『三國志14 with パワーアップキット』発売直前! 越後谷Pインタビューで拡張の意図などが明らかに

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 コーエーテクモゲームスから12月10日にPC、PS4、Switchで発売の『三國志14 with パワーアップキット(以下、PK)』。異民族や交易、地の利など、本作はさまざまな要素で拡張されている。

 発売時から高い評価を得てきた『三國志14』が、本作でどう進化したのか。どう遊びが変わったのか。「『パワーアップキット』を出すなら、エキスパンション的な内容にしたい」とこれまで語ってこられた本作のプロデューサー越後谷和広氏に、改めて本作の魅力をお聞きしてみた!

  • ▲越後谷和広プロデューサー。好きな武将は張飛。公式生放送によると、武力は高いが政治力は低いようだ。

拡張と進化としての『パワーアップキット』

――ついに『14PK』発売となりますが、発売前の今の気持ちはどうでしょうか。

 発売前の気持ちで言うと、『三國志14』のときのほうが緊張しましたね(笑)。今の我々としては、自信を持って落ち着いた気持ちで発売を迎えるところです。

 と言うのも、『14』は評判のよかった『Ⅸ』や『11』の流れを汲む作品で、社内の反応でも手ごたえはあったんですが、でもやっぱりそれがユーザーのみなさんにどう受け止められるか不安でした。幸いにも『14』はご好評いただき、それもあって今回『PK』を出せることになりました。『PK』では『14』の面白かった部分を正統にパワーアップさせており、買ったユーザーの方には必ず満足していただけるだろうと思っています。

――正統な進化と言いますと?

 今回の『PK』制作に当たってのテーマはエキスパンション(=拡張)ではあるんですが、それとは別に裏テーマと言うか……良いところは変えないでおこう、というのは意識していました。

 例えば『PK』でさらに面白くなったと言われる『13』は、当初の賛否両論を覆そうと根底からシステムを覆すような大規模な改修だったんですよね。その苦労が実って同作の『PK』は評価されています。今回の『14』とはそれとは逆に、すでにいい評価を受けていると判断して、良いところのバランスは絶対に崩さない、それでいて拡張できるところは拡張しようと考えました。『11』以前の『PK』の立ち位置に戻ったと言いましょうか。

――拡張部分の最も大きなポイントは?

 異民族ですね。これは地図そのものの拡張でもあり、地の利とともに遊びの拡張でもあると思っています。烏桓や南蛮は三国志の歴史を語るうえで欠かせないファクターであるとともに、いわゆる中華の外の存在なんですよね。なので今回、拡張要素として真っ先に入れた要素です。

 『三国志演義』ではほとんど語られていませんが、例えば呉にとっての山越は最も邪魔な存在であったはずです。逆に西涼の馬一族にとって羌族との関係は重要なものでした。仲のいいところもあれば悪いところもあるし、それは当然戦略に大きな影響を及ぼしてきます。

  • ▲大陸に点在する異民族。烏桓(うがん)、鮮卑(せんぴ)、羌(きょう)、山越(さんえつ)、南蛮(なんばん)の5つ。

――異民族と敵対すると大変?

 そうですね。関係が険悪になると異民族都市から積極的に領地を荒らしてくるようになります。関係性が普通以上の勢力で始めればすぐに仲良くなって恩恵を受けやすいんですが、例えば烏桓と最初から仲の悪い公孫瓚で始めると、かなり苦労されるんじゃないでしょうか。

 CPUもそれを嫌って異民族との友好関係に気を配るアルゴリズムにしているのですが、二虎競食の計で関係を破綻させ、後方都市を荒らさせる……といった外交戦略を取ることもできます。

――異民族都市の攻略は可能なんですよね。

 可能です。実際にテストプレイで異民族都市を攻略できたモニターはいます。ただ、異民族都市での戦闘はどうしても相手の得意地形での戦いになりますので、よほどの物量と精鋭を準備してのパワープレイが必要になるかと思います。とくに地形的には距離の遠い鮮卑が辛い相手で、士気を維持する個性の準備が必要になりますね。

 まあ異民族は総じて知力が低いという弱点があるので、強力な軍師がいればけっこうなんとかなるかもしれませんが(笑)。「軽率」など、偽報に弱い個性を持っている武将も多いので、釣りだして罠で一網打尽してしまうのも手です。

  • ▲異民族の都市には30万もの軍勢が控えている。これを攻略するのは、ちょっと……とても骨が折れそうだ。

――友好関係にせよ敵対にせよ、異民族は存在感が大きいですね。

 その異民族との関係にも繋がるのが“地の利”です。これまで戦略の方向性は、敵の弱い部分、ウィークポイントを突くのが基本でした。『PK』では地の利という別のファクターが入ったことで、戦略が確実に変わっています。異民族との外交も含め、どの効果から確保していくのか。大陸統一までの道のりは無印とまったく違うものになるはずですので、そこは戦略シミュレーションとしては一番の変化になっていると思います。

