三浦宏規さん、高野 洸さん出演、『刀ミュ』髭切膝丸たちが贈る圧巻の双騎出陣!【ゲネプロレポート】

ガルスタオンライン 、和海かおり
公開日時

 東京・品川プリンスホテル Stella Ball(ステラボール)にて、7月3日に「ミュージカル『刀剣乱舞』 髭切膝丸 双騎出陣 2019 ~SOGA~」の公開ゲネプロがおこなわれました。『刀ミュ』シリーズでは2017年から出陣している髭切と膝丸。本公演は、1部が2振りを中心に演じられた曽我物語、2部はライブという、見ごたえたっぷりの内容となっています。

 今回は、2振りの演技の奥深さと歌とダンスに大盛り上がりとなったゲネプロの様子をお届けします。

童の姿の髭切と膝丸

 1部は日本三大仇討の1つ『曽我物語』を髭切、膝丸が演じます。
 真っ暗な会場にぼんやりと浮かぶ舞台には、廃寺のような荒れた地が。三味線の音色が響き渡る中、現れたのは1人の瞽女(ごぜ)。これから語られる曽我物語の語り部です。そして、瞽女の歌に合わせて現れたのは、髭切演じる兄の“一万”と、膝丸演じる弟の“筥王”の2人の兄弟です。童の2人は無邪気な歌と踊りで会場を和ませます。空を飛ぶ雁の群れを自分たち家族と比べながら、幸せな日々を過ごしていました。しかし、父が工藤祐経によって狙われ、命を落としてしまいます。兄弟は悲しみに暮れます。そして、先ほどまでの幸せそうな2人の姿はそこにはなく、深い悲しみの歌を歌うのでした。

 次々と展開する物語に合わせた彼らの表情も印象的でした。筥王(膝丸)は幼いため、父の死を受け入れることができない様子は、こちらも辛くなるほどの悲壮感に包まれていました。そしてその泣き虫の筥王(膝丸)をなぐさめる兄の一万(髭切)。彼自信も泣きたい気持ちなのに、それを抑えている様子はとても健気に感じました。2人は父の敵を討つため、強い意志をもち、剣術に明け暮れます。兄は弟に手本を見せ、弟はその兄の背中を見て、ただひたむきに稽古を続けていきます。しかし、母は2人を失いたくない思いで、仇討ちを阻止しようと動きます。そして幼い筥王(膝丸)を、箱根権現へ出家させ、2人を離れ離れにするのでした。泣きながら兄の名を呼ぶ筥王(膝丸)と、力不足で何もできない一万(髭切)のやるせない気持ちが交差し、辛い場面となりました。

仇討ちを心に秘めながら成長する兄弟

 年月は経ち、兄弟はすくすくと成長します。一万(髭切)は元服し、曽我十郎祐成と名乗りより鍛錬に励むようになりました。一方筥王(膝丸)は、箱根山に入山し、法師になり、亡き父の冥福を祈るため箱根の別当のもとで修行をつんでいました。……しかし、実際は人目を盗んでこっそり鍛錬をつんでいる様子。筥王(膝丸)のそんなかわいらしい様子には、自然と頬がゆるみます。そうして兄弟は離れ離れになっていても、敵討ちの意思は強く持ち続けているのでした。互いを思いながら歌われた歌はのびやかに美しく、会場に響いていました。

再会する兄弟と母との別れ

 時は流れ、2人が青年に成長したころ、ついに再会を果たします。曽我五郎時致と名を変えた筥王(膝丸)は、兄が認めるほど強くなっていました。兄の刀と弟の錫杖を交える殺陣はどことなく嬉しそうで、特に五郎(膝丸)は幼子のころのようにはしゃいでいる様子も見られほほえましくなります。
 そして2人は、育ててくれた感謝と別れを告げるため、箱根権現の別当のもとを訪れます。そこで五郎(膝丸)は太刀を授かるのでした。
 その後2人は、今生の暇乞いをするためは母のもとへ向かいます。しかし、2人の必死の懇願もむなしく、母には受け入れてもらえません。ここで扇を広げながら、母へ向けた巣立ちと別れの舞を踊ります。悲しげながらも美しい2人の姿に会場は引き付けられます。そして母はついに2人の願いを受け入れ、涙ながらに送り出すのでした。親子が別れを告げる場面には、その迫真の演技に堪えるものがありました。

