『デジボク地球防衛軍（略）』レビュー。丸い世界が四角くなっても『EDF』の特徴はしっかり健在していた！

　ディースリー・パブリッシャーから12月24日に発売されるPS4/Nintendo Switch用ソフト『ま～るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE：WORLD BROTHERS』のレビューをお届けします。

　『地球防衛軍』シリーズのスピンオフ作品として登場した本作は、すべてがデジタル＆ボクセル（立方体）で構成されたパラレル世界が舞台。今までのシリーズに登場したレジェンド隊員や本作オリジナルの隊員たちとともに戦う3Dアクションシューティングとなっています。

　そんな本作をプレイしたので、概要やシステムなどをプレイした感覚とともにお届けします。

　今回のプレイはPS4版を使っています。

見た目は立方体だけど、中身は完全に『地球防衛軍』！

　最初にゲーム画面を見た時、ボクセルで構成されたデザインのカワイらしさに、今までシリーズに触れたことがない人でも遊びやすいライトな『地球防衛軍（EDF）』かと思っていました。

　しかし実際にプレイしてみたところ、まぎれもない『地球防衛軍』シリーズでした。画面いっぱいに迫りくる巨大なアリやクモの大群。これをちっぽけな人間が、手にしたアサルトライフルなどの武器を引き撃ちで戦っていく感覚。我々の体に刻まれた“EDF”の遺伝子が沸騰するのを感じました。

　しかも本作に登場する巨大生物は過去の作品に登場したものが中心なので、これまでのシリーズ作品をプレイしたことがあれば、いろいろな思い出がよみがえってくること間違いなし！

　もちろん爆発する兵器が建物に当たってしまったら、ちゃんと爆破されるのもたまりません！

　物語は「宇宙からやってきた異星人のような何かに攻撃されて地上が大変なことになったから、生き残った自分ががんばって宇宙人を撃退する」という、実家のような安心感のある定番のストーリー。しかも今回は地上を征服されるどころか、地球がバラバラにされてしまうほどの大事件が勃発しているのにも驚かされました。

今度は兵科ではなく“ブラザー”を選んで出撃！

　最近の『地球防衛軍』シリーズでは、プレイヤーは1～4種類の兵科の中から1つを選んで出撃するのが基本でした。しかし本作では世界各地で奮闘している“ブラザー”と呼ばれる隊員を集めて、4人1組のチームで出撃するシステムになっています。

　このブラザーには、今までのシリーズに登場した歴代の兵科が“レジェンド隊員”として登場！　ナンバリングタイトルはもちろん、スピンオフ作品に登場した兵科もすべて登場します。

　他にも“ご当地EDF隊員”と呼ばれる、各国で戦っていたブラザーたちが参戦しています。

　国ごとの特色を持ったちょっぴりユーモラスな外見をしていますが、その戦闘能力はレジェンド隊員にも引けを取りません。

　出撃中はチームの仲間が一緒に戦ってくれるだけではなく、戦闘中でも操作するキャラクターを4人のなかから自由に変更できるのです。

　しかも交代したい隊員に対応したボタンを押した瞬間、即座に交代できました。また、仲間とはぐれても交代できるうえ、一瞬で自分の近くに呼び寄せることが可能です。

　ちなみにブラザーごとに体力が異なっているので、現在操作しているブラザーがピンチになったら元気な隊員にチェンジ。体力回復アイテムがあるところまで移動して、またチェンジする、といった戦法をとれました。

　他にも弾を撃ち尽くしてリロード中の無防備な時間に別のブラザーに交代して戦い、リロードが終わるタイミングを見計らってまた交代する、といったテクニックも使えました。

　交代中も仲間のリロード状態などが一目でわかるので、タイミングを逃すことはありません。

武器は1人1種類！　しかしチームだから4つまで使える！

　本作での武器は、基本的にブラザーごとに1つしか装備できません。しかし、1チーム4人で構成されているので、実質4つまで武器を持ち込めるようになったとも考えられます。その結果、今までのシリーズよりも武器による戦略性が大きく広がっています。

　ブラザーの戦闘方法は武器だけに留まりません。他にも、レンジャーや陸戦兵には“緊急回避”が、エアレイダーには“空爆”などのシリーズでおなじみのアビリティが完備されています！

