『龍が如く』15周年インタビュー。桐生一馬役・黒田崇矢と錦山&春日一番役・中谷一博が作品への想いを語る

電撃オンライン
公開日時

 セガの『龍が如く』シリーズに登場するキャラクターを演じる、黒田崇矢さんと中谷一博さんへのインタビューを掲載します。

 “ゲームに飽いた人たちへ、そしてゲームを愛する人たちへ。”……そんなキャッチコピーのもと、いつしかゲームから離れていた大人に向けた極上のエンタテインメントとして、2005年12月8日に『龍が如く』が産声を上げてから15年。

 その周年を祝うべく12月2日から12月8日までの151.5時間、PS4版で発売されているナンバリングタイトルを『龍が如く 極』から『龍が如く6 命の詩。』までクリアを目指して、開発者や関係者がプレイする、ゲーム実況が行われました。

 電撃オンラインでは『龍が如く6』までの主人公・桐生一馬を演じている黒田崇矢さん、そして『龍が如く7 光と闇の行方』で新主人公となった春日一番を演じる中谷一博さんにインタビューを実施。15年という時間をあらためて振り返りつつ、それぞれが演じたキャラクターや『龍が如く』という作品への想いを伺いました。

  • ▲桐生一馬役・黒田崇矢さん(左)と春日一番&錦山彰役・中谷一博さん(右)

 なお、インタビュー中は敬称略。

車の中でキャラを考えて発声練習!?

――15周年という大きな節目を迎えた『龍が如く』シリーズですが、1作目からシリーズを見続けて歩んでこられたお2人にとって、本シリーズはどんな存在と言えるでしょうか?

黒田:生活の一部ですかね。

(一同笑)

  • ▲画像は『龍が如く 極』のもの。

黒田:15年間……実際に初代『龍が如く』の収録を始めたのはもっと前なので、それから数えると16~17年になるんですね。だからこの16~17年間はつねに桐生一馬という男が頭にある。生活のなかに入っている感じがあります。

 シリーズ化されてからは「またいつか、収録をやるだろう」ということと、俺の日常のなかでちょっとした厄介ごとがあった時に「桐生だったらどうするのかな?」というのをつねに考えていますね。

――それがシリーズを続けていくなかでも、演技に活用されていると?

黒田:いかされているんじゃないですかね(笑)。

中谷:ライフスタイルなんですね、もう。

――『龍が如く3』で、児童養護施設のアサガオで料理をする桐生を想像できませんでした。そのようなシーンの演技にも黒田さんが考えていたことが、反映されているわけなんですね。

  • ▲画像は『龍が如く3』のもの。

黒田:そういうのはつねにありますね。カラオケなどのプレイスポットにしてもそうですが、「桐生だったらこれくらいのノリで、ギリギリ乗り切れていない感じに歌うんだろうな」とか。

 カラオケは滅多に行きませんが、連れていかれた時は「俺だったらノビノビ歌うけれども、桐生だったらこのくらいか? 桐生がこの場にいたらどうするんだ?」と、時々考えるんですよ。

  • ▲画像は『龍が如く4 伝説を継ぐもの』のもの。

――それくらい身近な存在であると。中谷さんは当初は錦山彰で出演され、今は新たな主人公の春日一番と、寄り添う人物が変わりましたがいかがですか?

中谷:そうですね。錦山に関しては僕は『龍が如く』で演じてから『龍が如く 維新!』で復活するまで、実は8年くらい空いていたんですよ。正直なところ『龍が如く』で爆発して死亡したキャラクターなので、次に備えていたわけではないんです(笑)。

  • ▲画像は『龍が如く 極』のもの。

――なるほど。確かに言い方は乱暴かもしれませんが、あそこまでキレイに死んでしまった以上、もう出演はないだろうという感覚があったわけですね?

