【おすすめDLゲーム】『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』はヴァンパイアとして生き抜く大人のダークADV
- 文
- イナヤ マギ
- 公開日時
ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は『ヴァンパイア:ザ・マスカレード 紐育に巣食う血盟』をお届けします。
『ヴァンパイア:ザ・マスカレード 紐育に巣食う血盟』は、PS4/Nintendo Switch/PC(DMM GAMES)で配信中のテキストアドベンチャーです。アメリカ・ニューヨークを舞台に、ヴァンパイアとなってしまった主人公が、ヴァンパイアの世界で生き抜いていく本作を紹介していきます。
なお。本レビューの画像はすべてNintendo Switch版となります。
ヴァンパイアとして闇夜のニューヨークを生き抜け
3人の主人公はニューヨークに住んでいる一般人。現状に不満を抱きつつ、鬱屈としながら普通の生活を送っています。そんな主人公の前に突然魅力的な人物が現れ、主人公を誘ってきます。
日常の変化や一時の快楽を求めて魅力的な人物の誘いに乗ると、主人公はその人物に襲われてしまいます。
気が付くと、主人公はヴァンパイアに変貌しており、日常が一変することになるのです。
プレイし始めて、まず目に入ったのがグラフィック。薄暗く不気味な油絵のようなタッチで描かれており、ダークファンタジーな世界観と非常にマッチしています。
また背景が単なる一枚絵ではなく、クラブで踊る人影やライトの揺らめきといった動きのあるエフェクトが入っていて、よりリアル感をアップさせているところも、ストーリーに没入しやすくていいと思いました。
すべて自分で選択してあなただけのヴァンパイアストーリーを紡ごう
本作は、テキストベースのアドベンチャーゲームです。氏族の違う3人から主人公を選び、テキストを読んでストーリーを進めていきます。
物語では誰に会いに行くのか、起こったイベントに対してどういった態度や行動を取るのかを選択肢から選ぶことで、自分だけの物語を紡ぐことができます。
選択するうえで大事になってくるのが、ヴァンパイアの掟です。特に“マスカレード”と呼ばれる、人間にヴァンパイアの存在を隠すという掟は重要で、これにより人前でヴァンパイアの能力を使ったり、吸血したりすることは禁じられています。
生き残りたいのなら、掟を気にしつつ、慎重に選択しましょう。
定期的に血を吸って空腹を避けよう
ヴァンパイアとなった主人公は、生きていくために人間から血を吸う必要があります。選択肢の前にキバのアイコンが付いたものを選択すると、吸血して血を補給することができます
もし一定時間吸血をしないでいた場合は、画面の周囲が血に染まり、空腹状態となります。
空腹状態になると一部の選択肢が変更されたり、選べなくなったりする可能性があります。空腹レベルが最大になると、プレイヤーの選択と関係なく、理性を失って強制的に吸血してしまい、掟に背いてしまう可能性があるので注意しましょう。
いざという時はヴァンパイアの力を使おう
選択肢の中には、特殊なアイコンが付いたものがあります。これはヴァンパイアの特殊な力が使える選択肢です。
相手を支配して操ったり、ものすごいスピードで走れたりというさまざまな能力があり、主人公によって使える能力が異なります。
敵に襲われた時や、人払いをしたい時などストーリーを進めるうえで非常に便利な能力ですが、使うと空腹のレベルが上がるため、タイミングを見極めて使いましょう。
専門用語はディクショナリーで確認
本作はTRPG『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』の世界観をベースにしているため、設定が非常に細かく、ヴァンパイアの種族や掟など専門用語がたくさん登場します。
そんな時に便利なのが“ディクショナリー”機能。テキスト内で赤く表示された専門用語はディクショナリーに追加され、いつでも確認することが可能です。
用語の意味を知っておくことは、世界観に浸れることはもちろん、選択肢を選ぶ際にも非常に重要になってきますので、1度は確認しておくことをオススメします。
数多くの選択肢から自分だけのダークストーリーが楽しめる作品
原作がTRPGとあって世界観の設定が非常に細かく、最初は理解するのに少し苦労しますが、そこを通りすぎれば、独特の世界観にどっぷり浸かれる作品だと思います。
本作の特徴は分岐の多さ! 一度に出る選択肢は基本的に2~4個ですが、ちょっとした動作や感情にも選択肢が表示されるので、少しずつ違った展開で楽しめます。
また選んだ主人公が持つヴァンパイアの力や吸血可能な血の有無などで、同じイベントでも選択肢が違ったり、同じ選択肢を選んでも結果が異なったりします。
他にも仲間にするヴァンパイアや他のヴァンパイアとの関係などさまざまなことを選択して分岐していくので、プレイするごとにまったく違ったストーリー展開が楽しめるのが最大の魅力だと思います。
ただ個人的に気になったのは、テキストウィンドウが小さめだということです。
文字サイズが小でもウィンドウに収まりきらずにスクロールすることが多く、テキストの表示スピードを標準で設定していると、冒頭がすぐにスクロールされてしまい、最初に戻して読むのが手間だと感じてしまいました。
他ジャンルのゲームならそこまで気にすることではないことですが、本作はテキストを読み進めることがメインなので、こういった小さいことでも頻繁に起こると、読みづらく感じてしまう方が出てくるのではないかと思いました。
また、ヴァンパイアが出てくるので、ホラーゲームとまではいきませんが残虐な描写があります。また直接的ではないものの“オトナな表現”もありますので、それらが苦手でないならオススメしたい作品です!
特にダークファンタジーの小説や映画が好きな方には、この退廃的で残酷でスリリングな世界観は堪らないと思います! ぜひ貴方だけのヴァンパイアストーリーを作り上げてみてください。
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