『偽りの黒真珠』名作推理ADVのオマージュや2時間サスペンスドラマのお約束にニヤリ【ADVレビュー】
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PS4/Nintendo Switchで配信中のアドベンチャーゲーム『伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠(以下、偽りの黒真珠)』のレビューをお届けします。
『偽りの黒真珠』は、伊勢志摩を舞台としたレトロゲーム風のミステリーアドベンチャーゲームです。キャラクターデザインに漫画家の荒井清和さんを起用しており、ゲームシステムはコマンド選択式を採用。プレイヤーは、後輩刑事のケンと現場検証や聞き込みといった捜査を行いながら、事件の解決に挑みます。
今年1月のNintendo Switch版の配信以来、アドベンチャーゲーム好きのユーザーから高い評価を得ている本作の魅力を、電撃オンラインのアドベンチャーゲーム好きのまり蔵&kbjが座談会形式でご紹介します!
【プロローグ】
東京は上野の公園にて、変死体が発見される。被害者は、その公園を徘徊していた浮浪者。
主人公であるプレイヤー(刑事)とその後輩、開明寺ケンは捜査を進めるうちに「浜○真珠(○はかすれて読めない)」と書かれた巾着袋を発見する。
それが伊勢地方で作られたものだと判明し、スマートフォンで検索すると3つの“浜○真珠”が該当。主人公たちは、早速伊勢志摩へと向かうのだった……。
名作ADVのオマージュ要素にニヤリ
最近はドラマ『あなたの番です』を毎週ドキドキしながら見ている、電撃オンラインの推理ADV好き・まり蔵です。
『刑事』ドラマは、あぶなかったり、はぐれたり、さすらったりするのが好きなkbjです。東京駅を見ると今でも『さすらい刑事』のオープニングを思い出すね。
またのっけから懐かしい話を……。
いきなり呼び出されましたが、今日はなんなんですか?
ちょっとオススメしたいアドベンチャーゲームがありまして!
なるほど。んで、なんのタイトル?
今年1月にNintendo Switchで配信が始まって、6月にPS4版がリリースされた『伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠』です!
あー、あれか。おもしろいよね。
えっ、知ってたの?
知ってるよ! Nintendo Switch版のレビュー記事は俺が担当編集だったし、プレイしたし!
えっ、じゃあ私より詳しいじゃん。なんだ、渾身のプレゼンをしようと思っていたのに。
そもそもなんで『偽りの黒真珠』をプレイしようと思ったの?
荒井清和先生キャラデザのレトロゲー風推理アドベンチャーだったからですね。プレイする前から、「これもう間違いないでしょ!」って。
プレイしてみてどうだった?
期待通りでした。世界観も、ストーリーも、グラフィックも、音楽も。昔のアドベンチャーゲームのオマージュ要素が多かったのも楽しめた一因ですね。
プレイヤーが刑事で、相棒の後輩(ケン)と捜査を進めるって形式が、まずグッとくるよね。
そうそう。まあ、最初にメインビジュアルを見た時、ケンが主人公だと思ってたんですけどね。プレイを始めて、「お前、相棒だったんか!」って。
うぉい! ウチのレビュー記事をちゃんと読めよ!!!!
プレイ前になるべく情報を入れたくなかったんだもん……。
オマージュといえば、唐突に現れた3Dダンジョンにテンション上がったわー。
わかるー! 久しぶりに方眼紙に手書きでマップ書いちゃった。
書いたのかよ! 方眼紙ってところに往年のアドベンチャー好きのこだわりを感じるな。
私は、某キャラの家に行った時、“しらべる”コマンドの中に“でんきメーター”があってテンション上がりましたね。
俺は“よぶ”コマンドを選んで、ケンに「もう前にいますよ」って言われた時にニヤニヤしちゃったなぁ。
お互い、細かすぎて伝わらない推理アドベンチャーゲームみたいになってるな……。
とにかく伊勢のご飯が美味しそう!?
レトロゲーオマージュの他にも、“2時間サスペンスドラマ”的な要素も結構あったね。
お風呂シーンとかね。“湯けむりサスペンス”的なキャッチフレーズが脳内をよぎったわー。
そんなゲームあったな(笑)。自分も地方の観光地に行く流れが2時間ドラマ風だなって思った。
伊勢ね! このゲームプレイして、伊勢にめっちゃ行きたくなった! PS4版は、トロフィーに“そうだ!伊勢に行こう!”っていうのがあって、まさにその通りだなと(笑)。
ずいぶん威勢(いせい)がいいですね。
……食べ物の説明がとにかく秀逸なんだよね。伊勢うどんとかてごねずしとか。伊勢神宮周辺のグルメを網羅しすぎ。
あと“いざかやオザキ”ね。あそこでお刺身とか食べてみたい!