中谷:もう出演はないだろうと思っていましたし、シリーズチーフプロデューサーの横山さんに「あんな展開ですが、実は大ケガしているけど……みたいなのはあります?」とお聞きしたら「いや、ないですね」とバッサリ切られまして(笑)。

 しかも打ち上げの席で、「実はもう『龍が如く2』を作っているんですよ」と聞き、流れで「じゃあ、双子の兄弟……なんて?」と言ってみたら、「それは一番つまんないパターンなんで」と(笑)。とにかく「お前はもう出さないよ」という雰囲気が横山さんから感じてしまい…。

黒田:アハハハ(笑)。

中谷:錦山を演じた当時、25、26歳だったので、40歳くらいの役をやるのは僕としてもまったく想像できていなかったんですね。ましてはあの激しい世界のなかで、いろいろな感情のまま走っていった人物なので、いろいろ手探りで演じた部分も多かったんです。

 だからこそ8年ぶりに『維新!』で錦山を演じることになった時に、正直に言うと「やばっ、どんな人物だったかな……」と(苦笑)。

  • ▲画像は『龍が如く 維新!』のもの。

――そうだったのですね。

中谷:しかも、見た目は錦山ですが、キャラクターの設定としては岡田以蔵ですからね。あとは当たり前ですが、『龍が如く』が発売されたPS2のグラフィックはそこまでは今の様なキレイさではなくて、人っぽく見えづらい感じもありました。

 それがハードが変更され、グラフィックがすごくよくなっていたため、驚きました。

 いざ収録となった時に、8年のブランクもあって「どうしよう。横山さんに役を降ろされて帰ることになるんじゃないかな……」みたいな心配をずっとしていました(笑)。それくらい怖かったです。

 春日一番を演じるようになってからは黒田さんと同じで、春日一番はライフスタイルというか「一番ならどうなる」を考えるようになりました。

 車を運転している時に「あれ、一番ってどういう声の出し方をしていたっけ?」となって、声を出してみて「低すぎないか?」というように自問自答することもあります。つねにアイドリング状態でいないと、次はできないと思っています。

黒田:そうだよね、つねに役に入れる状態にしておかないと。桐生をやりそうなタイミングになった時、ときどき俺も車の中で同じことをやっていたわ(笑)。

――『龍が如く7 光と闇の行方』では、初めて主人公ではない桐生を演じる形になりました。最初にこの話をいただいた時、どんな感想を抱きましたか?

黒田:最初は桐生は出ないと思っていたんですよ。だから「中谷君、がんばれよ」しかなかったです。

――中谷さんが春日一番を演じられることはその時点でご存じだったんですね?

黒田:はい、知っていました。

 さらに言うならば次がある保証はつねにないので、俺は1作1作、「これが最後だ」と思っていつも演じています。

 『龍が如く6』は“桐生一馬伝説、最終章”と謳われたので、本当に最後だと思っていました。「もう桐生を演じることはないんだな」と。

――それが『龍が如く7』でも登場するとなったわけですね。

黒田:だから「あ、出るんだ」と(笑)。あとはどんな感じで出るのかが気になりました。

――プレイヤー目線でいえば、『龍が如く7』の桐生は“怖さ”を掻き立てられる存在でした。新主人公の壁になる存在であることは、意識して演技されたのでしょうか?

  • ▲画像は『龍が如く7 光と闇の行方』のもの。

黒田:ゲームをプレイされている側からすると、自分が春日なんだから桐生を倒す春日も見たくない。それってきっとファンの心理としてそうだと思うんです。かといって、桐生が新しい主役である春日を「お前ごときが!」と言って、ボコボコにするのもたぶん見たくないと思います。

 これから先はもっとそうなっていくと思うんですね。だけど、今は新主人公の春日一番に対して「これは勝てない壁だな」と見せる必要があると考えました。なので、大きさ、強さみたいなのは意識して演じています。

――プレイしながらそれをビンビンに感じました。横山さんから中谷さんが春日を演じること、『龍が如く7』の話があったのはかなり前になるのでしょうか?