　もちろんご当地EDF隊員にも、バラエティ豊かな専用のアビリティが用意されているのです。

　そして本作ならではの新システムが“スペシャル”！　これは画面右下のSPゲージが最大までたまった時にのみ使用できる特殊能力で、“複数の敵にまとめて大ダメージを与える”といった攻撃的なものから、“仲間の体力を回復する”というサポート的なものまでさまざま。

　各ブラザーがどんな能力を持っているのかはゲーム内の“説明”コマンドで見ることができますが、このテキストがなかなか凝っていておもしろいです。

　テキストの中には読んでも情報が伝わってこないけど、つい笑ってしまうようなものもあるので、新しいブラザーが仲間になったらぜひ読んでみましょう！

　また、武器以外にも過去のシリーズに登場したビークルのなかから、厳選された兵器が使用可能となっています。本作のビークルは、『地球防衛軍3』までと同様にミッションごとにマップに配置されています。

アイテムの回収を気にせずひたすら敵を倒せ！

　『地球防衛軍』シリーズといえば、忘れてはならないのがコンテナの回収でしょう。

　中でもアーマー（HP）の最大値を増やすコンテナと、新しい武器を入手できるコンテナの回収は必須。わざと巨大生物を1体だけ残しておいて、取り忘れがないかを確認してまわるのがお約束でした。

　しかし本作では、その手間が必要ありません！　出現するコンテナは、自分のHPを回復するものと、チーム全員のHPを回復するもの、そしてスペシャルを使うためのSPゲージを増加させるものの3種類しかないからです。

　そのため、今まで以上に敵を倒すことに集中して戦えるようになりました。

　では、アーマーの最大値はどのように増やすのかというと、ミッションクリア時に出撃していたブラザーのアーマーが自動で増加するため、出撃すればするほど強くなっていきます。

　ただしこの増加量はブラザーによって大きくことなっているうえ、同じミッションでも難易度が高いほど増えていきます。つまり、ブラザーを鍛えるために最初から難易度を上げて挑む、いつものプレイも可能なわけです。

　マップには武器やアーマーのコンテナはありませんが、かわりにブラザーが数名倒れています。彼らを救助すると仲間になってくれるので、ペイルウイングやウイングダイバーなどの飛行可能なブラザーで倒れている味方を見つけて、陸戦兵などでまわりの敵を倒して救助する、といった新しい行動が必要になってきます。

　仲間にした後でも、ブラザーの救助はマスト！　同じブラザーを救助するとそのキャラのレベルが上がっていき、より強力になるのです。また、救助したブラザーはさまざまな効果が付与されるアクセサリーを持っていることも！

　アクセサリーは、ブラザーの性能を変化させる装備のこと。シリーズをプレイしている人は『地球防衛軍5』の補助装備を連想していただくのがわかりやすいかと。長所を伸ばすのか、短所を補うのか、ミッションによって変えるのか……すべてはあなた次第！

かつてのEDF隊員はデジボク世界へ集まれ！

　新たなスピンオフ作品として誕生した『デジボク地球防衛軍（略）』ですが、プレイすればするほど『地球防衛軍』シリーズを感じさせてくれます。

　以前に別タイトルで倒したあの強敵や、かつて自分の手足となって戦ってくれたあの兵科が仲間になるシーンではちょっと懐かしさとともにうれしさを感じました。

　それでいて、新しいシステムや演出も違和感なく融合しているので、今までのシリーズをプレイしてきた人たちも満足することでしょう。

　中にはシリーズではおなじみの仲間からの通信に、歴戦のEDF隊員たちならば思わずニヤッとするようなセリフもあるので、楽しみにしていてください。

　これまで『地球防衛軍』シリーズをプレイしたことがない、という人でも、シンプルななかにも歯ごたえのあるアクションを楽しめるので、興味がわいたらプレイしてほしいですね。

　今回は1人用のストーリーモードしかプレイしていませんが、PS4版は友だちと1つの画面を分割して一緒に遊べる“画面分割”が、Switch版はローカル通信協力プレイがあり、さらに両ハードとも離れた友だちとオンラインで一緒に遊べる“インターネット”も用意されています。発売されたらぜひ、世界中のEDF隊員と一緒に遊びたいものです。

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