私は、釜飯やサメのひものやアワビのステーキが食べたくなったよ!
食べたいものが多すぎ。あそこでさ、プレイヤーとケンがその日の捜査を振り返っている時、ルポライターの西沢さんと鉢合わせするところも2時間ドラマっぽいんだよなー。
登場人物みんな怪しいところとかも2時間ドラマっぽいよね。お約束が多くてニヤニヤしちゃう。
黒真珠をめぐるストーリーは一見地味なんだけど、すごく練られている印象でした。
いろいろなキャラの思惑や過去が絡み合って、それが新たな事件を呼び起こしてって流れが、なんとも仄暗くてよかったよね~。ストーリーは本当におもしろかった!
個人的に、聞き込みのシーンが好きなんだよね。伊勢に行っていろいろな地元の人と会話して、その中で「その人、最近見てないよ」とかさりげなく捜査に必要な情報を得ていく過程が。
なかなかマニアックなシーンを好みますね。
そういう刑事ドラマっぽいのが好きなんだよ! いいだろ! そういうまり蔵の好きなシーンはどこなんだよ!
この作品のテーマの1つが“親子”だと思うんですよ。その中でも●●と■■の関係がすごく好きなんですけど。
え、いきなりのネタバレ? ここの会話、伏字じゃない?
■■が●●のこと大好きじゃないですか。それで、●●の▲▲を○んで××するじゃん。あそこのシーンが泣けて泣けて……。
なるほど! わかるけど、記事で使える内容にしてくれ!!
ネタバレに配慮して伏字にしておきます。読後の余韻も含めて素晴らしい物語ですので、ぜひ皆さん読んでください。
古きよき名作推理ADVの新作を今プレイできる幸せ
トロフィーはPS4版ならではの要素なんだけど、ちょっと変わったのが多かったね。“こけしカットの人”とか。そういう遊び心があるところもいい。
トロフィーといえば、ゲーム内ミニゲームの『忍者カイ』のトロフィーって取れました? 1,500mで開放されるけど、私700mまでが限界で……!
オレも700mくらいしかいけてないな。あのミニゲームの難易度、高いんだよなあ。そこもレトロゲーっぽいけど(笑)。
一発勝負なのもすごいよね。コンティニューできない! このミニゲームをクリアするまで、私の『偽りの黒真珠』は終わりませんよ……。
開発の関さんに『忍者カイ』の攻略法をこっそり聞いたので、ここに記します。詰まっている人はぜひ参考にしてください!
●開発者に聞く、『忍者カイ』の攻略ポイント!
攻略のカギは“運”です。運が悪いと雲が途切れます。確信をついた本気の冗談はさておき、具体的な情報としては、敵忍者は1画面に1体ということを知れば、気持ち的に少し楽になるかもしれません。
今、続編のクラウドファンディングをやっていますけど、続き楽しみだよね~。舞台が東北ってところまでは決まってるんだっけ。
そうだね。個人的には宮城か青森という気がするけど、岩手もいいなあ。
温泉地もいいよね。まあ、続編に思いを馳せる前に、まずは本作を堪能していただきたいですね。
個人的には、値段以上の魅力があるタイトルだと思う。こだわりゆえにテキストスキップができなかったり、多少フラグ立てが難しいところがあったりするけど、そういうところも含めて楽しめると思うんだよね。
昔のゲームはスキップなんてなかったもんね。
“古臭い”ではなくて、“古きよき”タイトルだと!
現在、Nintendo Switch版とPS4版が配信中で、7月23日にSteam版もリリースされる予定。たった1,000円で名作推理ゲームが体験できますので、ミステリーアドベンチャー好きな方はぜひ~!
Illustrated by Kiyokazu Arai
©Happymeal Inc.
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伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠
- メーカー:フライハイワークス
- 開発:ハッピーミール
- 対応機種:Steam
- ジャンル:ADV
- 配信日:2019年7月23日予定
- 価格:1,000円(税込)
伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠
- メーカー:フライハイワークス
- 開発:ハッピーミール
- 対応機種:PS4
- ジャンル:ADV
- 配信日:2019年6月20日
- 価格:1,000円(税込)
伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠
- メーカー:フライハイワークス
- 開発:ハッピーミール
- 対応機種:Switch
- ジャンル:ADV
- 配信日:2019年1月24日
- 価格:1,000円(税込)