  • ▲画像は『龍が如く7 光と闇の行方』のもの。

中谷:そうですね、発売の3年前くらいにお話を聞いていました。ただ、桐生さんが出ることは聞いていませんでした。また、しばらく後にポロっと「RPGになるから」と言われて、さらに「え~~!?」と。

(一同笑)

中谷:「アクションゲームと『龍が如く』ってイコールじゃないの!?」みたいなことを思って、衝撃的でしたね。

 だから“春日一番を演じる”というプレッシャーと、“ゲームがRPGになる”という、ゲームの仕様が大きく異なる2つのプレッシャーがありました。しかも、これは誰にも言えないじゃないですか。

 僕とマネージャーしか知らなくて、この気持ちをどこでどう処理したらいいのかわからなかったのが大変でした(笑)。

――そうなると、正式に発表されてホッとしたところがあったのでは?

中谷:ありましたね。僕は『龍が如く』がRPGになるとどうなるのかまったく想像できなかったですから。でも、今回の実況であらためて画面を見ると本当にスゴイなと思います。

  • ▲画像は『龍が如く7 光と闇の行方』のもの。

桐生や一番が身近に感じられる存在へ

――発売された後には、ストーリーや春日一番というキャラクターに対して「いい!」という声を多く聞かれたと思いますが、お気持ちはいかがでしたか?

中谷:実はそこまでピンとは来ていないんですよね。当たり前ですがこの評価は開発した“龍が如くスタジオ”チームの皆さんのお力ですし、お話を考えられた横山さんをはじめとするシナリオチームの方々のおかげでもあります。

 なにより、時間を与えてくださった総合監督の名越さん、龍が如くスタジオ代表の佐藤さんのおかげでもあるので、僕は全然……という想いです。

 ただ、黒田さんからは「目の前で春日を演じるということに全力を注げば結果は出る。だからお前は何も考えずに演じればいいんだよ」とお声をいただいました。それをちゃんと忠実に守れば春日一番がどうこうではなく、“『龍が如く7』はやっぱり『龍が如く』だった!”と認めてもらえるはず。そこだけ考えて演じていました。

 だからTwitterなどで「桐生さんが好きだったから、春日一番は少し嫌だったけど、『龍が如く7』をプレイしてすごく好きになりました」と言ってくださったのは本当にうれしいです。

 とはいえ、僕はまだまだわからないことだらけでしたので、次のチャンスがあるならば“本当の春日一番”として皆さんに試されると思っていますし、伸びしろをお見せできるとも思っています。

 ただ今は、プレイしてくださった皆さん、そして春日一番を好きになってくださったことに感謝です。

――再び黒田さんにお伺いしますが、この15年、桐生と寄り添われてきましたが、もっとも桐生を身近に感じられたシーンはどちらでしょう。

黒田:身近に感じた瞬間……、でも、つねに身近な存在ですよ。生き方とか価値観という部分で、似ているところが多いからだと思うんですが。

 唯一笑いのセンスだけは、俺と好みが違うかな。彼は笑いを取りにいかないですからね。俺は笑いを取りに行く時は積極的に行くので。

(一同笑)

黒田:あと、“桐生は人を倒したところで油断して背中を見せすぎる”というところかな。俺だったら死んだと思っても、ずっと相手を見ていて、絶対に隙は作らない。桐生はそこが甘いなというところはありますが、たいていのところは似ているんですよね。

 つねに身近にいる存在なので、演じている時に何かを感じるというのは、特にないと思います。

 ただ、普段歩いていると「桐生に見える」と言われるんですよ。ファッションなどはちょっと違うので、「黒田さん、桐生一馬のまんまじゃないですか」と言われると「まんまではないじゃん」と思いつつも「あ、桐生って俺に近いのかな」と感じます(笑)。