  • ▲地の利によって制圧していく都市の順番が変わってくる。現状だとどの地の利を得るのが効果的なのか、戦略の材料が増えていく。

――ユーラシア諸外国との交易も大きな拡張に見えます。

 こちらは、同時代のローマやパルティアと交易していたらこうなっていたのではないかという歴史IFを最大限活かして作りました。ユーラシア諸外国という世界そのものの広がりは、“拡張”という意味で『PK』の象徴の1つとなっています。

 また交易は、異民族ほど直接的に戦略に介入するものではありませんが、諸外国からもたらされる名品や技術には圧倒的な価値がありますので、手に入れられたら、その苦労に見合うだけの化学変化が起きることは約束します。

  • ▲交易対象は4カ国。大秦国(ローマ)、安息国(パルティア)、貴霜国(クシャーナ)、天竺国(インド)と、どれも三国時代と同時代に栄えた諸勢力だ。

――では、最初におっしゃっていた“バランスを変えなかった部分”とは?

 兵站を含む1枚マップでの色塗りと、武将の個性ですね。その2つは『14』のストロングポイントだと思っています。余計な要素を入れて、これが薄れたりこんがらかったりするのが一番まずい。シリーズには『PK』を待って買われるお客さんたちもいます。その人たちのためにも、バランスを崩してマイナスになってしまうのは絶対に避けようと。必ずプラスオンリーでお届けしようと努めました。

  • ▲好評だった1枚マップの色塗りシステム。敵将の兵站切りや、内政、支援など、さまざまな要素が内包されている。

――ボツ案になったアイデアもあるのでは。

 おそらくみなさんが要望に挙げられる要素は、一度は開発の俎上に載せられています。お手紙や製品アンケートなどで具体的な要望ももちろん届きますが、開発陣もまた『14』をずっとプレイしていて、みなさんが思われることは必ず検討しています。

 例えば陣形の途中変更は、確かにプレイや進軍はラクになるのですが、それを実装して本当に面白くなるのか、画一的な動きになって武将の個性を殺してしまうんじゃないか。また武将プレイなども、本作のシステムとは乖離が大きすぎて合致しにくいのではないか。こんな感じで、ゲーム性に対するメリット、デメリットを考えたうえで判断しています。

――こうしてインタビューをしていて思うのは、よく耳にするユーザーサイドの要望ってそのほとんどが開発側で既に検討済みですよね。そのうえで実装する、実装されないとなるわけですが、その差となるのはなんなのでしょうか?

 おそらく、「どういったゲームにしたいのか」という観点です。要望のほとんどは過去作で好きな部分だったところであるか、プレイがラクになる部分です。開発側としてはゲームの全体像をこうしたいという着地点があり、そこに制作コスト内で向かうにはどうすればいいかの優先順位を検討もします。そうしないと収集がつきませんし、仕様のバッティングやデータ構造的な無理も発生します。つまりゲームの全体像を見たときの取捨選択だと思います。

人間ドラマとテンポ性を重視した新モード“戦記制覇”

――新モードとなる“戦記制覇”は、どんなテーマで作られたのでしょうか。

 1日で1つのプレイを区切りよく終わりたい……というところですね。みなさんお分かりだと思いますが、通常のシナリオはプレイ時間が長いです。自分でプレイしていても「社会人のおっさんにこれは辛いわ」ってなります(笑)。そこで、数時間でサクッと終わって、かつ何度も遊べるリプレイ性の高いものを入れてみようと考えました。

 それと、『三國志』シリーズ全体のテーマでもある“人間ドラマ”を濃厚に見せることができるのもこの戦記制覇モードでした。本シナリオにもイベントはたくさん用意しているんですが、短期集中でシーンを限定しないとなかなか見せられないイベントもあるんですよね。また、戦記制覇モードでは同じ赤壁シナリオでも、周瑜視点、曹操視点、劉備視点でそれぞれ戦い方も変わってきます。初見で三国志の話を掘り下げて見てもらえる、三国志の世界に入り浸ってもらえるモードだと思っています。

  • ▲『PK』リリース時には5つのショートシナリオを楽しめる。今後も増えていく予定だ。

――確かに通常シナリオでは、時が進むとどんどん状況が変わり、後々の歴史イベントの発生は難しくなっていきます。

 基本的にAIのアルゴリズムは通常シナリオも戦記制覇も同じです。でもシチュエーションを限定することで、物語に沿った状況になっていくはずです。

――実際プレイしていてスコアアタック的な要素も楽しかったです。スコアランキング的なものは考えられなかったんでしょうか?