悲願の仇討ち


 ついに父の敵である工藤祐経のもとへ向かう2人。見事な太刀さばきで敵を掃討します。力強い声で名を名乗る姿はもう立派な武士です。すると、父の時と同じように矢を向けられた五郎(膝丸)。それを十郎(髭切)がかばい、矢を受けてしまいます。
 五郎(膝丸)は兄を置いていく苦しい思いを抱えながら、1人で敵のもとへ。そして工藤祐経を追い詰めるも、自身も深い傷を負ってしまいます。とどめをさされそうになったそのとき、追いついた十郎(髭切)が彼を救うのでした。
 安堵の空気もつかの間、十郎(髭切)は工藤祐経の刀に貫かれてしまいます。しかし、刺された刀を自らさらに深く突き刺し、相手の動きを封じる荒業に出る十郎(髭切)。そして、兄の思いを受け取った五郎(膝丸)によって、とうとう敵を討つことに成功するのでした。この息をのむ展開に、会場も目が離せませんでした。
 仇討ちを果たした兄弟ですが、互いに致命傷を負っており息も絶え絶え。それでも喜びに満ちた顔を見せるのでした。2つの命の灯が消えようとしている中、弱弱しくも美しい歌声が悲しみを誘います。先に兄の十郎(髭切)が旅立ち、その後、五郎(膝丸)も空を飛ぶ雁の家族を見つめながら、息を引き取るのでした。
 最後にあるのは、2人の亡骸を前に、ただ生きていてほしかったと袂を濡らす母の姿だけなのでした。

 幼少期から青年期までを演じきった髭切、膝丸の2振りはもちろんのこと、母、瞽女、箱根権現の別当の三役を一人で演じきった加納幸和さんの演技は素晴らしかったです。
 切なく儚い物語を見事再現した舞台に盛大な拍手が贈られていました。

髭切、膝丸の真骨頂を見せる!



 2部はライブパートです。
 髭切、膝丸の2振りは、左右で黒と白の対になるような衣裳で登場! 髭切はバレエ、膝丸はアクロバットなダンスで会場を一気に引き付けます。2曲目はポップなナンバーで笑顔も見られ、ダンサーたちと一緒に肩を並べて歌う場面も! 1部での迫真の演技や殺陣の連続をこなしてきた疲れを感じさせないキレがあるダンスも必見でした。
 ここでやっと髭切、膝丸としてのMCが。「兄上~!」と筥王の演技をやってみせる膝丸……に素っ気ない対応の髭切。さらにそれに動じない膝丸のめげなさは相変わらずの様子(笑)。そして、お約束の膝丸の名前も思い出せずにいる兄者でした。次は軍服のような衣裳に変わり、髭切、膝丸おなじみの「Just Time」を歌い上げます。会場も盛り上がり、2振りも楽しそうでした。髭切が膝丸の頭をポンポンと撫でる可愛らしい一面も!
 客席に降りる楽しいナンバーの後は、しっとりとした楽曲「Kizuna」を歌い上げます。2振りの優しい歌い方が印象的でした。
 そして『刀ミュ』ではおなじみ「獣」はいつもよりもメンバーが少ない2振りで歌われましたが、迫力は十分! 力強い歌声で会場を盛り上げます。光で演出するポイの柄は、髭切・膝丸の名や傘の柄、紋など、次々と変わり、会場を楽しませます。
 その後、花吹雪の中、母や瞽女などを演じた加納幸和さんが美しい舞を披露します。その舞を見届け、戦闘服に着替えた髭切と膝丸は、太刀を携え、「双つの軌跡」を歌います。
そして、最後の曲は「刀剣乱舞」。殺陣で魅せながらも安定感のある歌声はさすがとしか言いようがありませんでした!

ご挨拶

 1部、2部と駆け抜けた出演者たちに惜しみない拍手が贈られました。とくに、髭切役の三浦さんと膝丸役の高野さんが母を演じた加納さんの手をとりながら登場し、挨拶する姿はとてもあたたかい気持ちになりました。
 

 本日公演は無事千秋楽を迎えることとなりましたが、『刀ミュ』史上いつまでも心に残るような、美しく力強い演目となったことでしょう。次回作も楽しみです!

公演概要

■タイトル:ミュージカル『刀剣乱舞』 髭切膝丸 双騎出陣 2019 ~SOGA~
■公演期間・劇場:2019年7月4日~7月14日 品川プリンスホテル StellarBall(ステラボール)
■原案:「刀剣乱舞‐ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitoroplus)
■演出:茅野イサム
■脚本:御笠ノ忠次
■振付・ステージング:本山新之助 DAZZLE
■出演:髭切役 三浦宏規
    膝丸役 高野 洸

    丸川敬之(花組芝居) 西岡寛修 村上雅貴
    笹原英作 河野健太 前原雅樹 竹内秀明

    加納幸和(花組芝居)
■主催:ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
(ネルケプランニング ニトロプラス DMM GAMES ユークリッド・エージェンシー)
■公演に関するお問い合わせ:ネルケプランニング 03-3715-5624(平日11:00~18:00)

撮影:宮内勝
(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

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