  • ▲画像は『龍が如く 極2』のもの。

――もしかすると、15年という年月がそうさせているのかもしれませんね。

黒田:あとは俺はリアリティを一番大事にしているので、桐生を演じている限りは日ごろからとりあえず“桐生くらいに強くなっておかなくちゃいけない”とずっと思っています。

 どれだけ体調が悪くても、入院している時以外はつねに闘う準備をしていますね(笑)。今はコロナ禍でジムに行けないので、自宅にジム部屋を作りました。

――それはすごいですね。

黒田:なんでもなくボソッとしゃべった時に、絶対的な自信からくる強さ、言葉の説得力というのはどんなに低音でしゃべっても出せませんからね。そこはリアリティという部分で、ずっと意識しています。

  • ▲画像は『龍が如く6 命の詩。』のもの。

――演技というか心構えみたいなものですね。

黒田:そうですね。それは自分の声質がどうこうではなくて、絶対的な自信と経験値などがセリフの間に乗るように意識しています。そのためには普段から自分も油断してはいけない。「いつでもかかってこんかい!」という気持ちでいます(笑)。

――まさに桐生ですね(笑)。

中谷:でも黒田さんは、桐生さんと違って、命を狙われているわけじゃないですよね?(笑)

――中谷さんは春日をどんな人物だと感じていますか? ご自身と近い部分などがあれば伺いたいのですが。

中谷:ダメなところというか、少しだらしなくてちょっと甘いところは共通するかなとは思います。何かこうカッコよくなりきれなかったり非情になりきれなかったりとか。

 かといってひとたび頭に血がのぼったら、他のことに手がつかなくなってしまう……結果的に謎の男から思いっきり叱責されて殴られるという(笑)。

  • ▲画像は『龍が如く7 光と闇の行方』のもの。

――そういう意味では桐生とは対照的ですよね。黒田さんがおっしゃったように“確固たる信念”を持つ桐生に対して、春日は“優柔不断さ”みたいなのをわりとストレートに出す主人公だったと思います。

中谷:他人が傷つくならば自分が傷ついたほうがいいタイプでしょうか。間違いはするけど曲がりはしないところはありますね。

――立ち振る舞いから性格までまったく異なりますが、曲がらないというのは、桐生と春日の共通点かもしれません。

黒田:そうかもしれません。それぞれの信念は曲げないですよね。

中谷:僕的には一番を演じていて、そこが『龍が如く』の主人公というか、桐生さんと共通するのかなと、感じました。

 ただ、一番はいろいろと間違えますけどね(笑)。でも、自分が間違っているとは決して思っていないし、曲げてはいけない部分は曲がらないですから。

――今回151.5時間生放送を見ていて、改めて『龍が如く』シリーズ自体が曲がらないものを持っている作品なのかなと感じました。演じられた黒田さん、中谷さんだけでなく制作スタッフもそういう信念を持って作られているのかなと。

中谷:『龍が如く』のころってそんなに崩れたサブストーリーはなかったと思うんです。それが『龍が如く2』から一気に崩れたというか(笑)。それは“龍が如くスタジオ”チームの“間違いはしないけれども曲がりはしない”部分のいい出かたなのかなと思っています。

 「俺たちはサブストーリーで桐生の魅力を高めたいんだ!」という部分が素晴らしいと思います。それをサブストーリーで強く感じるんですよ。「ここまで? いいの、本当に!?」というラインを攻めるところが特に。

 僕は『龍が如く7』で初めてサブストーリーをやらせていただきましたが、メインシナリオの収録では横山さんから「そうじゃない、こうじゃない」とディレクションをしていただくわけです。そして、その感情を引きずったままサブストーリーも収録するのですが、そうなるとどれだけふざけていいのかわからなくなって、自分がバカになっちゃうんですよ。

(一同笑)

中谷:「あれ? ここまで崩していいの!?」みたいな。だから黒田さんはこういうのをどう演じられていたのか気になります。

  • ▲画像は『龍が如く7 光と闇の行方』のもの。

――桐生はどんなところに放り込まれても、基本的に変わらないですよね?

