お前の銀(イン)はお前が決めるがいい(リーシャ)【軌跡シリーズ名言集】

Zenon
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 日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

 本記事で紹介するのは、『零の軌跡』『碧の軌跡』の登場キャラクターの1人、リーシャ・マオにまつわるセリフ。劇団《アルカンシェル》のアーティストと伝説の凶手《銀(イン)》という、光と影の二面性を持つ彼女の存在は、いかにして生まれたのか。その名言とともに振り返っていきましょう。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

お前の銀(イン)はお前が決めるがいい(リーシャ・マオ)

●終章 それでも僕らは。(英雄伝説 碧の軌跡:改)

 今回の名言は、ディーター大統領が発した「クロスベル独立国宣言」を無効化して、クロスベル解放作戦に挑む前夜に発生する絆イベントからの紹介です。

 結社《身喰らう蛇》の試練に大変な思いをしながら打ち勝って、いよいよディーターの野望を食い止めるためにクロスベルへ乗り込もうという大一番のタイミングとなります。

 七耀教会の誇る専用飛行艇《メルカバ》で英気を養うロイドたち。そこで彼は、仲間の1人であるリーシャ・マオから「作戦前にちょっとおしゃべりしたい」と誘いを受けました。

  • ▲最近は気を張り過ぎていたから、少しおしゃべりしたいとのこと。口調は軽いですが、この特別な夜になにを話すつもりでしょうか。

 なお、じつはその直前に《特務支援課》の同僚であるエリィとティオ、そしてノエルからも「ふたりで話したい」「相談に乗ってほしい」「お願いしたいことがある」などと誘われていましたが、そこはさすがのロイド、二つ返事でリーシャに「俺なんかでよければ」と答えます。

  • ▲エリィに「ゴメン、やっぱり行けなくなった」と謝りに行くロイド。のちの某教官も似たようなことをすることになりますが、それはまた別のおはなし。

  • ▲約束したリーシャとの「おしゃべり」に向かうと、そこには満月を見上げる彼女の姿が。これにはロイドも思わず口説き文句を発さずにはいられません。うーん、じつにロイドですね。

 そしてリーシャはロイドに、クロスベルに来る前の自分のこと、つまり伝説の凶手《銀》として育てられた過去について語り出します。

  • ▲母は物心つく前に遠ざけられ、《銀》となるべく過酷な鍛錬に暗器や符術の修練に明け暮れていた幼少時代。しかしそれは彼女にとって「当たり前」なことで、特別不満を抱くことはなかったとのこと。
  • ▲先代の《銀》である父が不治の病に倒れた際、すでにリーシャは代々の《銀》の記憶と技術を継承し、いつでも《銀》になれる準備はできていました。そして父から「自分を殺して《銀》を継げ」と言われるのですが、心優しい彼女はどうしてもその命令に従えず、父を殺せません。

 そこでリーシャは初めて恐怖を覚えたといいます。それは《銀》になることや父を失うことへの恐怖ではなく、父が丹念に仕上げたはずの自分が《銀》として出来損ないだったのではないかと、死にゆく父を最後に失望させたのではないかという恐怖でした。

 そんな風に悩むリーシャを見て、床に伏した父が苦笑しながら放った言葉が、今回の名言となります。

「――それもまたお前だ」

「お前の銀はお前が決めるがいい」

  • ▲その1カ月後に父は亡くなり、リーシャは名実ともに《銀》となりました。状況に流されるようにして、淡々と《銀》としての仕事をこなす日々を過ごしていたといいます。

 それから約2年後、カルバード共和国のシンジケート《黒月》とクロスベルの覇権奪取に協力するための長期契約を結びます。そしてクロスベルへとやってきて、下見のために劇団《アルカンシェル》を訪れたところでイリアにスカウトされてしまったのだとか。

  • ▲公開練習中の《炎の舞姫》イリア・プラティエに目を付けられ、強引に入団させられるリーシャ。シュリといい、イリアの人を見る目が本当にズバ抜けているのがわかるエピソードです。