 それは社内でも検討されました。でも今のこの時代、わざわざサーバを用意してスコアを載せるやり方はあまり意味がないんじゃないかなと。こちらは遊びを提供するだけで、あとはみなさんが好きにSNSなどでスコアを自慢してくれればそれでいいと思っています。スコア部分はあくまでおまけの気楽な要素ですね。

  • ▲スコア獲得のチェックポイントの確認もできる。なお、先日の生配信「うどんの野望」での戦記制覇「荊州争奪戦」先行プレイで、うどん氏は9903点のランク“A”を獲得していた。参考に。

――先日の公式生放送ではシーズンパス第1弾(2021年1月28日)での追加ステージ“劉備入蜀”が告知されていました。今後どんなステージを構想されていますか?

 正式にはまだ何も決まっていません。どんなシナリオで、どんなイベントを描いていくか、これからじっくり検討していこうと思います。

アップデートとしての『PK』とその未来

――公式で発表されている以外にも、細かな部分でさまざまな改良がありますよね。武将のグループ化や自動探索機能などなど。かなり遊びやすくなっていますが、そのあたりをあまりアピールしてないのは何故なんでしょう?

 セールスポイントと言うほどではないからです(笑)。ユーラシア諸外国や異民族なんかは、プレイしていなくても目に見えてわかる拡張部分ですよね。それらと同列に公式サイトで大々的に言っても「それが売りなの?」と思われていますので……(笑)。

――シーズンパス第2弾の内容が告知されていますが、期間内のアップデートはどんな内容を予定されていますか?

 これは正直なところまだ白紙です。AIの調整はいったん落ち着いたところで、ここからはまた『14PK』を実際に触ってくれた国内外のユーザーの皆さんの声を聞きながら、具体的な内容を決めていこうと思っています。そういった意味では、製品のユーザーアンケートにお答えいただいたり、弊社にお手紙なんかを送ったりしていただけるとありがたいですね。

――今回の『14』ではシーズンパス第1弾、『PK』、シーズンパス第2弾という流れができました。気の早い話ですが、これは『PK2』もあり得るんでしょうか?

 それはもう『PK』とシーズンパス第2弾の売れ行き次第です。やらせていただけるのであれば、是非やらせていただきたい。ただもう本当に結果次第ですね(笑)。他社では、何年もエキスパンションとアップデートを繰り返して、じっくり予算と時間をかけて1つの作品を完成に導いて、それから次のナンバリングという形式もあります。いつかはそういう形でやってみたい、という思いもありますね。

――『PK』からは、PC、PS4に加えて、Switch版もリリースされます。Switch版のプレイフィールはどうでしょうか?

 本体のスペックで劣るのは仕方ないですが、十分に楽しめるように仕上がりました。また、タッチパネルでのプレイにも対応し、操作しやすい内容になっていると思います。これにはかなりこだわって作りましたので、Switch版でのプレイもオススメしたいです。

――では最後に『PK』購入を迷ってる方に是非一言を。

『PK』では、もともと評価をいただいていた“良いバランス”は変えず、確実なパワーアップを遂げたものとなっています。異民族やユーラシア、戦記制覇など多くの拡張も加えていますので、心にヒットするものが1つでもあれば是非手に取っていただきたいと思います。シーズンパス第2弾やそれに伴うアップデートも予定しており、少なくともあと1年はたっぷり遊べますので、是非安心してご購入いただければ幸いです。

  • ▲『PK』ではおなじみのイベント編集機能ももちろん備わっている。
  • ▲蒙衝と楼船以外は通ることができない「奔流」など、渡河の戦略に大きくかかわる要素も追加されている。

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三國志14

  • メーカー: コーエーテクモゲームス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: SLG
  • 発売日: 2020年1月16日
  • 希望小売価格: 8,800円+税

三國志14 TREASURE BOX

  • メーカー:コーエーテクモゲームス
  • 対応端末:PC
  • ジャンル:SLG
  • 発売日:2020年1月16日
  • 価格:15,180円(税込)

三國志14

  • メーカー:コーエーテクモゲームス
  • 対応端末:PC
  • ジャンル:SLG
  • 発売日:2020年1月16日
  • 価格:10,780円(税込)

三國志14 Digital Deluxe Edition

  • メーカー:コーエーテクモゲームス
  • 対応端末:PC
  • ジャンル:SLG
  • 発売日:2020年1月16日
  • 価格:14,944円(税込)