黒田:変わらないですよ。ただ、このサブストーリーで“何を求めているのか”を読んで理解して演じてはいます。お客さんにこんなことを楽しんでもらいたいんだ、桐生のこんな不器用な部分を見せたいんだ、というところですね。

  • ▲画像は『龍が如く 極2』のもの。

――桐生のマジメさが逆に笑いになるところですね。

黒田:たいてい桐生が担当するのはシュールな笑いですよ。サブストーリーだったら、秀ちゃん(宇垣秀成さん)が演じる真島吾朗とかがバーンとはじけた笑いをやるという。

中谷:吉本新喜劇的な? 逆に桐生は関東のお笑いというか。

黒田:そうそう。ちょっと知的なんだよね、俺(桐生)の笑いは。真島よりも、というのもありますし、秀ちゃんよりも俺の方がちょっと知的なんだよね(笑)。

中谷:また宇垣さんがいないところでそんなことを(笑)。ちゃんと宇垣さんはインタビュー記事も見ていますから(笑)。

黒田:本人がいるところでも悪口を言っちゃうから大丈夫(笑)。

主役が変わっても『龍が如く』は変わることなく続く

――『龍が如く』シリーズは今後20年、25年と続いていくと思いますが、オファーが来ているとかは関係なく、お2人は今後シリーズがどのように展開してほしい、またはどんな風に進化してほしいみたいな気持ちはありますか?

黒田:俺的には『龍が如く6』である種の終わりみたいものを迎えているので、『龍が如く7』からは“見守っていく”という意識ですね。これからは中谷君を筆頭に、今までお世話になった“龍が如くスタジオ”チームを見守っています。

 彼らが新しいものを作ることを「がんばれよ」と応援するだけですね。そして「またヒットしたね」と言えることを祈っています。また呼んでくれるのかはわかりませんし(笑)。

 そもそも俺は『龍が如く』に限らず、「また呼んでくれ」というのはないんです。これは“出会い”だと思っているので。だからまた出会いがあれば桐生を演じますよ。このように言いましたがお世話になって俺も愛している作品だし、桐生一馬が大好きです。だから桐生一馬を演じることができるのであれば、俺も「桐生一馬に会えるんだ、また桐生一馬を出していいんだ」となると思います。

  • ▲画像は『龍が如く6 命の詩。』のもの。

――中谷さんはいかがでしょう。

中谷:僕が「こういうものを作ってほしい」と思ったものを作ったとしても、絶対におもしろくはならないですよ(笑)。僕みたいなのが想像できないものを作るからこそ感動がある。“龍が如くスタジオ”チームは、15年ずっとそれを体現し続けてきたわけで、稀有な集団だと思っています。

 だからこそ僕は、想像を超えたぶっ飛んだシナリオであり、ゲーム性を春日一番でどう皆さんにお伝えするかしかないので、そこは「こうなってほしい」という要望はないです。

 黒田さんから主役を引き継いだ形になったわけですが、こういった作品はあまりないと思うんです。それこそ主人公が変わっても作品としては変わらないというものは、『007』のジェームズ・ボンドくらいだと思うんですね。

――ショーン・コネリーからジョージ・レーゼンビーに代わり、今は6代目のダニエル・クレイグが演じていますね。

中谷:だから桐生一馬から春日一番へとなったことを考えると、それこそ25周年を迎えるころには、新しい龍の胎動が見られるかもしれない。

 そうなった時に僕は黒田さんと同じように「じゃああとは頼んだよ」、「黒田さんと僕の想いが乗っているから好きなようにやってね」と背中を押せるようになるまで、この作品を守り続けていくというか、攻め続けられえる主人公でいなきゃいけないし、そうなってくれたらいいなと思っています。

黒田:先が読めないからね。

中谷:やはり前向きにドンドンやっていきたいですね。大暴れしていきたいと思います!