 予想以上に練習がハードで、《銀》との両立に苦労したと語るリーシャ。アルカンシェルという光を手に入れても、《銀》という父と祖先から受け継いできた道は完全に捨てられないとも話していました。それこそが、彼女がずっと悩んできたことだったんです。光と闇、相反する道だけれど、どちらも捨てられない。そんな葛藤です。

 その葛藤へ、ロイドは鋭く斬りこみます。「《銀》はすべてを受け継ぐというなら、リーシャが光を見出してしまった以上、《銀》もそれを受け入れざるを得ないのではないか」と。

  • ▲どんなものでも、時代が変われば在り方も変わらざるを得ない。だから「父から受け継いだ《銀》」にこだわるのではなく「リーシャの《銀》」を目指すべきだと語ります。

 あるいは、絶対に捨てられないと悩んでいるけれど、ここで《銀》という存在を完全に断ち切るのも1つの道だとロイドは提示。もしその道を選んでも、リーシャの父は「それもまたお前だ」と苦笑して気にしないのではないかといいます。


  • ▲父の言葉の意味がわからず状況に流されてきたリーシャ。ここでその意味が腑に落ちたことで、ようやく彼女は止まっていた時間を進められるようになりました。

 わかりにくいかもしれないけれど、ちゃんと父は娘を愛していた。そのことをロイドがリーシャに告げると、彼女は思わず涙をこぼします。



  • ▲父が亡くなった2年前も、泣くことはなかったと語るリーシャ。それは父を失望させてしまったのではないかという罪悪感や、《銀》であらねばと自分を強く律していたことが、彼女の心を押し固めていたからかもしれません。

  • ▲「光をつかんだリーシャがどう変わっていくのか、お父さんの代わりに見守らせてもらうよ」と、すかさずトドメを刺しに行くロイド。これはズルイ。

  • ▲2年越しの涙を、ロイドに抱きしめられながら流すリーシャ。

 「父から受け継いだ《銀》を変えてはならない」「父を失望させたのではないか」「アルカンシェルは諦めざるを得ない」など、今までさんざん葛藤して「こうあるべき」と我慢してきたものすべてが、「ありのままでいい」のだと言ってもらえて、抑圧から解放された感じなのだと思います。

 《銀》は変わってもよくて、父はちゃんと自分を愛してくれていて、《アルカンシェル》のアーティスト活動も続けていい。そんな、“許し”をロイドを介して父からもらったような、そんな出来事でした。

 その後、リーシャはロイドたちとともに潜伏し、帝国占領下のクロスベルで影ながら活動してきました。それから約2年後、シリーズ最新作『創の軌跡』では、《アルカンシェル》の復帰公演で元気に踊る《月の姫》を見ることができます。

  • ▲『碧の軌跡』や『閃の軌跡Ⅳ』のエピローグで予告されていた“初公演”(画像はPS Vita版『碧の軌跡』)。

  • ▲リアルで作品を追いかけているプレイヤーとしては、PSP版『碧の軌跡』が2011年発売で、PS4版『創の軌跡』が2020年発売と、じつに9年越しの《アルカンシェル》復活(『閃の軌跡Ⅳ』(2018年)で練習公演はしましたが)。いや~、待ちわびましたよ「看板女優3名が戻る」この瞬間を(画像はPS4版『創の軌跡』)!

 はい、というわけでリーシャ・マオにまつわる名言「お前の銀はお前が決めるがいい」をお送りしました。『創の軌跡』では光と闇を受け入れ、さらに(いろいろと)成長し続けるリーシャ・マオを堪能できますので、まだの方はぜひプレイしてみてください!

 シリアスなものからコメディ的なものまで、軌跡シリーズにはほかにも数々の名言が存在します。今後もそれらをピックアップしてお届けしていく予定なので、お楽しみに!

※画面はPS4『英雄伝説 碧の軌跡:改』、PS4『英雄伝説 創の軌跡』、PS Vita『英雄伝説 碧の軌跡Evolution』のものです。

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