年プレイしてきたライターによるプレイレポートをお届けします。

ルールがシンプルだから誰と遊んでも盛り上がれる!

 ご存じの方も多いとは思いますが、念のため『桃鉄』の基本ルールを説明しましょう。本作はサイコロを降って出た目の数だけ進み、止まったマスによってさまざまな出来事が発生する、日本列島が舞台のすごろくゲームです。

 東京駅からスタートし、ランダムに決まる目的地へ最初に到着すると多額の援助金がもらえます。そのお金で物件を買って資産を増やしたり、カードを買ってゲームを有利に進めたりしながら次の目的地へ。



 誰かが目的地へ到着すると、一番離れているプレイヤーにはお邪魔キャラの貧乏神がついてしまいます。貧乏神は毎回さまざまな悪行でプレイヤーを邪魔します。その悪行から逃れるには、別のプレイヤーと同じマスに入るか通過して貧乏神をなすりつけないといけません。


 貧乏神はたまに変身することがあり、さらに凶悪な悪行を行うキングボンビーや、周囲のプレイヤーも巻き込んで物件を吹き飛ばすキングボンビーJr.ことポコンになることも。


 1位のプレイヤーを最下位に落とすことも珍しくない凶悪なキングボンビーから、いかに逃れて資産を増やしていくのかが『桃鉄』の醍醐味だと思います。



 貧乏神以外にもさまざまなイベントが発生し、最下位には逆転のチャンスを、1位には転落の緊張感をつねに与え続けます。そして最終的に、指定年数終了時点で1位だったプレイヤーが勝者となります。

 このように基本的にはサイコロを振って目的地へ進むのがメインのゲームなので、普段ゲームに慣れていない人でも問題なく遊べるようになっています。

 かといって簡単なゲームではありません。100種類以上のさまざまな効果を持つカードをどのタイミングで使うのか? どのようなルートで目的地を目指すのか? 手に入れたお金を何に使うのか? など、プレイヤーの実力がモノをいう場面はいっぱいあります。

 “初心者でも遊べるけど、遊ぶほどに腕が磨かれて上達を感じる”だから長年遊び続けても飽きないのではないでしょうか。

オンライン要素の充実で気軽に対戦できる!

 本作では最大4人のプレイヤーによるオンライン対戦が行えます。実はオンライン対戦ができる『桃鉄』は久しぶりなのでこれはうれしいですね。



 オンライン対戦中はスタンプを貼ってコミュニケーションできます。スタンプには収集要素もあるようで、スタンプを使えるオンライン対戦かローカル通信対戦を遊ぶと集めることが可能です。セーブも可能なので友だち4人での100年プレイも最後まで遊べそうですね!

 逆に年数を決めずに制限時間を決め、終了時点での総資産で順位を決める“終了タイマー”というシステムもあるので、状況に合わせて最適なルールを決められます。


 1人専用モードの“桃鉄10年トライアル!”では、比較的手強いCOMの妖鬼妃とエンマを交えた3人対戦を10年間行い、最終的な総資産をオンラインに登録して全プレイヤーで順位を競うモードです。月間ランキングと歴代ランキングがあります。自分の運とテクニックを駆使して全国1位を目指しましょう!



 さらに“桃鉄10年トライアル!”を遊んで総資産が一定値を超えるなどの条件を満たすと、名乗れる役職が増えていきます。レアな役職を手に入れるために頑張りたくなりますね! ちなみに私の初回プレイ時の結果は写真のとおりで何とか100億は超えられました。

新ゲストボンビーが大逆転劇を演出する!?

 貧乏神が変身する時、キングボンビーではなくゲストボンビーに変身することも。シリーズごとに異なるゲストボンビーが登場してファンを楽しませています。今回のゲストボンビーを紹介しましょう。


 キングボンビーの息子であるポコンは、ハリケーンの舞でとりついたプレイヤーの物件を吹き飛ばします。さらに周囲にいる他のプレイヤーの物件まで吹き飛ばすので、ポコンがいる時は普段よりもっと遠くへ逃げたほうが安全です。ファンにはおなじみのハリケーン効果ですね!



 “貧”の文字があしらわれたマスクが特徴のビッグボンビーは、借金を背負っている時のみ登場します。毎ターンごとにサイコロを振り、出た目の数だけ借金を倍増させます。現在の借金が最大で6倍になり、それが数ターン続くのであっという間に借金が膨れ上がるのです!

 ビッグボンビーは一定ターンが経過するか、借金がなくなると貧乏神に戻ります。



 インパクト抜群の悪行ですが、実はそれほど怖い悪行ではありません。なぜなら『桃鉄』には借金を0にする方法が非常に多く存在するためです。全国にあるほとんどのカード売り場駅では借金を0にする“徳政令カード”が0円で売っています(しかも今回から使用後は確実にもう一度行動可能に)。

 新要素のヘリポート駅(ランダムで4つ表示される別のヘリポート駅から1つを選んで飛べる)に止まると、借金が必ず0になるわけではないのですが、低確率で借金が0に。さらに目的地1番乗りや公的資金注入イベント、記念仙人などさまざまなタイミングで借金が0になるため、借金を背負っている側にすれば100億でも10兆でも返済する時は一瞬なのです。

 むしろ借金額が増えることで恐怖を覚えるのは他のプレイヤーです。本作にはさまざまな効果のカードがあり、その中には全員の持ち金を平均して同じ額にする“たいらのまさカード”や、マイナス金額を他のプレイヤーに払ってもらえる新カード“連帯保証人カード”などがあるため、膨れ上がった借金は凶悪な武器と化します!

 これを防ぐため、他のプレイヤーがあえて“徳政令カード”を使ってビッグボンビーがついているプレイヤーの借金を0にしてあげるなんてテクニックもあるかもしれません。



 デストロイ号はとりついたプレイヤーと一緒に移動する恐怖の特別列車。サイコロを振って出た目の数だけ縦横無尽に動き回り、通り道付近の駅にある物件を破壊します。そのため、物件を多く持っている上位プレイヤーほど大きな被害を受けやすいです。ポコンのハリケーンなら離れていれば被害を受けませんが、こちらは回避方法がないため上位プレイヤーの頭を悩ませる存在になるでしょう。

 以上3体のゲストボンビーをうまく利用すれば、下位プレイヤーが上位プレイヤーに大損害を与えることもできそうです。これまで以上に順位の入れ替わりが激しくなるかもしれません。

新要素も盛りだくさん! 令和ならではの出来事も!

 基本的なルールは30年以上ほとんど変化していない『桃鉄』ですが、カードやイベント、路線図などは毎回少しずつ変化していて、実際の出来事をモチーフにしたイベントやカードが登場することもあります。



 2020年に開業した高輪ゲートウェイ駅は、ゲームをスタートしてある程度進めると品川駅の隣にカード売り場駅として登場します。最初のラインナップは少ないですが、なかなかレアなカードを売っていました。ロイヤルEXカードは、使い切るまでサイコロを6個振れる新カードです。さらに年数経過によって新商品がどんどん追加されていきます。



 最近の『桃鉄』では、特定の物件駅を独占(1人で駅にあるすべての物件を購入)すると歴史ヒーローという強力な仲間が増えます。そして本作では2024年度上半期に発行予定の新1万円札の肖像に選ばれた渋沢栄一が歴史ヒーローとして初登場しました。渋沢栄一にゆかりのある深谷駅を独占すると仲間になり、臨時収入を発生させてくれます。なお本作では総勢32名の歴史ヒーローが登場するようです。全員仲間にしたくなりますね。


 福井県の東尋坊や広島県の生口島など、新たな物件駅が追加されて総数は339駅に。物件数は2201件となりどちらもシリーズ最多です。特に生口島の追加で広島県側からも四国へ渡れるようになったので、中国・四国地方はだいぶ移動しやすくなりました。



 他にも、選ばれると一定期間臨時収入が発生する“ラーメン日本一”や、日本全国を動き回るレインボー新幹線と同じマスに止まることで超・絶好調になるなど、数回のプレイでは全部見られないほど、さまざまなイベントが発生してゲームを盛り上げます。

みんなで遊ぶのはもちろん、1人で遊ぶのも楽しい!

 さきほど“オンライン要素の充実で気軽に対戦できるようになった”と書きましたが、対人戦が苦手な人もいると思います。でもご安心を。『桃鉄』は1人で遊んでも楽しいのです(断言)!

 1人プレイの大きなメリットはじっくり考えながらプレイしても誰にも迷惑をかけないところ。どのカードを使うのか、どのマスに進むのかなどをしっかり考えてプレイすれば、最強のCOMであるさくま鉄人にも勝つことができます。

 またオンライン対戦時にセーブを利用しても、4人プレイで最長の100年遊ぶのはなかなか難しいと思います。しかし1人プレイなら自分のペースで100年最後まで遊び通せます。『桃鉄』ではさまざまなイベントが発生しますが、ある程度の年数をプレイしないと発生しないイベントもあるので、『桃鉄』を遊び尽くしたいなら100年プレイは必須と言っても過言ではありません。


 さらにゲーム中立ち寄った県庁所在地や手に入れたカードのリストなども記録されるため、これらを埋めていくのも1人プレイでの目標になります。

 オンライン対戦でフレンドと対戦してもよし、1人プレイで遊び尽くしてもよし、さまざまな楽しみ方がある最新作『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』は11月19日発売です! 運と実力のバランスが絶妙で、長年遊んだ経験者と初プレイの初心者が一緒に楽しく遊べるゲームはなかなかありません。ぜひ遊んでみてください。

©さくまあきら ©Konami Digital Entertainment

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桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~

  • メーカー:KONAMI
  • 対応機種:Switch
  • ジャンル:ボードゲーム
  • 発売日:11月19日
  • 価格:6,300円(税抜)

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