  • ▲画像は『龍が如く7 光と闇の行方』のもの。

――中谷さんがおっしゃられたように、『龍が如く』シリーズの15年は「次はこうくるのか!?」と、驚かされ続けた15年でした。黒田さん的には「次は坂本龍馬です」と言われたのも驚かれたのでは?

黒田:もう毎回ですよ(笑)。

(一同笑)

黒田:俺も俺なりに「次はこうなるのかな?」と想像はしていました。でも毎回裏切られてきましたからね。台本が来るといつも「なにをやってるの!?」とか「こう来たか!」と言っていましたよ。

 それが出演している側としてもおもしろかった。『維新!』もそうでしたし、『龍が如く 見参!』もそうでしたよ。「え、時代劇!?」って。

中谷:『龍が如く OF THE END』だってそうですよね。

  • ▲画像は『龍が如く 見参!』のもの。

黒田:そうそう。俺はゲームに詳しくないから「なんで突然こんな世界観になったんだ!?」と。

中谷:驚きましたよね(笑)。

黒田:演技で「リアリティを大事にしてください」と言われていたのに、「ゾンビがいるの!?」って(笑)。

中谷:ゾンビどころか、ものすごくデカいモンスターも出てきましたからね。

黒田:しかも、タイトルに『OF THE END』って書いてあったから「あ、これで『龍が如く』も終わりなのね」と俺もだまされたからね。こんなにシリアスなストーリーが展開してきた作品が、ゾンビが出てきて終わるんだと。

(一同笑)

中谷:あれは外伝的な作品でしたね。

黒田:最初は外伝だとわからなかったから衝撃でした。

  • ▲画像は『龍が如く OF THE END』のもの。

――演じられた側としてもビックリさせられ続けてきたわけですね。今後も驚かされることがあると思います。

中谷:それこそ『OF THE END2』が出て、ゾンビの錦山が登場して、一番が錦山を倒す物語だったら……すごくイヤだな(苦笑)。

――では最後にこの15年、桐生や錦山、そして春日を応援してきたファンにメッセージをお願いします。

黒田:役者として37年、いろいろな役を演じてきましたが桐生一馬は本当に大好きなんです。おそらくどのファンよりも俺は桐生一馬のファンだと思います(笑)。だからそんな桐生一馬を応援してくれる方たちには、これからもずっと応援し続けていただきたいです。

 主役が誰であれ、愛してほしい。桐生が作品に出る出ないではなく、「素敵な男がいたな」ということをずっと覚えていてほしいです。

 あと、『龍が如く』という作品自体は、ゲームが苦手な自分でもアクションを覚えて楽しめたし、発売されるのを楽しみに遊んでいたので、このゲームをユーザーがずっと愛して『龍が如く』の次を期待してくれるとうれしいです。

中谷:まずは一ファンとして『龍が如く』シリーズの15周年を、ファンの皆さんに「おめでとうございます」とお伝えしたいです。そして錦山彰と春日一番という、本当に重要なキャラクターを演じさせていただいてありがとうございます。

 今後は一番を演じさせていただくことが多くなりますが、一番も錦山も僕にとって大事な存在。ファンの方から「中谷=一番になって、中谷=錦山が薄れるのがちょっとさびしい」と言われることのないようにしたいです。

 2人を愛してくださるファンの皆さんのためにも、恩返しの意味も込めて、1年でも長く、1作品でも多くハチャメチャな作品を、“龍が如くスタジオ”チームの皆さんと一緒に作っていけたらいいなと思います。

 そして、プレイするファンの皆さんと一緒に驚いたり、悲しんだり、笑ったりして、最後に「本当によかったね」と言い合えるような作品をこれからもお届けしたいです。

――ありがとうございました。

©SEGA

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら